P3プロジェクトをインポートする際の考慮事項

コンテンツ

大部分のデータは、P3 3.xからP6 Professionalに直接変換されます。以下のサブセクションでは、データをP6 Professionalにインポート後、直接一致が存在しない場合に、データがどのように処理されるのかを説明します。

アクティビティ・コード

P6 Professionalには、グローバル・アクティビティ・コードとプロジェクト・アクティビティ・コードがあります。グローバル・アクティビティ・コードは、P6 Professionalにサンプル・データが含まれています。インポート・ウィザードで、(プロジェクトを結合するのではなく)個別にプロジェクトを作成するよう選択した場合、P3 3.xのすべてのアクティビティ・コード、アクティビティIDコード、およびエイリアス・コードが、P6 Professionalのグローバル・アクティビティ・コードとしてインポートされるため、これらのコードはすべてのプロジェクトで使用できます。複数のサブプロジェクトを1つのプロジェクトに結合してインポートするよう選択した場合、アクティビティ・コード、アクティビティIDコード、およびエイリアス・コードが、プロジェクト固有のアクティビティ・コードとしてインポートされます。

注意

アクティビティ・コードがP6 Professionalにインポートされるとき、P3のアクティビティ・コードの詳細記述が、P6 Professionalのアクティビティ・コードとして使用されます。たとえば、P3のアクティビティ・コード名が「RESP」で詳細記述が「Responsibility」の場合、「Responsibility」がP6 Professionalのアクティビティ・コードとしてインポートされます。アクティビティ・コードと関連付けられた詳細記述がない場合、4文字の名前がアクティビティ・コードとしてインポートされます。

アクティビティ・タイプ

P6 Professionalは、P3 3.xのアクティビティ・タイプに対応する以下のアクティビティ・タイプをサポートします。

P3 3.xのアクティビティ・タイプ

P6 Professionalのアクティビティ・タイプ

タスク

タスク依存

独立

リソース依存

開始マイルストン

開始マイルストン

終了マイルストン

終了マイルストン

ミーティング

リソース依存

開始フラグ

開始マイルストン

終了フラグ

終了マイルストン

ハンモック

工程依存

WBS

WBSサマリー

Autocost Rule

P3 3.xには、自動リソース/コスト比計算ルールがあります。それにより、アクティビティの更新時に、コストの計算とリソース稼働の見積が行われます。このルールは、P6 Professionalに変換されます。

「プロジェクト」ウィンドウの「計算」タブにある「実績工数」フィールドまたは「コスト」フィールドを更新した場合、Autocost Ruleの「ETCに実績を加算」または「EACから実績を減算」が、「残存に実績を加算」または「完成時から実績を減算」に変換されます。

P3 3.xのAutocost Ruleでは、最新の進捗率を使用して現時点の実績数量と、現時点の実績コストの両方を計算するか、またはその両方を計算しないかを選択します(両方計算する場合は、両方のチェックボックスをオンにします。両方とも計算しない場合は、両方のチェックボックスの選択を解除します)。P3 3.xで両方のチェックボックスを選択した場合は、P6 Professionalの設定である「所要期間進捗率の変更時に、実績工数とコストの再計算」が選択されます。両方のチェックボックスとも選択しない場合、P6 Professionalではこの設定は選択されません。一方のチェックボックスを選択して、他方のチェックボックスを選択しない場合、P6 Professionalではこの設定は選択されません。

P3 3.xのAutocost Ruleの「現時点実績と期間実績をリンク」は、P6 Professionalの「プロジェクト」ウィンドウの「計算」タブにある「現時点実績と期間実績工数/コストをリンク」フィールドに変換されます。

カレンダ

P6 Professionalは、グローバル・カレンダ、リソース・カレンダおよびプロジェクト・カレンダをサポートします。P6 Professionalのグローバル・カレンダは、すべてのプロジェクトに適用されます。P6 Professionalには、サンプルのグローバル・カレンダが用意されています。プロジェクトをインポートすると、既存のグローバル・カレンダのリストにすべての基本カレンダが追加されます。P3 3.xからのリソース・カレンダは、P6 Professionalの共有リソース・カレンダに変換されます。

P6 Professionalは、繰り返しの休日を指定する機能をサポートしません。P3 3.xの日単位のプロジェクトを変換する場合、P3 3.xプロジェクトの繰り返しの休日は、P6 Professionalのグローバル・カレンダに直接適用されます。たとえば、P3 3.xで、7月4日が繰り返しの休日である場合、P6 Professionalでは、プロジェクト開始日から終了日までの適用可能な日付に対して、この日付がグローバル・カレンダで非稼働日として指定されます。

制約

P6 Professionalは、アクティビティ当たり2つの制約をサポートします。次の変換テーブルを確認してください。

P3 3.xの制約タイプ

P6 Professionalの制約タイプ

最早開始日(指定日以降に開始)

指定日以降に開始

最遅開始日(指定日以前に開始)

指定日以前に開始

最早終了日(指定日以降に終了)

指定日以降に終了

最遅終了日(指定日以前に終了)

指定日以前に終了

指定日に開始

指定日に開始

終了予定日

終了予定日

強制開始

強制開始

強制終了

強制終了

ゼロの総フロート

変換されません

ゼロのフリー・フロート

できるだけ遅く

コスト

P3 3.xでは、アクティビティのコスト超過を計上する際、残作業見積として負の値を使用できます。すべてのコストの負の値が、P6 Professionalに経費としてインポートされるため、コスト超過をトラッキングできます。

コストの総額は、P6 Professionalの経費または計画コストを持つリソース割当として変換できます。インポート・ウィザードの「プロジェクト更新オプション」画面で「上級」ボタンをクリックして設定します。

コスト・アカウント

P6 EPPMデータベースに接続している場合: コスト・アカウントは、P3 3.xからP6へ変換されます。コスト・アカウントは、P6のすべてのプロジェクトにわたってグローバルです。プロジェクトをインポートすると、P6によってプロジェクト・コスト・アカウントのブランチが作成され、各コスト・アカウントの先頭にプロジェクト名が追加されます。P3 3.xのコスト分類は、P6のコスト・アカウントの一部になります。たとえば、プロジェクトAPEXのコスト・アカウント11101は、P6で以下のブランチを作成します。

P6 Professionalデータベースに接続している場合: コスト・アカウントは、P3 3.xからP6 Professionalへ変換されます。コスト・アカウントは、P6 Professionalのすべてのプロジェクトにわたってグローバルです。プロジェクトをインポートすると、P6 Professionalによってプロジェクト・コスト・アカウントのブランチが作成され、各コスト・アカウントの先頭にプロジェクト名が追加されます。P3 3.xのコスト分類は、P6 Professionalのコスト・アカウントの一部になります。たとえば、プロジェクトAPEXのコスト・アカウント11101は、P6 Professionalで以下のブランチを作成します。

P3 3.xプロジェクトをインポートするときに、同名のコスト・アカウントが存在する場合、インポート・ウィザードでインポート設定を変更することにより、その解決方法を選択できます。

P6 EPPMデータベースに接続している場合: P6 Professionalではコスト・アカウントがインポートされますが、辞書を表示できるのはP6のみです。

カスタム・データ・アイテム

P3 3.xのカスタム・データ・アイテムは、P6 Professionalの以下のユーザー定義データ・アイテムに変換されます。

P3 3.xのカスタム・データ・アイテム・タイプ

P6 Professionalの「アクティビティ/リソース・ユーザー」フィールド

Character (C)

ユーザー・テキスト

Start (S)

ユーザー開始日

Finish (F)

ユーザー終了日

Numeric (N)

ユーザー整数

Precision (P)

ユーザー番号

変換されたアクティビティ・カスタム・データ項目は、P6 Professionalの「アクティビティ・テーブル」の列として表示できます。「アクティビティ」ウィンドウ(上部に「アクティビティ・テーブル」または「Ganttチャート」が表示されています)で、「レイアウト・オプション」バーをクリックして、「列」を選択します。「利用可能オプション」のリストから該当するユーザー定義フィールドを選択して、レイアウトに追加します。

変換されたリソース・カスタム・データ項目は、P6 Professionalの列として表示することもできます。「アクティビティ」ウィンドウで「レイアウト・オプション」バーをクリックした後、「下部表示」、「アクティビティ詳細」を選択します。「リソース」タブをクリックして、リソース情報を表示します。列領域を右クリックして、「リソース列のカスタマイズ」を選択します。「利用可能オプション」のリストから該当するユーザー定義フィールドを選択して、テーブルに追加します。

所要期間タイプ

P6 Professionalでは、各アクティビティの所要期間タイプとして、「単位工数固定」、「所要期間と単位工数固定」、「工数固定」、または「所要期間と工数固定」を指定できます。P3 3.xタスクのすべてのリソース割当が非ドライビングの場合、所要期間タイプが「所要期間と単位工数固定」になります。このタイプは、アクティビティに割り当てられたリソース数やアクティビティを終了するのに必要な作業量にかかわらず、アクティビティの所要期間が一定であることを意味します。

P3 3.xタスクのいずれかのリソース割当がドライビングで、Autocost Ruleの「期間リソース単価の固定」がオンの場合、所要期間タイプが「単位工数固定」になります。

P3 3.xタスクのいずれかのリソース割当がドライビングで、Autocost Ruleの「期間リソース単価の固定」がオフの場合、所要期間タイプが「工数固定」になります。

手動で入力された将来期間バケット

手動で入力された将来期間の割当バケットが含まれるP6 ProfessionalプロジェクトにP3プロジェクトをインポートする際、「既存プロジェクトの更新」または「既存プロジェクトの置換」のどちらかのインポート・オプションを選択すると、手動で入力された値は削除されます。

進捗率タイプ

P6 Professionalの各アクティビティには、「業績」、「所要期間」、または「工数」のいずれかの進捗率タイプを割り当てる必要があります。

P3 3.xのアクティビティをP6 Professionalにインポートすると、それらのアクティビティには、「所要期間」の進捗率タイプが割り当てられます。この進捗率タイプは、アクティビティの進捗率を計画所要期間および残所要期間に基づいて計算します。

計画工数

計画工数が時間単位または日単位のプロジェクトのみ変換できます。週単位および月単位の計画工数はサポートされません。所要期間工数を時間単位で表示するには、「編集」、「ユーザー設定」、「期間単位」を選択します。「工数の書式」には「時間」、「所要期間の書式」には「時間」または「日」を選択します。

プロジェクト・コード

P6には、組織内のすべてのプロジェクトで使用できる共通のプロジェクト・コード辞書があります。作成するプロジェクト・コードごとに、プロジェクトにプロジェクト・コード値を割り当てることができます。P3 3.xのプロジェクトで定義された10個のプロジェクト・コードおよびそれらの割当がインポートされます。

注意

リソース

P6 Professionalには、全プロジェクトにわたる1つのマスター・リソース・プールがあります。P6 Professionalをインストールすると、サンプルのリソース階層構造が提供されます。プロジェクトをインポートすると、インポート・ウィザードでユーザーが指定した階層構造内のロケーションに、リソースがインポートされます。インポート・プロセス中に、同名のリソースIDが存在する場合、インポート・ウィザードでインポート設定を変更することにより、その解決方法を選択できます。

P6 Professionalでは、リソースは労務、非労務または材料に分類されます。P3 3.xのリソースのうち、計量単位が時間単位の大部分のバリエーション(h、hr、hourなど)に等しいものは、労務リソースとして変換されます。P6 Professionalデータベースに接続している場合、計量単位がP6 Professionalの「管理分類」、「計量単位」タブで定義されたものと等しいP3 3.xのすべてのリソースは、材料リソースとして変換されます。P6 EPPMデータベースに接続している場合、計量単位がP6を使用して定義されたものと等しいP3 3.xのすべてのリソースは、材料リソースとして変換されます。他のすべてのリソースは、非労務として分類されます。労務工数は、時間/日として表示されます。工数の表示を変更するには、「編集」、「ユーザー設定」を選択して、「期間単位」タブをクリックします。

P6 Professionalでのすべての時間ベースの計算は、時間単位に基づいています。P3 3.xのプロジェクトが日数で計画されている場合、P6 Professionalは、各リソースの計量単位を参照して、リソース割当の変換方法を判別します。リソースの計量単位が時間単位の大部分のバリエーション(hr、mhなど)と等しい場合、P6 Professionalは、リソース割当が時間に基づいていることを前提に変換します。リソースの計量単位が時間以外の場合(day、dなど)、P6 Professionalは、リソース割当が日数であることを前提にすべてのリソース値に8のファクタ(8 hr/dayの場合)が掛けられます。この場合、8が適切な乗数であるかどうかを判断してください。リソースが材料リソースとして分類されている場合、リソース単位は乗算されず、そのまま変換されます。

乗数は、PRMCONVERT.INIファイルで変更できます。変換時にP6 Professionalが参照する計量単位の略称のリストも変更できます。

計量単位が空白のリソースは、インポート・ウィザードを使用して割当の処理方法を決定する必要があります。

注意

P3 3.xのマイルストン・アクティビティに割り当てられているリソースは、P6 Professionalの経費になります。リソース名が経費名として使用され、リソースの予算コストが経費の計画/予算コストになります。マイルストンの最初のリソースが、P6 Professionalのメイン・リソースになります。

リソース・カーブ

リソース・カーブを使用して、アクティビティの所要期間におけるリソースとコストの割当を指定できます。P3 3.xからエクスポートされるプロジェクトに割り当てられたリソース・カーブ定義はすべて、P6 Professionalにインポートされます。カーブ名の前には、P6 ProfessionalのP3 3.xプロジェクト名が付いています(例: APEX - Triangular)。リソース・カーブ割当もインポートされます。

P3 3.xは、アクティビティの所要期間を0から100パーセントまでの11の増分(ポイント)に分割します。各増分は、リソース使用量を示します。カーブで値を計算するためには、アクティビティに少なくとも1分の実績所要期間が必要です。このカーブ定義は期間用です。

0%の値は、開始から4.99%までの間で稼働済のリソース量を表します。10%の値は、開始から10%完了までの間の稼働量を表します。P6 Professionalのカーブは、21ポイントを使用して定義されます。P3 3.xからの最初のポイントは、P6 Professionalに直接インポートされます。他の10個のカーブ値は半分に分割され、最も近い10番目に切り上げられます。

たとえば、次のようになります。

P3 3.xのベル型: 0 1 3 8 15 23 23 15 8 3 1 

P6 Professionalのベル型: 0 .5 .5 1.5 1.5 4 4 7.5 7.5 11.5 11.5 11.5 11.5 7.5 7.5 4 4 1.5 1.5 .5 .5                               

スケジュール計算オプション

次のスケジュール計算オプションは、P6 Professionalに変換されます。

P3 3.x

P6 Professional

「Show open ends as」(「Critical」または「Noncritical」)

後続作業の無いアクティビティはクリティカル

「When scheduling activities apply」(「Retained logic」または「Progress override」)

順序どおりに開始していないアクティビティ用(「ロジック保持」または「進捗優先」)

「Calculate start-to-start lag from」(「Actual start」または「Early start」)

「開始-開始ラグを計算」(「最早開始日」または「実績開始日」)

「Calculate total float as」(「Most critical」、「Start float」、または「Finish float」)

「総フロート計算」(「開始フロート」、「終了フロート」、または「最小の開始/終了フロート」)

P3 3.xでは、常に先行作業カレンダを使用して、接続ラグが計算されます。P6 Professionalでは、上級スケジュール計算オプションを使用して、使用するカレンダを選択できます。インポートされたP3 3.xのプロジェクトの場合、先行作業カレンダが既定の設定です。

P6 Professionalでは、個別のプロジェクトとして変換されたサブプロジェクトのフロート計算は、常に各プロジェクトの終了日に基づきます。

P6 Professionalは、アクティビティに割り当てられているリソースを常にロールアップします。それにより、アクティビティの所要期間が決まり、日付がスケジュールされます。

中断日と再開日

P3 3.xでは、中断日付は、指定された日付の終了時点でアクティビティが一時停止であることを示します。それに対して、P6 Professionalでは、中断日付は、指定された日付の開始時点でアクティビティが一時停止であることを示します。そのため、日単位のプロジェクトの場合、実績および残所要期間がこの相違の影響を受けます。時間単位のプロジェクトは影響を受けません。

たとえば、P3でアクティビティの中断日付が「05OCT04 (この日の終了時点)」である場合、P6 Professionalには「05OCT04 (この日の開始時点)」としてインポートされます。P 3では、中断日付の1日分作業が進捗するため(P6 Professionalは、中断日付の開始時点で進捗を一時停止します)、P6 Professionalでは、このアクティビティの実績所要期間がP3の場合よりも1日短くなります。

ターゲット・プロジェクト

他のプロジェクトと同様に、ターゲット・プロジェクトを変換できますが、ターゲット指示部は変換されません。P6 Professionalで、ターゲット・プロジェクトを指定するには、「プロジェクト」、「ベースラインの保守」を選択します。「追加」をクリックし、「他のプロジェクトをベースラインとして変換」を選択します。変換されたターゲット・プロジェクトを現行プロジェクトのベースラインとして選択します。

WBSコード

P6 Professionalでは、WBSが存在し、すべてのアクティビティをWBSコードに割り当てる必要があります。インポートしたP3 3.xプロジェクトでWBSが使用されている場合は、P6 Professionalに変換されます。WBSが存在していない場合、P6 Professionalは、WBS最上位ノードを作成し、その名前をPROJに設定します(PROJは、P3 3.xのプロジェクト名です)。すべてのアクティビティが、このWBSコードに割り当てられます。

P6 Professionalは、WBSを使用してプロジェクト構造を定義します。そのため、P3 3.xのプロジェクト・グループ内のプロジェクトでは、同じWBSコードを異なるアクティビティには割り当てないでください。たとえば、アクティビティCS300がコンベア・システム・プロジェクトの一部である場合、このアクティビティに自動化システム・プロジェクトに属するWBSコードを割り当てないでください。変換プログラムでこの状況が検出された場合、両方のプロジェクトにあるコードのブランチ全体が複製されます。プロジェクトを区別するために、WBSコード構造には、プログラム名とプロジェクト名がプレフィックスとして追加されます。たとえば、APEXプロジェクトの場合、APEX.CONV.AM.01とAPEX.AUTO.AM.01がWBSのブランチとして組み込まれます。



法律上の注意点
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最終発行 2014年11月7日