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Oracle® Database Application Express 2日で開発者ガイド
リリース4.2 for Oracle Database 12c
B71337-01
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1 Oracle Application Expressの概要

このセクションでは、Oracle Application Expressとそのアーキテクチャ、およびこの製品を使用する環境について説明します。また、Oracle Application Expressの説明に使用される概念や用語についても説明します。

トピック:

1.1 Oracle Application Expressについて

Oracle Application Expressは、Oracle Databaseのための高速Webアプリケーション開発ツールです。プログラミングの経験が少なくても、Webブラウザを使用するだけで、高速でセキュアなプロフェッショナル・レベルのアプリケーションを開発できます。Oracle Application Expressを使用すると、ユーザー・インタフェースのテーマ、ナビゲーション・コントロール、フォーム・ハンドラ、自由度が高いレポートなどの組込み機能を使用して、アプリケーション開発プロセスを短縮できます。

エンド・ユーザーにとっては、デプロイされたアプリケーションで必要となるのは、Application Expressを実行するOracle Databaseへのアクセス権とブラウザのみです。


ヒント:

Oracle Application Expressの機能の詳細は、ワークスペースのホームページで、「詳細」をクリックしてください。

1.2 Oracle Application Expressのアーキテクチャの理解

Oracle Application ExpressはOracle Databaseとともにインストールされ、表のデータおよびPL/SQLコードで構成されます。

Oracle Application Express開発環境を実行する場合でも、Oracle Application Expressを使用して作成したアプリケーションを実行する場合でも、その処理は変わりません。ブラウザからURLリクエストを送信すると、そのリクエストは適切なOracle Application Express PL/SQLコールに変換されます。PL/SQLがデータベースで処理された後、その結果はブラウザにHTML形式で戻されます。このサイクルは、ユーザーがページをリクエストまたは送信するたびに発生します。

アプリケーションのセッション・ステートは、Oracle Application Expressのデータベース表で管理されます。専用のデータベース接続は使用されません。かわりに、個別のデータベース・セッションで各リクエストが作成され、消費するCPUリソースが最小限に抑えられます。

Webリスナー・オプションの理解

Oracle Application Expressを実行するには、Oracle Application Expressリスナー、Oracle HTTP Serverと mod_plsqlまたは埋込みPL/SQLゲートウェイに対するアクセス権が必要です。

Oracle HTTP Server(Apache)およびOracle Application Expressリスナーについて

Oracle HTTP Serverは、mod_plsqlプラグインを使用してOracle Database内のOracle Application Expressエンジンと通信します。Oracle Application Expressリスナーは、Oracle Application Expressエンジンと直接通信するため、mod_plsqlプラグインは不要です。

Oracle HTTP ServerおよびOracle Application Expressリスナーは、WebサーバーとOracle Database内のOracle Application Expressオブジェクト間の通信ブローカとして機能します。具体的には、ブラウザ・リクエストを、Oracleネット・サービス接続経由でデータベースのストアド・プロシージャ・コールにマップします。次の図に、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。

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arch.gifの説明

この3層のアーキテクチャには次のコンポーネントがあります。

Oracle HTTP Server(Apache)とmod_plsqlまたはOracle Application Expressリスナーの各利点は、次のとおりです。

埋込みPL/SQLゲートウェイについて

埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Databaseとともにインストールされます。これにより、Oracle DatabaseはWebサーバーと、動的なアプリケーションの作成に必要なインフラストラクチャの両方を利用できるようになります。埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle DatabaseのOracle XML DB Protocol Serverで実行され、mod_plsqlのコア機能を含みます。次の図に、埋込みPL/SQLゲートウェイを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。

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arch_epg.gifの説明

この2層のアーキテクチャには次のコンポーネントがあります。

埋込みPL/SQLゲートウェイの利点は次のとおりです。


参照:

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』の埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティ上の考慮事項に関する説明

Application Expressエンジンについて

Application Expressエンジンは、ページのレンダリングと処理を実行します。また、次のタスクも実行します。

1.3 Oracle Application Expressの環境について

Oracle Application Expressでは、単一のOracle Databaseを共有ワークグループのデータベース・サービスに変更できます。このデータベース・サービスには、複数のユーザーがWebブラウザを使用してアクセスでき、追加のソフトウェアをインストールする必要もありません。

1.3.1 ワークスペースについて

アプリケーションを開発する領域をワークスペースといいます。ワークスペースは、同じOracle Application Expressインストール内で複数のユーザーが作業できる仮想プライベート・データベースで、各ユーザーのオブジェクト、データおよびアプリケーションの機密性を保持します。

通常の開発環境で、開発者全員で共有する単一のワークスペースを作成できます。ただし、特定の開発者またはプロジェクトに専用のワークスペースを作成することもできます。専用のワークスペースを作成した場合、ワークスペースオブジェクトへのアクセスは、そのワークスペースに関連付けられているユーザーのみに制限されます。

次の図は、ユーザーと開発者、ワークスペースおよびデータベース・スキーマ間の関係を示します。

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arch_multi2.gifの説明

ワークスペースを作成するときは、ワークスペースを新規または既存のスキーマに関連付けます。スキーマは、表、ビュー、ストアド・プロシージャなどのデータベース・オブジェクトの論理コンテナです。単一のスキーマは、1つ以上のワークスペースと関連付けることができます。

1.4 Oracle Application Expressのユーザー・ロールについて

大規模な組織でApplication Expressユーザーを設定するときは、特定のユーザーにロールと権限を付与します。Oracle Application Expressには、次のロールが含まれています。

次の図は、様々なロールが付与されている複数のユーザーがOracle Application Express開発環境、Application Express管理サービスおよび公開されたアプリケーションにアクセスする様子を示しています。

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arch_diffroles2.gifの説明

このマニュアルでは、通常、インスタンス管理者、ワークスペース管理者および開発者という3つのロールに関連付けられた権限が必要になります。次の図はシングル・ユーザーのOracle Application Expressインスタンスを示しています。

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arch2_single.gifの説明

1.5 構築するアプリケーションの概要

「アプリケーションの構築」では、架空の会社AnyCo Corpの単純な人事管理(HR)アプリケーションを作成します。このアプリケーションで、作成した部門表と従業員表に保存された部門情報および従業員情報を管理します。チュートリアルでは、アプリケーションの構築、変更およびプレビューの方法について説明します。