接続プールは、データベース接続オブジェクトのキャッシュです。オブジェクトは、アプリケーションでデータベースへの接続に使用できる物理的なデータベース接続を表します。実行時に、アプリケーションはプールに接続をリクエストします。リクエストを満たすことができる接続がプールにある場合、その接続がアプリケーションに戻されます。接続が見つからない場合は、新しい接続が作成されてアプリケーションに戻されます。アプリケーションは、その接続を使用してデータベースで処理を実行した後、オブジェクトをプールに返します。その接続は次の接続リクエストに使用できます。
Universal Connection Pool (UCP) for JDBCは、JDBC接続をキャッシュするための接続プールを実装します。データベース集約型のJavaアプリケーションでは、この接続プールを使用することでパフォーマンスが向上し、システム・リソースをより効率的に利用します。UCP JDBC接続プールでは任意のJDBCドライバを使用して物理接続を作成することができ、作成した接続はプールで管理されます。このプールは構成可能で、アプリケーションのパフォーマンス要件や可用性要件に基づいてプールの動作を最適化するために使用するプロパティが一とおり用意されています。さらに高度なアプリケーションでは、UCP for JDBCのプール・マネージャを使用して、プール・インスタンスを管理できます。
関連項目: 『Oracle Universal Connection Pool for JDBC開発者ガイド』 |
この章では、ユニバーサル接続プールの作成方法について説明します。この章は次の項で構成されています。
ユニバーサル接続プールを作成するには、次の手順を実行し、JDeveloperプロジェクトのプロパティを最初に設定する必要があります。
次の例は、ユニバーサル接続プールを使用してデータベースから株価情報を取得する株価表示機アプリケーションです。この例を使用して、ユニバーサル接続プールのプロパティを表示したり、プール・インスタンスをシャットダウンすることなく実行時にプロパティを変更したり、ユニバーサル接続の統計を表示したりなどの操作を実行できます。この例を実行する手順は、次のとおりです。
「アプリケーション・ナビゲータ」パネルで、「新規アプリケーション」をクリックします。
「アプリケーションの名前付け」画面で、「アプリケーション名」としてStockTickerApp
と入力し、「次へ」をクリックします。
「プロジェクトの名前付け」画面で、「プロジェクト名」としてStockTickerProj
と入力し、「終了」をクリックします。
「ファイル」メニューから「開く」をクリックします。
UCPDemo.java
、ClientSimulator.java
、DBConfig.java
、HttpServer.java
およびDbConfig.properties
ファイルを選択し、「開く」をクリックします。
DbConfig.properties
ファイルで、ユーザー名、パスワードおよびOracle DatabaseのURLの情報が正しいことを確認します。
コード・エディタで「UCPDemo.java」
タブを右クリックし、「StockTickerProj.jprに追加」を選択します。
「プロジェクト・コンテンツに追加」画面で、コンテンツ・パスのデフォルト値を維持したまま、「OK」をクリックします。
ClientSimulator.java
、DBConfig.java
、HttpServer.java
およびDbConfig.properties
ファイルについて、手順7および8を繰り返し、これらのファイルをStockTickerProj
プロジェクトに追加します。
「アプリケーション・ナビゲータ」ウィンドウでUCPDemo.java
ファイルを右クリックし、「メイク」をクリックします。
「実行」メニューから「アクティブな実行構成を選択」を選択し、「実行構成の管理」を選択します。
「プロジェクト・プロパティ」画面で、StockTickerPro
jプロジェクトの「編集」をクリックします。
「実行構成の編集」画面が表示されます。
「プログラムの引数」フィールドに、8067
またはシステム上の空きポートを入力し、「OK」をクリックします。
「OK」をクリックし、「プロジェクト・プロパティ」画面を終了します。
「アプリケーション・ナビゲータ」ウィンドウでUCPDemo.java
ファイルを右クリックし、「実行」をクリックします。
アプリケーションを実行すると、最初の数秒間で株価データがデータベースに保存されます。図8-11のように、...ready to go!
というメッセージが画面に出力されるまで待ちます。
メッセージが表示された後、UCPデモ・サーバーが起動し実行状態になるため、このサーバーを次の手順で使用できます。
ブラウザのアドレス・バーに、次のURLを入力します。
http://localhost:8067
ユニバーサル接続プール・デモ・ページが表示されます。
Try the Demo:セクションの下にあるリンクをクリックし、データベースから株価情報を取得します。
UCPプロパティを表示するには、Show UCP Propertiesをクリックします。
Get Stock Price from Databaseをクリックして株価表示機を実行します。
UCP統計を表示するには、Show UCP Statisticsをクリックします。
UCPプロパティを更新するには、Dynamically Reconfigure UCP Propertiesをクリックします。
注意: Dynamically Reconfigure UCP Propertiesリンクをクリックすると、ブラウザ上でUCPプロパティを変更できます。ただし、関係するデータベースが単一インスタンス・データベースでないプロパティを設定しようとすると、例外がスローされることがあります。 |
サービスを同時使用する多数の株価表示機クライアントをシミュレートするには、Run Massive Website Client Access Simulationをクリックします。
このページには次のフィールドが含まれています。
フィールド | 説明 |
---|---|
Ticket server URL |
表示機WebサービスのURLを指定します。 |
Number of simulated users (threads) to run |
実行する同時スレッドの数を指定します。 |
Number of ticket requests per user |
各スレッドで実行する表示機リクエストの数を指定します。 |