h Oracle BI Cloud Serviceでのマップの作業

Oracle BI Cloud Serviceでのマップの作業

概要

目的

このチュートリアルでは、Oracle BI Cloud Serviceでマップ・データを構成し、マップ・ビューを作成および編集する方法について学習します。

所要時間

約30分

はじめに

Oracle BI Cloud Serviceでは、マップ・ビューを作成し、マップのコンテキスト内でビジネス・データをユーザーに表示できます。表ビュー、ピボット表ビューおよびグラフ・ビューと同様に、マップ・ビューではデータを視覚化して操作できます。主な相違点は、マップ・ビューでは空間形式でデータが表示されることです。データをマップ上に表示すると、ユーザーは表やグラフでは明らかにならない地域全体のトレンドやトランザクションを簡単に見つけることができます。

このチュートリアルでは、Oracle BI Cloud Serviceの「Console」タブを使用し、論理列と事前定義されたテーマ間の関係を指定して、マップ・データを構成する方法について学習します。また、マップ・ビューの作成と編集方法についても学習します。

前提条件

このチュートリアルを開始する前に、管理者ロールでOracle BI Cloud Serviceにアクセスしておく必要があります。

マップ・データの構成

Oracle BI Cloud Serviceで表示されるマップは、背景マップとマップ・レイヤーという2つのコンポーネントで構成されます。背景マップはOracleの内部マップです。背景マップは非インタラクティブ・マップで、マップ・ビューの基礎として機能します。衛星イメージまたは道路地図が表示される場合があります。レイヤーはこのような背景マップの上に重ねて表示されます。マップ・ビューは、レイヤーの書式設定(色の塗りつぶし、棒グラフまたは円グラフ、バブル、可変形状、イメージ、線)に応じて、分析で表示されます。

この項では、BI列をマップ・レイヤーにマップし、背景マップを編集します。

レイヤーの設定

  1. ブラウザで、Oracle CloudページのURLを入力してから、ユーザーの資格証明を使用してOracle Cloudにサインインします。

    Oracle BI Cloudのサインイン・ページ

    Oracle BI Cloud Serviceの「Home」ページが表示されます。

    Oracle BI Cloudの「Home」ページ
  2. 「Console」をクリックします。

    Oracle BI Cloudの「Home」ページ - 管理
  3. 「BI Cloud Service Console」で、「Manage Map Data」をクリックします。

    Manage Map Data
  4. マップ・レイヤーをインポートするには、「Import Layers」アイコン「Import Layer」アイコンをクリックします。

    レイヤーのインポート
  5. 「Import Layer」ダイアログ・ボックスが表示されます。「Available Layers」リストから「World_Regions」を選択し、「OK」をクリックします。

    「Import Layer」ダイアログ・ボックス
  6. 同様に、World_Countriesレイヤーをインポートします。「World_Countries」と「World_Regions」の両方が「Layers」タブに表示されます。「World_Countries」を選択して「Edit」アイコン「Edit」アイコンをクリックします。

    レイヤーの編集
  7. World_CountriesレイヤーをBI列にマップするには、レイヤー・キー、ジオメトリ・タイプおよびBIキー列を指定する必要があります。ジオメトリ・タイプによって、レイヤーに表示できるデータの書式が決まります。たとえば、レイヤーのジオメトリ・タイプが多角形の場合、レイヤーのマップ書式には色の塗りつぶし、棒グラフまたは円グラフ、バブル、可変形状あるいはイメージを指定できますが、レイヤーのジオメトリ・タイプが線の場合、そのマップ書式に指定できるのは線のみです。

    「Layer Key」ドロップダウン・リストから「Name」を選択します。「Geometry Type」を「Polygon」に設定し、「BI Key Columns」追加アイコン「BI Key Columns」アイコンをクリックします。

    World_Countriesレイヤーの編集
  8. サブジェクト領域のリストから「SampleApp」を選択します。

    サブジェクト領域の選択
  9. 「Geography」から「Country Name」を選択し、「Selected」ペインに移動します。「OK」をクリックします。

    Country Nameのマッピング
  10. これで、Country Name列がWorld_Countriesレイヤーにマップされました。「OK」をクリックします。

    Country Nameのマッピング
  11. 同様に、BI列のRegionをWorld_Regionsレイヤーにマップします。Layer KeyとBI Key Columnの両方がRegionとして指定されています。「OK」をクリックします。

    Regionのマッピング

背景マップの設定

  1. 新規インポートされたレイヤーを背景マップに関連付けるには、「Background Maps」タブを選択します。

    Background Maps
  2. 「Import Background Maps」アイコンBackground Mapsをクリックします。

    Import Background Maps
  3. 「Import Background Maps」ダイアログ・ボックスで「ORACLE_MAPS」を選択し、「OK」をクリックします。

    Import Background Maps
  4. 「ORACLE_MAPS」が「Background Maps」タブに表示されます。これを編集するには、「Edit Background Map」アイコンEdit Background Mapsをクリックします。

    Edit Background Maps
  5. 「Edit Background Maps - ORACLE_MAPS」ダイアログ・ボックスでは、この背景マップの一番上に重ねて配置するレイヤーと、そのレイヤーを表示するズーム・レベルを指定できます。スクリーンショットに示したようにズーム・レベルを設定します。この例では、World_CountriesレイヤーがWorld_Regionsの上に表示され、デフォルトのズーム・レベルが黄色で強調表示されます。「OK」をクリックします。

    Edit Background Maps

マップ・ビューの操作

この項では、前の項で準備したWorld_RegionsレイヤーとWorld_Countriesレイヤーを使用し、分析を作成して結果をマップ・ビューに表示します。また、マップ書式の変更も行います。

マップ・ビューを使用した分析の作成

  1. 分析を作成するには、「Analyses」をクリックします。

    分析の作成
  2. 「Create Analysis」ボタンをクリックします。

    分析の作成
  3. 「SampleApp」を選択します。

    「SampleApp」の選択
  4. 別のタブに分析エディタが表示されます。「Region」「Country Name」「Brand」および「Revenue」の各列を「Selected Columns」ペインにドラッグします。

    分析の作成
  5. 「Results」タブをクリックします。「Compound Layout」が表示されます。

    Compound Layout
  6. ツールバーにある「New View」アイコンNew Viewをクリックして、「Map」を選択します。

    マップ・ビューの作成
  7. マップで使用する場合、World_RegionsレイヤーはデフォルトでRevenueメジャーの四分位数にビン化され、グレー表示で識別されます。

    マップ・ビュー
  8. マップ・プロパティを設定するには、「View Properties」アイコン「View Properties」アイコンをクリックします。

  9. 「Map Properties」ダイアログ・ボックスが表示されます。使用可能なオプションは次のとおりです。

    • 「Canvas」タブでは、マップのサイズをピクセル単位で指定できます。
    • 「Tools」タブでは、ズーム制御、パン制御、「Map Overview」ポップアップおよび「Distance Indicator」を有効または無効にできます。
    • 「Interaction」タブの「Automatically create formats when drilling」オプションでは、ユーザーがマップをドリルすると、初期マップ・レイヤーに基づいて新しい書式が作成されます。たとえば、デフォルトの初期マップ・レイヤーで地域に対して色の塗りつぶしと円グラフの書式が定義されている場合、ユーザーがそのレイヤー上でドリルすると、マップ内の次のレイヤーに塗りつぶしと円グラフの新しい色書式が自動的に作成されます。
    • 「Labels」タブでは、ユーザーがズーム・ツールを使用してマップをズームイン、ズームアウトしたときに、レイヤー・ラベルを表示するかどうかを指定できます。

    デフォルト設定のままにして、「OK」をクリックします。

    Map Properties
  10. AMERICAS地域でドリルします。

    AMERICASのドリル
  11. 表ビューとマップ・ビューのデータがAMERICASでフィルタ処理されます。次の詳細レベルであるAreaが表ビューに表示されます。「Criteria」タブをクリックします。

    AMERICAS地域の強調表示
  12. 「Area」列にカーソルを移動して、「Delete」を選択します。

    Area列の削除
  13. フィルタが設定された地域にカーソルを移動して、「Delete」アイコン「Delete」アイコンをクリックします。

    地域フィルタの解除
  14. 「Results」タブをクリックします。すべての地域のデータが表示されます。

    ドリル効果の解除

マップ・ビューの編集

  1. マップ・ビューの「Edit View」アイコン「Edit View」アイコンをクリックし、マップ・エディタを開きます。

    マップの編集
  2. マップ・ビューは、レイヤーの書式設定(色の塗りつぶし、棒グラフ、円グラフ、バブル、可変形状、イメージ、線など)に応じて、分析で表示されます。World_Regionsレイヤーのマップ書式は色の塗りつぶしであるため、マップ内の様々な地域が収益を基準として異なる濃度でグレー表示されます。World_Countriesレイヤーに新しいマップ書式を追加するには、「Add New Map Formats」アイコン「Add New Map Formats」アイコンをクリックします。

    マップ書式の追加
  3. 「Pie Graph」を選択します。

    マップ書式の追加
  4. 「World_Countries」を選択します。

    「World Countries」レイヤーの選択
  5. 「Pie Graph (World_Countries)」ダイアログ・ボックスが表示されます。「Graph Size」を「5」に変更します。「Slices」ドロップダウン・リストから「Brand」を選択し、「OK」をクリックします。

    円グラフの追加

    収益に基づいた地域単位の色の塗りつぶしを背景に、すべての国のブランド別収益が円グラフ形式で表示されます。

    円グラフが表示されたマップ
  6. World_Regionsレイヤーのマップ書式を変更するには、「Edit」アイコン「Edit」アイコンをクリックします。

    マップ書式の編集
  7. 「Color Fill (World_Regions)」ダイアログ・ボックスで、地域のラベル名を自動的に生成(現在はデフォルトでメジャー名から導出)する機能を選択したままにします。

  8. カーソルをマップ上に置くと関連情報が表示されるようにするには、「ToolTips」を設定する必要があります。デフォルト値をそのまま使用します。

    ビン化オプションの変更
  9. 「Vary Color By」ドロップダウン・リストには分析のメジャーが含まれ、これを色変更基準として選択できます。メジャーにはRevenueの1つしかないため、設定はこのままにします。

    「Vary Color By」オプションの変更
  10. 「Bin Type」ドロップダウン・リストで、ビン化オプションをいくつか試してみます。デフォルトの「Percentile Binning」を選択すると、ビンが最小から最大までの四分位数に自動的に分けられます(ダイアログ・ボックスの下部を参照)。結果がわかりやすいように、必要に応じて各ビンのデフォルト・ラベルを編集できます。また、「Bins」ドロップダウン・リストで選択して、ビンの数を増減することもできます。ビンの数を「6」に設定します。

    ビン化オプションの変更
  11. 他のタイプのビン化オプションを試してみます。「Value Binning」では、最小値や最大値を設定したり、ビンにラベルを付けられます。「Color Fill」の書式で「Continuous Color Fill」を選択すれば、色の帯を変化させてマップの地理的なランクに適用することもできます。試した後で、百分位数によるビン化に戻します。

  12. 「Style」ドロップダウン・リストから、マップのランキング状態の各ビンを表現する場合に使用する、一連の色を選択します。ドロップダウン・リストでオプションを選択し、デフォルト設定のグレー表示よりも目立つ配色を追加します。「Transparency」で網掛けの濃淡を変更できます。「Color Fill (World_Regions)」ダイアログ・ボックスを次のようにしてください。「OK」をクリックします。

    「Color Fill」ダイアログ・ボックス
  13. 変更された設定でマップが表示されます。「Zoom In」アイコンをクリックします。

    変更されたマップ
  14. ズームインされたマップが表示されます。「Done」をクリックします。

    ズームインされたマップ

マップを使用したマスター/ディテール・リンクの作成

ビューのマスター/ディテール・リンクを使用すると、2つ以上のビューの間に関係を確立し、1つのビュー(マスター・ビュー)に基づいて他の複数のビュー(詳細ビュー)のデータを変化させることができます。この項では、マップ・ビューとゲージ・ビューとの間にマスター/ディテール・リンクを作成します。

  1. マスター・ビューで詳細ビューをリンク先に設定するには、「Criteria」タブを選択します。

  2. 「Region」列にカーソルを移動して、「Column Properties」を選択します。

    マスター・ビューの設定
  3. 「Column Properties」ダイアログ・ボックスが表示されます。「Interaction」タブを選択します。「Value」領域で「Primary Interaction」ドロップダウン・リストをクリックし、「Send Master-Detail Events」を選択します。

    マスター・ビューの設定
  4. 「Specify channel」テキスト・ボックスに「region」と入力します。マスター・ビューではこのチャネルを使用してマスター/ディテール・イベントを送信します。このテキスト・ボックスでは大/小文字が区別されます。「OK」をクリックします。

    マスター・ビューのチャネルの設定
  5. 詳細ビューを作成するには、「Results」タブをクリックします。

  6. 「New View」アイコン「New View」アイコンをクリックし、「Gauge」「Dial」を選択します。

    ゲージ・ビューの作成
  7. ゲージ・ビューの「Edit」アイコン「Edit」アイコンをクリックします。

    ゲージ・ビューの編集
  8. 「Region」「Sections」領域に移動して、「Display as Slider」チェック・ボックスを選択します。「Country Name」「Excluded」領域に移動します。「Edit Gauge Properties」アイコン「Gauge Properties」アイコンを選択します。

    ゲージ・ビューの編集
  9. 「Listen to Master-Detail Events」チェック・ボックスを選択します。「Event Channels」テキスト・ボックスに「region」と入力します。これはマスター・ビューの入力テキストと完全に一致する必要があります。「OK」をクリックします。

    マスター/ディテール・イベントの詳細ビューの設定
  10. 「Done」をクリックします。

    ゲージ・ビュー
  11. マップ・ビュー(マスター・ビュー)で「EMEA」を選択してドリルダウンします。

    マスター/ディテール・イベントの詳細ビューの設定

    ゲージ・ビュー(詳細ビュー)が自動的にドリルを反映して更新されます。

    変更されたゲージ・ビュー
  12. 「Save」アイコン「Save」アイコンをクリックして分析を保存します。

まとめ

このチュートリアルでは、Oracle BI Cloud Serviceでのマップの操作方法について説明しました。

このチュートリアルでは、次の操作を学びました。

  • レイヤーおよび背景マップのインポート
  • BI列とレイヤーとの関連付け
  • レイヤーと背景マップとの関連付け
  • マップ・ビューを使用した分析の作成
  • マップ・ビューの編集
  • マップ・ビューとゲージ・ビューとの間のマスター/ディテール・リンクの作成

リソース

このOracle by Exampleチュートリアルを移動する際の留意点は次のとおりです。

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