プラガブル・データベースを使用したOracle Database Cloud Serviceへのデータの移動
概要
目的
このチュートリアルでは、次の操作を学びます。- オンプレミス・データベースに接続する
- オンプレミス・データベース内のコンテンツを作成する
- オンプレミス・データベースを切断する
- オンプレミス・データベース・ファイルをクラウドにコピーする
- オンプレミス・データベースをクラウド・インスタンスに接続する
- クラウド・インスタンス内のデータベース・コンテンツを表示する
所要時間
約1時間
概要
データベース開発やクラウド・コンピューティングの経験があまりない、または一切ないユーザーは、このガイドを使用して、オンプレミス・データベースを切断し、クラウド・データベース・インスタンスに接続することにより、データを転送できるようになります。クラウド・データベース・インスタンス内で新しく転送されたデータは、後で確認できます。
ソフトウェア要件
- SQL Developer 4.0.4以降
- 次のいずれかのブラウザ:
ブラウザ バージョン Microsoft Internet Explorer 9または10 (ブラウザ・モードIE9またはIE10) Mozilla Firefox 24以降 Google Chrome 29以降 Apple Safari 6
注意: このリリースは、モバイル・ブラウザをサポートしていません。
前提条件
このチュートリアルを始める前に次が必要です。
- VMがインストールされた仮想ボックス
- クラウド・データベース・インスタンスおよびログイン資格証明(パスフレーズを使用する鍵を使用して作成されたもの)
- 開かれたEM Express用のポート(5500)
- クラウド接続用のSSH公開鍵/秘密鍵(Oracle Database as a Serviceの使用を参照)
- PREM1にコピーされたCLOUD1の秘密鍵
- PREM1およびCLOUD1へのSQL Developer SSH接続
- PREM1およびCLOUD1へのSSHターミナル接続
準備 ...
このセッションで必要な情報:
- VMログイン資格証明
- クラウド・サービスのログイン資格証明
- SQL Developerのログイン資格証明
- PREM1インスタンスのIPアドレス、秘密鍵ファイルおよびサービス名
オンプレミス・データベースへの接続
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SQL Developerを起動します。
-
「Connections」タブで、「Connections」を右クリックし、「New Connection」を選択します。
「New / Select Database Connection」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
「New / Select Database Connection」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「Connection Name」フィールドに「PREM1」を入力します
- 「Username」フィールドに「sys」を入力します
- 「Connection Type」ドロップダウンから、「Basic」を選択します
- 「Role」ドロップダウンから、「SYSDBA」を選択します
- 「Hostname」フィールドに「localhost」を入力します
- 「Port」フィールドに「1521」を入力します
- 「Service Name」を選択し、提供されたサービス名を入力します
- 「Advanced」をクリックし、「Advanced Properties」ダイアログを開きます
-
「Advanced Properties」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「SSH」タブをクリックします
- 「Use SSH」を選択します
- 「Host」フィールドにPREM1データベースのIPアドレスを入力します。これは、自分のオンプレミス・データベースです。
- 「Port」フィールドに「22」を入力します。
- 「Username」フィールドに「oracle」を入力します
- 「Use Key File」を選択します
- 「Browse」をクリックしてこの接続用の秘密鍵ファイルを選択します
- 「OK」をクリックし、「Advanced Properties」の設定を保存します
-
「Save」をクリックし、「New / Select Database Connection」ダイアログ・ボックスを閉じます。
-
「Connections」ビュー内の「PREM1 PDB」を右クリックし、「Connect」をクリックします。
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提供されたパスワードを「Connection Information」ダイアログに入力します。
-
PREM1 PDB接続が開き、PDBオブジェクトが「Connections」ビューにリストされます。
オンプレミス・データベース内のコンテンツの作成
SQL Developerを使用して、ONLINE_SHOPという名前のスキーマをオンプレミス・データベースで作成します。このスキーマは、顧客ベースおよび商品を扱うオンライン・ストアを表します。顧客に関する情報はCUSTOMERS表に格納され、商品に関する情報はCOMMODITIES表に格納され、注文の詳細はORDERS表に格納されます。
ユーザーの作成
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「Connections」ビューで「PREM1 PDB」を展開します。
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「Other Users」を右クリックし、「Create User」をクリックします。
「User」タブが選択された「Create User」ダイアログが表示されます。
- 「User Name」フィールドに「online_shop」を入力します
- 「New Password」フィールドに提供されたパスワードを入力します
- 「Confirm Password」フィールドに提供されたパスワードを再入力します
- 「Default Tablespace」ドロップダウンで「USERS」を選択します
- 「Temporary Tablespace」ドロップダウンで「TEMP」を選択します
-
「Create User」ダイアログで、「System Privileges」タブをクリックします。「System Privileges」ダイアログが表示されます。「Granted」列で、次を選択します。
- Create Session
- Create Table
- Drop Any Table
- Insert Any Table
- Select Any Table
- Unlimited Tablespace
- Update Any Table
-
「Apply」をクリックし、ユーザーのonline_shopを作成します
表の作成
-
「Connections」ビューで「PREM1 PDB」を展開します。
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「Other Users」、「ONLINE_SHOP」の下で、「Tables」を右クリックし、「New Table」をクリックします。
「New Table」ダイアログが表示されます。
- 「Name」フィールドに「CUSTOMERS」を入力します
- 「Columns」ペインで、「Name」列を選択し、「customer_id」を入力します。
- 「Data Type」列を選択し、「VARCHAR2」を入力します
- 「Size」列を選択し、「4」を入力します
- 「+」をクリックし、新しい列を追加します
- 別の3つの列に詳細を追加します。
- CUSTOMER_NAME VARCHAR2 20
- ADDRESS VARCHAR2 60
- CONTACT VARCHAR2 20
-
「New Table」ダイアログで、左ペインの「Constraints」をクリックします。「Constraints」ペインが表示されます。
- 「+」をクリックし、新しい主キー制約を追加します
- 「Name」を選択し、「CUST_ID_PK」を入力します
- 「Available Columns」ペインで「CUSTOMER_ID」をダブルクリックします
- 「OK」をクリックし、表CUSTOMERSを作成します
-
同じ方法で、次の列および制約を使用してCOMMODITIES表を作成します。
- COMMODITY_ID VARCHAR2 4
- COMMODITY_NAME VARCHAR2 20
- UNIT_PRICE NUMBER 8,2 NOT NULL
- CONSTRAINT COMM_ID_PK PRIMARY KEY(COMMODITY_ID)
-
もう一度、同じ方法で、次の列および制約を使用してORDERS表を作成します。
- ORDER_ID VARCHAR2 4
- CUSTOMER_ID VARCHAR2 4
- COMMODITY_ID VARCHAR2 4
- UNITS NUMBER 8,2 NOT NULL
- TOTAL_COST NUMBER 8,2 NOT NULL
- CONSTRAINT ORDER_ID_PK PRIMARY KEY(ORDER_ID)
- CONSTRAINT ORDER_CUST_FK FOREIGN KEY(CUSTOMER_ID) REFERENCES CUSTOMERS (CUSTOMER_ID)
- CONSTRAINT ORDER_COMM_FK FOREIGN KEY(COMMODITY_ID) REFERENCES COMMODITIES(COMMODITY_ID)
- CONSTRAINT CHECK_UNIT CHECK(UNITS > 0)
- CONSTRAINT CHECK_TOT1 CHECK(TOTAL_COST > 0)
レコードの挿入
-
「Connections」ビューで「PREM1 PDB」を展開します。「Other Users」、「ONLINE_SHOP」、「Tables」の順に展開します。新しく作成した3つの表が表示されます。
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「COMMODITIES」をクリックし、「COMMODITIES」表ウィンドウを開きます。
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「Data」タブ、「+」の順にクリックし、データの行の入力を開始します。
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3行のデータを入力し、チェック・アイコンをクリックして行を保存します。
-
同じ方法で、CUSTOMERS表を開き、3行のデータを入力します。
-
もう一度、同じ方法で、ORDERS表を開き、3行のデータを入力します。
オンプレミス・データベースの切断
コンテナ・データベースに接続し、オンプレミス・データベースを切断します。
オンプレミス・データベースを切断する前にこれを閉じる必要があります。
コンテナ・データベース接続の作成
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SQL Developerを起動します。
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「Connections」ビューで、「Connections」を右クリックし、「New Connection」を選択します。
「New / Select Database Connection」ダイアログ・ボックスが表示されます。
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「New / Select Database Connection」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「Connection Name」フィールドに「PREM1」を入力します
- 「Username」フィールドに「sys」を入力します
- 「Connection Type」ドロップダウンから、「Basic」を選択します
- 「Role」ドロップダウンから、「SYSDBA」を選択します
- 「Hostname」フィールドに「localhost」を入力します
- 「Port」フィールドに「1521」を入力します
- 「SID」を選択し、「orcl」を入力します
- 「Advanced」をクリックし、「Advanced Properties」ダイアログを開きます
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「Advanced Properties」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「SSH」タブをクリックします
- 「Use SSH」を選択します
- 「Host」フィールドにPREM1データベースのIPアドレスを入力します。これは、自分のオンプレミス・データベースです。
- 「Port」フィールドに「22」を入力します。
- 「Username」フィールドに「oracle」を入力します
- 「Use Key File」を選択します
- 「Browse」をクリックしてこの接続用の秘密鍵ファイルを選択します
- 「OK」をクリックし、「Advanced Properties」の設定を保存します
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「Save」をクリックし、「New / Select Database Connection」ダイアログ・ボックスを閉じます。
-
「Connections」ビュー内の「PREM1」を右クリックし、「Connect」をクリックします。
-
提供されたパスワードを「Connection Information」ダイアログに入力します。
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PREM1接続が開き、CDBオブジェクトが「Connections」ビューにリストされます。
DBAナビゲータへの接続の追加
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「View」→「DBA」の順に選択します。
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「DBA」ビューで、「Connections」を右クリックし、「Add Connection」を選択します。
-
「Select Connection」ダイアログ・ボックスで、「PREM1」を選択し、「OK」をクリックします。
PREM1接続が「DBA」ビューに追加されます。
「DBA」ビュー内のオンプレミス・データベースの切断
-
「DBA」ビューで、「PREM1」接続を展開し、「Container Database」ノードを展開します。「PDB1」を右クリックし、「Modify State」を選択します。
「Modify Pluggable State」ダイアログ・ボックスが表示されます。データベースPDB1がOPENであるため、「New State」の値は「CLOSE」です。
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「Apply」をクリックし、PDB1を閉じます。
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DBAの「Container Database」ツリーで、「PDB1」を右クリックし、「Unplug Pluggable Database」を選択します。
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「Unplug Database」ダイアログ・ボックスで、データベース名PDB1およびXMLファイル名PDB1.XMLを確認します。
-
「Apply」をクリックします。
オンプレミス・データベースPDB1は切断され、「Container Database」ツリーにはリストされなくなりました。
オンプレミス・データベース・ファイルのクラウドへのコピー
PDB1.XMLメタファイルをオンプレミス環境からクラウド・インスタンスにコピーします。
- オンプレミス・サーバーから、クラウド・インスタンスへのSSHターミナル接続を開きます。
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クラウド・インスタンスの秘密鍵ファイルが含まれる$HOMEディレクトリに移動します。
cd $HOME
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SCPユーティリティを使用してPDB1.xmlメタファイルをクラウド・インスタンスにコピーします。SCPは、-iオプションを使用して秘密鍵を提供し、クラウドのログイン・ユーザー名およびクラウド・インスタンスのIPアドレスを必要とします。
scp -i CLOUD1-20150118 /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs/PDB1.XML oracle@129.152.145.108:/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs
You are prompted to enter the public key passphrase.
-
SCPユーティリティを使用してPDB1データ・ファイルをクラウド・インスタンスにコピーします。
scp -r -i CLOUD1-20150118 /u02/app/oracle/oradata/ORCL/PDB1 oracle@129.152.145.108:/u02/app/oracle/oradata/CLOUD1
データベースのクラウド・インスタンスへの接続
クラウド・インスタンスへの接続
クラウド・インスタンスに接続し、プラガブル・データベースにプラグインできるようにします。
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提供されているURLを使用してクラウド・サービスに接続します。提供されているユーザー名、パスワードおよびアイデンティティ・ドメインを入力し、「Sign In」をクリックします。
クラウド・サービス画面が表示されます。
-
CLOUD1をクリックし、CLOUD1インスタンスの詳細画面を開きます。
データベースのプラグイン
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クラウド・インスタンスの詳細画面で、「Console Menu」アイコンをクリックし、「Open EM Console」オプションをクリックします。
EM Expressのログイン・ページが開きます。
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EM Expressのログイン資格証明を入力します。
- User Name: sys
- Password: クラウド・インスタンスを作成するために使用したパスワード
- 「as sysdba」チェック・ボックスを選択します
EM Expressのホーム・ページが開きます。
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「CDB (1 PDBs)」リンクをクリックし、「Containers」ページを開きます。既存のPDB2データベースを確認します。
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「Containers」メニュー・バーで、「Plug」をクリックし、「Plug PDB」ダイアログを開きます。
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「Plug PDB」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「Metadata File」フィールドに「PDB1.XML」を入力します
- 「Reuse PDB name from Metadata File」を選択します
- 「Source Datafile Location」フィールドにデータベース・ファイルへのパスを入力します
- 「OK」をクリックし、データベースのロードを開始します
-
これで、「Containers」ページに、追加のプラガブル・データベースPDB1が表示されます。
クラウド・インスタンス内のデータの表示
SQL Developerを使用して、以前に作成したonline_shopデータを表示します。これにより、オンプレミス・データベースが正常に切断されてクラウド・インスタンスにプラグインされたことを確認します。
クラウド・データベースへの接続
-
SQL Developerを起動します。
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「Connections」タブで、「Connections」を右クリックし、「New Connection」を選択します。
「New / Select Database Connection」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
「New / Select Database Connection」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「Connection Name」フィールドに「CLOUD1 PDB」を入力します
- 「Username」フィールドに「sys」を入力します
- 「Connection Type」ドロップダウンから、「Basic」を選択します
- 「Role」ドロップダウンから、「SYSDBA」を選択します
- 「Hostname」フィールドに「localhost」を入力します
- 「Port」フィールドに「1521」を入力します
- 「Service Name」を選択し、提供されたCLOUD1サービス名を入力します
- 「Advanced」をクリックし、「Advanced Properties」ダイアログを開きます
-
「Advanced Properties」ダイアログで、次の操作を実行します。
- 「SSH」タブをクリックします
- 「Use SSH」を選択します
- 「Host」フィールドにCLOUD1データベースのIPアドレスを入力します。これは、自分のクラウド・データベースです。
- 「Port」フィールドに「22」を入力します。
- 「Username」フィールドに「oracle」を入力します
- 「Use Key File」を選択します
- 「Browse」をクリックしてこの接続用の秘密鍵ファイルを選択します
- 「OK」をクリックし、「Advanced Properties」の設定を保存します
-
「Save」をクリックし、「New / Select Database Connection」ダイアログ・ボックスを閉じます。
クラウド・データベースのコンテンツの表示
-
「Connections」ビュー内の「CLOUD1 PDB」を右クリックし、「Connect」をクリックします。
-
提供されたパスワードを「Connection Information」ダイアログに入力します。
-
「SSH Authorization」ダイアログにパスフレーズを入力します。
-
CLOUD1 PDB接続が開き、PDBオブジェクトが「Connections」ビューにリストされます。
-
「Other Users」、「ONLINE-SHOP」、「Tables」の順に展開し、オンプレミス・データベースで作成した表を表示します。現在、クラウド・データベース内のこのコンテンツが表示されています。コンテンツ内を閲覧し、入力したレコードを表示します。
成功!
概要
- SQL Developerを使用してオンプレミス・データベースに接続する
- SQL Developerを使用してオンプレミス・データベース内のコンテンツを作成する
- SQL Developerを使用してオンプレミス・データベースを切断する
- SSHターミナルおよびSCPユーティリティを使用してオンプレミス・データベース・ファイルをクラウド・インスタンスにコピーする
- クラウド・インスタンスに接続し、EM Expressを使用してデータベースにプラグインする
- SQL Developerを使用して、クラウド・インスタンスにプラグインしたデータベース内のコンテンツを表示する
クレジット
- 主要カリキュラム開発者: Simon Watt
- 他の貢献者: Brian Spendolini、Mike Fitch、Richard Green、Nancy Greenberg、Dom Lindars
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