注意: このSQL文は、Oracle ASMを使用しており、Oracle ASMインスタンスを起動している場合にのみ有効です。この文の発行は、通常のデータベース・インスタンスからではなく、Oracle ASMインスタンスから行う必要があります。Oracle ASMインスタンスの起動の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
用途
ALTER
DISKGROUP
文を使用すると、ディスク・グループまたはディスク・グループ内のディスクに対して多数の操作を実行できます。
関連項目:
|
前提条件
この文を発行するOracle ASMインスタンスが起動されている必要があります。変更するディスク・グループはマウントされている必要があります。
ALTER
DISKGROUP
の句はすべて、発行するにはSYSASM
システム権限が必要です。個々の句の発行については、次のようになります。
SYSOPER
権限で実行可能なALTER
DISKGROUP
操作は、diskgroup_availability
、rebalance_diskgroup_clause
、check_diskgroup_clause
(REPAIR
オプションの指定なし)です。
SYSDBA
として接続している場合は、この文を使用するための限定的な権限が与えられます。次の操作は常に、SYSDBA
として接続しているユーザーに許可されます。
ALTER
DISKGROUP
... ADD
DIRECTORY
ALTER
DISKGROUP
... ADD
/ALTER
/DROP
TEMPLATE
(システム・テンプレート以外の場合のみ)
ALTER
DISKGROUP
... ADD
USERGROUP
SELECT
SHOW
PARAMETER
表10-1に、SYSDBA
として接続しているユーザーに特定の条件下で付与されるその他の権限を示します。
表10-1 SYSDBAへの条件付きディスク・グループ権限
ALTER DISKGROUP操作 | 条件 |
---|---|
|
ユーザーはファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。 |
|
ユーザーは関連のファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。 |
|
ユーザーは関連のファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。 |
|
ユーザーは関連のファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。 |
|
ディレクトリにファイルが存在せず、別名のみが存在している必要があります。ユーザーはそのディレクトリ内のすべての別名への |
|
ディレクトリにファイルが存在せず、別名のみが存在している必要があります。ユーザーはそのディレクトリ内のすべての別名への |
|
ユーザーはユーザー・グループの所有者である必要があります。 |
|
ユーザーはファイルの所有者である必要があります。 |
|
ユーザーはユーザー・グループの所有者である必要があります。 |
|
ユーザーはユーザー・グループの所有者である必要があります。 |
|
ユーザーはファイルの所有者である必要があります。 |
|
ユーザーはファイルの所有者でユーザー・グループのメンバーである必要があります。 |
構文
alter_diskgroup::=
(add_disk_clause::=、drop_disk_clause::=、resize_disk_clause::=、replace_disk_clause::=、rename_disk_clause::=、disk_online_clause::=、disk_offline_clause::=、rebalance_diskgroup_clause ::=、check_diskgroup_clause::=、diskgroup_template_clauses::=、diskgroup_directory_clauses::=、diskgroup_alias_clauses::=、diskgroup_volume_clauses::=、diskgroup_attributes ::=、modify_diskgroup_file::=、drop_diskgroup_file_clause::=、usergroup_clauses::=、user_clauses::=、file_permissions_clause::=、file_owner_clause::=、scrub_clause::=、undrop_disk_clause::=、diskgroup_availability::=、enable_disable_volume::=を参照)
(size_clause::=を参照)
(size_clause::=を参照)
timeout_clause::=
rebalance_diskgroup_clause ::=
(qualified_template_clause::=を参照)
qualified_template_clause::=
redundancy_clause::=
diskgroup_directory_clauses::=
(add_volume_clause::=、modify_volume_clause::=を参照)
(size_clause::=、redundancy_clause::=、disk_region_clause::=を参照)
size_clause::=
user_clauses::=
scrub_clause::=
セマンティクス
diskgroup_name
変更するディスク・グループの名前を指定します。既存のディスク・グループの名前を特定するには、V$ASM_DISKGROUP
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。
add_disk_clause
この句を使用すると、ディスク・グループに1つ以上のディスクを追加し、新しく追加したディスクの属性を指定できます。この操作を実行すると、Oracle ASMによって、自動的にディスク・グループの均衡が再調整されます。
この句を使用して、ディスクの障害グループを変更することはできません。これを行うには、ディスク・グループからディスクを削除した後で、新しい障害グループの一部として、ディスク・グループにディスクを再度追加します。
ディスク・グループ内の既存のディスク名を特定するには、V$ASM_DISK
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。
QUORUM | REGULAR これらのキーワードのセマンティクスは、CREATE
DISKGROUP
文内のセマンティクスと同じです。これらのキーワードの詳細は、「QUORUM | REGULAR」を参照してください。
既存のディスクまたはディスク・グループで、この修飾子を変更することはできません。したがって、ディスク・グループの作成時に指定されているキーワードと異なるキーワードをこの句内で指定することはできません。
関連項目: これらのキーワードの使用方法の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
FAILGROUP句 この句を使用すると、新しく追加したディスクを障害グループに割り当てることができます。この句を省略して、標準または高冗長性ディスク・グループにディスクを追加すると、Oracle Databaseは、新しく追加されたディスクを自動的に障害グループに追加します。障害グループの暗黙的な名前は、オペレーティング・システムに依存しないディスク名と同じです(「NAME句」を参照)。
外部冗長性ディスク・グループを作成している場合、この句は指定できません。
qualified_disk_clause
この句のセマンティクスは、CREATE
DISKGROUP
文およびALTER
DISKGROUP
文で同じです。この句の詳細は、CREATE DISKGROUPの「qualified_disk_clause
」
を参照してください。
drop_disk_clause
この句を使用すると、ディスク・グループから1つ以上のディスクを削除できます。
DROP DISK DROP
DISK
句を使用すると、ディスク・グループから1つ以上のディスクを削除し、自動的にディスク・グループの均衡を再調整できます。ディスクを削除すると、Oracle ASMによって、ディスクのすべてのデータが再配置され、ディスクをディスク・グループから除外するためにディスク・ヘッダーが消去されます。FORCE
キーワードを指定すると、ディスク・ヘッダーは消去されません。
V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME
列のように、disk_name
を指定します。
削除するディスクがクォーラム・ディスクであるか、またはクォーラム障害グループに属している場合は、ディスクを削除するためにQUORUM
を指定する必要があります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。
DROP DISKS IN FAILGROUP DROP
DISKS
IN
FAILGROUP
句を使用すると、指定した障害グループからすべてのディスクを削除できます。他の動作は、DROP
DISK
句と同じです。
指定した障害グループがクォーラム障害グループである場合は、ディスクを削除するためにQUORUM
キーワードを指定する必要があります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。
FORCE | NOFORCE これらのキーワードを使用すると、ディスクがディスク・グループから除外されたとみなされるタイミングを指定できます。デフォルト設定であるNOFORCE
を使用することをお薦めします。
NOFORCE
を指定すると、Oracle ASMによって、ディスクのすべてのエクステントが他のディスクに再配置された後で、ディスク・グループからそのディスクが除外され、ディスク・グループの均衡が再調整されます。
注意: DROP DISK ... NOFORCE を指定すると、ディスクの再利用やシステムからの削除を行っても問題ない状態になる前に制御がユーザーに戻ります。ディスクの除外操作が完了したことを確認するには、V$ASM_DISK ビューを問い合せて、HEADER_STATUS の値がFORMER であることを確認します。STATE の値がDROPPING の場合は、ディスクの削除や再利用はしないでください。V$ASM_OPERATION ビューを問い合せると、ディスク除外によって実行される均衡再調整に必要な時間の概算がわかります。REBALANCE ... WAIT (「rebalance_diskgroup_clause」を参照)も指定した場合は、この文から制御が戻るのは均衡再調整操作が完了してディスクがクリアされたときとなります。ただし、均衡の再調整が失敗することもあるため、V$ASM_DISK のHEADER_STATUS 列がFORMER になっていることを必ず確認してください。 |
FORCE
を指定すると、ディスクは、ディスク・グループからすぐに除外されます。次に、他のディスク上の冗長コピーからデータが再構築され、そのデータが他のディスクに再配置されて、ディスク・グループの均衡が再調整されます。
FORCE
句は、削除するディスクをOracle ASMで読み取れなくなった場合などに役立ちます。ただし、NOFORCE
による削除より長い時間がかかり、ファイルの一部の保護が低下することがあります。外部冗長性ディスク・グループに対してFORCE
を指定することはできません(そのディスクの冗長データが存在しない場合は、Oracle ASMがそのディスクからデータを読み取ってからでなければそのディスクを除外できないため)。
FORCE
やNOFORCE
を指定したかどうかにかかわらず、ディスクを削除する際の均衡の再調整操作には時間がかかります。進捗を監視するには、V$ASM_OPERATION
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。均衡の再調整操作の詳細は、「rebalance_diskgroup_clause」を参照してください。
resize_disk_clause
この句を使用して、ディスク・グループ内のそれぞれのディスクに新しいサイズを指定できます。この句は、オペレーティング・システムによって戻されるサイズや、以前にディスクに指定したサイズを上書きします。
SIZE 新しいサイズをKB、MB、GBまたはTB単位で指定します。ディスク容量を超えるサイズは指定できません。ディスク容量よりも小さいサイズを指定した場合、Oracle ASMで使用されるディスク容量が制限されます。この句を指定しない場合、Oracle ASMはプログラム的にディスクのサイズを決定します。
この句を使用すると、ディスク・グループ内の1つ以上のディスクを置換できます。この句により、1回の操作でディスクが置換されます。これは各ディスクを削除して追加するより効率的です。
disk_name
には、置換するディスクの名前を指定します。この名前は置換用のディスクに割り当てられます。ディスク名は、V$ASM_DISK
動的パフォーマンス・ビューのNAME
列を問合せれば表示されます。
path_name
には、置換用ディスクのフルパス名を指定します。
FORCE FORCE
を指定すると、Oracle ASMで、ディスク・グループのメンバーである置換用ディスクをディスク・グループに追加できます。
注意: この方法でFORCE を使用すると、既存のディスク・グループが破棄される可能性があります。 |
NOFORCE NOFORCE
を指定すると、Oracle ASMで、置換用ディスクがディスク・グループのメンバーである場合にエラーを戻すことができます。デフォルトはNOFORCE
です。
POWER POWER
句のセマンティクスは、POWER値を0に設定できないことを除き、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「POWER」を参照してください。
WAIT | NOWAIT WAIT
およびNOWAIT
キーワードのセマンティクスは、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「WAIT | NOWAIT」を参照してください。
rename_disk_clause
この句を使用すると、ディスク・グループ内の1つ以上のディスクの名前を変更できます。ディスク・グループはMOUNT
RESTRICTED
状態にあり、このディスク・グループ内のすべてのディスクがオンラインになっている必要があります。
RENAME DISK この句を指定すると、1つ以上のディスクの名前を変更できます。ディスクごとに、old_disk_name
とnew_disk_name
を指定します。new_disk_name
がすでに存在する場合、この操作は失敗します。
RENAME DISKS ALL この句を指定すると、ディスク・グループ内のすべてのディスクの名前を、diskgroupname_####
(####
はディスク番号)という書式の名前に変更できます。すでにdiskgroupname_####
書式になっているディスク名は変更されません。
disk_online_clause
を使用すると、1つ以上のディスクをオンラインにし、ディスク・グループの均衡を再調整できます。V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME
列のように、disk_name
を指定します。ここでの
QUORUM
およびREGULAR
キーワードのセマンティクスは、ディスク・グループへのディスクの追加時と同じセマンティクスとなります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。POWER
句のセマンティクスは、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「POWER」を参照してください。WAIT
およびNOWAIT
キーワードのセマンティクスは、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「WAIT | NOWAIT」を参照してください。
disk_offline_clause
を使用すると、1つ以上のディスクをオフラインに切り替えることができます。指定したディスクをオフラインに切り替えることによってディスク・グループの冗長性レベルに違反する場合、この句は失敗します。
V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME
列のように、disk_name
を指定します。
ここでのQUORUM
およびREGULAR
キーワードのセマンティクスは、ディスク・グループへのディスクの追加時と同じセマンティクスとなります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。
デフォルトでは、オフラインに切り替えられるとすぐに、ディスクはOracle ASMによって削除されます。timeout_clause
を指定してこの操作を遅らせることにより、ディスクを修復してオンラインに戻すことができます。分単位または時間単位でタイムアウト値を指定できます。単位を指定しない場合、デフォルトは時間です。
この句を複数回指定することによって、タイムアウトの期間を変更できます。指定するたびに、Oracle ASMによって、ディスク・グループがマウントされている間、直近のdisk_offline_clause
からの時間が測定されます。Oracle ASMによってオフライン・ディスクが削除されるまでの残り時間を知るには、V$ASM_DISK
のrepair_timer
列を問い合せます。
この句によって、disk_repair_time
属性の以前の設定が上書きされます。ディスク・グループの属性の詳細は、表14-2「ディスク・グループの属性」を参照してください。
関連項目: Oracle ASMディスクのオンラインおよびオフラインへの切替えの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
この句を使用すると、ディスク・グループの均衡を手動で再調整できます。Oracle ASMでは、すべてのドライブ間で均等にデータファイルが再分散されます。記憶域構成が変化すると、Oracle ASMによって、ファイルが均等に配置され、ディスク・グループの均衡が自動的に再調整されるため、この句が必要なことはほとんどありません。ただし、POWER
句を使用して均衡の自動再調整操作の速度を制御する場合、この句は便利です。
POWER POWER
句には、0から11までの範囲内の値を指定します(0を指定すると均衡の再調整操作は停止し、11を指定するとOracle ASMによる均衡の再調整は可能なかぎり高速で実行されます)。POWER
句の値のデフォルトは、ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータの値です。
POWER
句を省略すると、Oracle ASMによる均衡の自動および指定の再調整操作は、ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータの値に基づいて実行されます。
注意: Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、COMPATIBLE .ASM ディスク・グループの属性が11.2.0.2以上に設定されている場合、POWER 句に0から1024の値を指定できます。 |
WAIT | NOWAIT この句を使用すると、制御を、均衡の再調整操作のどの段階でユーザーに戻すか指定できます。
WAIT
を指定すると、スクリプトでディスクを追加または削除するときに、ディスク・グループの均衡の再調整が完了してからユーザーに制御が戻ります。WAIT
モードで実行されている再調整操作を明示的に終了させることができますが、操作を終了させても、同じ文の中ですでに完了したディスクの追加や削除の操作が元に戻ることはありません。
NOWAIT
は、文の発行後すぐに制御をユーザーに戻す場合に指定します。これはデフォルトです。
均衡の再調整操作の進捗を監視するには、V$ASM_OPERATION
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。
関連項目: ディスク・グループの均衡の再調整の詳細は、ASM_POWER_LIMIT および『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。また、「ディスク・グループの均衡の再調整例:」も参照してください。 |
check_diskgroup_clause
check_diskgroup_clause
を使用すると、Oracle ASMディスク・グループのメタデータの内部一貫性を検証できます。ディスク・グループは、マウントされている必要があります。Oracle ASMによってサマリー・エラーが表示され、検出されたエラーの詳細がアラート・ログに書き込まれます。
CHECK
キーワードによって、次の処理が実行されます。
ディスクの一貫性をチェックします。
すべてのファイル・エクステント・マップおよび割当て表の一貫性をクロスチェックします。
別名メタデータ・ディレクトリおよびファイル・ディレクトリが正しくリンクされていることをチェックします。
別名ディレクトリ・ツリーが正しくリンクされていることをチェックします。
Oracle ASMメタデータ・ディレクトリに、到達不可能なブロックが割り当てられていないことをチェックします。
REPAIR | NOREPAIR この句を使用すると、一貫性チェックで検出されたエラーを修正するかどうかをOracle ASMに指示できます。デフォルトはNOREPAIR
です。NOREPAIR
設定は、非一貫性が検出された場合には警告を受け取るが、Oracle ASMによる修正処理を自動的に行わない場合に便利です。
非推奨になる予定の句 以前のリリースでは、ALL
、DISK
、DISKS
IN
FAILGROUP
またはFILE
に対してCHECK
を指定できました。これらの句は不要になったため、非推奨になる予定です。指定すると、動作は以前のリリースと同じで、アラート・ログにメッセージが追加されます。ただし、これらの句はサポートされなくなる予定であるため、新しいコードには使用しないことをお薦めします。非推奨になる予定の句は、次のとおりです。
ALL
: ディスク・グループ内のすべてのディスクとファイルをチェックします。
DISK
: ディスク・グループ内の1つ以上の指定したディスクをチェックします。
DISKS
IN
FAILGROUP
: 指定した障害グループ内のすべてのディスクをチェックします。
FILE
: ディスク・グループ内の1つ以上の指定したファイルをチェックします。ファイル名の参照書式のいずれかを使用する必要があります。Oracle ASMのファイル名の参照書式の詳細は、「ASM_filename」を参照してください。
diskgroup_template_clauses
テンプレートは、属性の名前付きコレクションです。ディスク・グループを作成すると、Oracle ASMによって、システムの一連の初期デフォルト・テンプレートがそのディスク・グループに関連付けられます。テンプレートで定義される属性は、そのディスク・グループ内のすべてのファイルに適用されます。表10-2に、システムのデフォルト・テンプレートと、様々な種類のファイルに適用される属性を示します。表の後に説明するdiskgroup_template_clauses
を使用すると、テンプレートの属性を変更して、新しいテンプレートを作成できます。
ディスク・グループ・ファイルを作成した後は、この句を使用して属性を変更することはできません。これを行うには、Recovery Manager(RMAN)を使用して、新しい属性を持つ新しいファイルにそのファイルをコピーする必要があります。
表10-2 Oracle Automatic Storage Managementシステムのファイル・グループのデフォルト・テンプレート
テンプレート名 | ファイル・タイプ | 外部冗長性のディスク・グループでのミラー化レベル | 標準冗長性のディスク・グループでのミラー化レベル | 高冗長性のディスク・グループでのミラー化レベル | ストライプ化 | リージョン |
---|---|---|---|---|---|---|
|
制御ファイル |
非保護 |
3方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
データファイルとコピー |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
オンライン・ログ |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
アーカイブ・ログ |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
一時ファイル |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
データファイルのバックアップ・ピース、データファイルの増分バックアップ・ピース、およびアーカイブ・ログのバックアップ・ピース |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
SPFILE |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
障害回復構成(スタンバイ・データベースで使用) |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
フラッシュバック・ログ |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
ブロック・チェンジ・トラッキング・データ(増分バックアップで使用) |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
データ・ポンプ・ダンプ・セット |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
クロス・プラットフォーム変換データファイル |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
自動バックアップ・ファイル |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
SPFILE |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
|
Oracle Cluster Registryファイル |
非保護 |
双方向ミラー |
3方向ミラー |
|
|
ADD TEMPLATE この句を使用すると、ディスク・グループに1つ以上の名前付きテンプレートを追加できます。既存のテンプレートの名前を特定するには、V$ASM_TEMPLATE
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。
MODIFY TEMPLATE この句を使用すると、システムのデフォルト・ディスク・グループ・テンプレートまたはユーザー定義のディスク・グループ・テンプレートの属性を変更できます。指定した属性のみが変更されます。指定していないプロパティは、現在の値のまま変更されません。
注意: 以前のリリースでは、キーワードALTER TEMPLATE がMODIFY TEMPLATE のかわりに使用されました。ALTER キーワードは、下位互換性のためにまだサポートされていますが、他のOracle SQLとの一貫性のためにMODIFY に置き換えられました。 |
template_name 追加または変更するテンプレートの名前を指定します。テンプレート名には、データベース・スキーマ・オブジェクトと同じネーミング規則および制限が適用されます。データベース・オブジェクト名の詳細は、「データベース・オブジェクトのネーミング規則」を参照してください。
redundancy_clause 新しく追加または変更するテンプレートの冗長性レベルを指定します。
MIRROR
: このテンプレートが適用されるファイルは、データ・ブロックのミラー化によって保護されます。標準冗長性ディスク・グループでは、プライマリ・エクステントごとに1つのミラー・エクステントが存在します(双方向ミラー化)。高冗長性ディスク・グループでは、プライマリ・エクステントごとに2つのミラー・エクステントが存在します(3方向ミラー化)。外部冗長性ディスク・グループのテンプレートには、MIRROR
を指定することはできません。
HIGH
: このテンプレートが適用されるファイルは、データ・ブロックのミラー化によって保護されます。標準冗長性および高冗長性ディスク・グループでは、プライマリ・エクステントごとに2つのミラー・エクステントが存在します(3方向ミラー化)。外部冗長性ディスク・グループのテンプレートには、HIGH
を指定することはできません。
UNPROTECTED
: このテンプレートが適用されるファイルは、自動ストレージ管理によってメディア障害から保護されません。システムのアクションまたはユーザー・コマンドによってディスクがオフラインになると、保護されていないファイルが失われる可能性があります。外部冗長性ディスク・グループには、UNPROTECTED
のみが有効な設定です。高冗長性ディスク・グループのテンプレートには、UNPROTECTED
を指定することはできません。標準または高冗長性ディスク・グループでは、保護されていないファイルを使用しないことをお薦めします。
この句を指定しない場合、デフォルト値は、標準冗長性ディスク・グループではMIRROR
、高冗長性ディスク・グループではHIGH
、外部冗長性ディスク・グループではUNPROTECTED
になります。
striping_clause このテンプレートが適用されるファイルのストライプ化の方法を指定します。
FINE
: このテンプレートが適用されるファイルは、128KB単位でストライプ化されます。このストライプ化モードはOracle ASM spfileでは無効です。
COARSE
: このテンプレートが適用されるファイルは、1MB単位でストライプ化されます。これはデフォルト値です。
disk_region_clause この句を使用すると、ディスク・グループ・ファイルのインテリジェント・データ配置属性を指定できます。Oracle ASMによってファイルに割り当てるディスク内の領域を次のように指定します。
HOT
: エクステントはスピンドルから最も離れたディスク領域に割り当てられます。ディスク上のこれらの外側のトラックは内側のトラックより長いため、より多くのセクターを含み、スループットもより向上します。
COLD
: エクステントはスピンドルに最も近いディスク領域に割り当てられます。
MIRRORHOT
およびMIRRORCOLD
: ファイルのミラー化されたデータ・ブロックに対する領域を指定します。
目的のディスク領域に使用できる領域がない場合は、Oracle ASMによって他の領域のエクステントが割り当てられますが、領域のサイズを調整するために均衡の再調整が開始されます。
関連項目: インテリジェント・ディスク配置の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
DROP TEMPLATE この句を使用すると、ディスク・グループから1つ以上のテンプレートを削除できます。この句で削除できるのはユーザー定義テンプレートのみであり、システム・デフォルト・テンプレートは削除できません。
diskgroup_directory_clauses
Oracle ASMファイル名の別名(「diskgroup_alias_clauses」を参照)を作成する前に、別名が存在する場所の完全なディレクトリ構造を指定する必要があります。diskgroup_directory_clauses
を使用すると、そのようなディレクトリ構造を作成および操作できます。
ADD DIRECTORY この句を使用すると、階層的に名付けられた別名の新しいディレクトリ・パスを作成できます。ディレクトリの各コンポーネントを区切るには、スラッシュ(/)を使用します。各ディレクトリ・コンポーネントの最大長は48バイトであり、スラッシュ文字を含むことはできません。コンポーネントの最初または最後の文字に空白を使用することはできません。ディレクトリ・パス全体の長さは、256バイトから、このディレクトリに作成する別名(「diskgroup_alias_clauses」を参照)の長さを引いた長さを超えることはできません。
DROP DIRECTORY この句を使用すると、階層的に名付けられた別名のディレクトリを削除できます。FORCE
が指定されていないかぎり、Oracle ASMでは、別名の定義を含むディレクトリは削除されません。この句は、システム別名の一部として作成されたディレクトリの削除には無効です。そのようなディレクトリは、V$ASM_ALIAS
動的パフォーマンス・ビューのSYSTEM_CREATED
列の値が
Yとなっています。
RENAME DIRECTORY この句を使用すると、階層的に名付けられた別名のディレクトリ名を変更できます。この句は、システム別名の一部として作成されたディレクトリ名の変更には無効です。そのようなディレクトリは、V$ASM_ALIAS
動的パフォーマンス・ビューのSYSTEM_CREATED
列の値が
Yとなっています。
diskgroup_alias_clauses
Oracle ASMファイルが作成されると(暗黙的かユーザー指定によるかにかかわらず)、Oracle ASMによって、そのファイルには、ドット付きの数値の組で終わる完全修飾名が割り当てられます(「file_specification」を参照)。diskgroup_alias_clauses
を使用すると、Oracle ASMファイル名のわかりやすい別名を作成できます。ドット付きの数値の組で終わる別名は指定できません(このような書式を使用すると、Oracle ASMファイル名と区別できないため)。
この句を指定する前に、まずネーミング規則に従ってディレクトリ構造を作成する必要があります(「diskgroup_directory_clauses」を参照)。別名全体の長さは最大256バイトです(ディレクトリの接頭辞を含む)。別名では大/小文字は区別されませんが、大/小文字の区別は保持されます。
ADD ALIAS この句を使用すると、Oracle ASMファイル名の別名を作成できます。alias_name
には、ディレクトリのフルパスと別名を指定します。既存のOracle ASM別名の名前を特定するには、V$ASM_ALIAS
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。Oracle ASMファイル名の詳細は、「ASM_filename」を参照してください。
DROP ALIAS この句を使用すると、ディスク・グループ・ディレクトリから別名を削除できます。各別名には、ディレクトリのフルパスと別名を指定します。別名が参照する元のファイルは変更されません。
RENAME ALIAS この句を使用すると、既存の別名を変更できます。alias_name
には、ディレクトリのフルパスと別名を指定します。
別名の削除および名前の変更の制限事項: システム生成された別名を削除したり、名前を変更することはできません。別名がシステム生成されたものかどうかを確認するには、V$ASM_ALIAS
動的パフォーマンス・ビューの
SYSTEM_CREATED列を問い合せます。
これらの句を使用して、物理ボリューム・デバイスに対応する論理Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)のボリュームを操作できます。これらの句を使用するには、Oracle ASMが開始されていて、変更するディスク・グループがマウントされている必要があります。
関連項目: 例を含むディスク・グループ・ボリュームの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
add_volume_clause この句を使用すると、ディスク・グループにボリュームを追加できます。
asm_volume
では、ボリュームの名前を指定します。名前に使用できるのは英数字のみで、先頭の文字は英字にする必要があります。名前の最大長はプラットフォームによって異なります。詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
size_clause
には、Oracle ADVMボリュームのサイズを指定します。Oracle ASMインスタンスによって、ボリュームを作成するために十分な領域が存在するかどうかが確認されます。十分な領域が存在しない場合は、Oracle ASMによりエラーが戻されます。十分な領域が存在する場合は、Oracle ASMインスタンスが実行されディスク・グループがマウントされているすべてのクラスタ内ノードに対し、追加が通知されます。Oracle ASMは、ファイル・システムの作成およびマウントに使用可能なボリューム・デバイスをそれらのノード上に作成して使用できるようにします。
次のオプションの設定も使用できます。
redundancy_clause
で、Oracle ADVMボリュームの冗長性レベルを指定します。標準冗長ディスク・グループでボリュームを作成する場合のみ、この句を指定できます。次のボリューム冗長レベルを指定できます。
MIRROR
: ボリュームの双方向ミラー化。これはデフォルトです。
HIGH
: ボリュームの3方向ミラー化。
UNPROTECTED
: ボリュームのミラー化なし。
高冗長ディスク・グループまたは外部冗長ディスク・グループでボリュームを作成する場合は、redundancy_clause
を指定できません。その場合には、エラーが発生します。高冗長ディスク・グループでは、Oracle Databaseによりボリューム冗長が自動的にHIGH
(3方向ミラー化)に設定されます。外部冗長ディスク・グループでは、Oracle Databaseによりボリューム冗長が自動的にUNPROTECTED
(ミラー化なし)に設定されます。
STRIPE_WIDTH
句では、Oracle ADVMボリュームのストライプ幅を指定します。有効な値は、4KBから1MBまでの範囲の2の累乗です。デフォルト値は128Kです。
STRIPE_COLUMNS
句では、Oracle ADVMボリュームのストライプ・セット1つ当たりのストライプの数を指定します。有効範囲は1から8です。デフォルトは4です。STRIPE_COLUMNS
を1に設定すると、ストライプ化は無効になります。この場合、ストライプ幅はボリュームのエクステント・サイズになります。このボリュームのエクステント・サイズは、ディスク・グループの割当て単位(AU)の64倍です。
disk_region_clause
句では、ディスク・グループ・ボリュームのプライマリとプライマリ以外の両方のミラーのインテリジェント・データ配置属性を指定します。ともにデフォルトはCOLD
です。この句の詳細は、「disk_region_clause」を参照してください。
modify_volume_clause: この句を使用すると、既存のOracle ADVMボリュームの特性を変更できます。次の句を1つ以上指定する必要があります。
disk_region_clause
句では、ディスク・グループ・ボリュームのプライマリとプライマリ以外の両方のミラーのインテリジェント・データ配置属性を指定します。プライマリ・ミラーのデフォルトはCOLD
です。ミラーおよび高冗長性のデフォルトはHOT
です。この句の詳細は、「disk_region_clause」を参照してください。
MOUNTPATH
句では、ボリュームに関連付けられたマウントパスの名前を指定します。mountpath_name
は、最大1024文字まで指定可能です。
USAGE
句では、ボリュームに関連付けられた使用状況の名前を指定します。usage_name
は、最大30文字まで指定可能です。
RESIZE VOLUME句 この句を使用すると、既存のOracle ADVMボリュームのサイズを変更できます。Oracle ASMクラスタ内のすべてのノードに新しいサイズが伝播されます。ボリューム上にOracle Automatic Storage Managementファイル・システム(ACFS)が存在する場合は、ALTER
DISKGROUP
文のかわりにacfsutil
size
コマンドを使用する必要があります。
関連項目: acfsutil sizeコマンドの使用方法の詳細は、 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 を参照してください。 |
DROP VOLUME句: この句を使用すると、既存のOracle ADVMボリュームの記憶域コンテナであるOracle ASMファイルを削除できます。Oracle ASMクラスタ内では、Oracle ASMインスタンスが実行されディスク・グループがオープンしているすべてのノードに対する削除操作が通知され、これにより、ボリューム・デバイスが削除されます。ボリューム・ファイルがオープンしている場合は、この句によりエラーが戻されます。
この句を使用すると、ディスク・グループの属性を指定できます。表14-2「ディスク・グループの属性」に、この句で設定できる属性を示します。この句の動作の詳細は、「CREATE
DISKGROUP
」の「ATTRIBUTE句」を参照してください。
modify_diskgroup_file
この句を使用すると、既存のディスク・グループ・ファイルのインテリジェント・データ配置属性を変更できます。ファイルのインテリジェント・データ配置を変更する場合、この処理はそのファイルの新しいエクステントには適用されますが、均衡の再調整操作を実行するまでは既存のファイルの内容には影響しません。均衡の再調整を手動で開始することで、新しいインテリジェント・データ配置ポリシーを既存のファイルの内容に適用できます。均衡の再調整操作では、最後に指定したポリシーがファイル・エクステントに対して使用されます。
関連項目:
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drop_diskgroup_file_clause
この句を使用すると、ディスク・グループからファイルを削除できます。Oracle ASMによって、削除するファイルに関連付けられたすべての別名も削除されます。ファイル名の参照書式のいずれかを使用する必要があります。ほとんどのOracle ASMファイルはOracle Managed Filesであり、不要になると自動的に削除されるため、手動で削除する必要はありません。Oracle ASMのファイル名の参照書式の詳細は、「ASM_filename」を参照してください。
ディスク・グループ・ファイルが現在のインスタンスまたはOracle ASMクラスタ内のインスタンスの起動に使用されたspfileである場合は、そのディスク・グループ・ファイルを削除できません。
usergroup_clauses
これらの句を使用して、ディスク・グループにユーザー・グループを追加したり、ディスク・グループからユーザー・グループを削除したり、または既存のユーザー・グループにメンバーを追加したり、そこからメンバーを削除することができます。
関連項目: 例を含むユーザー・グループとメンバーの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
ADD USERGROUP この句を使用すると、ディスク・グループにユーザー・グループを追加できます。ユーザー・グループを作成するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。ユーザー・グループ名は、最大30文字まで指定可能です。ユーザー名を指定する場合は、それがOSパスワード・ファイル内に含まれている必要があります。
MODIFY USERGROUP これらの句を使用すると、既存のユーザー・グループにメンバーを追加したり、そこからメンバーを削除できます。これらの句を使用するには、ユーザー・グループのOracle ASM管理者(SYSASM権限を所持)またはOracle ASM作成者(SYSDBA権限を所持)である必要があります。ユーザー名は、OSパスワード・ファイル内の既存のユーザーである必要があります。
DROP USERGROUP この句を使用すると、ディスク・グループから既存のユーザー・グループを削除できます。この句を使用するには、ユーザー・グループのOracle ASM管理者(SYSASM権限を所持)またはOracle ASM作成者(SYSDBA権限を所持)である必要があります。ユーザー・グループを削除すると、有効なユーザー・グループを含まないディスク・グループ・ファイルが残る場合があります。この場合は、「file_permissions_clause」を使用して手動でディスク・グループ・ファイルを更新し、新しい有効なグループを追加できます。
user_clauses
これらの句を使用すると、ディスク・グループにユーザーを追加したり、このグループからユーザーを削除したり、このグループ内のユーザーを置換したりできます。
注意: SQL*Plusでユーザーを管理するときには、そのユーザーは既存のオペレーティング・システム・ユーザーであり、ユーザー名と対応するオペレーティング・システムのユーザーIDを持っている必要があります。ただし、検証できるユーザーは、Oracle ASMインスタンスと同じクラスタ内のユーザーのみです。 |
ADD USER この句を使用すると、Oracle ASMディスク・グループに1人以上のオペレーティング・システム(OS)・ユーザーを追加して、それらのユーザーにディスク・グループに対するアクセス権限を付与できます。指定したユーザーがすでにディスク・グループ内に存在する場合(V$ASM_USER
で表示)は、コマンドによってエラーが記録され、他にもユーザーを指定している場合は、続けて他のユーザーの追加が行われます。データベース・インスタンスを実行しているOSユーザーは、インスタンスがディスク・グループにアクセスする際にディスク・グループに自動的に追加されるため、このコマンドを使用する必要はほとんどありません。ただし、この句は特定のデータベース・インスタンスに関連付けられていないユーザーを追加する場合に有効です。
DROP USER この句を使用すると、ディスク・グループから1人以上のユーザーを削除できます。この句で指定したユーザーがディスク・グループに存在しない場合は、エラーが記録され、他にもユーザーを指定した場合は続けて他のユーザーの削除が行われます。そのユーザーが所有するファイルがある場合は、CASCADE
キーワードを指定する必要があります(指定すると、ユーザーとそのユーザーのすべてのファイルが削除されます)。そのユーザーが所有しているファイルがオープンされている場合は、DROP
USER
CASCADE
は失敗し、エラーが戻されます。
ユーザーが所有するファイルを削除せずにユーザーを削除するには、各ファイルの所有者を他のユーザーに変更し、そのユーザーに対してALTER
DISKGROUP
... DROP
USER
文を発行します。また、ALTER
DISKGROUP
... REPLACE
USER
文を発行して、ディスク・グループに存在していないユーザーで、削除するユーザーを置換することもできます。この操作には、それまで削除したユーザーが所有していたファイルを、新しいユーザーが所有するようになるという副作用があります。
REPLACE USER
この句を使用すると、ディスク・グループ内のold_user
をnew_user
に置換できます。現時点でold_user
が所有しているすべてのファイルは、new_user
が所有するようになり、old_user
はディスク・グループから削除されます。old_user
はディスク・グループに存在している必要があり、new_user
はディスク・グループに存在していてはいけません。
この句を使用して、ディスク・グループ・ファイルの権限の設定を変更できます。権限の3つのクラスは、所有者、ユーザー・グループおよびその他です。この句を使用するには、ファイルの所有者またはOracle ASM管理者である必要があります。
オープン・ファイルの権限設定を変更すると、その時点でファイルに対して実行している操作は、変更前の権限設定を使用して完了することになります。新しい権限設定は、再認証の要求時に反映されます。
この句を使用すると、指定したファイルに対して所有者またはユーザー・グループを設定できます。ファイルの所有者を変更するには、Oracle ASM管理者である必要があります。ファイルのユーザー・グループを変更するには、ファイルの所有者またはOracle ASM管理者である必要があります。さらに、ファイルに関連するユーザー・グループを変更する場合は、指定したユーザー・グループがディスク・グループ内にすでに存在し、ファイルの所有者がそのユーザー・グループのメンバーである必要があります。
オープン・ファイルに対してこの句を使用すると、次の条件が適用されます。
オープン・ファイルの所有者またはユーザー・グループを変更すると、その時点でファイルに対して実行している操作は、変更前の所有者またはユーザー・グループを使用して完了することになります。新しい所有者またはユーザー・グループは、再認証の要求時に反映されます。
オープン・ファイルの所有者を変更すると、そのファイルの新しい所有者は、インスタンスを再起動するまでディスク・グループから削除できなくなります。Oracle ASMクラスタでは、そのファイルの新しい所有者は、クラスタ内のすべてのインスタンスを再起動するまで削除できなくなります。
オープン・ファイルの所有者を変更すると、ファイルの所有権が変更された後でも、そのファイルがオープンしている間は元の所有者を削除できません。
scrub_clause
この句を使用すると、ディスク・グループをスクラブできます。スクラブ操作は、論理データの破損を検査して、標準冗長性および高冗長性のディスク・グループ内で破損を自動的に修復します。
FILE
句を使用すると、ディスク・グループ内の指定したOracle ASMファイルをスクラブできます。ASM_filename
の参照書式のいずれか1つを使用する必要があります。Oracle ASMのファイル名の参照書式の詳細は、「ASM_filename」を参照してください。
DISK
句を使用すると、ディスク・グループ内の指定したディスクをスクラブできます。
FILE
またはDISK
を省略すると、ディスク・グループ内のすべてのファイルとディスクがスクラブされます。
REPAIR | NOREPAIR REPAIR
を指定すると、論理データの破損検査中に検出したエラーの修復を試行するようになります。NOREPAIR
を指定すると、破損についての警告が通知されますが、Oracle ASMは修正処理を実行しません。デフォルトはNOREPAIR
です。
POWER POWER
句を使用すると、スクラブ操作の機能レベルを指定できます。有効な値は、AUTO
、LOW
、HIGH
、およびMAX
です。この句を省略すると、機能レベルのデフォルトはAUTO
になり、POWERはシステムの最適レベルに調整されます。
WAIT | NOWAIT WAIT
を指定すると、スクラブ操作を完了してからユーザーに制御を戻します。NOWAIT
を指定すると、操作をスクラブ・キューに追加し、制御をただちにユーザーに戻します。デフォルトは、NOWAIT
です。
FORCE | NOFORCE FORCE
を指定すると、システムのI/O負荷が高い場合や、スクラブ処理がシステム・レベルで無効にされている場合でも、このコマンドが処理されます。NOFORCE
を指定すると、コマンドは通常通りに処理されます。デフォルトは、NOFORCE
です。
スクラブ操作の進行状況は、V$ASM_ OPERATION
動的パフォーマンス・ビューを問い合せることで監視できます。
関連項目: ディスク・グループのスクラブ処理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』、および「ディスク・グループのスクラブ処理例:」を参照してください。 |
undrop_disk_clause
この句を使用すると、ディスク・グループからのディスクの削除を取り消すことができます。1つ以上のディスク・グループ内のすべてのディスク(diskgroup_name
を指定)、またはすべてのディスク・グループ内のすべてのディスク(ALL
を指定)の保留中の削除を取り消すことができます。
ディスク・グループから完全に削除されたディスクや、完全に削除されたディスク・グループに対しては、この句は無効です。この句を指定すると、実行時間が長い操作が行われます。操作の状態を確認するには、V$ASM_OPERATION
動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。
関連項目: 実行時間が長いOracle ASM操作の詳細は、V$ASM_OPERATION を参照してください。 |
diskgroup_availability
この句を使用すると、Oracle ASMインスタンスと同じノードで実行されているデータベース・インスタンスに対して、1つ以上のディスク・グループを使用可能または使用禁止にできます。この句は、クラスタ内の他のノードのディスク・グループの状態には影響しません。
MOUNT MOUNT
を指定すると、ローカルOracle ASMインスタンスのディスク・グループをマウントできます。ALL
MOUNT
を指定すると、ASM_DISKGROUPS
初期化パラメータで指定されたすべてのディスク・グループがマウントされます。ファイル操作は、ディスク・グループがマウントされている場合のみ可能です。Oracle ASMがクラスタ内またはOracle Restartで管理されたスタンドアロン・サーバー内で実行されている場合、MOUNT
句は対応するリソースを自動的にオンラインにします。
RESTRICTED | NORMAL これらの句を使用すると、ディスク・グループがマウントされる方式を決定できます。
RESTRICTED
モードでは、ディスク・グループは単一インスタンス排他モードでマウントされます。同じクラスタ内の他のOracle ASMインスタンスは、そのディスク・グループをマウントできません。このモードでは、Oracle ASMクライアントはディスク・グループを使用できません。
NORMAL
モードでは、ディスク・グループは共有モードでマウントされるので、他のOracle ASMインスタンスおよびクライアントがディスク・グループにアクセスできます。これはデフォルトです。
FORCE | NOFORCE これらの句を使用すると、ディスク・グループがマウントされる環境を決定できます。
FORCE
モードでは、Oracle ASMは、ディスク・グループに属するすべてのデバイスを検出できない場合でも、そのディスク・グループをマウントしようとします。この設定は、標準冗長性または高冗長性ディスク・グループのディスマウント中に、そのディスクの一部が使用不可になった場合に役立ちます。MOUNT
FORCE
が成功した場合、Oracle ASMは欠落しているディスクをオフラインにします。
Oracle ASMがディスク・グループ内のすべてのディスクを検出した場合、MOUNT
FORCE
は失敗します。そのため、MOUNT
FORCE
設定は、一部のディスクが使用不可の場合にのみ使用します。それ以外の場合は、NOFORCE
を使用します。
標準冗長性および高冗長性ディスク・グループでは、1つの障害グループのディスクが使用不可になる場合があり、MOUNT
FORCE
は正常に実行されます。また、高冗長性ディスク・グループでは、2つの異なる障害グループの2つのディスクが使用不可になる場合があり、MOUNT
FORCE
は正常に実行されます。使用不可のディスクのその他の組合せでは、Oracle ASMはすべてのユーザー・データまたはメタデータの有効なコピーが使用可能なディスク上にあることを保証できないため、操作は失敗します。
NOFORCE
モードでは、Oracle ASMは、すべてのメンバー・ディスクが検出されないかぎり、ディスク・グループをマウントしようとしません。これはデフォルトです。
DISMOUNT DISMOUNT
を指定すると、指定したディスク・グループをディスマウントできます。FORCE
が指定されていないかぎり、ディスク・グループのいずれかのファイルがオープンされていると、Oracle ASMによりエラーが戻されます。ALL
DISMOUNT
を指定すると、現在マウントされているすべてのディスク・グループがディスマウントされます。ファイル操作は、ディスク・グループがマウントされている場合のみ可能です。Oracle ASMがクラスタ内またはOracle Restartで管理されたスタンドアロン・サーバー内で実行されている場合、DISMOUNT
句は対応するリソースを自動的にオフラインにします。
FORCE FORCE
を指定すると、ディスク・グループのいずれかのファイルがオープンされていてもディスク・グループをディスマウントするように、Oracle ASMに指示できます。
enable_disable_volume
この句を使用すると、ディスク・グループ内の1つ以上のボリュームを有効または無効にできます。
有効化したボリュームごとに、Oracle ASMは、ファイル・システムの作成またはマウントに使用可能なボリューム・デバイス・ファイルをローカル・ノード上に作成します。
無効化したボリュームごとに、Oracle ASMは、ローカル・ノード上のデバイス・ファイルを削除します。ボリューム・ファイルがローカル・ノード上でオープンしている場合は、DISABLE
句によりエラーが戻されます。
ALL
キーワードを使用すると、ディスク・グループ内のすべてのボリュームを有効または無効にできます。ALTER
DISKGROUP
ALL
...
を指定する場合は、この句内でALL
キーワードも使用する必要があります。
関連項目: ディスク・グループ・ボリュームの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
例
次の例では、dgroup_01
というディスク・グループが必要です。ASM_DISKSTRING
が/devices/disks/*
に設定されていることが前提となります。またOracleユーザーが/devices/disks/d100
への読取り/書込み権限を持っていると想定しています。dgroup_01の作成方法については、「ディスク・グループの作成例:」
を参照してください。
ディスク・グループへのディスクの追加例: 次の文は、ディスクd100
をディスク・グループdgroup_01
に追加します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 ADD DISK '/devices/disks/d100';
ディスク・グループからのディスクの削除例: 次の文は、ディスクdgroup_01_0000
をディスク・グループdgroup_01
から削除します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 DROP DISK dgroup_01_0000;
ディスク・グループからのディスクの削除の取消し例: 次の文は、ディスク・グループdgroup_01
からのディスクの削除を取り消します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 UNDROP DISKS;
ディスク・グループのサイズの変更例: 次の文は、ディスク・グループdgroup_01
のすべてのディスクのサイズを変更します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 RESIZE ALL SIZE 36G;
ディスク・グループの均衡の再調整例: 次の文は、ディスク・グループdgroup_01
の均衡を手動で再調整し、Oracle ASMによる均衡の再調整を最高速度で実行します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 REBALANCE POWER 11 WAIT;
WAIT
キーワードを指定すると、データベースでは、ディスク・グループの均衡が再調整されるのを待機してからユーザーに制御を戻します。
ディスク・グループのメタデータの内部一貫性の検証例: 次の文は、Oracle ASMディスク・グループのメタデータの内部一貫性を検証し、検出されたエラーの修正をOracle ASMに指示します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 CHECK ALL REPAIR;
ディスク・グループへの名前付きテンプレートの追加例: 次の文は、名前付きテンプレートtemplate_01
をディスク・グループdgroup_01
に追加します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 ADD TEMPLATE template_01 ATTRIBUTES (UNPROTECTED COARSE);
ディスク・グループ・テンプレートの属性の変更例: 次の文は、システムのデフォルト・ディスク・グループ・テンプレートまたはユーザー定義のディスク・グループ・テンプレートtemplate_01
の属性を変更します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 MODIFY TEMPLATE template_01 ATTRIBUTES (FINE);
ディスク・グループからのユーザー定義テンプレートの削除例: 次の文は、ユーザー定義テンプレートtemplate_01
をディスク・グループdgroup_01
から削除します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 DROP TEMPLATE template_01;
階層的に名付けられた別名のディレクトリ・パスの作成例: 次の文は、別名が存在する場所のディレクトリ構造を指定します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 ADD DIRECTORY '+dgroup_01/alias_dir';
Oracle ASMファイル名の別名の作成例: 次の文は、Oracle ASMの数値のファイル名を指定してユーザー別名を作成します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 ADD ALIAS '+dgroup_01/alias_dir/datafile.dbf' FOR '+dgroup_01.261.1';
ディスク・グループのスクラブ処理例:
ディスク・グループdgroup_01
をスクラブするには、次の文を発行します。この文では、論理データの破損検査中に検出したエラーの修復を試行して、スクラブ操作が完了してからユーザーに制御を返します。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 SCRUB REPAIR WAIT;
ディスク・グループのディスマウント例: 次の文は、ディスク・グループdgroup_01
をディスマウントします。この文は、アクティブなファイルが1つ以上ある場合でも、ディスク・グループをディスマウントします。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 DISMOUNT FORCE;
ディスク・グループのマウント例: 次の文は、ディスク・グループdgroup_01
をマウントします。
ALTER DISKGROUP dgroup_01 MOUNT;