埋込みSQLの構文の説明には、わかりやすい構文図を使用しています。これらは、正しい構文を示す線と矢印の図です。使用した経験がなくても、心配しないでください。この項では必要な知識を説明します。
構文図の論理的な流れを理解すれば、役に立つガイドになります。構文図をたどれば、どんな埋込みSQL文も検証または作成できます。
構文図は、線と矢印を使用して、文を作成するためのコマンド、パラメータおよびその他の言語要素の並べ方を示します。各図を左から右に矢印が指す方向にたどってください。次の記号が使用されています。
コマンドおよびその他のキーワードは、大文字で表記されています。パラメータは小文字で表記されています。演算子、デリミタおよび終了記号は普通に表記されています。「はじめに」で定義されている表記規則に従い、セミコロンで文を終了します。
構文図に複数のパスがある場合は、任意のパスを選択できます。
キーワード、演算子またはパラメータの選択肢が複数ある場合は、オプションを縦に並べて示します。次の例では、まず縦方向を選択した後、横方向に進めます。
この図は、次の文がすべて有効であることを示しています。
EXEC SQL WHENEVER NOT FOUND ... EXEC SQL WHENEVER SQLERROR ... EXEC SQL WHENEVER SQLWARNING ...
必須のキーワードおよびパラメータは、単一または代替の選択肢を縦に並べた状態で示します。単独の必須キーワードおよびパラメータはメイン・パス、つまり現在たどっている横線上に現れます。次の例では、cursorが必須パラメータです。
emp_cursorという名前のカーソルがある場合、この構文図によると、次の文は有効です。
EXEC SQL CLOSE emp_cursor;
複数のキーワードまたはパラメータがメイン・パス上に縦に並んでいる場合は、その中のいずれかが必須になります。つまり、キーワードやパラメータを1つ選択する必要がありますが、それはメイン・パス上にあるものでなくてもかまいません。次の例では、4つのアクションのうち1つを選択する必要があります。
キーワードおよびパラメータがメイン・パスの下に並べられている場合は、オプションです。つまり、それらの1つを選択する必要はありません。次の例では、上方向にたどらずに、メイン・パスを続けることができます。
この図では、oracle2の名前のデータベースが存在する場合、次の文はすべて有効です。
EXEC SQL ROLLBACK; EXEC SQL ROLLBACK WORK; EXEC SQL AT oracle2 ROLLBACK;
ループは、その中の構文を何回でも繰り返せることを示します。次の例では、column_nameがループの中にあります。このため、列名を1つ選択した後で、繰り返し戻って別の列名を選択できます。
DEBIT、CREDITおよびBALANCEが列名の場合、この図によれば、次の文はすべて有効です。
EXEC SQL SELECT DEBIT INTO ... EXEC SQL SELECT CREDIT, BALANCE INTO ... EXEC SQL SELECT DEBIT, CREDIT, BALANCE INTO ...
複数パーツの図では、メイン・パスがすべて端から端まで続いていると考えます。次の例は2パーツの図です。
この図は、次の文が有効であることを示しています。
EXEC SQL PREPARE sql_statement FROM :sql_string;