この章では、Oracle Exadata Database MachineおよびOracle Exadata Storage拡張ラックの機能とハードウェア・コンポーネントについて説明します。また、Oracle Exadata Database MachineおよびOracle Exadata Storage拡張ラックに関連する使用方法も示します。
この章の内容は次のとおりです。
注意: 読みやすさを考慮して、Oracle Exadata Database MachineとOracle Exadata Storage拡張ラックの両方に言及する場合、「Oracle Exadataラック」という名前を使用します。 |
Oracle Exadata Database Machineは、Oracle Databaseを実行するためのパフォーマンスと可用性が最も高いプラットフォームになるように設計されています。Oracle Exadata Database Machineは、業界標準のスケールアウト データベース・サーバー、インテリジェントなスケールアウト・ストレージ・サーバーおよびデータベースとストレージ・サーバーを接続する非常に高速なInfiniBand内部ファブリックを特長とする最新のアーキテクチャです。Oracle Exadata Storage Server Softwareのユニークなソフトウェア・アルゴリズムは、ストレージでのデータベース・インテリジェンス、PCIベースのフラッシュおよびInfiniBandネットワークを実装して、他のプラットフォームよりも低コストで高パフォーマンスと大容量を実現します。Oracle Exadata Database Machineは、オンライン・トランザクション処理(OLTP)、データ・ウェアハウス(DW)および混合ワークロードの統合など、あらゆるタイプのデータベース・ワークロードを実行します。Oracle Exadata Database Machineは、最も重要なデータベースを稼働および保護し、統合されたデータベース・クラウドの理想的な基盤となります。
Oracle Exadata Database Machineには、Oracle Databaseの実行に必要なすべてのハードウェアが含まれています。データベース・サーバー、ストレージ・サーバーおよびネットワークは、オラクル社のエンジニアによって事前に構成、調整およびテストされているため、高パフォーマンスなシステムのデプロイに通常必要となる数週間の労力が不要になります。エンドツーエンドの広範なテストにより、すべてのコンポーネントが連携すること、およびシステム全体に影響する可能性があるパフォーマンス・ボトルネックや単一点障害がないことが保証されます。
Machineを重要なアプリケーションにデプロイしている他のユーザーのエクスペリエンスから顧客が利点を得られるように、すべてのOracle Exadata Database Machineの構成は同一になっています。また、顧客のマシンは、Oracleサポートが問題の特定と解決に使用するマシンやOracleエンジニアリングがデータベース開発に使用するマシンとも同一です。
Oracle Exadata Database Machineでは、標準のOracle Databaseが実行されます。Oracle Databaseで実行されるアプリケーションは、アプリケーションに変更を加えることなくシームレスにOracle Exadata Database Machineに移行できます。
Oracle Exadata Database Machineは、データベース・サーバーとストレージ・サーバーの両方にスケールアウト・アーキテクチャを使用します。Oracle Exadata Database Machineが増大するのに伴い、データベースCPU、記憶域およびネットワーキングがバランスの取れた方法で追加され、ボトルネックのないスケーラビリティが実現されます。次のOracle Exadata Database Machine標準構成を利用できます。
Oracle Exadata Database Machineフル・ラック
Oracle Exadata Database Machineハーフ・ラック
Oracle Exadata Database Machineクオータ・ラック
Oracle Exadata Database Machineエイス・ラック
Oracle Exadata Database Machineを"エラスティック構成"と呼ばれるカスタム構成にアップグレードすることもできます。エラスティック構成では、必要に応じ任意の数のデータベース・サーバーとストレージ・サーバーを搭載してOracle Exadataシステムを構築できます。詳細は、第7章「エラスティック構成」を参照してください。
ラック内のアップグレードに加えて、統合されたInfiniBandファブリックを使用して複数のラックを接続し、さらに大きな構成を形成できます。たとえば、4つのOracle Exadataフル・ラックで構成されたシステムは、単一ラック・システムよりも4倍強力です。4つのラックにより、I/Oスループット、記憶容量およびプロセッサが4倍になります。大規模な単一システムとして構成したり、複数データベースの統合のために論理的にパーティション化できます。Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)で処理能力を動的に追加したり、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)で記憶域を動的に追加できます。
データ圧縮を使用すると、大規模データベースに消費される記憶域を大幅に削減できます。Exadata Storage Serverには、ハイブリッド列圧縮と呼ばれる非常に優れた圧縮機能があります。ハイブリッド列圧縮を使用すると最高レベルのデータ圧縮が可能になり、I/Oが削減されるためコストが大幅に節約されてパフォーマンスが向上します。従来のシステムでは、データの高圧縮を有効にするとパフォーマンスが低下する問題があります。Oracle Exadata Database Machineでは、圧縮解除オーバーヘッドをExadata Storage Serverの多数のプロセッサにオフロードできるため、ほとんどのワークロードはハイブリッド列圧縮を使用するとそれらを使用しない場合よりも速く実行されます。ハイブリッド列圧縮は、列格納の圧縮パフォーマンスと分析パフォーマンスの両方の利点を組み合せつつ、列格納でドリルダウン操作時に経験する大幅な速度低下を回避します。
より大きな記憶容量が必要な場合、Oracle Exadata Storage拡張ラックを使用できます。Oracle Exadata Storage拡張ラックを使用すると、Oracle Exadata Database Machineの記憶容量と帯域幅を増やすことができます。これは、履歴データまたはアーカイブ・データ、バックアップ、ドキュメント、イメージ、XML、ラージ・オブジェクト(LOB)などの膨大な量のデータを必要とするデータベース・デプロイメント用に設計されています。Oracle Exadata Storage拡張ラックにはフル・ラック、ハーフ・ラックおよびクオータ・ラックのサイズがあり、統合されたInfiniBandファブリックを使用してOracle Exadata Database Machineに接続されます。構成には、論理ユニット番号(LUN)またはマウント・ポイントの設定は必要ありません。コマンドライン・インタフェースを使用して、ストレージをデータベースにオンラインで構成および追加できます。
Oracle Exadata Database Machineアーキテクチャは、高いパフォーマンスとスケーラビリティを実現するだけでなく、データ処理集中型のSQL操作をExadata Storage Serverにオフロードする独自のテクノロジも備えています。SQL処理をExadata Storage Serverに移すと、ディスクからデータを読み取る際に、すべてのストレージ・サーバーで即時にパラレルでデータのフィルタリングおよび処理を行うことができます。Exadata記憶域のオフロードにより、データベース・サーバーのCPU使用量が低減され、ストレージ・サーバーとデータベース・サーバー間を移動するデータ量が大幅に減少します。
Oracle Exadata Database Machineでは、フラッシュ・ディスクではなく最新のPCIeフラッシュ・テクノロジが使用されます。PCIeフラッシュでは、フラッシュが、遅いディスク・コントローラやディレクタの背後ではなく高速PCIeバス上に直接配置されるため、パフォーマンスが大幅に向上します。各Exadata Storage Serverには、総容量が3.2TBのフラッシュ・メモリーの4個のPCIeフラッシュ・カードが搭載されています。Oracle Exadata Database Machineフル・ラックには、44.8TBのフラッシュ・メモリーを提供する56個のPCIeフラッシュ・カードが搭載されています。
Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュは、PCIeフラッシュにアクセス頻度の高いデータを自動的にキャッシュしつつ、アクセス頻度の低いデータをディスク・ドライブに維持します。これにより、フラッシュのパフォーマンスにディスクの容量とコストが提供されます。Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュは、データベース・ワークロードと、再利用されなかったりキャッシュに収まらないデータのキャッシュを回避する状況を認識します。Oracle DatabaseおよびOracle Exadata Storage Server Softwareでは、データベース表、索引およびセグメントのレベルでディレクティブを提供し、特定のデータがフラッシュに保存されるようにできます。表はフラッシュに保持できますが、その際、従来のストレージおよびフラッシュ・ディスクで必要であった、異なる表領域、ファイルまたはLUNへの移動は必要ありません。
注意: Oracle Exadata Database Machineには、Oracleソフトウェアのライセンスは付属していません。Oracle Exadata Database Machineをデータベース・サーバーとして使用する場合、次のソフトウェアの適切な使用許諾が必要となります。
また、次のソフトウェアの使用許諾の取得をお薦めします。
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Oracle Exadata Database Machineは、Oracle Database Server、Exadata Storage Serverおよびネットワークに接続するためのネットワーク・コンポーネントで構成されています。次の項では、各タイプのOracle Exadata Database Machineのコンポーネントについて説明します。
Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8のデータベース・サーバー・コンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックのデータベース・サーバー・コンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックのデータベース・サーバー・コンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのデータベース・サーバー・コンポーネント
Oracle Exadata Database Machineは、フル・ラック、ハーフ・ラック、クオータ・ラックまたはエイス・ラックとして使用できます。表1-1に、各Oracle Exadata Database Machineに含まれるコンポーネントを示します。
表1-1 Oracle Exadata Database Machineのコンポーネント
エディション | Oracle Exadata Database Machineフル・ラック |
Oracle Exadata Database Machineハーフ・ラック |
Oracle Exadata Database Machineクオータ・ラック |
Oracle Exadata Database Machineエイス・ラック |
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Oracle Exadata Database Machine X6-2 |
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Oracle Exadata Database Machine X5-2 |
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Oracle Exadata Database Machine X5-8 Oracle Exadata Database Machine X6-8 |
適用されません。 |
適用されません。 |
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Oracle Exadata Database Machine X4-2 |
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|||
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラック |
適用されません。 |
適用されません。 |
適用されません。 |
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Oracle Exadata Database Machine X3-2 |
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Exadata Storage Server X4-2L Serverを使用したOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラック |
適用されません。 |
適用されません。 |
適用されません。 |
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Exadata Storage Server X3-2 Serverを使用したOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラック |
適用されません。 |
適用されません。 |
適用されません。 |
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Oracle Exadata Database Machine X2-2 |
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適用されません。 |
Oracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラック |
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適用されません。 |
適用されません。 |
適用されません。 |
脚注 1 RAW容量の場合、1GB = 10億バイト。通常の領域の表記(1TB = 1024 * 1024 * 1024 * 1024バイト)を使用して計算される容量。実際にフォーマットされる容量は少なくなります。
脚注 2 Sun Fire X4170 Oracle Database Serverに基づくExadata Database Machineハーフ・ラックには、2台のSun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチが含まれます。
脚注 3 RAW容量の場合、1GB = 10億バイト。通常の領域の表記(1TB = 1024 * 1024 * 1024 * 1024バイト)を使用して計算される容量。実際にフォーマットされる容量は少なくなります。
脚注 4 Sun Fire X4170 Oracle Database Serverに基づくExadata Database Machineハーフ・ラックには、2台のSun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチが含まれます。
注意: データベース・サーバーおよびExadata Storage Serverごとに内蔵ギガビット・イーサネット(GbE)ポートを1つと、イーサネット・スイッチのポートを1つ、管理ネットワーク用に指定することをお薦めします。 |
表1-2に、Oracle Exadata Database Machine X6-2データベース・サーバーのコンポーネントを示します
表1-2 Oracle Exadata Database Machine X6-2データベース・サーバーのコンポーネント
Oracle Server X6-2 Oracle Databaseサーバー |
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表1-3に、Oracle Exadata Database Machine X5-2データベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-3 Oracle Exadata Database Machine X5-2データベース・サーバーのコンポーネント
Oracle Server X5-2 Oracle Databaseサーバー |
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表1-4に、Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8データベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-4 Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8のコンポーネント
Oracle Server X5-8およびX6-8 Database Server |
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表1-5に、Oracle Exadata Database Machine X4-2データベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-5 Oracle Exadata Database Machine X4-2データベース・サーバーのコンポーネント
Sun Server X4-2 Oracle Database Server |
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表1-6に、Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックのデータベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-6 Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックのデータベース・サーバーのコンポーネント
Sun Server X4-8 Oracle Database Server |
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表1-7に、Oracle Exadata Database Machine X3-2データベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-7 Oracle Exadata Database Machine X3-2データベース・サーバーのコンポーネント
Sun Server X3-2 Oracle Database Server |
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表1-8に、Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックのデータベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-8 Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックのデータベース・サーバーのコンポーネント
Sun Server X3-8 Oracle Database Server |
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表1-9に、Oracle Exadata Database Machine X2-2データベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-9 Oracle Exadata Database Machine X2-2データベース・サーバーのコンポーネント
Sun Fire X4170 Oracle Database Server | Sun Fire X4170 M2 Oracle Database Server |
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表1-10に、Oracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのデータベース・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-10 Oracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのデータベース・サーバーのコンポーネント
Sun Fire X4800 Oracle Database Server | Sun Server X2-8 Oracle Database Server |
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表1-11に、Exadata Storage Serverのコンポーネントを示します。
表1-11 Exadata Storage Serverのコンポーネント
サーバー | コンポーネント |
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Extreme Flash Exadata Storage Server X6-2 Server |
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大容量Exadata Storage Server X6-2 Server |
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Extreme Flash Exadata Storage Server X5-2 Servers |
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大容量Exadata Storage Server X5-2 Servers |
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Exadata Storage Server X4-2L Server |
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Exadata Storage Server X3-2 Server |
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Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Server |
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Sun Fire X4275サーバーを使用したExadata Storage Server |
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脚注 1 以前のリリースでは、大容量ディスクは4TBでした。
脚注 2 以前のリリースでは、大容量ディスクは4TBでした。
脚注 3 以前のリリースでは、大容量ディスクは2TBでした。
Oracle Exadata Database Machineには、スペア・キットが含まれます。
表1-12に、Oracle Exadata Database Machine X6-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-12 Oracle Exadata Database Machine X6-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X6-2フル・ラック | Oracle Exadata Database Machine X6-2ハーフ・ラック | Oracle Exadata Database Machine X6-2クオータ・ラック | Oracle Exadata Database Machine X6-2エイス・ラック |
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表1-13に、Oracle Exadata Database Machine X5-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-13 Oracle Exadata Database Machine X5-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X5-2フル・ラック |
Oracle Exadata Database Machine X5-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Database Machine X5-2クオータ・ラック |
Oracle Exadata Database Machine X5-2エイス・ラック |
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表1-14に、Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-14 Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8 |
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表1-15に、Oracle Exadata Database Machine X4-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-15 Oracle Exadata Database Machine X4-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X4-2フル・ラック |
Oracle Exadata Database Machine X4-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Database Machine X4-2クオータ・ラック |
Oracle Exadata Database Machine X4-2エイス・ラック |
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表1-16に、Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックのスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-16 Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックのスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラック |
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表1-17に、Oracle Exadata Database Machine X3-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-17 Oracle Exadata Database Machine X3-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machineフル・ラック |
Oracle Exadata Database Machineハーフ・ラック |
Oracle Exadata Database Machineクオータ・ラック |
Oracle Exadata Database Machineエイス・ラック |
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表1-18に、Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックのスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-18 Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックのスペア・キットのコンポーネント
Exadata Storage Server X4-2L Serverを使用したOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラック | Exadata Storage Server X3-2 Serverを使用したOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラック |
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表1-19に、Oracle Exadata Database Machine X2-2およびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-19 Oracle Exadata Database Machine X2-2およびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Database Machineフル・ラック |
Oracle Exadata Database Machineハーフ・ラック |
Oracle Exadata Database Machineクオータ・ラック |
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注意: Oracle Exadata Database Machine X2-2(X4170およびX4275サーバー搭載)モデルには、2TBの高容量SATAドライブがあります。 |
Oracle Exadata Storage拡張ラックには、Oracle Exadata Database Machine用の追加記憶域が用意されています。追加記憶域は、バックアップ、履歴データ、非構造化データ用に使用できます。Oracle Exadata Storage拡張ラックを使用すると、次のようにOracle Exadata Database Machineに領域を追加できます。
新しいExadataセルとグリッド・ディスクを新しいOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)ディスク・グループに追加します。
Oracle Exadata Storage拡張ラックにグリッド・ディスクを追加して、既存のディスク・グループを拡張します。
Oracle Exadata Storage拡張ラックを複数のOracle Exadata Database Machineに分割します。
次の項では、Oracle Exadata Storage拡張ラックのコンポーネントについて説明します。
Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Serverを収容するOracle Exadata Storage拡張ラックのコンポーネント
Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Serverを収容するOracle Exadata Storage拡張ラックのスペア・キット・コンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2は、クオータ・ラックとして提供されています。表1-20に、含まれるコンポーネントを示します。
表1-20 Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2のコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X6-2クオータ・ラック |
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脚注 1 RAW容量の場合、1GB = 10億バイト。通常の領域の表記(1TB = 1024 * 1024 * 1024 * 1024バイト)を使用して計算される容量。実際にフォーマットされる容量は少なくなります。
Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2には、スペア・キットが含まれます。表1-21に、各Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-21 Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2フル・ラック | Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2ハーフ・ラック | Oracle Exadata Storage拡張ラックX6-2クオータ・ラック |
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Oracle Exadata Storage拡張ラックX5-2は、クオータ・ラックとして提供されています。表1-22に、含まれるコンポーネントを示します。
表1-22 Oracle Exadata Storage拡張ラックX5-2のコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X5-2クオータ・ラック |
---|
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脚注 1 以前のリリースでは、大容量ディスクは4TBでした。
脚注 2 RAW容量の場合、1GB = 10億バイト。通常の領域の表記(1TB = 1024 * 1024 * 1024 * 1024バイト)を使用して計算される容量。実際にフォーマットされる容量は少なくなります。
Oracle Exadata Storage拡張ラックX5-2には、スペア・キットが含まれます。表1-23に、各Oracle Exadata Storage拡張ラックX5-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-23 Oracle Exadata Storage拡張ラックX5-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X5-2フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X5-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X5-2クオータ・ラック |
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Oracle Exadata Storage拡張ラックX4-2は、フル・ラック、ハーフ・ラックまたはクオータ・ラックとして使用できます。表1-24に、各Oracle Exadata Storage拡張ラックX4-2に含まれるコンポーネントを示します。
表1-24 Oracle Exadata Storage拡張ラックX4-2のコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X4-2フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X4-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X4-2クオータ・ラック |
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脚注 1 RAW容量の場合、1GB = 10億バイト。通常の領域の表記(1TB = 1024 * 1024 * 1024 * 1024バイト)を使用して計算される容量。実際にフォーマットされる容量は少なくなります。
Oracle Exadata Storage拡張ラックX4-2には、スペア・キットが含まれます。表1-25に、各Oracle Exadata Storage拡張ラックX4-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-25 Oracle Exadata Storage拡張ラックX4-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X4-2フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X4-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X4-2クオータ・ラック |
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Oracle Exadata Storage拡張ラックX3-2は、フル・ラック、ハーフ・ラックまたはクオータ・ラックとして使用できます。表1-26に、各Oracle Exadata Storage拡張ラックX3-2に含まれるコンポーネントを示します。
表1-26 Oracle Exadata Database Machine X3-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X3-2フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X3-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X3-2クオータ・ラック |
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脚注 1 RAW容量の場合、1GB = 10億バイト。通常の領域の表記(1TB = 1024 * 1024 * 1024 * 1024バイト)を使用して計算される容量。実際にフォーマットされる容量は少なくなります。
Oracle Exadata Storage拡張ラックX3-2には、スペア・キットが含まれます。表1-27に、各Oracle Exadata Storage拡張ラックX3-2のスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-27 Oracle Exadata Storage拡張ラックX3-2のスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張X3-2フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X3-2ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張X3-2クオータ・ラック |
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Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Serverを収容するOracle Exadata Storage拡張ラックは、フル・ラック、ハーフ・ラックまたはクオータ・ラックとして使用できます。表1-28に、Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Serverを収容する各Oracle Exadata Storage拡張ラックに含まれるコンポーネントを示します。
表1-28 Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Serverを収容するOracle Exadata Storage拡張ラックのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張クオータ・ラック |
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脚注 1 以前のリリースでは、大容量ディスクは2TBでした。
Oracle Exadata Storage拡張ラックにはスペア・キットが付属しています。表1-29に、Sun Fire X4270 M2サーバーを使用したExadata Storage Serverを収容する各Oracle Exadata Storage拡張ラックのスペア・キットのコンポーネントを示します。
表1-29 Oracle Exadata Storage拡張ラックのスペア・キットのコンポーネント
Oracle Exadata Storage拡張フル・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張ハーフ・ラック |
Oracle Exadata Storage拡張クオータ・ラック |
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注意: Oracle Exadata Database Machine X2-2(X4170およびX4275サーバー搭載)モデルには、2TBの高容量SATAドライブがあります。 |
次の制限事項は、Oracle Exadataラックのハードウェアおよびソフトウェアの変更に適用されます。これらの制限事項に違反すると、保証およびサポートを受けられなくなる場合があります。
Oracle Exadataラックのハードウェアは変更またはカスタマイズできません。これには、2つの例外があります。Oracle Exadata Database Machineに許可されているハードウェアの変更は、次のとおりです。
Oracle Exadata Database Machineに含まれている管理用の48ポートCiscoギガビット・イーサネット・スイッチに対する変更。お客様は、次の作業を選択できます。
ギガビット・イーサネット・スイッチを、内部データ・センターのネットワーク標準に準拠した同等の1U 48ポートのギガビット・イーサネット・スイッチと自費で交換します。Oracle Exadata Database Machineの到着後に、お客様が自費で交換する必要があります。お客様がこの変更を選択する場合、多くのシナリオが考えられるため、Oracleでは変更および変更のサポートを行うことができません。また、これは標準インストールに含まれていません。お客様が交換するハードウェアを調達し、他の手段でこの変更を行う必要があります。
Ciscoイーサネット・スイッチに接続されているCAT5ケーブルを取り外して、外部スイッチまたはパッチ・パネルでお客様のネットワークに接続します。お客様の作業および負担で、これらの変更を行う必要があります。この場合、ラックのCiscoイーサネット・スイッチの電源を切断して、データ・センター・ネットワークの接続を解除できます。
Oracle Exadata Database Machine X6-2、Oracle Exadata Database Machine X5-2、Oracle Exadata Database Machine X4-2およびOracle Exadata Database Machine X3-2でのクライアント・アクセス・ネットワーク・スイッチの追加。ネットワーク・スイッチに次の制限が適用されます。
最大2台のクライアント・アクセス・ネットワーク・スイッチをラックに設置できます。
スイッチの高さは、1ラック・ユニット(RU)である必要があります。
空気は、ラックの前面からラックの背面に流れるようにする必要があります。
スイッチは、ラック・スロットU41またはU42に設置する必要があります。
消費電力は、各スイッチで400ワット未満である必要があります。
パワー・オーバー・イーサネット(PoE)機能(該当する場合)はこれらのスイッチで使用しないでください。
注意: クライアント・アクセス・スイッチは、Oracle Exadata Database Machine X5-8、Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラック、Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラック、または以前のシステム(Oracle Exadata Database Machine X2-2やOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックなどの)には設置できません。 |
Oracle Exadata Storage拡張ラックが接続できるのはOracle Exadata Database MachineまたはOracle SuperClusterのみで、サポートするのはOracle Exadata Database MachineまたはOracle SuperClusterのデータベース・サーバー上で実行中のデータベースのみです。
スタンドアロンのExadata Storage Serverが接続できるのはOracle Exadata Database MachineまたはOracle SuperClusterのみで、サポートするのはOracle Exadata Database MachineまたはOracle SuperClusterのデータベース・サーバー上で実行中のデータベースのみです。
Oracle Exadata Storage Server Softwareおよびオペレーティング・システムは変更できません。お客様は、追加のソフトウェアまたはエージェントをExadata Storage Serverにインストールできません。
Exadata Storage Server上でファームウェアを直接更新することはできません。ファームウェアはExadata Storage Serverパッチの一部として更新されます。
Oracle Exadataラックのその他のコンポーネントのファームウェアは更新できます。
Ciscoギガビット・イーサネット・スイッチ上でIOSおよびファームウェアのバージョンを更新し、データ・センターの要件を満たすことができます。
必要に応じて、KVMスイッチのファームウェアとKMM(キーボード、モニター、マウス)を更新できます。
My Oracle Supportノート888828.1とその関連ノートに記載された制約に準拠している場合、データベース・サーバーのコンポーネントのファームウェアを更新できます。
My Oracle Supportノート888828.1とその関連ノートに記載された検証済バージョンに準拠している場合、InfiniBandスイッチのファームウェアを更新できます。
データベース・サーバー上に追加ソフトウェアをロードできます。ただし、最大のパフォーマンスを確保するため、データベース・サーバー上にバックアップ・エージェント、セキュリティ監視エージェントなどのエージェント以外のソフトウェアを追加することはお薦めしていません。
データベース・サーバーのオペレーティング・システムへの非標準カーネル・モジュールのロードは可能ですが、お薦めしていません。非標準モジュールに関するご質問または問題はサポートしていません。サーバーがクラッシュし、そのクラッシュが非標準モジュールに起因する疑いがある場合、Oracleサポートでは、お客様に非標準モジュールのベンダーに問い合せていただくか、または非標準モジュールがない場合でも問題が再現するかを尋ねる場合があります。正式パッチおよびアップグレードの適用以外の方法によるデータベース・サーバーのオペレーティング・システムの変更はサポートされていません。InfiniBand関連パッケージは、常に正式にサポートされているリリースで保守する必要があります。
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの管理エージェントまたはOracle Enterprise Manager Grid Controlの管理エージェントを、データベース・サーバーにインストールして、システムを監視できます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerのエージェントをインストールして、システムを監視できない場合があります。
100mAを超える電力を使用するUSBデバイスをデータベース・サーバーに接続することはできません。
『Oracle Exadata Storage Server Softwareユーザーズ・ガイド』およびこのガイドに記載されている場合を除き、USBデバイスをExadata Storage Serverに接続することはできません。ガイドに記載されている状況では、USBデバイスで100mAを超える電力を使用できません。
データベース・サーバーのネットワーク・ポートを使用すると、iSCSIまたはNFSによってExadata Storage Server以外の外部に接続できます。ただし、Fibre Channel Over Ethernet (FCoE)プロトコルはサポートされません。
Oracle ExadataラックのInfiniBandネットワークに接続できるのは、Oracle Exalogic Elastic Cloud、Oracle Big Data ApplianceおよびOracle SuperClusterでの使用に指定されているスイッチのみです。サード・パーティのスイッチを含むその他のInfiniBandスイッチからOracle ExadataラックのInfiniBandネットワークへの接続はサポートされません。『Oracle Exadata Database Machineシステム概要』および『Oracle Exadata Database Machine拡張およびマルチラック・ケーブリング・ガイド』に指定されたInfiniBandネットワーク・トポロジのみがサポートされ、その他のInfiniBandネットワーク・トポロジはサポートされません。
Oracleの設計したシステムの一部ではない外部サーバーを、Oracle Exadata Database MachineのInfiniBandスイッチに接続できます。ただし、Oracle Exadata Database MachineのInfiniBandソフトウェア・リリースを使用した、外部サーバーのInfiniBandソフトウェアの互換性の更新および保守は、顧客が行います。外部サーバー上のInfiniBandソフトウェアおよびオペレーティング・システムには、Oracle Exadata Database Machine上と同じリリースを使用することを強くお薦めします。InfiniBandファブリック障害が発生し、外部サーバーが接続されている場合は、外部サーバーを取り外して障害を再現するよう求められる場合があります。
Oracle Exadata Database Machine X6-2、Oracle Exadata Database Machine X5-2、Oracle Exadata Database Machine X4-2、Oracle Exadata Database Machine X3-2およびOracle Exadata Database Machine X2-2のデータベース・サーバーは、Oracle LinuxおよびOracle Solarisのみをサポートします。Oracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックのデータベース・サーバーは、Oracle Linuxのみをサポートします。