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Oracle® Database 2日でJava開発者ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71331-02
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2 アプリケーション開発の開始

Oracle Database 12c リリース1 (12.1)に接続するJavaアプリケーションを開発するには、必要に応じていくつかのコンポーネントをインストールしておく必要があります。この章では、次の項目について説明します。

2.1インストールする必要があるもの

サンプル・アプリケーションを開発するには、次の製品およびコンポーネントをインストールする必要があります。

次の項目では、これらの要件について詳細に説明します。

2.1.1 Oracle Database 12c リリース1 (12.1)

Javaアプリケーションを作成するには、Oracle Database 12c リリース1 (12.1) ServerをHRスキーマ(データベースに付属)とともに有効にインストールする必要があります。インストールにより、Oracle Database 12c リリース1 (12.1)インスタンスが作成され、このデータベースを管理するためのツールが提供されます。詳細は、次のOracle Database 12c リリース1 (12.1)のインストレーション・ガイドおよびリリース・ノートを参照してください。

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Linux』

  • Oracle Databaseのインストレーション・ガイド

2.1.1.1 JDBCアプリケーションのHRスキーマのロック解除

HRユーザー・アカウント(このマニュアルのJavaアプリケーションで使用するサンプルHRスキーマの所有者)は、最初はロックされています。HRとしてログインするには、まず管理権限を持つユーザー(SYS)としてログインし、アカウントのロックを解除する必要があります。

データベースがローカルにインストールされている場合は、SQLコマンドラインの実行を使用して、次のようにアカウントのロックを解除します。

  1. 「SQLコマンドラインの実行」にアクセスするには、「スタート」メニューから「プログラム」(または「すべてのプログラム」)→「Oracle Database 12c Release 1 (12.1)」を選択し、「SQLコマンドラインの実行」をクリックします。DBA権限を持つユーザーとしてログインします。次に例を示します。

    > CONNECT SYS AS SYSDBA;
    Enter password: password
    
  2. 次のコマンドを実行します。

    > ALTER USER HR ACCOUNT UNLOCK;
    

    または

    > ALTER USER HR IDENTIFIED BY HR;
    
  3. 次のように接続をテストします。

    > CONNECT HR
    Enter password: password
    

データベースに接続したことを示すメッセージが表示されます。


注意:

Oracle Database 12c リリース1 (12.1)でのセキュアなパスワードの作成および使用の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

また、HRスキーマにある制約およびトリガーの一部は、このマニュアルで作成するJavaアプリケーションの目的に合っていません。次のSQL文を使用して、これらの制約およびトリガーを削除する必要があります。

DROP TRIGGER HR.UPDATE_JOB_HISTORY;
DROP TRIGGER HR.SECURE_EMPLOYEES;
DELETE FROM JOB_HISTORY;

2.1.2 J2SEまたはJDK

Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、Java 2 Platform, Standard Edition, Software Development Kit(J2SE SDK)(以前のJava Development Kit(JDK))がすべて必要です。また、Javaランタイム環境(JRE)も必要です。


注意:

Oracle Database 12c リリース1 (12.1)ではJDK 6およびJDK 7をサポートしています。


関連項目:


2.1.3 統合開発環境

アプリケーションの開発を簡単にするため、統合開発環境(IDE)でアプリケーションを開発することができます。このマニュアルでは、Oracle JDeveloperを使用して、このアプリケーションのファイルを作成します。JDeveloperのインストールの詳細は、「Oracle JDeveloperのインストール」を参照してください。

2.1.4 Webサーバー

このマニュアルで開発するサンプル・アプリケーションは、JavaServer Pages (JSP)テクノロジを使用して情報を表示し、ユーザーからの入力を受け入れます。これらのページをデプロイするには、サーブレットおよびJSPコンテナを使用するWebサーバー(Apache Tomcatアプリケーション・サーバーなど)が必要です。

このマニュアルでは、JSPページのデプロイに、JDeveloperの Oracle WebLogicサーバーという埋込みサーバーを使用します。Oracle JDeveloperをインストールしない場合でも、任意のWebサーバーを使用してJSPページをデプロイできます。

JDeveloperでは、次の本番アプリケーション・サーバーへの直接デプロイメントがサポートされています。

  • Oracle WebLogicサーバー

  • Oracle Application Server

  • Apache Tomcat

  • IBM WebSphere

  • JBoss

これらのサーバーの詳細は、ベンダー固有のドキュメントを参照してください。

2.2 Oracle Database 12c リリース1 (12.1)のインストールの検証

Oracle Database 12c リリース1 (12.1)のインストールはプラットフォーム固有です。サンプル・アプリケーションの作成に進む前に、インストールが成功したことを検証する必要があります。この項では、Oracle Database 12c リリース1 (12.1)のインストールを検証する手順について説明します。

インストールの検証には、次の作業があります。

2.2.1 インストールされたディレクトリおよびファイルのチェック

Oracle Java製品をインストールすると、次のディレクトリが作成されます。

  • ORACLE_HOME/jdbc

  • ORACLE_HOME /jlib

表2-1に示すディレクトリがORACLE_HOMEディレクトリ内に作成されているどうかを確認します。

表2-1 ORACLE_HOMEディレクトリ内のディレクトリおよびファイル

ディレクトリ 説明

$OH/jdbc/lib

libディレクトリには、必須Javaクラスのojdbc6.jarおよびojdbc7.jarが含まれています。これらには、JDK 6およびJDK 7で使用するJDBCドライバ・クラスが含まれています。

$OH/jdbc/Readme.txt

このファイルには、ドライバに関する最新情報およびリリース固有の情報が含まれています。これらの情報は、製品の他のドキュメントには含まれていない場合があります。

$OH/jlib

このディレクトリには、orai18n.jarファイルが含まれています。このファイルには、グローバリゼーションおよびマルチバイト・キャラクタ・セットをサポートするためのクラスが含まれています。



注意:

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』または『Oracle Database Clientインストレーション・ガイド』で説明されているojdbcn.jarファイル(「n」はリリース番号)を使用してください。

2.2.2 環境変数のチェック

この項では、JDBC Thinドライバに対して設定する必要がある環境変数について説明します。インストールされているJDBC Thinドライバをクラスパスに設定する必要があります。JDK 6の場合、次の値をCLASSPATH変数に設定する必要があります。


ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc6.jar
ORACLE_HOME/jlib/orai18n.jar

JDK 7の場合、次の値をCLASSPATH変数に設定する必要があります。


ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc7.jar
ORACLE_HOME/jlib/orai18n.jar

CLASSPATH 変数に設定したJDBCクラス・ファイル(ojdbc6.jarなど)とグローバリゼーション・クラス・ファイル(orai18n.jar)は1つのみであることを確認します。

2.2.3 JDBCドライバ・バージョンの確認

Oracle Database 12c リリース1 (12.1)以上では、次のように、データベースでのJDBCサポートの詳細を取得できます。

> java -jar ojdbc6.jar
  Oracle 12.1.0.0. JDBC 4.0 compiled with JDK6

また、OracleDatabaseMetaDataクラスのgetDriverVersionメソッドをコールすることによって、インストールしたJDBCドライバのバージョンを確認できます。


注意:

JDBC Thinドライバでは、データベースがインストールされているコンピュータでTCP/IPリスナーが実行されていることが必要です。

例2-1に、ドライバ・バージョンを確認する方法を示します。

例2-1 JDBCドライバ・バージョンの確認

import java.sql.*;
import oracle.jdbc.*;
import oracle.jdbc.pool.OracleDataSource;

class JDBCVersion
{
  public static void main (String args[]) throws SQLException
  {
    OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
    ods.setURL("jdbc:oracle:thin:hr/hr@localhost:1521/oracle");
    Connection conn = ods.getConnection();

    // Create Oracle DatabaseMetaData object
    DatabaseMetaData meta = conn.getMetaData();

    // gets driver info:
    System.out.println("JDBC driver version is " + meta.getDriverVersion());
  }
}

2.3 Oracle JDeveloperのインストール

このマニュアルでは、JDBCを使用するサンプルJavaアプリケーションを作成するための統合開発環境(IDE)として、Oracle JDeveloperリリース11.1.1を使用します。このリリースのJDeveloperは、Microsoft Windows Vista、Windows XP、Windows 2003、Windows 2000、LinuxおよびMac OS Xオペレーティング・システムでサポートされています。JDeveloperの最新バージョンのインストールの詳細は、Oracle Technology Networkの次の場所からオンラインで入手できるOracle JDeveloperインストレーション・ガイドに記載されています。

http://download.oracle.com/docs/cd/E12839_01/install.1111/e13666/toc.htm

また、Oracle Technology Networkの次の場所からオンラインで入手できるJDeveloper 11gリリース・ノートも参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/overview/index.html