この項では、このマニュアルで説明するOracle TimesTen In-Memory Databaseリリース11.2.2の新機能の概要、および各機能の詳細への参照先を示します。
CkptReadThreads
接続属性を使用して、データベースをメモリーにロードするときTimesTenがチェックポイント・ファイルの読込みに使用するスレッドの数を設定できます。詳細は、「チェックポイント・ファイル読込みスレッド数の設定」と「CkptReadThreadsの設定」を参照してください。
ttIsql edit
コマンドを使用してファイルを編集するか、テキスト・エディタでttIsql
コマンドを編集できます。ttIsql edit
コマンドは、emacs
、gedit
、vi
などのテキスト・エディタを起動します。詳細は、「ttIsqlのeditコマンドの使用」を参照してください。
ユーザー・ログ・ファイルおよびサポート・ログ・ファイルのデフォルト・サイズが増えました。ユーザー・ログ・ファイルの新しいデフォルト・サイズは10MBで、サポート・ログ・ファイルは100MBです。詳細は、「情報メッセージの変更」を参照してください。
パラレル・ロード処理は実行時間が長くなる場合があります。SQLCancel(
hstmt
)
ODBC関数を使用して、またはttIsqlユーティリティで[Ctrl]キーを押したまま[C]キーを押すことによって、パラレル・ロード処理を実行しているすべてのスレッドを取り消して、完全に停止できます。詳細は、「パラレル・ロード処理の取消し」を参照してください。
TimesTenは読取り問合せおよび書込み問合せを同時に最適に処理します。ttOptSetFlag ('tblLock',1)
などのトランザクション・レベル・オプティマイザ・ヒントまたは/*+ tt_tbllock(1) tt_rowlock(0) */
などの文レベル・オプティマイザ・ヒントを使用すると、読取り専用同時実行性に対して読取り問合せを最適化できます。読取り最適化問合せと同時に処理する書込み問合せは競合する可能性があります。ttDbWriteConcurrencyModeSet
組込みプロシージャにより、同時書込み処理時に読取り最適化を制御できます。詳細は、「同時書込み処理時の読取り最適化の制御」を参照してください。
デフォルトでは、致命的なエラー後のデータベースの自動リカバリが失敗した場合、TimesTenはalways
およびmanual
RAMポリシーをInUse
に変更して、失敗の再発を防止します。ttendaemon.options
ファイルの-enablePolicyInactive
オプションを設定してRAMポリシーの変更を防ぐことを含め、デフォルトのリカバリ・プロセスを変更できるようになりました。このオプションはデータベースのリロードも防ぎます。詳細は、「自動リカバリ失敗後のRAMポリシーへの変更」を参照してください。
データベースのリカバリでは、TimesTenはデータベースをメモリーにリロードします。無効化されたデータベースがまだメモリーに存在している場合にデータベースをリロードすると、使用可能なRAMが一杯になる場合があります。ttAdmin -noautoreload
コマンドを使用してデータベースの自動リロードを防止する方法の詳細は、自動リカバリ失敗後のデータベースのリロードを防止する方法の説明を参照してください。
SQLコマンド・キャッシュ内のコマンドのコマンド無効化を、すべての統計が生成されるか、表や索引への主要な変更が完了するまで延期できます。完了後、ttOptCmdCacheInvalidate
組込みプロシージャを使用してコマンドを手動で無効にできます。詳細は、「コマンドの無効化をSQLコマンド・キャッシュで制御する」を参照してください。
CREATE
[UNIQUE
] HASH
INDEX
文を使用して、一意または一意でないハッシュ索引を作成できます。ハッシュ索引作成の詳細は、「索引の理解」を参照してください。
これまでは、トランザクションの再要求操作(トランザクションのうちリソースをクリーンアップする部分)の実行中に、少数のトランザクション・ログ・レコードがキャッシュされ、ディスク上のトランザクションにアクセスする必要性を軽減していました。しかし、これは比較的小さいトランザクションでしか役に立ちませんでした。大きいトランザクションのパフォーマンスも同様に向上させるため、TimesTenにCommitBufferSizeMax
接続属性が追加され、キャッシュ・サイズをユーザーが構成できるようになりました。詳細は、トランザクションの再要求操作に関する説明を参照してください。
TimesTenには、SQL操作の実行時間を測定して表示することでSQL文のパフォーマンスを判断できる組込みプロシージャがあります。追跡のかわりに、組込みプロシージャがSQL文の実行中に実行時間をサンプリングします。詳細は、「SQL文の実行時間のサンプリングを収集および評価する」を参照してください。
ttStats
ユーティリティおよびTT_STATS
PL/SQLパッケージを使用して、データベース・メトリックを収集および表示できます。収集されたメトリックを評価して、TimesTenデータベースのパフォーマンスを評価できます。「メトリックを使用してパフォーマンスを評価する」を参照してください。
ヒントを適用して、TimesTen問合せオプティマイザに指示を渡すことができます。問合せに対して最適な実行計画を選択するとき、オプティマイザではこれらのヒントが考慮されます。今回のリリースでは、特定のSQL文に対して文レベルのオプティマイザ・ヒントを適用できます。詳細は、「SQL文への文レベルのオプティマイザ・ヒントの適用」を参照してください。
TimesTenで-shmkeyrange
デーモン・オプションを使用して、範囲をすべての共有メモリー・キー向けに構成できます。詳細は、「範囲を共有メモリー・キー向けに構成する」を参照してください。
索引アドバイザという新しいツールを使用すると、特定のSQLワークロードのパフォーマンスを向上させることができる一連の索引を推奨できます。詳細は、「索引アドバイザを使用した索引の推奨」を参照してください。
表統計を現在の状態にリストアできるttOptStatsExport
組込みプロシージャを使用して、SQLスクリプトを生成できます。詳細は、「現在の表統計を再生成するスクリプトを作成する」を参照してください。
結果を含めるためのキャッシュ・グリッド、キャッシュ・グループおよびキャッシュ表を作成しないで、SQL問合せの結果をバックエンドOracle DatabaseからTimesTenの単一表にロードできる新しいツールが追加されました。TimesTenでは、Oracle Databaseでユーザーが指定したSELECT
文を実行し、その結果セットをTimesTenの表にロードするツールが提供されます。詳細は、「Oracle DatabaseからTimesTen表へのデータのロード」を参照してください。
ttMigrate
ユーティリティを使用してTimesTenデータベースをデフラグできます。詳細は、「TimesTenデータベースのデフラグ」を参照してください。
最小の総サービス・ダウンタイムで複数のデータベースをデフラグするには、ttMigrate
とttRepAdmin -duplicate
ユーティリティを組み合せて、アクティブ・スタンバイ・ペア・レプリケーション・スキームに関係しているTimesTenデータベースをデフラグします。詳細は、「TimesTenデータベースのオンライン・デフラグメンテ-ション」を参照してください。
ttIsql
で、variable
およびsetvariable
コマンドを使用し、バインド変数を宣言、使用、構成できるようになりました。さらに、自動バインド変数も作成できるようになりました。詳細は、「変数の使用、宣言、構成方法」を参照してください。
[Ctrl]キーを押したまま[C]キーを押すことによって、ODBC関数を取り消すことができます。詳細は、「ODBC関数の取消し」を参照してください。
ttIsql
でのエラーのリカバリを、WHENEVER SQLERROR
コマンドを使用して制御できます。詳細は、「WHENEVER SQLERRORを使用したエラーのリカバリ」を参照してください。
IF-THEN-ELSE
コマンド構成を使用し、ttIsql
セッションに条件ブランチ・ロジックを実装できます。詳細は、「IF-THEN-ELSEコマンド構成を使用した条件制御」を参照してください。
トランザクション・ログ・ファイルが過度に蓄積されないよう、保持されているトランザクション・ログがないことを頻繁に確認することが重要です。非常に多くのトランザクション・ログのファイルが蓄積され、利用可能なディスク領域がなくなると、トランザクション・ログの保持が進行して、次のチェックポイント操作によってトランザクション・ログ・ファイルがパージされるまで、TimesTenデータベースでは新しいトランザクションを開始できません。詳細は、「蓄積されるトランザクション・ログ・ファイルの監視」を参照してください。
LOBデータ型がサポートされるようになりました。詳細は、「SQL文字列および文字関数」を参照してください。
範囲索引は、これまでTツリー索引と呼ばれていました。現在、すべての表示およびコマンドでこれを識別する用語として範囲を使用するようになりました。「問合せオプティマイザ計画の参照および変更」のとおり、showplan
コマンドのオプションとしてtryrange
およびtrytmprange
が実装され、問合せ計画の出力でTmpRangeScan
などが範囲索引として使用されるようになりました。
ttIsql
に新しいコマンドtablesize
が追加され、TimesTenデータベースの実際の表サイズを表示できるようになりました。詳細は、「ttIsql tablesizeコマンドの使用」を参照してください。