Oracle BI Cloud Service Data Modelerでのモデリング

概要

目的

このチュートリアルでは、Oracle Business Intelligence (BI) Cloud Service Data Modelerを使用してSampleAppモデルを作成します。

所要時間

約30分

はじめに

オラクルは、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、およびサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)などのエンタープライズ級クラウド・ソリューションの幅広いセレクションを用意しています。PaaSの一要素であるOracle BI Cloud Serviceは、Oracle Cloudストアと統合されている、拡張性の高いマルチテナントOracle BI環境を提供します。Oracle BI Cloud Serviceの機能には、分析およびダッシュボードを作成するためのプレゼンテーション・サービス、Oracle Database Cloud Service統合、セルフサービスWebクライアントのデータ・ローダーおよびデータ・モデラー、簡潔な管理、統合されたアイデンティティ管理などがあります。

一般的なOracle BI Cloud Serviceワークフローは次の図に示すような3つの手順で構成されます。1番目の手順では、Oracle BI Cloud Serviceで使用できるデータベース・スキーマに、データ・ローダーを使用してデータ・ファイルをロードします。2番目の手順では、データ・モデラーを使用して、ビジネス・データ・モデルを構築することでアップロードされたデータを編成および保護してから、Oracle BI Cloud Serviceをサブジェクト領域としてモデルを公開します。3番目の手順では、公開されたモデルに基づくサブジェクト領域を使用して、プレゼンテーション・サービスで分析およびダッシュボードを作成します。

このチュートリアルでは、データ・モデラーを使用して、分析およびダッシュボードの作成に用いるSampleAppモデルを構築して公開します。

BICSフロー

前提条件

このチュートリアルを始める前に次の用意をする必要があります。

  • Oracle BI Cloud Serviceへのアクセス権。
  • データ・モデラーにアクセスできるBIDataModelAuthorアプリケーション・ロールが割り当てられたユーザー・アカウントを保持していること。
  • データ・ローダーによるデータ・ロード・チュートリアルの手順を実行して、Sample App用の非正規化されたデータが含まれるデータ・ソース・ファイルをロード済であること。

データ・モデラーの起動

Oracle Cloud BI Serviceの「Home」ページからデータ・モデラーを起動します。

  1. ブラウザで、Oracle CloudページへのURLを入力し、ユーザーの資格証明でOracle Cloudにサインインします。

    Oracle Cloudサインイン

    Oracle BI Cloud Serviceの「Home」ページが表示されます。

    Oracle BI Cloudの「Home」ページ
  2. 「Home」ページで「Model」をクリックしてデータ・モデラーを起動します。

    データ・モデラーが別のブラウザ・ウィンドウまたはタブに表示されます。

    BIモデラーの「Home」ページ

データ・ソースの探索

データ・モデラーを使用すると、様々なスキーマ型からデータを取得して、スター・モデルやスノーフレーク・モデルなどの様々な方法でデータをモデリングできます。ここでは、データ・ローダーによるデータ・ロード・チュートリアルの手順を実行して以前に作成したSAMPLE_APP_DENORM表(SampleAppモデルを構築するためのデータ・ソース)を探索します。

  1. 「Database」アコーディオンで「SAMPLE_APP_DENORM」をダブルクリックします。

    データ・モデラーの「Overview」タブにSAMPLE_APP_DENORM表の構造が表示されます。

    SAMPLE_APP_DENORM表の構造
  2. 「Data」タブをクリックします。

    データ・モデラーに表データが表示されます。

    表データ

モデルの構築

ここでは、1つのファクト表、複数のディメンション表、および時間ディメンションを含むモデルを作成します。

データ・モデルのロックと名前の変更

  1. データ・モデラーで「Lock to Edit」ボタンをクリックします。

    編集用にモデルが正常にロックされたことを確認する「Information」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    警告
  2. 「OK」をクリックします。

    モデルは現在のユーザーによって編集用にロックされています。

    データ・モデルのロック
  3. 「Model Actions」アイコンModel Actionsをクリックし、「Rename Model」を選択します。

    Rename Model

    「Rename Data Model」ダイアログ・ボックスが表示されます。
    Rename Data Model
  4. 「SampleApp」と入力し、「OK」をクリックします。

    データ・モデルの名前が変更されます。

    データ・モデル名の変更

    注意: モデルの公開後、分析を作成する際に、そのデータ・モデル名がサブジェクト領域の名前として使用されます。

ウィザードを使用したファクト表およびディメンション表の構築

  1. 「Database」アコーディオンで「SAMPLE_APP_DENORM」表を選択し、「Table Actions」アイコンTable Actionsをクリックして、「Add To Model」→「as Fact Table and Dimension Tables」を選択します。

    ファクト表およびディメンション表としての表の追加

    Add SAMPLE_APP_DENORM To Modelウィザードが表示されます。

    Add SAMPLE_APP_DENORM To Modelウィザード
  2. 「SAMPLE_APP_DENORM」表から次の列を選択し、「NEW_DIMENSION」の下にドラッグして、新しいディメンション表を作成します。

    • ADDRESS1
    • ADDRESS2
    • ADDR_KEY
    • AREA
    • CITY
    • COUNTRY_CODE
    • COUNTRY_NAME
    • POSTAL_CODE
    • REGION
    • STATE_PROV

    Geographyディメンション表への列の追加
  3. 新しいディメンション表の名前をクリックして、「Geography」に変更します。

    Geographyディメンション表
  4. 「Add」をクリックして新しいディメンション表を追加します。

    「Georgraphy」ディメンション表の下に新しいディメンション表が追加されます。

    ディメンション表の追加
  5. 「SAMPLE_APP_DENORM」表から次の列を選択し、「NEW_DIMENSION」の下にドラッグして、新しいディメンション表を作成します。

    • CHANNEL_NAME
    • ORDER_KEY
    • ORDER_STATUS
    • TIME_BILL_DT
    • TIME_PAID_DT

    Ordersディメンション表への列の追加
  6. 新しいディメンション表の名前をクリックして、「Orders」に変更します。

    Ordersディメンション表
  7. 「Add」をクリックして新しいディメンション表を追加します。

    「Orders」ディメンション表の下に新しいディメンション表が追加されます。

    新しいディメンション表の追加
  8. 「SAMPLE_APP_DENORM」表から次の列を選択し、「NEW_DIMENSION」の下にドラッグして、新しいディメンション表を作成します。

    • CUST_TYPE
    • CUST_SEGMENT
    • CUST_BIRTH_DT
    • CUST_CRDT_DATE
    • CUST_GENDER
    • CUST_MARITAL_STATUS
    • CUST_NAME
    • CUST_NUMBER

    Customerディメンションへの列の追加
  9. 新しいディメンション表の名前をクリックして、「Customers」に変更します。

    Customersディメンション表
  10. 次の手順を実行してファクト表を作成します。

    1. 「SAMPLE_APP_DENORM」表から次の列を選択し、「NEW_FACT」の下にドラッグします。
      • DISCNT_VALUE
      • REVENUE
      • UNITS
    2. GEOGRAPHYディメンション表で「ADDR_KEY」列を主キーとして選択します。これにより、「ADDR_KEY」列がファクト表に追加され、GEOGRAPHYディメンション表とファクト表間の結合が作成されます。
    3. ORDERSディメンション表で「ORDER_KEY」列を主キーとして選択します。これにより、「ORDER_KEY」列がファクト表に追加され、ORDERSディメンション表とファクト表間の結合が作成されます。
    4. CUSTOMERSディメンション表で「CUST_NUMBER」列を主キーとして選択します。これにより、「CUST_NUMBER」列がファクト表に追加され、CUSTOMERSディメンション表とファクト表間の結合が作成されます。

    ファクト表への列の追加
  11. 新しいファクト表の名前をクリックして、「RevenueMetrics」に変更します。

    RevenueMetricsファクト表
  12. 「Next」をクリックします。

    ウィザードに4つのデータベース・ビュー、1つのファクト表、3つのディメンション表および3つの結合が表示されます。

    データ・モデル・オブジェクトの確認
  13. リストされたオブジェクトを確認し、「Create」をクリックします。

    4つのデータベース・ビュー、1つのファクト表、3つのディメンション表および3つの結合がモデル内に作成されます。

    データ・モデル・オブジェクトの作成
  14. 「Done」をクリックします。

    ファクト表の名前、ディメンション表の名前および結合とともに、SampleAppデータ・モデルが表示されます。作成されたデータベース・ビューは「Database」アコーディオンに表示されます。

    データ・モデル

ソース・ビューに基づいたProductsディメンション表の構築

ソース・ビューは、データベース内のデータに対するストアドSQL問合せの結果セットです。ソース・ビューは仮想表と考えることができ、モデル・オブジェクトの基礎として使用できます。ここでは、SQL問合せを記述し、ソース・ビューに基づいたディメンション表を手動で作成します。

  1. 「Database」アコーディオンで「Database Actions」アイコンDatabase Actionsをクリックし、「Create View」を選択します。

    Create View

    「NEW_VIEW」ページが表示されます。

    新しいデータベース・ビュー

  2. 「Add Columns」をクリックし、「Database Table / View」リストから「SAMPLE_APP_DENORM」を選択します。

    表の選択
  3. 「Columns」リストで、次の列を選択します。

    • PROD_BRAND
    • PROD_ITEM_DESC
    • PROD_ITEM_KEY
    • PROD_LOB
    • PROD_TYPE
    • PRODUCT

    列の選択
  4. 「Add」をクリックします。

    選択した列が新しいビューに表示されます。

    ビューの追加
  5. 「Properties」の「Name」テキスト・ボックスに「V_Products」と入力し、「Save」をクリックします。
    注意: 他のディメンション表のソースとして自動的に作成されるデータベース・ビューの名前にあわせて、「V_」接頭辞を使用します。

    V_Productsビュー
  6. オプション: 「SQL Query」タブを選択して、サポートするSQL問合せのコードを表示します。

    SQL Query
  7. オプション: 「Data」タブを選択してデータを表示します。

    データの表示
  8. 「Add To Model」をクリックし、「as Dimension Table」を選択します。

    Add To Model

    V_Productsディメンション表が「Dimension Tables」ペインに表示されます。

    Dimension Tables

  9. オプション: 次の手順を実行し、他のディメンション表の名前で使用されているネーミング規則にあわせて、V_Productsディメンション表の名前を「Products」に変更します。

    1. 「Dimension Tables」セクションで「V_Products」を選択します。
    2. 「Dimension Table Actions」アイコンDimension Table Actionsをクリックし、「Inspect」を選択します。
      Inspect

      V_Productsディメンション表の「Overview」タブが表示されます。

      「Overview」タブ
    3. 「Properties」の「Name」テキスト・ボックスに「Products」と入力し、「Done」をクリックします。

      Productsディメンション表が「Dimension Tables」ペインに表示されます。

      Dimension Tables


Productsディメンション表とファクト表間の結合の追加

Productsディメンション表を手動で作成したので、ファクト表にはマッチング列がありません。したがって、ファクト表の基礎となるソース・ビューにマッチング列を追加し、ファクト表をデータベースと同期してから、結合を作成する必要があります。ここでは、Productsディメンション表とファクト表間の結合を定義します。

  1. 「Database」アコーディオンで「V_RevenueMetrics」ビュー選択し、「View Actions」アイコンTable Actionsをクリックして、「Inspect」選択します。

    データベース・ビューの検査

    「Overview」タブに表のプロパティと列が表示されます。
    「Overview」タブ
  2. 「SQL Query」タブをクリックします。

    問合せエディタが表示されます。

    「SQL Query」タブ
  3. SELECT句にSAMPLE_APP_DENORM.PROD_ITEM_KEY列を追加して問合せを変更します。

    変更されたSQL問合せ
  4. 「Save」リストから「Save and Close」を選択します。

    Save and Close

    データ・モデル・ページに戻ります。

    「Data Model」ページ
  5. 「RevenueMetrics」ファクト表を選択し、「Fact Table Actions」アイコンTable Actionsをクリックして、「Synchronize with Database」を選択します。

    Synchronize with Database

    V_RevenueMetricsビューに新しい列が追加されたことを示す警告メッセージが表示されます。

    警告メッセージ
  6. 「Add columns to table RevenueMetrics」リンクをクリックします。

    確認メッセージが表示されます。

    Synchronize with Database
  7. 「Close message panel」アイコンClose Message Panelをクリックしてメッセージを閉じます。

  8. 「Fact Tables」の下で「RevenueMetrics」ファクト表をクリックし、その構造を確認します。

    「PROD_ITEM_KEY」列がファクト表に追加されました。これで、Productsディメンション表とファクト表間の結合を作成できます。

    RevenueMetricsファクト表の構造
  9. ファクト表の名前を読みやすくするには、「Name」テキスト・ボックスで「Revenue」と「Metrics」の間に空白を挿入し、名前を「Revenue Metrics」に変更して、「Done」をクリックします。

    「Data Model」ページ
  10. 「Dimension Tables」領域から「Products」ディメンション表をドラッグし、「Revenue Mertics」ファクト表にドラッグします。

    ディメンション表とファクト表間の結合が作成され、「Joins」セクションに表示されます。

    Joins
  11. 新しい結合行の「Fact Column」リストと「Dimension Column」リストで、「PROD_ITEM_KEY」を選択して結合列を定義し、「Save changes」アイコンSave Changesをクリックします。

    Productsディメンション表とファクト表間の結合が保存されます。

    Joins

データ・モデルへの時間ディメンションの追加

  1. データ・モデラーの「Dimension Tables」で「Add」をクリックし、「Create Time Dimension」を選択します。

    Create Time Dimension

    Create Time Dimensionウィザードが表示されます。

    「Create Time Dimension」ページ
  2. 時間ディメンションのデフォルト・データに必要な調整を加え(たとえば、「Quarter」を選択)、「Next」をクリックします。

    Create Time Dimensionウィザードに時間ディメンションの情報が表示されます。

    プレビューと確認
  3. プレビューして、時間ディメンションの表示情報を確認します。「Create」をクリックして変更をコミットするか、「<」をクリックして変更を加えます。ウィザードの手順がすべて完了すると、データベースのデータを使用してTime表が作成され、さらに対応するディメンション表もデータ・モデルに作成されます。

    Create Time Dimensionの進捗

    ウィザードでモデル・オブジェクトが作成され、その進捗が表示されます。

    作成された時間ディメンション
  4. 「Done」をクリックします。

    Timeディメンション表がデータ・モデルに追加されています。

    Dimension Tables
  5. Timeディメンション表とファクト表間の結合を作成する前に、ファクト表のソースであるV_RevenueMetricsビューに列を追加して、ファクト表をデータベースと同期する必要があります。「Productsディメンション表とファクト表間の結合の追加」の手順1から8の説明に従って、SAMPLE_APP_DENORM.TIME_BILL_DT列をV_RevenueMetricsビューに追加します。

    Revenue Metricsファクト表の構造
  6. 「Dimension Tables」領域から「Time」ディメンション表をドラッグし、ファクト表にドロップします。

    Timeディメンション表とファクト表間の結合が作成され、「Joins」セクションに表示されます。

    時間ディメンションの結合
  7. 新しい結合行の「Fact Column」リストで「TIME_BILL_DT」を選択し、「Dimension Column」で「Date」を選択して結合列を定義し、「Save Changes」アイコンSave Changesをクリックします。

    時間ディメンションとファクト表間の結合が保存されます。

    SampleAppデータ・モデル

階層の作成

ディメンション表を作成した後、それらの表に階層およびレベルを追加できます。階層は、1対多関係で相互に関連する、ディメンションのレベルの体系です。ここでは、Productsディメンション表とOrdersディメンション表の階層を作成し、Timeディメンション表の階層名を変更します。

  1. 「Data Model」アコーディオンを展開して、階層を追加するディメンション表をダブルクリックします。たとえば、「Products」です。

    Productsディメンション表
  2. 「Products」ディメンション表で「Hierarchies」タブをクリックします。

    デフォルトの階層が表示されます。階層は通常、合計レベルで開始され、子レベル、最下位レベルと続きます。分析で階層を表示しない場合は、「Available」オプションの選択を解除します。

    「Hierarchies」タブ
  3. 「Detail」レベルをクリックしてダイアログ・ボックスを表示し、レベル名、レベルのキー列および表示列を指定できます。

    Detailレベル・プロパティ

    表示列を「PROD_ITEM_DSC」に変更し、「OK」をクリックします。
    Hirearchy 1
  4. 「Add Level」をクリックし、そのレベルに対応する列を選択します。たとえば、「PRODUCT」を選択します。

    PRODUCTレベル

    階層の「Detail」の前に、「PRODUCT」列が新しいレベルとして追加されます。

    PRODUCTレベル
  5. 「PRODUCT」レベルをクリックしてダイアログ・ボックスを表示し、レベル名、レベルのキー列および表示列を指定できます。レベル名を「Product」に変更し、「OK」をクリックします。

    PRODUCTレベルの詳細

    新しい名前が表示されます。
    Hirearchy 1
  6. 「Total」を右クリックし、「Add Level」「PROD_TYPE」の順に選択します。

    Add Level
    「PROD_TYPE」レベルが選択された状態

    選択した列が階層に表示されます。

    追加された「PROD_TYPE」レベル
  7. 「PROD_TYPE」レベル名を「Type」に変更します。

    Typeレベル
  8. 手順6から7を繰り返し、次の値を使用してさらに2つのレベルを階層に追加します。

    レベル名 キー列 表示列
    LOB PROD_LOB PROD_LOB
    Brand PROD_BRAND PROD_BRAND

    Hierarchy 1
  9. 「Hierarchy 1」ツールバーで「Hierarchy Actions」アイコンHierarchy Actionsをクリックし、「Rename」を選択します。

    Rename Hierarchy

    「Rename Hierarchy」ダイアログ・ボックスに「Products」と入力し、「OK」をクリックします。

    Rename Hierarchy

    階層名が表示されます。

    Products階層
  10. 「Done」をクリックして「Data Model」ページに戻ります。前の手順に従い、次のデータを使用してOrdersディメンション表の階層を作成します。

    階層名 親レベルの名前 レベル名 キー列 表示列
    Channels Total Channel CHANNEL_NAME CHANNEL_NAME

    Channels階層
  11. 時間ディメンションのTime Hierarchyの名前を「Time」に変更し、この階層に「Total」、「Year」「Quarter」「Month」および「Day」の各レベルが含まれていることを確認します。

    Time Hierarchy

ディメンション表の列の名前変更

ディメンション表の列名は、非正規化されたデータベース表の列名から導出されています。分析を作成するビジネス・アナリストがサブジェクト領域のオブジェクトを理解しやすいように、わかりやすい列名を使用することをお薦めします。ここでは、ディメンション表の列名を確認して読みやすい名前に変更します。

  1. 「Data Model」アコーディオンを展開して、列の名前を変更する表をダブルクリックします。たとえば、「Customers」です。

    Customersディメンション表
  2. 「Name」列で「CUST_BIRTH_DT」をクリックします。

    「CUST_BIRTH_DT」列のプロパティが表示されます。

    Cust Birth Date
  3. 「Name」テキスト・ボックスに「Cust Birth Date」と入力し、「Done」をクリックします。

    「CUST_BIRTH_DT」列の名前が「Cust Birth Date」に変更されました。

    Customers
  4. 手順1から3を繰り返し、Customersディメンション表の残りの列の名前を、次の表で指定されているように変更します。

    現在の列名 新しい列名
    CUST_CRDT_RATE Cust Credit Rate
    CUST_GENDER Cust Gender
    CUST_MARITAL_STATUS Cust Marital Status
    CUST_NAME Cust Name
    CUST_NUMBER Cust Number
    CUST_SEGMENT Cust Segment
    CUST_TYPE Cust Type

    新しい列名が「Customers」ディメンション表に表示されます。

    Customersディメンション表
  5. 手順1から3を繰り返し、Geographyディメンション表の列の名前を、次の表で指定されているように変更します。

    現在の列名 新しい列名
    ADDRESS1 Address 1
    ADDRESS2 Address 2
    ADDR_KEY Address Key
    AREA Area
    CITY City
    COUNTRY_CODE Country Code
    COUNTRY_NAME Country Name
    POSTAL_CODE Postal Code
    REGION Region
    STATE_PROV State Province

    Geography
  6. 手順1から3を繰り返し、Ordersディメンション表の列の名前を、次の表で指定されているように変更します。

    現在の列名 新しい列名
    CHANNEL_NAME Channel
    ORDER_KEY Order Number
    ORDER_STATUS Order Status
    TIME_BILL_DT Bill Date
    TIME_PAID_DT Paid Date

    Orders
  7. 手順1から3を繰り返し、Productsディメンション表の列の名前を、次の表で指定されているように変更します。

    現在の列名 新しい列名
    PROD_BRAND Brand
    PROD_ITEM_DSC Item Description
    PROD_LOB LOB
    PRODUCT Product
    PROD_ITEM_KEY Product Item Key
    PROD_TYPE Product Type

    Products
  8. 「Done」をクリックします。


    「Joins」領域で、対応するディメンション表の「Dimension Column」に新しい列名が表示されます。

    SampleAppモデル

ファクト表でのメジャーの集計の指定

メジャーはファクト表の列であり、なんらかの方法で集計されるデータ値を定義します。ここでは、Revenue Metricsファクト表の列の集計を定義します。

  1. 「Data Model」アコーディオンを展開して、「Revenue Metrics」ファクト表をクリックします。

    Revenue Metrics
  2. 「Edit All」をクリックし、列のプロパティの編集を有効にします。

    Edit All
  3. 次の表で指定されているようにファクト表の列のプロパティを編集し、「Done」をクリックします。

    現在の列名 新しい列名 集計 使用可能
    ADDR_KEY Address Key なし 不可
    CUST_NUMBER # of Customers 重複を除いた件数
    DISCNT_VALUE Discount Value 合計
    ORDER_KEY # of Orders 件数
    PROD_ITEM_KEY # of Items 重複を除いた件数
    REVENUE Revenue 合計
    TIME_BILL_DT Bill Date なし 不可
    UNITS Billed Units 合計

    注意: デフォルトで、モデルの公開後、ファクト表のすべての列をサブジェクト領域で使用できます。分析を作成する際に列を使用できないようにするには、「Available」チェック・ボックスの選択を解除します。

    定義済メジャーの数がRevenue Metricsファクト表のモデルに表示されます。

    ファクト表
  4. 「Revenue Metrics」をクリックしてメジャーを確認します。

    定義済メジャーは「Measure」アイコンMetricでマークされています。

    Revenue Metrics

計算済メジャーの作成

必要なメジャーの一部がファクト表に含まれていない場合は、他のメジャーから計算するメジャーを作成できます。ここでは、式Revenue/# of Ordersを使用して、Average Order Sizeという計算済メジャーを作成します。

  1. 「Columns」領域で、「Add Columns」をクリックします。

    新規列エディタが表示されます。

    新規列エディタ
  2. 次のアクションを実行します。

    1. 「Name」フィールドに「Average Order Size」と入力します
    2. 「Expression」ボックスに「"Revenue Metrics"."Revenue"/"Revenue Metrics"."# of Orders"」と入力します
    3. 「Validate」をクリックします

      式が有効であることを確認するメッセージが「Information」ダイアログ・ボックスに表示されます。

      Edit All
    4. 「OK」をクリックして「Information」ダイアログ・ボックスを閉じます。
    5. 「Aggregation」の設定を「Before calculating」のままにします(これは、集計済のメジャーが式に含まれていることを意味します)。
    6. 「Done」をクリックします。

      Average Order Size計算済メジャーが「Columns」領域に表示されます。その集計は「Pre-Aggregated」に設定されています。

      Revenue Metrics
  3. 「Done」を再度クリックします。

    Revenue Metricsファクト表には7つのメジャーが含まれています。

    Revenue Metrics

モデルの公開

モデルの構築後、そのモデルを公開して、分析およびダッシュボードを作成するためのサブジェクト領域として使用できるようにします。

  1. 「Publish Model」をクリックし、「Publish and Unlock」を選択します。

    モデルの公開

    モデルが正常に公開されたことを確認するメッセージが表示されます。モデルは他のユーザーが更新できるようにロック解除されます。

  2. モデルを公開した後、サブジェクト領域とそのオブジェクトを確認できます。Oracle BI Cloud Serviceの「Home」ページで、「New」→「Analysis」を選択します。

    SampleAppサブジェクト領域に、モデルのファクト表とディメンション表がフォルダとして表示されます。

    SampleAppサブジェクト領域
  3. オプション: SampleAppフォルダを開いて、各列を表示します。たとえば、Revenue Metricsフォルダを開いて、そのメジャーを表示します。

    SampleAppサブジェクト領域

まとめ

このチュートリアルでは、次の操作方法を学びました。

  • データ・モデラーの起動
  • データ・モデラーで使用可能なデータ・ソースの探索
  • SampleAppモデルの構築と公開
  • モデルから構築されたサブジェクト領域の可用性の確認

リソース

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