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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Oracle Solaris
B71321-07
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2 Oracle Database Clientのインストール前の作業

このマニュアルには、Oracle Database Client 12cをインストールするために必要な情報が含まれています。Oracle Database Clientをインストールするプラットフォームに関連した情報を必ず確認してください。

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。作業の内容は次のとおりです。

2.1 システムへrootとしてログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとしていくつかのタスクを完了しておく必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のいずれかを実行します。


注意:

サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、Xターミナル、またはXサーバーがインストールされているPCやその他システムからソフトウェアをインストールする必要があります。

  • X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。

    1. Xターミナル(xterm)など、ローカル・ターミナル・セッションを開始します。

    2. ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、次のコマンドを入力して、リモート・ホストでのローカルのXサーバーのXアプリケーションの表示を可能にします。

      $ xhost fully_qualified_remote_host_name
      

      次に例を示します。

      $ xhost somehost.us.example.com
      
    3. ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、sshrlogin、またはtelnetコマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。

      $ telnet fully_qualified_remote_host_name
      
    4. rootユーザーとしてログインしていない場合は、次のコマンドを入力し、ユーザーをrootに切り替えます。

      $ sudo sh
      password:
      #
      
  • Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCやその他システムからソフトウェアをインストールする場合の手順は、次のとおりです。


    注意:

    この手順の詳細は、ご使用のXサーバーのマニュアルを参照してください。使用しているXサーバーのソフトウェアによっては、別の順序でタスクを実行する必要がある場合があります。

    1. Xサーバー・ソフトウェアを開始します。

    2. Xサーバー・ソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成します。

    3. ソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステム上でXターミナル(xterm)などのターミナル・セッションを開始します。

    4. rootユーザーとしてリモート・システムにログインしていない場合は、次のコマンドを入力し、ユーザーをrootに切り替えます。

      $ sudo sh
      password:
      #
      

2.2 Oracle Database用のサーバーの構成

この項では、Oracle Databaseをインストールする前に完了しておく必要のある、オペレーティング・システムの次の作業について説明します。

2.2.1 サーバーのハードウェアとメモリー構成の確認

現在のシステム情報を確認するには、次のコマンドを実行します。

  1. 次のコマンドを入力してシステム・アクティビティ・レポートを取得し、使用可能なRAMおよびスワップ領域を確認します。

    # sar -r n i
    

    次に例を示します。

    # sar -r 2 10
    

    nは次の反復の遅延秒数、iはテストする反復回数です

    システムにインストールされている物理RAMのサイズが必要なサイズより少ない場合、インストールを続行する前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swap -l
    

    追加のスワップ領域の構成方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。


    注意:

    サーバーのスワップ領域割当ての詳細は、Oracle Solarisドキュメントを参照してください。Oracle Solarisドキュメントのガイドラインは、このマニュアルに示すスワップ領域要件より優先されます。

  3. /tmpディレクトリ内の使用可能な領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    

    df -kコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、dfコマンドを-hフラグとともに使用して(df -h)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。

  4. 次のいずれかのコマンドを入力して、システムの空きディスク領域のサイズを確認します。

    # df -k
    # df -h
    
  5. RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/prtconf | grep "Memory size"
    
  6. 次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでOracleソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。

    # /bin/isainfo -kv
    

    このコマンドの出力結果には、プロセッサ・タイプが表示されます。このコマンドからの想定される出力は次のとおりです。

    Oracle Solaris on SPARC(64-Bit):

    64-bit sparcv9 kernel modules
    

    Oracle Solaris on x86-64(64-Bit):

    64-bit amd64 kernel modules
    

    想定した出力が表示されない場合、このシステムにそのソフトウェアはインストールできません。次の手順に進む前に、ご使用のシステム・アーキテクチャに適したソフトウェアを入手してください

2.2.2 一般的なサーバーの最低要件

ご使用のシステムが、次に示す一般的な最低要件を満たしていることを確認してください。

  • システムが必ず実行レベル3で起動されるようにします。

  • システム・コンソールベースのインストールの実行中に、Oracle Universal Installerが正しく表示されるよう、ディスプレイ・カードの表示解像度が少なくとも1024 x 768であることを確認してください。

2.2.3 サーバー記憶域の最低要件

ご使用のOracle Solarisシステムが、次の記憶域要件を満たしていることを確認してください。

  • Oracle Solarisシステムが、次の表に説明されている、ソフトウェア・ファイルのディスク領域要件を満たしていることを確認してください。

    表2-1 Oracle Solaris on SPARC (64-Bit)におけるソフトウェア・ファイルのディスク領域要件

    インストール・タイプ ディスク領域

    Instant Client

    255MB

    管理者

    1.9GB

    ランタイム

    1.5GB

    カスタム(最大)

    1.9GB


    表2-2 Oracle Solaris on x86-64 (64-Bit)におけるソフトウェア・ファイルのディスク領域要件

    インストール・タイプ ディスク領域

    Instant Client

    264MB

    管理者

    1.8GB

    ランタイム

    1.4GB

    カスタム(最大)

    1.9GB


  • /tmpディレクトリに180MBの領域。

    /tmpディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。


      関連項目:

      TMPおよびTMPDIRの設定の詳細は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。

2.2.4 サーバー・メモリーの最低要件

ご使用のOracle Solarisシステムが、次のメモリー要件を満たしていることを確認してください。

256MB以上のRAM。

表2-3は、インストールされているRAMと構成済スワップ領域の推奨サイズの関係を示したものです。

表2-3 Oracle Solarisのスワップ領域要件

RAM スワップ領域

256MB

RAMのサイズの3倍

256から512MB

RAMのサイズの2倍

512MBから2GB

RAMのサイズの1.5倍

2から16GB

RAMのサイズと同じ

16GB超

16GB


2.3 オペレーティング・システムの一般的なセキュリティの措置の確認

セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。

2.4 オペレーティング・システム要件について

インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・カーネルとパッケージがインストールされていることを確認してください。

このマニュアルに記載されているのは、タイトル・ページに記載されている日付での最新の要件です。カーネル要件の最新情報については、次のURLのOracle Technology Networkでオンライン版を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html

Oracle Universal Installerによって、システムが示されたオペレーティング・システム・パッケージの要件を満たしていることを確認するチェックが実行されます。これらのチェックが正常に終了するように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。

2.5 Oracle Solaris on SPARC (64-Bit)のオペレーティング・システム要件

この項に記載されているOracle Solarisのカーネルとパッケージは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのSPARC 64ビットシステムでサポートされています。

2.5.1 SPARC (64-Bit)でサポートされているOracle Solaris 11リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 11リリースをチェックしてください。

表2-4 SPARC 64ビットでサポートされているOracle Solaris 11オペレーティング・システムの要件

項目 要件

SSHの要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 11オペレーティング・システム

Oracle Solaris 11.1 SRU 14.5 (Branch: 0.175.1.14.0.5.0)以上のSRUおよびアップデート

Oracle Solaris 11のパッケージ

次のパッケージがインストールされている必要があります。

  • pkg://solaris/system/dtrace

  • pkg://solaris/developer/assembler

  • pkg://solaris/developer/build/make

  • pkg://solaris/system/xopen/xcu4 (Oracle Solaris 11の標準インストールの一部としてインストールされていない場合)

  • pkg://solaris/x11/diagnostic/x11-info-clients

  • pkg://solaris/compress/unzip


2.5.2 SPARC (64-Bit)でサポートされているOracle Solaris 10リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 10リリースをチェックしてください。

表2-5 SPARC 64ビットでサポートされているOracle Solaris 10オペレーティング・システムの要件

項目 要件

SSHの要件

サーバーにOpenSSHがインストールされていることを確認します。OpenSSHは必須のSSHソフトウェアです。

Oracle Solaris 10オペレーティング・システム

Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10s_u11wos_24a)以降のアップデート

Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ

次のパッケージおよびパッチ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWcsl
SUNWdtrc
SUNWeu8os
SUNWhea
SUNWi1cs (ISO8859-1)
SUNWi15cs (ISO8859-15)
SUNWi1of
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWxwfnt
147440-25

注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html

2.6 Oracle Solaris on x86-64 (64-Bit)のオペレーティング・システム要件

記載されているOracle Solarisのカーネルとパッケージは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのx86-64 (64-bit)システムでサポートされています。

2.6.1 x86-64 (64-Bit)向けにサポートされるOracle Solaris 11リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 11リリースをチェックしてください。

表2-6 x86-64 (64-Bit)のサポートされるOracle Solaris 11オペレーティング・システム要件

項目 要件

SSHの要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 11オペレーティング・システム

Oracle Solaris 11.1 SRU 14.5 (Branch: 0.175.1.14.0.5.0)以上のSRUおよびアップデート

Oracle Solaris 11のパッケージ

次のパッケージがインストールされている必要があります。

  • pkg://solaris/system/dtrace

  • pkg://solaris/developer/assembler

  • pkg://solaris/developer/build/make

  • pkg://solaris/system/xopen/xcu4 (Oracle Solaris 11の標準インストールの一部としてインストールされていない場合)

  • pkg://solaris/x11/diagnostic/x11-info-clients

  • pkg://solaris/compress/unzip


2.6.2 x86-64 (64-Bit)向けにサポートされるOracle Solaris 10リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 10リリースをチェックしてください。

表2-7 x86-64 (64-Bit)のサポートされるOracle Solaris 10オペレーティング・システム要件

項目 要件

SSHの要件

サーバーにOpenSSHがインストールされていることを確認します。OpenSSHは必須のSSHソフトウェアです。

Oracle Solaris 10オペレーティング・システム

Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10x_u11wos_24a)以降のアップデート

Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ

次のパッケージおよびパッチ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWcsl
SUNWdtrc
SUNWeu8os
SUNWhea
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWi1of
SUNWi1cs (ISO8859-1)
SUNWi15cs (ISO8859-15)
SUNWxwfnt
147441-25

注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html

2.7 Oracle Solarisの追加のドライバおよびソフトウェア・パッケージ

追加のドライバやパッケージをインストールする必要はありませんが、次のリストのドライバおよびパッケージをインストールまたは構成することが可能です。

2.7.1 Open Database Connectivityのインストール要件

Open Database Connectivity (ODBC)をインストールする場合は、次の項を確認してください。

2.7.1.1 ODBCドライバおよびOracle Databaseについて

Open Database Connectivity (ODBC)は、データベースにアクセスするためのAPIのセットで、データベースに接続してデータベース上でSQL文を実行します。ODBCドライバを使用するアプリケーションは、スプレッドシートやカンマ区切りファイルなど、不均一なデータ・ソースにアクセスできます。

2.7.1.2 Oracle Solaris向けのODBCドライバのインストール

Oracle SolarisでODBCを使用するには、次のパッケージが必要です。

unixODBC-2.3.1 or later

ODBCドライバを次のWebサイトからダウンロードし、インストールします。

http://www.unixodbc.org/

2.7.2 Oracle Solaris用のプログラミング環境のインストール要件

プログラミング環境をインストールする場合は、次の項を確認してください。

2.7.2.1 プログラミング環境およびOracle Databaseについて

Oracle Databaseでは、様々な環境でのアプリケーション開発用に複数のプログラミング言語がサポートされています。一部の言語では、使用しているオペレーティング・システムの追加のコンパイラ・パッケージをインストールする必要があります。

プログラミング環境はオプションです。Oracle Databaseに必須ではありません。


関連項目:

プログラミング環境の概要は、『Oracle Database開発ガイド』を参照してください

2.7.2.2 プログラミング環境のサポートの構成

システムが、構成するプログラミング環境の要件を満たしていることを確認してください。

表2-8 Oracle Solaris用のプログラミング環境の要件

プログラミング環境 サポート要件

Java Database Connectivity

JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Java Database Connectivityを含みます。

Solaris 11でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kitリリース1.7.0)

Solaris 10でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kitリリース1.7.0)

このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。

Oracle Call Interface(OCI)

JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Call Interfaceドライバを含みます。このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。


Oracle C++
Oracle C++ Call Interface
Pro*C/C++
Oracle XML Developer's Kit (XDK)

Oracle Solaris Studio 12 (以前のSun Studio)

デプロイするアプリケーションに応じて、追加のパッチが必要な場合があります。

Oracle Solaris Studioを次のURLからダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solarisstudio/overview/index.html

Pro*COBOL

Micro Focus Server Express 5.1

Pro*FORTRAN

Oracle Solaris Studio 12(Fortran 95)


2.7.3 Webブラウザのインストール要件

Webブラウザは、Oracle Enterprise Manager Database ExpressとOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用する場合のみ必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。

これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでEnterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。

https://support.oracle.com

関連項目:

Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスする手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

2.8 ソフトウェア要件の確認

システムがこれらの要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているOracle Solarisのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    5.11
    

    この例で示されているバージョンは、Oracle Solaris 11(5.11)です。

  2. リリース・レベルを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/release
    Oracle Solaris 11.1 SPARC
    
  3. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを調べるために、次のコマンドを入力します。

    Oracle Solaris 10の場合

    pkginfo -i pkg_name
    

    Oracle Solaris 11の場合

    pkg list pkg_name
    

    ここで、pkg_nameはチェックする対象のパッケージの名前です。

    たとえば、必要なOracle Solaris 10パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibC SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot \
     SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt SUNWcsl SUNWdtrc
    

    システム・アーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、インストールします。パッケージのインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。


注意:

表示されたパッケージのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。

2.9 Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム・パッケージの確認

次のコマンドを使用して必要なパッケージがあるかどうかをチェックします。

# /usr/bin/pkg verify [-Hqv] [pkg_pattern ...]

-Hオプションは検証出力からヘッダーを省略します。

-qオプションは、致命的なエラーが見つかった場合にエラーのみを返し、それ以外は出力しません。

-vオプションではパッケージに関する情報メッセージが含まれます。

システムのアーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、My Oracle Supportからダウンロードしてインストールします。

https://support.oracle.com

関連項目:


2.10 Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム・パッチの確認


注意:

表示されたパッチのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。

必要なオペレーティング・システム・パッチがあることを確認します。システムがこれらの要件を満たしていることを確認するために、次の手順を使用します。

  1. オペレーティング・システム・パッチがインストールされているかどうかと、それが適切なバージョンなのかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number
    

    たとえば、いずれかのバージョンの119963パッチがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep 119963
    

    オペレーティング・システム・パッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

    https://support.oracle.com
    

2.11 Instant Client Lightのインストール要件

Instant Client Lightを使用する場合は、前の項で説明した要件の他に、アプリケーションで次の言語とキャラクタ・セットを使用する必要があります。

  • 言語: Oracleでサポートされる言語

  • 地域: Oracleでサポートされる地域

  • キャラクタ・セット:

    • シングルバイト

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8MSWIN1252

      • WE8ISO8859P1

    • Unicode

      • UTF8

      • AL16UTF16

      • AL32UTF8

      Instant Client Lightは、次のデータベース・キャラクタ・セットのいずれかを備えるデータベースに接続できます。

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8MSWIN1252

      • WE8ISO8859P1

      • WE8EBCDIC37C

      • WE8EBCDIC1047

      • UTF8

      • AL32UTF8

言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANG環境変数によって決定されます。

2.12 64ビット・プラットフォーム用の独立した32ビット・クライアント・ソフトウェア

64ビットのOracle Database Clientソフトウェアには、32ビット・クライアント・バイナリは含まれていません。64ビット・プラットフォーム上で32ビット・クライアント・バイナリが必要な場合は、それぞれの32ビット・クライアント・ソフトウェアから32ビット・バイナリを別々のOracleホーム内にインストールします。

64ビットのOracle Database Clientのインストール前の要件は、32ビットのOracle Database Clientにも適用されます。


関連項目:

詳細は、My Oracle Supportノート883702.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=883702.1


2.13 必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムにOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

  • Oracleインベントリ・グループ(通常はoinstall)

    Oracle中央インベントリへの書込みアクセスが可能なグループ(oraInventory)に属している必要があります。

    Oracleソフトウェアのインストール時のインストール・ログとトレース・ファイル。これらのファイルは、今後の参照のために関連するOracleホームにコピーされます。

    Oracleのインストールに関するその他のメタデータ・インベントリ情報は個々のOracleホーム・インベントリ・ディレクトリに格納され、中央インベントリからは分離されます。

    新規インストールでは、Oracle Universal Installerを使用して中央インベントリ・ディレクトリを作成することをお薦めします。デフォルトでは、/u01/appなどOFA構造に準拠してOracleパスを作成すると、中央インベントリはパスu01/app/oraInventoryに作成され、すべてのOracleインストールの所有者は、適切な権限を使用して、このディレクトリに書き込むことができます。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle)

    Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合は、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーはインストール時にインストールされる全ソフトウェアの所有者となります。このユーザーには、プライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループを指定する必要があります。また、セカンダリ・グループは、OSDBAグループおよびOSOPERグループであることが必要です。


    注意:

    • Oracleドキュメントでは、Oracle Databaseインストールを所有するユーザーのことをoracleユーザーと呼びます。

    • Oracle Databaseインストールは、Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)が所有し、Oracleソフトウェア所有者ユーザーのプライマリ・グループはOracleインベントリ・グループ(oinstall)である必要があります。


システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、単一のOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェア・インストールに、同一のOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、インストールごとに異なるOracle所有者ユーザーを作成することは可能です。


注意:

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Services(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。

2.13.1 Oracleインベントリ・グループの作成

既存のOracleインベントリ・グループがない場合は、作成する必要があります。次の項目ごとに、Oracleインベントリ・グループの名前の確認方法(存在する場合)および作成方法(必要な場合)を説明します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの確認

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名(通常はoinstall)およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

oraInst.locファイルには、次のような内容が含まれます。

inventory_loc=central_inventory_location
inst_group=group

前述の例では、central_inventory_locationがOracle中央インベントリの場所、groupが中央インベントリへの書込み権限のあるグループ名を示します。

既存のOracleインベントリがある場合は、すべてのOracleソフトウェアのインストールで同じOracleインベントリを使用し、インストールに使用するすべてのOracleソフトウェア・ユーザーにこのディレクトリへの書込み権限があることを確認してください。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# more /var/opt/oracle/oraInst.loc

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oraInventory
inst_group=oinstall

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のようにOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

2.13.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の状況では、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合(たとえば、システムへOracleソフトウェアを初めてインストールする場合)。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、異なるオペレーティング・システム・ユーザーを使用する場合。

2.13.2.1 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの存在の確認

Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)の有無を判別するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドからの出力は、次のようになります。

uid=54321(oracle) gid=54321(oinstall) groups=54322(dba),54323(oper)

ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、または他のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、そのユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであることを確認してください。詳細は、次の項のいずれかを参照してください。


注意:

必要に応じて、既存のユーザーの使用または変更の前にシステム管理者に連絡してください。

2.13.2.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合や、新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、oracleというユーザー名を使用します(この名前のユーザーが存在しない場合)。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall[ -G dba]oracle
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -gオプションは、プライマリ・グループを指定します。oinstallなど、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    • -Gオプションは、オプションのセカンダリ・グループを指定します。OSDBAグループと、必要な場合にはOSOPERグループを含む必要があります。たとえば、dba, osoperなどです。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd -r files oracle
    

続行するには、「必要なソフトウェア・ディレクトリの識別」を参照してください。

2.13.2.3 Oracle Database Clientソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合は、次のようなコマンドを入力してプライマリ・グループを変更します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba oracle

-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定し、セカンダリ・グループが必要な場合は-Gオプションを使用して指定します。


注意:

Oracleでは、既存のOracle Databaseサーバーまたは他のOracleソフトウェア・インストールの所有者の変更はサポートされていません。OracleではOracle Database Clientソフトウェア所有者の変更のみがサポートされています。

2.14 必要なソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。


注意:

Oracleソフトウェア用に選択したパス(Oracleホーム・パス、Oracleベース・パスなど)では、ASCII文字のみを必ず使用してください。一部のパスにインストール所有者名がデフォルトで使用されるため、このASCII文字制限はユーザー名、ファイル名およびディレクトリ名に適用されます。

2.14.1 Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。UNIXシステムでは、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインによって、次のようなパスをOracleベース・ディレクトリに使用することが推奨されています。

/mount_point/app/software_owner

各項目の意味は次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。

    このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。

  • software_ownerは、oracleなど、Oracleソフトウェアをインストールしているソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。

すべてのOracle製品を含むORACLE_BASEフォルダを指定する必要があります。


注意:

既存のOracleベースがある場合は、既存のものを使用ドロップダウン・ボックスから選択できます。デフォルトでは、ドロップダウン・ボックスには、選択したOracleベースの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Database Clientソフトウェアのインストール」を参照してください。

Oracleベースがない場合は、リスト・ボックスでテキストを編集し、新規作成できます。


複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、すべてのOracleベース・ディレクトリが同じシステムに存在できます。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要な場合のOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のディレクトリを使用するかにかかわらず、ORACLE_BASE環境変数を設定して、そのディレクトリのフルパスを指定する必要があります。

2.14.2 Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracle Universal InstallerはそのOracleインベントリを使用します。

システムに最初のOracleソフトウェアをインストールする場合、Oracle Universal Installerによりu[01-09]/app形式のOFA準拠パスが提供されます(/u01/appなど)。インストールを実行中のユーザーには、そのパスの書込み権限があります。すべてを満たしている場合、Oracle Universal Installerはパス/u[01-09]/app/oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリを作成します。次に例を示します。

/u01/app/oraInventory

インストールの際にoracleユーザーのORACLE_BASEを設定した場合、Oracle Universal Installerにより、パスORACLE_BASE/../oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。たとえば、ORACLE_BASE/u01/app/oracle/に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventoryに作成されます。

OFA準拠パスの作成およびORACLE_BASEの設定を行わなかった場合、Oracleインベントリ・ディレクトリはインストールを実行するユーザーのホーム・ディレクトリに配置されます。次に例を示します。

/home/oracle/oraInventory

Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーが作成する必要はありません。


注意:

  • すべてのOracleソフトウェア・インストールはこのディレクトリに依存します。ディレクトリを必ず定期的にバックアップしてください。

  • システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除した場合を除き、このディレクトリは削除しないでください。

  • デフォルトでは、Oracleインベントリ・ディレクトリはOracleベース・ディレクトリの下にインストールされません。これは、すべてのOracleソフトウェア・インストールが共通のOracleインベントリを共有するためです。その結果、すべてのユーザーに対してOracleインベントリは1つしかありません。一方、各ユーザーには個別のOracleベースがあります。


2.14.3 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスおよびディレクトリを識別する名前を指定するよう求められます。OFAガイドラインに従い、指定するOracleホーム・ディレクトリは、インストールを実行するユーザー・アカウントのOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリであることを強くお薦めします。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。

$ORACLE_BASE/product/12.1.0/client_1

Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。

2.15 Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。


注意:

システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合にも、Oracleベース・ディレクトリを作成するように選択できます。

2.15.1 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリは、OFAガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoraInst.locファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    

    oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oraInventory
    inst_group=oinstall
    

    inventory_locパラメータは、Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)を識別します。oraInventoryディレクトリの親ディレクトリは、通常、Oracleベース・ディレクトリです。前述の例では、/u01/app/oracleはOracleベース・ディレクトリです。

  • 既存のOracleホーム・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoratabファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oratab
    

    oratabファイルが存在する場合、このファイルには、次のような行が含まれます。

    *:/u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1:N
    *:/opt/orauser/infra_904:N
    *:/oracle/9.2.0:N
    

    各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。前述の例で、oracleユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、次のディレクトリのどちらかを選択できます。

    /u03/app/oracle
    /oracle
    

    注意:

    可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle)のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。

  • 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

    Oracleホーム・ディレクトリを特定した後、次のようなコマンドを実行してOracleベースの場所を確認します。

    cat /u01/app/oraInventory/ContentsXML/inventory.xml
    

続行する手順は、次のとおりです。

  • Oracleベース・ディレクトリが存在し、これを使用する場合は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。

    この後の項でoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して選択したディレクトリを指定します。

  • Oracleベース・ディレクトリがシステムに存在せず、Oracleベース・ディレクトリを作成する場合は、次の項を参照してください。

2.15.2 Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、ディスク領域がある適切なファイル・システムを識別する必要があります。

適切なファイル・システムを識別するには、次の手順を実行します。

  1. マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。

    # df -k
    
  2. 表示から、適切な空き領域を持つファイル・システムを識別します。

  3. 指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループ、および権限を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のようなコマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨されるサブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびそれらの権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app
    # chmod -R 775 /mount_point/app/
    

    次に例を示します。

    # mkdir -p /u01/app
    # chown -R oracle:oinstall /u01/app
    # chmod -R 775 /u01/app/
    
  2. この章で後述するoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

2.16 Oracleソフトウェア所有者環境の構成

Oracle Universal Installerはoracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次のことが必要です。

  • シェル起動ファイルで、デフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定します。

  • DISPLAY環境変数を設定します。


注意:

オペレーティング・システム・ベンダーによってサポートされているシェル・プログラムを使用します。オペレーティング・システムでサポートされていないシェル・プログラムを使用すると、インストール時にエラーが発生する場合があります。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. 新規Xターミナル・セッション(xterm)を開始します。

  2. 次のコマンドを入力し、Xウィンドウ・アプリケーションがこのシステム上に表示されることを確認します。

    $ xhost + RemoteHost
    

    RemoteHostは完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。

    $ xhost + somehost.example.com
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
  5. oracleユーザーのデフォルト・シェルを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ echo $SHELL
    
  6. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合:

      $ . ./.bash_profile
      
    • BourneまたはKornシェルの場合:

      $ . ./.profile
      
    • Cシェルの場合:

      % source ./.login
      
  7. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、Xアプリケーションがローカル・システムに表示されるように、次のようなコマンドを入力します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ DISPLAY=local_host:0.0
      
    • Cシェルの場合:

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      

    この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  8. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400MBに満たないことが確認された場合は、400MB以上の空き領域があるファイル・システムを識別し、このファイル・システムの一時ディレクトリを指定するようにTMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    1. マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを使用します。

      # df -k 
      
    2. 必要に応じて、次のようなコマンドを入力し、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ sudo mkdir /mount_point/tmp
      $ sudo chmod a+wr /mount_point/tmp
      # exit
      
    3. 次のようなコマンドを入力し、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

        $ TMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TMP TMPDIR
        
      • Cシェルの場合:

        % setenv TMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
  9. システムに既存のインストール環境があり、同じユーザー・アカウントを使用して今回のインストールを行う場合は、ORACLE_HOMEORACLE_BASEORACLE_SIDTNS_ADMINの環境変数と、Oracleソフトウェア・ホームに接続されているOracleインストール・ユーザーに対して設定されたその他の環境変数の設定を削除します。

    次のコマンドを入力し、ORACLE_HOMEORACLE_BASEORACLE_SIDおよびTNS_ADMINの環境変数が設定されていないことを確認します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ unset ORACLE_HOME
      $ unset ORACLE_BASE
      $ unset ORACLE_SID
      $ unset TNS_ADMIN
      
    • Cシェルの場合:

      % unsetenv ORACLE_HOME
      % unsetenv ORACLE_BASE
      % unsetenv ORACLE_SID % unsetenv TNS_ADMIN

    次のコマンドを使用してPATH環境変数をチェックします。

    $ echo $PATH
    

    $ORACLE_HOME/binパスがPATH環境変数から削除されていることを確認します。


    注意:

    ORACLE_HOME環境変数が設定されている場合、Oracle Universal Installerはその環境変数でOracleホーム・ディレクトリのデフォルト・パスとして指定されている値を使用します。ORACLE_BASE環境変数を設定する場合は、ORACLE_HOME環境変数の設定を解除し、Oracle Universal Installerによって提示されるデフォルト・パスを選択することをお薦めします。

  10. 環境設定が正しく行われたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ umask
    $ env | more
    

    umaskコマンドの実行により、値22022または0022が表示されることを確認します。また、ここで設定した環境変数に正しい値が設定されることを確認します。