ホストグループ

ホストエントリを特定のグループに割り当てることにより、ホストへの LUN のマッピングを簡単に管理できます。このグループは名前付きの論理的なホストのコレクションです。
システムに次のホストが含まれていることがあります。
  • Oracle FS Path Manager (FSPM) によって登録された、FSPM ホストエントリと呼ばれるホスト

  • 管理者がさまざまなイニシエータを関連付けて作成した、関連付けられたホストエントリと呼ばれるホスト

FSPM サービスを使用したり、手動でホストエントリを作成したりして、追加のホストを作成できます。SAN ホストクラスタが複数あり、それぞれに SAN ホストが多数含まれていて各 SAN ホストにイニシエータが含まれているような場合は、ホストグループを作成すると便利です。

SAN ホストクラスタが GUI でホストグループとして定義されていない場合は、LUN をクラスタにマッピングするときに、各ホストを 1 つずつ LUN にマッピングする必要があります。また、SAN ホストを別のクラスタに移動しなければならない場合も、各 LUN マッピングを 1 つずつ更新する必要があります。

ただし、クラスタをホストグループとして定義し、ホストをそのホストグループに割り当てる方法のほうが効率的です。その後、あるホストグループから別のホストグループにホストを移動するときに、そのホストに関連付けられているイニシエータはすべて、そのホストグループに関連付けられている LUN マッピングを継承します。
注: パイロット では、古いマッピングの削除と新しいイニシエータのマッピングの作成が自動的に管理されます。
ホストグループには次の特性があります。
  • ホストが所属できるのは 1 つのホストグループのみです。

  • ホストグループにマッピングできるホスト数に制限はありません。

  • ホストグループには 0 個以上のマッピングを付与できます。

  • LUN はホストまたはホストグループのいずれかにマッピングできます。

  • ホストグループにマッピングがある場合、ホストグループ内のすべてのホストがそのホストグループのマッピングをすべて保持することになりますが、特定のホストがそれ以外のマッピングも保持する場合もあります。ほかのマッピングと矛盾するマッピングは許可されません。

  • マッピングを持つホストをマッピングのないホストグループに割り当てるときに、ホスト上のマッピングをホストグループに移行するようシステムに求められます。マッピングを移行すると、そのホストだけでなく、グループ内のすべてのホストがそのマッピングを使用できるようになります。

たとえば、次のようなホストグループ (クラスタ) 構成があるとします。
ホストグループアルファ
このホストグループに LUN1 が LUN 番号 0 としてマッピングされています。
ホスト A
イニシエータ A1 と A2 が LUN1 にマッピングされています。LUN 番号は 0 です。
ホスト B
イニシエータ B1 と B2 が LUN1 にマッピングされています。LUN 番号は 0 です。
ホストグループオメガ
このホストグループに LUN2 が LUN 番号 0 としてマッピングされています。
ホスト C
イニシエータ C1 と C2 が LUN2 にマッピングされています。LUN 番号は 0 です。
ホストグループアルファからホストグループオメガにホスト B を移動すると、次のようにホスト B の LUN マッピングが自動調整されます。
ホストグループアルファ
このホストグループに LUN1 が LUN 番号 0 としてマッピングされています。
ホスト A
イニシエータ A1 と A2 が LUN1 にマッピングされています。LUN 番号は 0 です。
ホストグループオメガ
このホストグループに LUN2 が LUN 番号 0 としてマッピングされています。
ホスト B
イニシエータ B1 と B2 が LUN2 にマッピングされています。LUN 番号は 0 です。
ホスト C
イニシエータ C1 と C2 が LUN2 にマッピングされています。LUN 番号は 0 です。