Oracleには、遅延トランザクションを管理するためのビューがいくつか用意されています。これらのビューは、トランザクションの接続先、トランザクションを構成する遅延コール、トランザクションの処理中に発生するエラーなど、遅延トランザクションに関する情報を提供します。
この章には、次の項が含まれます。
注意: 表を直接変更しないでください。変更が必要な場合は、DBMS_DEFER およびDBMS_DEFER_SYS パッケージに用意されているプロシージャを使用してください。 |
すべての遅延リモート・プロシージャ・コールが記録されます。
非同期レプリケーションを使用してキューに配置されたコールについては、3つ以上連続するNULLを含む列オブジェクトおよびオブジェクト表にはNULL圧縮が使用されます。そのため、このビューには列オブジェクトの属性やオブジェクト表の列が合計より少なく表示される場合があります。たとえばNULL圧縮のため、8つの属性を持つ列オブジェクトに5つの属性しか表示されない場合があります。
NULL圧縮はエラー・トランザクションには適用されません。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
CALLNO |
NUMBER |
- | トランザクション処理中のコールの一意なID。 |
DEFERRED_TRAN_ID |
VARCHAR2(30) |
- | 対応付けられたトランザクションの一意なID。 |
SCHEMANAME |
VARCHAR2(30) |
- | 遅延コールのスキーマ名。 |
PACKAGENAME |
VARCHAR2(30) |
- | 遅延コールのパッケージ名。レプリケート表では、表名を示す場合があります。 |
PROCNAME |
VARCHAR2(30) |
- | 遅延コールのプロシージャ名。レプリケート表では、操作名を示す場合があります。 |
ARGCOUNT |
NUMBER |
- | 遅延コールの引数の数。 |
各遅延リモート・プロシージャ・コールの接続先がリストされます。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
CALLNO |
NUMBER |
NOT NULL |
トランザクション処理中のコールの一意なID。 |
DEFERRED_TRAN_ID |
VARCHAR2(30) |
NOT NULL |
DEFTRAN ビューのDEFERRED_TRAN_ID 列に対応しています。各遅延トランザクションには、1つ以上の遅延コールが含まれます。 |
DBLINK |
VARCHAR2(128) |
NOT NULL |
接続先データベースの完全修飾名。 |
Advanced Replicationを使用せず、遅延トランザクションの接続先や、トランザクション処理中のコールを指定しない場合、OracleはDEFDEFAULTDEST
ビューを使用して、リモート・プロシージャ・コールを遅らせるための接続先データベースを判別します。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
DBLINK |
VARCHAR2(128) |
NOT NULL |
トランザクションのレプリケート先の、完全修飾されたデータベース名。 |
接続先に対するエラー・トランザクションの情報が含まれます。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
ERRCOUNT |
NUMBER |
- | 接続先でエラー原因となった既存のトランザクションの数。 |
DESTINATION |
VARCHAR2(128) |
- | 接続先を指定するためのデータベース・リンク。 |
適用できなかった各トランザクションのIDが含まれます。このIDを使用して、このトランザクションに対応付けられたキューに入れられたコールを指定できます。これらのコールは、DEFCALL
ビューに格納されています。DBMS_DEFER_QUERY
パッケージのプロシージャを使用して、DEFCALL
ビューにリストされているプロシージャに対する引数を指定できます。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
DEFERRED_TRAN_ID |
VARCHAR2(22) |
NOT NULL |
エラー原因となっているトランザクションのID。 |
ORIGIN_TRAN_DB |
VARCHAR2(128) |
- | 遅延トランザクションを作成したデータベース。 |
ORIGIN_TRAN_ID |
VARCHAR2(22) |
- | トランザクションの元のID。 |
CALLNO |
NUMBER |
- | DEFERRED_TRAN_ID のコールの一意なID。 |
DESTINATION |
VARCHAR2(128) |
- | 接続先を指定するためのデータベース・リンク。 |
START_TIME |
DATE |
- | 元のトランザクションがエンキューされた時刻。 |
ERROR_NUMBER |
NUMBER |
- | Oracleエラー番号。 |
ERROR_MSG |
VARCHAR2(2000) |
- | エラー・メッセージのテキスト。 |
RECEIVER |
VARCHAR2(30) |
- | 遅延トランザクションの元の受信者。 |
遅延リモート・プロシージャ・コール(RPC)へのLOBパラメータが含まれます。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
ID |
RAW(16) |
NOT NULL |
LOBパラメータの識別子。 |
DEFERRED_TRAN_ID |
VARCHAR2(22) |
- | このLOBパラメータを使用した遅延リモート・プロシージャ・コール(RPC)のトランザクションID。 |
BLOB_COL |
BLOB(4000) |
- | LOBパラメータ(バイナリ)。 |
CLOB_COL |
CLOB(4000) |
- | LOBパラメータ(キャラクタ)。 |
NCLOB_COL |
NCLOB(4000) |
- | LOBパラメータ(各国語キャラクタ)。 |
ローカルなプロパゲータの情報が含まれます。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
USERNAME |
VARCHAR2(30) |
NOT NULL |
プロパゲータのユーザー名。 |
USERID |
NUMBER |
NOT NULL |
プロパゲータのユーザーID。 |
STATUS |
VARCHAR2(7) |
- | プロパゲータのステータス。 |
CREATED |
DATE |
NOT NULL |
プロパゲータが登録された時刻。 |
次にスケジュールされているジョブの実行時刻に関する情報、および伝播統計が含まれます。伝播統計は、カレント・サイトからDBLINK
列で指定されたサイトへの遅延トランザクションの伝播に関するものです。
リモート・サイトの伝播統計を消去して最初から始めるには、DBMS_DEFER_SYS
パッケージのCLEAR_PROP_STATISTICS
プロシージャを使用します。
注意: このビューの統計は、データベース・リンクでパラレル伝播を使用した場合のみ移入されます。パラレル伝播を使用するには、DBMS_DEFER_SYS パッケージのSCHEDULE_PUSH プロシージャを実行する際に、parallelism パラメータを1 以上に設定します。 |
関連項目:
|
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
DBLINK |
VARCHAR2(128) |
NOT NULL |
遅延リモート・プロシージャ・コールを定期的に実行するマスター・サイトへの完全修飾パス名。 |
JOB |
NUMBER |
- | DBMS_DEFER_SYS.SCHEDULE_PUSH をコールして作成したジョブに割り当てられる番号。ジョブの実行内容を判別するには、USER_JOBS ビューのWHAT 列に問い合せます。 |
INTERVAL |
VARCHAR2(200) |
- | 次回遅延トランザクション・キューをプッシュする時刻を計算するためのファンクション。 |
NEXT_DATE |
DATE |
- | 次回のジョブ実行日。 |
LAST_DATE |
DATE |
- | 前回キューがプッシュされた日付、または前回この送信先に対してリモート・プロシージャ・コールのプッシュを試みた日付。 |
DISABLED |
CHAR(1) |
- | Y の場合、接続先への伝播は無効です。
|
LAST_TXN_COUNT |
NUMBER |
- | 前回の実行でプッシュしたトランザクションの数。 |
LAST_ERROR_NUMBER |
NUMBER |
- | 前回のプッシュでのOracleエラー番号。 |
LAST_ERROR_MESSAGE |
VARCHAR2(2000) |
- | 前回のプッシュでのエラー・メッセージ。 |
CATCHUP |
RAW(16) |
NOT NULL |
マスター・グループを静止せずに追加される新しいマスター・サイトに対応付けられた拡張識別子。マスター・サイトに拡張識別子がない場合、この値は00 になります。 |
TOTAL_TXN_COUNT |
NUMBER |
- | 正常終了したトランザクションとエラー・トランザクションの合計数。 |
AVG_THROUGHPUT |
NUMBER |
- | パラレル伝播を使用して1秒間に伝播されるトランザクションの平均数。トランザクションには、正常に適用されたトランザクションとリモート・サイトで作成されたエラー・トランザクションの両方が含まれます。伝播コーディネータがアクティブでなかった(スリープ状態だった)間の経過時間も、計算に含まれます。 |
AVG_LATENCY |
NUMBER |
- | トランザクションがリモート・サイトで正常に適用された場合、カレント・サイトでのトランザクションの最初のコールからリモート・サイトでトランザクションが適用されたという確認までの平均秒数。最初のコールはトランザクションがコミットされた時点ではなく、ユーザーが最初にデータ操作言語(DML)に変更を加えた時点から開始されます。
トランザクションがエラー・トランザクションの場合、カレント・サイトでのトランザクションの最初のコールからリモート・サイトでエラー・トランザクションがコミットされたという確認までの平均秒数。 |
TOTAL_BYTES_SENT |
NUMBER |
- | レプリケート・データおよびメタデータを含む、送信されたバイトの合計数。 |
TOTAL_BYTES_RECEIVED |
NUMBER |
- | 伝播の確認メッセージで受信されたバイトの合計数。 |
TOTAL_ROUND_TRIPS |
NUMBER |
- | データをレプリケートする際に完了した、ネットワークのラウンドトリップの合計数。ラウンドトリップとは、連続して受信される1つ以上のメッセージが後に続く、連続して送信される1つ以上のメッセージです。つまり、サイトAがサイトBに20のメッセージを送り、次にサイトBがサイトAに1つのメッセージを送ると、それで1つのラウンドトリップになります。 |
TOTAL_ADMIN_COUNT |
NUMBER |
- | 受信サイトで適用されたトランザクション情報のメンテナンスのため送信された管理要求の合計数。受信サイトは、DBLINK 列で指定されたサイトになります。この特別な管理はパラレル伝播でのみ必要です。 |
TOTAL_ERROR_COUNT |
NUMBER |
- | リモート・エラーが作成された、競合解消不可能な競合の合計数。 |
TOTAL_SLEEP_TIME |
NUMBER |
- | 伝播コーディネータがアクティブでなかった(スリープ状態だった)合計秒数。伝播コーディネータがスリープ状態になる時間の長さは、DBMS_DEFER_SYS.PUSH ファンクションのdelay_seconds パラメータを使用して制御します。 |
DISABLED_INTERNALLY_SET |
VARCHAR2(1) |
- | この値はDISABLED がY の場合のみ使用できます。
|
カレント・サイトで遅延トランザクション・キューにある遅延トランザクションをすべて記録します。
列 | データ型 | NULL | 説明 |
---|---|---|---|
DEFERRED_TRAN_ID |
VARCHAR2(30) |
- | コールをエンキューしたトランザクションID。 |
DELIVERY_ORDER |
NUMBER |
- | キュー内の遅延トランザクションの順序を決定する識別子。識別子は、元のトランザクションのSCNから派生しています。 |
DESTINATION_LIST |
VARCHAR2(1) |
- | R の場合、接続先はALL_REPSITES ビューによって決定されます。
|
START_TIME |
DATE |
- | 元のトランザクションがエンキューされた時刻。 |