ドライブのデータ整合性

SCSI 保護情報フィールドは静的データ破損を防ぐためのメカニズムです。SCSI 保護情報により、ホストが Oracle FS System から読み取るデータが目的のデータであること、またデータがホストが最後に書き込みを行なったときと同じ状態であることが保証されます。この整合性チェックは Oracle FS System の内部処理です。

Oracle FS System 内の RAID ファームウェアはストレージアレイ内のすべてのドライブを 520 バイトのセクターサイズにフォーマットします。ホストから SAN データを受信するときに、ホストデータ 512 バイトごとに 8 バイトの整合性メタデータが生成されます。 この整合性メタデータはホストデータに追記され、内部的な 520 バイトのセクターが形成されます。データがホストに戻されたときに 8 バイトのメタデータは取り外され、これを使用して 512 バイトのホストデータの正当性チェックが行われます。このチェックに合格しなかった場合、ホストに読み取りエラーが報告されます。

8 バイトのメタデータにはホストデータの Cyclic Redundancy Check (CRC) と参照タグが含まれており、参照タグによりホストの LUN またはファイル内のセクターオフセットが特定されます。これら 2 種類の情報を基にファームウェアは、転送されたデータがホストの要求した場所に所属し、データが最後に書き込まれたときの状態と同じであるかどうかをチェックします。

参照タグチェックは RAID ファームウェアによる標準のデータ整合性処理の一部として実行されます。ただし、一度も書き込みが行われていない大量のセクターに対してクライアントアプリケーションが読み取りを実行すると、それらのセクターを読み取るときに、クライアントアプリケーションが十分なパフォーマンスを得られないことがあります。これに該当するクライアントアプリケーションには次のものがあります。 これらのクライアントアプリケーションで異常なパフォーマンス問題が発生する場合は、特定の LUN で参照タグチェックを無効にし、アプリケーションのパフォーマンスが上がるかどうかを確認します。参照タグチェックを無効にした場合、Oracle FS System によるそれらのセクターの CRC の検証は引き続き行われますが、参照タグチェックは無視されます。