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Oracle® TimesTen In-Memory Database開発者および管理者ガイド
11gリリース2 (11.2.2)
B66443-07
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A Oracle ClusterwareのTimesTen構成属性

Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアクティブ・スタンバイ・ペアを設定するには、この章で説明する属性を使用します。これらの属性は、cluster.oracle.iniファイルに指定します。ttCWAdminユーティリティは、cluster.oracle.iniファイルの情報に基づいて、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成および管理します。

属性のリスト

この項では、次の各表にOracle ClusterwareのTimesTen構成属性を示します。

表A-1 必要な属性

名前 説明 デフォルト

MasterHosts


アクティブ・スタンバイ・ペアのスキームでマスター・データベースを配置できるホスト名のリストを指定します。

なし


表A-2 場合によって必要な属性

名前 説明 デフォルト

AppCheckCmd


Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションのステータスを確認するためのコマンドライン。

なし

AppName


Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションの名前。

なし

AppStartCmd


Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションを起動するためのコマンドライン。

なし

AppStopCmd


Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションを停止するためのコマンドライン。

なし

AppType


アプリケーションのリンク先となるデータベース。

なし

CacheConnect


アクティブ・スタンバイ・ペアがキャッシュ・グループをレプリケートするかどうかを指定します。

N

GridPort


キャッシュ・グリッドのメンバーになっているアクティブ・スタンバイ・ペアのアクティブ・データベース用およびスタンバイ・データベース用に、キャッシュ・グリッド・エージェントが使用するポート番号のリストを指定します。

なし

MasterVIP


マスター・データベースに関連付けることができる2つの仮想IPアドレスのリスト。

なし

RemoteSubscriberHosts


クラスタに含まれないサブスクライバ・ホストのリスト。

なし

RepBackupDir


アクティブ・データベースのバックアップ先となるディレクトリ。

なし

SubscriberHosts


サブスクライバ・データベースを配置できるホスト名のリスト。

なし

SubscriberVIP

サブスクライバ・データベースに関連付けることができる仮想IPアドレスのリスト。

なし

VIPInterface


各ホストで仮想IPアドレスに対して使用されるパブリック・ネットワーク・アダプタの名前。

なし

VIPNetMask


仮想IPアドレスのネットマスク。

なし


表A-3 オプションの属

名前 説明 デフォルト

AppFailoverDelay


障害が検出された後で、アプリケーションを監視するOracle Clusterwareリソースがフェイルオーバーを実行する前に待機する時間(秒)。

0

AppFailureInterval


TimesTenアプリケーションがOracle ClusterwareのFAILURE_THRESHOLDリソース属性で指定された障害の数を超えた場合に、Oracle Clusterwareがアプリケーションを停止するまでの間隔(秒)。

60

AppFailureThreshold


Oracle Clusterwareがアプリケーションのアクション・スクリプトに許容する、10×AppScriptTimeout間隔でのOracle Clusterwareの連続リソース障害の数。デフォルトは2です。

2

AppRestartAttempts


Oracle Clusterwareが、TimesTenアプリケーションを移動する前に、現在のホスト上でアプリケーションの再起動を試行する回数。

100

AppScriptTimeout


TimesTenアプリケーション・コンテナが特定のアプリケーションに対するアクション・スクリプトの完了を待機する時間(秒)。

60

AppUptimeThreshold


Oracle ClusterwareがTimesTenアプリケーションをステーブルとみなすための、アプリケーションの稼働時間の長さ(秒)。

アプリケーションがこのしきい値内に失敗した場合は、正常な起動に失敗したとみなされ、別のホスト上で再起動されます。アプリケーションがこのしきい値を超えてアクティブな場合は、安定した状態であるとみなされます。安定した状態の後で停止すると、アプリケーションは同じホストで再起動されます。

600

AutoRecover


両方のマスター・データベースで障害が発生した場合にアクティブ・データベースをバックアップから自動的にリカバリするかどうかを指定します。

しない

ClusterType

デフォルトの「Active」にします。TimesTenではこれが唯一の有効な値です。

Active

DatabaseFailoverDelay


障害の発生後、データベースを新しいホストに移行する前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)。

60

FailureThreshold


アクティブ・スタンバイ・ペアで障害が発生したとみなされ、自動バックアップを使用してスペア・ホストで新しいアクティブ・スタンバイ・ペアが作成されるまでに10秒間許容される、Oracle Clusterwareで管理される連続リソース障害の数。

2

GridIPConf

グリッドに使用するIPアドレスを識別します。

  • Private: これはTimesTenで推奨されるデフォルト値です。Oracle Clusterwareクラスタ構成で構成されるプライベートIPアドレスを使用します。

  • Public: Oracle Clusterwareクラスタ構成で構成されるパブリックIPアドレスを使用します。

Private

MasterStoreAttribute


レプリケーション・スキームのマスター・データベースに関するすべてのSTORE属性のリスト。

なし

RepBackupPeriod


アクティブ・データベースのバックアップ間隔(秒)。

0(無効)

RepDDL


アクティブ・スタンバイ・ペアのスキームを表すSQL文。

なし

RepFullBackupCycle


次の全体バックアップまでに実行される増分バックアップの回数。

5

ReturnServiceAttribute


アクティブ・スタンバイ・ペアのスキームのRETURNサービス属性。

なし

SubscriberStoreAttribute


レプリケーション・スキームのサブスクライバ・データベースに関するすべてのSTORE属性のリスト。

なし

TimesTenScriptTimeout


障害が発生したとみなされてモニター・プロセスが起動される前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)。

1209600秒(14日間)



必要な属性

この属性は、cluster.oracle.iniファイルで各DSNに対して指定する必要があります。デフォルト値はありません。

必要な属性のリストは、表A-1「必要な属性」を参照してください。属性の詳細は、この項を参照してください。


MasterHosts

この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアのマスター・データベースを配置できるホスト名のリストを指定します。クラスタの初期起動時のアクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースはそれぞれ、リストに最初に指定されているホストおよび2番目に指定されているホストに配置されます。この指定順序には次の例外があります。

  • クラスタが停止したときにアクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースが特定のノードにすでに存在していた場合、クラスタを再起動すると、アクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースはそのままそのホストに配置されます。

  • クラスタを起動したとき、既存の唯一のデータベースがMasterHostsに最初に指定されていないホスト上に存在していた場合、アクティブ・マスター・データベースはそのホスト上に構成されます。MasterHostsにリストされている最初のホストは、スタンバイ・マスター・データベースになります。

3つ以上のホストを高度な可用性のマスター・ホストとして指定できます。詳細は、「高度な可用性の構成」を参照してください。

2つのマスター・ホストのみが構成されている場合、いずれの仮想IPアドレスも定義しないでください。3つ以上のマスター・ホストがリストされている場合、TimesTenの内部処理用に仮想IPアドレスを定義して、アクティブ・データベースまたはスタンバイ・データベースが配置されているホストの1つでリカバリ不能な障害が発生した場合に、レプリケーションを管理できるようにする必要があります。詳細は、「高度な可用性の構成」を参照してください。

設定

MasterHostsは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
MasterHosts ホスト名のカンマ区切りのリスト。指定する最初のホストは、アクティブ・スタンバイ・ペアの初期アクティブ・マスターになります。指定する2つ目のホストは、アクティブ・スタンバイ・ペアの初期スタンバイ・マスターになります。

定義されるホストは、SubscriberHosts属性で定義されているホストとは異なるホストにする必要があります。



場合によって必要な属性

これらの属性は、Oracle Clusterwareの構成に応じて必要となる場合があります。デフォルト値はありません。場合によって必要な属性のリストは、表A-2「場合によって必要な属性」を参照し、属性の詳細は、この項を参照してください。


AppCheckCmd

この属性は、AppNameで指定されたTimesTenアプリケーションのステータスを確認するユーザー指定のスクリプトまたはプログラムを実行するためのコマンドライン全体を指定します。実行可能ファイルのフルパス名を含める必要があります。パス名に空白が含まれている場合、パス名を二重引用符で囲みます。

コマンドは、アプリケーションが実行されている場合は0(ゼロ)、アプリケーションが実行されていない場合はゼロ以外の数値を返すように記述する必要があります。0(ゼロ)以外の値が検出されると、Oracle Clusterwareは、障害が発生したアプリケーションをリカバリするためのアクションを実行します。

設定

AppCheckCmdは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppCheckCmd AppNameで指定されたアプリケーションのステータスを確認するアプリケーションを実行するためのコマンドラインを表す文字列。

AppCheckCmd=/mycluster/reader/app_check.sh check

AppFailureInterval

この属性は、TimesTenアプリケーションがOracle ClusterwareのFAILURE_THRESHOLDリソース属性で指定された障害の数を超えた場合に、Oracle Clusterwareがアプリケーションを停止するまでの間隔(秒)を設定します。値が0(ゼロ)の場合、障害の追跡は無効になります。

Oracle ClusterwareのFAILURE_THRESHOLDリソース属性の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

設定

AppFailureIntervalは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppFailureInterval Oracle Clusterwareがアプリケーションを停止するまでの間隔(秒)。デフォルトは60です。次に例を示します。

AppFailureInterval=120



AppName

この属性は、Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションの名前を指定します。Oracle Clusterwareでは、このアプリケーション名を使用して、対応するリソースを指定します。cluster.oracle.iniファイルでアプリケーションについて記述する場合、この属性から始める必要があります。

設定

AppNameは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppName アプリケーションの名前を表す文字列。たとえば、testAppなどです。


AppRestartAttempts

この属性は、Oracle Clusterwareが、TimesTenアプリケーションを別のホストに移動する前に、現在のホスト上でアプリケーションの再起動を試行する回数を指定します。

設定

AppRestartAttemptsは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppRestartAttempts 再起動回数。デフォルトは100です。次に例を示します。
AppRestartAttempts=30


AppStartCmd

この属性は、AppNameで指定されたTimesTenアプリケーションを起動するコマンドラインを指定します。実行可能ファイルのフルパス名を含める必要があります。パス名に空白が含まれている場合、パス名を二重引用符で囲みます。

設定

AppStartCmdは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppStartCmd AppNameで指定されたアプリケーションを起動するためのコマンドラインを表す文字列。

AppCheckCmd=/mycluster/reader/app_start.sh start

AppStopCmd

この属性は、AppNameで指定されたTimesTenアプリケーションを停止するコマンドラインを指定します。実行可能ファイルのフルパス名を含める必要があります。パス名に空白が含まれている場合、パス名を二重引用符で囲みます。

設定

AppStopCmdは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppStopCmd AppNameで指定されたアプリケーションを停止するためのコマンドラインを表す文字列。

AppCheckCmd=/mycluster/reader/app_stop.sh stop

AppType

この属性は、TimesTenアプリケーションを起動する必要のあるホストを決定します。

設定

AppTypeは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppType Active: アプリケーションは、アクティブ・スタンバイ・ペアのアクティブ・データベースで起動します。

Standby: アプリケーションは、アクティブ・スタンバイ・ペアのスタンバイ・データベースで起動します。スタンバイ・データベースが停止している場合、そのデータベースをリンク先とするアプリケーションは、新しいスタンバイ・データベースが稼働するまでアクティブ・データベースに移行します。

DualMaster: アプリケーションは、アクティブ・ホストとスタンバイ・ホストの両方で起動します。アクティブ・ホストでアプリケーションが停止すると、そのホスト上のアクティブ・データベースおよびその他すべてのアプリケーションがスタンバイ・ホストにフェイルオーバーします。

Subscriber: アプリケーションはすべてのサブスクライバ・データベースで起動します。

Subscriber[index]: アプリケーションは、いずれかのサブスクライバ・データベースで起動します。使用されるサブスクライバ・ホストは、SubscriberHosts属性またはSubscriberVIP属性(仮想IPアドレスが使用されているかどうかによる)でindexの位置に指定されているホストです。サブスクライバが1つの場合、Subscriber[1]を使用します。indexが指定されていない場合、TimesTenでは、アプリケーションはすべてのサブスクライバにリンクするとみなされます。



AppUptimeThreshold

この属性は、Oracle ClusterwareのUPTIME_THRESHOLDリソース属性の値を指定します。この値は、Oracle ClusterwareがTimesTenアプリケーションをステーブルとみなすための、アプリケーションの稼働時間の長さ(秒)を表します。

UPTIME_THRESHOLDの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

属性の表記方法 設定
AppUptimeThreshold 秒数です。デフォルトは600です。次に例を示します。
AppUptimeThreshold=60


CacheConnect

アクティブ・スタンバイ・ペアがキャッシュ・グループをレプリケートする場合、この属性をYに設定します。Yを指定すると、Oracle ClusterwareではTimesTenがOracle Databaseに接続しているとみなされ、Oracleパスワードを入力するよう求められます。

設定

CacheConnectは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
CacheConnect 値はY(はい)またはN(いいえ)です。デフォルトはNです。


GridPort

この属性は、キャッシュ・グリッドのメンバーになっているアクティブ・スタンバイ・ペアのアクティブ・データベース用およびスタンバイ・データベース用に、キャッシュ・グリッド・エージェントが使用するポート番号のリストを指定します。ポート番号はカンマで区切ります。グローバル・キャッシュ・グループが存在する場合、この属性は必須パラメータです。

設定

GridPortは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
GridPort 2つのポート番号をカンマで区切ります。次に例を示します。

GridPort=16101,16102



MasterVIP

この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアで使用される2つのマスター・ホストに関連付けられる2つの仮想IP (VIP)アドレスを定義します。高度な可用性用に3つ以上のマスター・ホストを構成する場合、2つのVIPアドレスも定義する必要があります。ただし、これらのVIPアドレスは、マスター・ホストの1つでリカバリ不能な障害が発生した場合にアクティブ・スタンバイ・ペアを管理するためにのみ、TimesTenの内部処理で使用される必要があります。これらのVIPアドレスがいずれかのユーザーまたはアプリケーションにより使用されると、エラーが発生することがあります。詳細は、「高度な可用性の構成」を参照してください。

設定

MasterVIPは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
MasterVIP マスター・ホストの2つの仮想IPアドレスを指定するカンマ区切りのリスト。


RemoteSubscriberHosts

この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームに含まれていながらOracle Clusterwareでは管理されないサブスクライバ・ホストのリストを指定します。

設定

RemoteSubscriberHostsは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
RemoteSubscriberHosts Oracle Clusterwareで管理されないサブスクライバ・ホストを指定するカンマ区切りのリスト。


RepBackupDir

この属性は、アクティブ・データベースのバックアップが保存されるディレクトリを示します。クラスタのすべてのノードがアクセスできる、共有ファイル・システム内のディレクトリを指定する必要があります。この属性は、RepBackupPeriodが0(ゼロ)以外の値に設定されている場合のみ必要です。

このディレクトリは、クラスタのすべてのホストによって共有されている必要があります。共有ストレージは、NFSまたはOCFS (Oracle Cluster File System)である必要があります。

バックアップを有効にする場合、Oracle Clusterwareのインストール・プロセスで共有記憶域にOCFSをインストールします。この共有記憶域をアクティブ・スタンバイ・ペアのバックアップに使用できます。

バックアップの制限については、「両方のマスター・ノードの永続的な障害からのリカバリ」「アクティブ・スタンバイ・ペア・グリッド・メンバーの障害およびリカバリ」を参照してください。

設定

RepBackupDirは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
RepbackupDir レプリケーション・バックアップ・ディレクトリのフルパス名。


SubscriberHosts

サブスクライバ・データベースを配置できるホスト名のリストを指定します。サブスクライバを持つアクティブ・スタンバイ・ペアが構成されている場合、この属性が必要です。デフォルト値はありません。定義されているサブスクライバの数以上のホスト名を指定する必要があります。

サブスクライバ用に高度な可用性を使用している場合、リカバリ不能なエラーが発生する可能性のある任意のサブスクライバ・ホストを置き換えるためにインスタンス化できる追加ホストを定義します。また、高度な可用性を使用している場合、現在使用されているすべてのサブスクライバ用にVIPアドレスを構成します。たとえば、3つのサブスクライバと高度な可用性用に使用できる2つの追加ホストが存在する場合、3つのVIPアドレスを定義する必要があります。詳細は、「SubscriberVIP」を参照してください。

設定

SubscriberHostsは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
SubscriberHosts ホスト名のカンマ区切りのリスト。

定義されるホストは、MasterHosts属性で定義されているホストとは異なるホストにする必要があります。

高度な可用性を使用していない場合、定義されているホストの順序を使用して、AppTypeSubscriber[index]のアプリケーションのうちで、どのアプリケーションが特定のホストのサブスクライバ・データベースに接続するかが決定されます。また、指定するサブスクライバ・ホストの数は、アクティブ・スタンバイ・ペアに含まれるサブスクライバの数になります。1つのサブスクライバ・ホストに対して1つのサブスクライバが起動されます。

高度な可用性を使用している場合、リストされている最初のホストは、サブスクライバ・ホスト用に使用されます。後半で定義されているホストは、高度な可用性用に使用されます。



SubscriberVIP

この属性は、高度な可用性用に使用されるサブスクライバ・ホストに関連付けられる仮想IP (VIP)アドレスのリストを構成します。高度な可用性用にサブスクライバの数よりも多くのホストを構成する場合、サブスクライバごとに1つのVIPアドレスも定義する必要があります。ただし、これらのVIPアドレスは、サブスクライバ・ホストの1つでリカバリ不能な障害が発生した場合にレプリケーションを管理するためにのみ、TimesTenの内部処理で使用される必要があります。これらのVIPアドレスがいずれかのユーザーまたはアプリケーションにより使用されると、エラーが発生することがあります。詳細は、「高度な可用性の構成」を参照してください。

設定

SubscriberVIPは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
SubscriberVIP 1つ以上の仮想IPアドレス。サブスクライバの数と同じ数のVIPアドレスを定義する必要があります。

サブスクライバの仮想IPアドレスの順序を使用して、AppTypeSubscriber[index]のアプリケーションのうちで、どのアプリケーションが特定のサブスクライバのデータベースに接続するかが決定されます。



VIPInterface

この属性は、各ホストで仮想IPアドレスに対して使用されるパブリック・ネットワーク・アダプタの名前です。仮想IPアドレスを使用する場合、この属性が必要です。

設定

VIPInterfaceは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
VIPInterface ネットワーク・アダプタを表す文字列。


VIPNetMask

この属性は、仮想IPアドレスのネットマスクです。仮想IPアドレスを使用する場合、この属性が必要です。

設定

VIPNetMaskは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
VIPNetMask IPのネットマスク。


オプションの属性

これらの属性はオプションで、デフォルト値はありません。オプションの属性のリストは、表A-3「オプションの属性」を参照し、属性の詳細は、この項を参照してください。


AppFailoverDelay

この属性は、障害が検出された後で、アプリケーションを監視しているプロセスがフェイルオーバーを実行する前に待機する時間(秒)を指定します。デフォルトは0(ゼロ)です。

設定

AppFailoverDelayは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppFailoverDelay 障害が検出された後で、アプリケーションを監視しているプロセスがフェイルオーバーを実行する前に待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは0(ゼロ)です。


AppFailureThreshold

この属性は、Oracle Clusterwareで許容される、アプリケーションのアクション・スクリプトで10×AppScriptTimeoutの時間内に発生した同時障害の数を指定します。デフォルトは2です。

設定

AppFailureThresholdは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppFailureThreshold Oracle Clusterwareで許容される、アプリケーションのアクション・スクリプトで発生した同時障害の数を示す整数。デフォルトは2です。


AppScriptTimeout

この属性は、TimesTenアプリケーション・モニター・プロセスが特定のアプリケーションに対する起動アクション・スクリプトおよび停止アクション・スクリプトの完了を待機する時間(秒)を示します。チェック・アクション・スクリプトには構成不可の5秒間のタイムアウト値が適用されるため、この属性の影響を受けません。

設定

AppScriptTimeoutは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AppScriptTimeout TimesTenアプリケーション・コンテナが特定のアプリケーションに対する起動アクション・スクリプトおよび停止アクション・スクリプトの完了を待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは60です。


AutoRecover

両方のマスター・データベースで障害が発生した場合にOracle Clusterwareによってアクティブ・データベースがバックアップから自動的にリカバリされるかどうかを指定します。

リカバリを自動化しない場合(AutoRecover=N)、ttCWAdmin -restoreコマンドを使用してデータベースをリカバリできます。

構成でキャッシュ・グループを使用している場合、またはキャッシュ・グリッドが構成されている場合、AutoRecoverは使用できません。

設定

AutoRecoverは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
AutoRecover Y: 両方のマスター・データベースで障害が発生した場合、アクティブ・データベースは、Oracle Clusterwareによってバックアップから自動的にリカバリされます。

N: 両方のマスター・データベースで障害が発生した場合、手動でリカバリを行う必要があります。これはデフォルトです。



DatabaseFailoverDelay

この属性は、障害の発生後、データベースを新しいホストに移行する前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)を指定します。待機時間中にデータベースが起動した場合、データベースは再配置されません。この属性は、高度な可用性が構成されている場合に使用されます。デフォルトは60秒です。

設定

DatabaseFailoverDelayは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
DatabaseFailoverDelay 障害の発生後、データベースを新しいホストに移行する前にOracle Clusterwareが待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは60です。


FailureThreshold

この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアで障害が発生したとみなされ、自動バックアップを使用してスペア・ホストで新しいアクティブ・スタンバイ・ペアが作成されるまでに10秒間許容される、Oracle Clusterwareで管理される連続リソース障害の数を指定します。スペア・ノードは、仮想IPアドレスを使用する場合のみオプションです。

Oracle Clusterwareは、単一の障害が発生すると、アクティブ・スタンバイ・ペアの複製を実行しようとし、複数の障害が発生した場合は、リストアを実行しようとします。

1つ以上の仮想IPアドレスが構成されている場合のみスペア・ノードが構成されるため、この値は基本的な可用性では無視されます。また、高度な可用性(1つ以上の仮想IPアドレスの構成を含む)の使用時にRepBackupPeriodが0に設定されているときも無視されます。


注意:

この属性の設定に関係なく、TimesTenで許容されるバックアップ・リソースの障害は1つのみです。

設定

FailureThresholdは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
FailureThreshold アクティブ・スタンバイ・ペアで障害が発生したとみなされ、自動バックアップを使用してスペア・ホストで新しいアクティブ・スタンバイ・ペアが作成されるまでに10秒間許容される、Oracle Clusterwareで管理される連続リソース障害の数を表す整数。デフォルトは2です。


MasterStoreAttribute

この属性は、レプリケーション・スキームのマスター・データベースに関するSTORE属性を示します。STORE属性は、アクティブとスタンバイの両方のデータベースに適用されます。STORE属性の詳細は、「STORE属性の設定」を参照してください。

RepDDLが構成されている場合、この属性は必要ありません。

この属性が設定されていない場合、STORE属性はデフォルト値になります。

設定

MasterStoreAttributeは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
MasterStoreAttribute レプリケーション・スキームのマスター・データベースに関するSTORE属性。PORT 20000 TIMEOUT 60など。


RepBackupPeriod

この属性は、アクティブ・データベースのバックアップ間隔(秒)を示します。この属性を0(ゼロ)より大きい値に設定する場合、RepBackupDirでバックアップ・ディレクトリも指定する必要があります。

バックアップの制限については、「両方のマスター・ノードの永続的な障害からのリカバリ」「アクティブ・スタンバイ・ペア・グリッド・メンバーの障害およびリカバリ」を参照してください。

設定

RepBackupPeriodは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
RepBackupPeriod アクティブ・データベースのバックアップ間隔を表す整数(秒)。値が0(ゼロ)の場合は、バックアップ・プロセスが無効になります。デフォルトは0(ゼロ)です。


RepDDL

この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成するSQL文を表します。この属性は、特殊な状況でのみ使用します。たとえば、アクティブ・スタンバイ・ペアから表および順序を除外する必要がある場合、RepDDLを指定する必要があります。

RepDDLを設定する場合、次の属性は設定しません。

このSQL文では、データベース・ファイル名の接頭辞は、<DSN>マクロに置き換えます。また、ホスト名のかわりに、<MASTERHOST[1]><MASTERHOST[2]>および<SUBSCRIBERHOST[n]>マクロを使用します。

RepDDLのデフォルト値はありません。

この例では、RepDDLで2つのマスター・データベースが設定されます。

RepDDL=CREATE ACTIVE STANDBY PAIR <DSN> ON <MASTERHOST[1]>, <DSN> ON <MASTERHOST[2]>

他の例は、「RepDDL属性の使用」を参照してください。

レプリケーション・エージェントのトランスミッタはOracle Clusterwareによって使用されるプライベート・ネットワーク・インタフェースおよびパブリック・ネットワーク・インタフェースを自動的に取得するため、通常はRepDDLROUTE句を設定する必要はありません。ただし、Oracle Clusterwareで管理されていないレプリケーション・スキームのネットワーク接続がホストに存在する場合は、RepDDLROUTE句を含める必要があります。

この属性が使用されている場合、各STORE句の後に、次のような疑似ホスト名を続ける必要があります。

  • ActiveHost

  • ActiveVIP

  • StandbyHost

  • StandbyVIP

  • SubscriberHost

  • SubscriberVIP

設定

RepDDLは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
RepDDL CREATE ACTIVE STANDBY PAIR文を発行して、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成します。デフォルト値はありません。


RepFullBackupCycle

この属性は、次の全体バックアップまでに実行される増分バックアップの回数を指定します。増分バックアップの数は、共有記憶域の容量によって異なります。

この属性を設定すると、パフォーマンスが低下することがあります。記憶域の容量とバックアップの所要時間の間にはトレードオフがあります。増分バックアップは、全体バックアップよりもはるかに高速に実行できます。ただし、全体バックアップが実行されるまで記憶域の消費量は増え続けます。

バックアップの制限については、「両方のマスター・ノードの永続的な障害からのリカバリ」「アクティブ・スタンバイ・ペア・グリッド・メンバーの障害およびリカバリ」を参照してください。

設定

RepFullBackupCycleは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
RepFullBackupCycle 次の全体バックアップまでに実行される増分バックアップの回数を表す整数値。デフォルトは5です。


ReturnServiceAttribute

この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームにRETURNサービスを指定します。「RETURNサービスの使用」を参照してください。

この属性に値が指定されていない場合、アクティブ・スタンバイ・ペアはRETURNサービスなしで構成されます。

設定

ReturnServiceAttributeは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
ReturnServiceAttribute RETURNサービスのタイプ。RETURN RECEIPTなど。デフォルト値はありません。


SubscriberStoreAttribute

この属性は、レプリケーション・スキームのサブスクライバ・データベースに関するSTORE属性を示します。STORE属性は、すべてのサブスクライバに適用されます。STORE属性の詳細は、「STORE属性の設定」を参照してください。

RepDDLが存在する場合、この属性は必要ありません。

この属性が設定されていない場合、STORE属性はデフォルト値になります。

設定

SubscriberStoreAttributeは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
SubscriberStoreAttribute サブスクライバ・データベースのSTORE属性とその値のリスト。

PORT 20000 TIMEOUT 60など。



TimesTenScriptTimeout

この属性は、障害が発生したとみなされてモニター・プロセスが起動される前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)を指定します。

アクション・スクリプトによってアクティブ・データベースが複製されるまでに長時間かかる場合があるため、値を数時間に設定することをお薦めします。デフォルトは1209600秒(14日)です。

設定

TimesTenScriptTimeoutは次のように設定します。

属性の表記方法 設定
TimesTenScriptTimeout 障害が発生したとみなされてモニター・プロセスが起動される前にOracle Clusterwareが待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは1209600秒(14日)です。