この章の内容は次のとおりです。
TimesTenおよびTimesTen Cacheソフトウェアは、簡単にインストールできます。UNIX Systemsでは、簡単なセットアップ・スクリプトによってTimesTenをインストールします。Windowsでは、InstallShield®を実行してTimesTenをインストールします。
アクセス制御を指定してTimesTenおよびTimesTen Cacheをインストールすると、特定の権限を持つユーザーのみが特定のTimesTen機能にアクセスできるように設定できます。
TimesTenアクセス制御では、標準SQL文を使用して、特定の権限レベルを持ったTimesTenユーザー・アカウントを設定します。TimesTenには、オブジェクト・レベルのアクセス制御およびデータベース・レベルのアクセス制御が備えられています。
TimesTenおよびTimesTen Cacheのほとんどの管理タスクは、コマンドライン・ユーティリティを使用して実行します。次の表に、一般的なユーティリティの要約を示します。
名前 | 説明 |
---|---|
ttAdmin |
TimesTenデータベースおよびTimesTen Cacheを管理するための汎用ユーティリティです。データベースをRAMから自動または手動でロードおよびアンロードするポリシー、およびTimesTenのキャッシュ・エージェントとレプリケーション・エージェントを起動および停止するポリシーを指定するために使用します。 |
ttBackup およびttRestore |
データベースのバックアップ・コピーを作成し、後でリストアします。 |
ttBulkCp |
TimesTen表とASCIIファイルとの間でデータを転送します。 |
ttIsql |
コマンドラインから対話形式でSQLを実行します。また、データベースの再構成と監視を行うための多数の管理コマンドを提供します。 |
ttMigrate |
表およびキャッシュ・グループ定義をバイナリ・データファイルに保存します。また、バイナリ・ファイルからの表およびキャッシュ・グループ定義のリストアにも使用されます。 |
ttRepAdmin |
レプリケーション・ステータスを監視します。 |
ttSize |
データベースの表に割り当てる領域の大きさを見積もります。 |
ttStatus |
TimesTenまたはTimesTen Cacheの現在の状態を示す情報を表示します。 |
ttTraceMon |
TimesTenおよびTimesTen Cacheの内部トレース機能を有効または無効にします。 |
ttXactAdmin |
未処理の各トランザクションの所有者、ステータス、ログおよびロックの情報を表示します。また、ttXactAdmin ユーティリティを使用すると、ユーザーはXAトランザクション・ブランチのコミット、中断または消去を実行できます。 |
TimesTenには、表、レプリケーション・スキーム、キャッシュ・グループ、マテリアライズド・ビュー、索引の作成および管理などの管理作業用のSQL文が用意されています。
各TimesTenデータベースのメタデータは、システム表のグループに保存されます。アプリケーションでは、これらの表にSQL SELECT
問合せを実行して、データベースの現在の状態を監視できます。
管理者は、SQLによるデータベースとの簡単な通信にttIsql
ユーティリティを使用できます。たとえば、データベース構造の情報を表示する組込みttIsql
コマンドがいくつかあります。
Oracle SQL Developerは、データベース開発タスク用のグラフィカル・ツールです。SQL Developerを使用して、次の操作を実行します。
データベース・オブジェクトとPL/SQLプログラムを参照、作成および編集し、キャッシュ・グループ操作を自動化します。
データを操作およびエクスポートします。
SQLおよびPL/SQLの文とスクリプトを実行します。
レポートを表示および作成します。
SQL DeveloperはJavaアプリケーションであり、TimesTenデータベースへの直接リンクとクライアント/サーバー接続をサポートします。複数データベースへの接続がサポートされているため、SQL DeveloperユーザーはTimesTenとOracle Databaseのデータを同時に使用できます。
ODBC Administratorは、データ・ソースの定義を作成、構成および削除するための、Windowsで使用するユーティリティ・プログラムです。これを使用して、データ・ソースの定義と接続属性の設定が行えます。
TimesTenおよびTimesTen Cacheでは、次の3種類のアップグレードを実行できます。
インプレース・アップグレードは、通常、TimesTenまたはTimesTen Cacheの新しいパッチ・リリースに移行するために使用します。
インプレース・アップグレードは、既存のデータベースを破棄せずに実行できます。ただし、まずすべてのアプリケーションをデータベースから切断し、データベースを共有メモリーからアンロードしておく必要があります。TimesTenまたはTimesTen Cacheの以前のリリースをアンインストールしてから、新しいリリースをインストールした後、アプリケーションはデータベースに再接続して、処理を再開できます。
オフライン・アップグレードを実行するには、ttMigrate
ユーティリティを使用して、データベースを外部ファイルにエクスポートし、必要な変更を加えたデータベースをリストアします。
オフライン・アップグレードを使用して次のタスクを実行します。
TimesTenまたはTimesTen Cacheの新しいメジャー・リリースへの移行
別のディレクトリまたはマシンへの移動
データベース・サイズの縮小
オフライン・アップグレードの実行中は、アプリケーションではデータベースを使用できません。通常、オフライン・アップグレードでは、アップグレードするデータベースの追加のコピー用として十分なディスク領域が必要になります。
TimesTenレプリケーションによって、オンライン・アップグレードが使用可能となります。この場合、ユーザーが使用できるようにデータベースとそのアプリケーションを動作させた状態で、ttMigrate
およびttRepAdmin
ユーティリティによって、アップグレードをオンラインで実行できます。オンライン・アップグレードは、データベースの連続的な可用性が不可欠なアプリケーションに有効です。
オンライン・アップグレードを使用して次のタスクを実行します。
TimesTenまたはTimesTen Cacheの新しいメジャー・リリースへの移行およびデータベースの連続的な可用性の維持
データベース・サイズの拡大または縮小
新しい場所またはマシンへのデータベースの移動
アップグレード中のデータベースに対する更新は、アップグレード処理が終了すると、アップグレードされたデータベースに転送されます。オンライン・アップグレードでは、データベースを別のデータベースにレプリケートする必要があるため、オフライン・アップグレードより多くのメモリーとディスク領域が必要な場合があります。
TimesTenのインストールとアップグレードの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
アクセス制御の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』を参照してください。
SQL Developerの詳細は、Oracle SQL Developer Oracle TimesTen In-Memory Databaseサポートのユーザーズ・ガイドを参照してください。
TimesTenの一般的な管理の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTenデータベースの管理に関する説明およびTimesTenデータベースのデータの使用に関する説明を参照してください。これらの章には、ODBC Administratorの使用方法が含まれています。
TimesTenレプリケーションの管理の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイド』を参照してください。
SQL文の完全なリストは、『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス・ガイド』を参照してください。
TimesTenコマンドライン・ユーティリティの完全なリストは、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』を参照してください。