この付録では、サイレント・モードでOracle Fail Safeのインストールまたは削除を行う方法を説明します。
この付録では、次の項目について説明します。
サイレント・モードのインストールは、Oracle Universal Installerのユーザー・インタフェース(GUI)を介してではなく、ファイルにOracle Universal Installerへの入力を指定することで、ソフトウェアをインストールするモードです。
Oracle Database 12cリリース1(12.1)から、削除ツールはOracle Universal Installer (OUI)に統合されています。Oracle Databaseのベース・ディレクトリから、-deinstall
および-home
オプションを指定してsetup.exe
コマンドを実行して、削除を実行できます。また、削除ツールは、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで別のコマンド(deinstall)として使用することも可能です。これはORACLE_HOME\deinstall
にあります。削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。または、以前のdeinstallコマンドで生成されたレスポンス・ファイルを使用するには、–checkonlyオプションを指定するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。
それぞれ同じか、あるいは類似したOracle Fail Safeのインストールを複数実行する場合、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行して手順を自動化できます。これを行うには、Oracle Fail Safeで提供されるレスポンス・ファイルと呼ばれるファイルを編集します。-silent
フラグは、非対話型モードで削除ツールを実行します。このオプションには、インストールと構成情報および削除または構成が削除されているOracleホームの構成値を含むレスポンス・ファイルを決定するためにアクセスできる動作システムが必要です。
Oracle Fail Safeインストール・キットでは、3つの異なるレスポンス・ファイルのテンプレートを使用できます。これらのレスポンス・ファイルは、サイレント・モードでのOracle Fail Safeのインストールを設定する際に役立ちます。それぞれのテンプレートによって異なるタイプのインストールが実行されますが、それらのうちの1つを使用して削除を実行できます。
サイレント・インストールを実行するには、目的のインストール・タイプに対応するレスポンス・ファイル・テンプレートを選択します。テンプレート・ファイルは、\stage\Response
ディレクトリのインストール・キットにあります。サンプルのレスポンス・ファイルも提供されています。
テンプレート・ファイル、サンプル、および対応するインストール・タイプを、次の表に示します。
テンプレート名 | サンプル名 | インストール・タイプ |
---|---|---|
oracle.failsafe.complete.typical.rsp |
failsafe.typical.rsp |
標準インストール脚注1 |
oracle.failsafe.complete.client.rsp |
failsafe.client.rsp |
クライアントのみインストール |
oracle.failsafe.complete.custom.rsp |
failsafe.custom.rsp |
カスタム・インストール |
脚注1標準インストール・タイプはOracle Fail Safeの全コンポーネントをインストールします。
関連項目: レスポンス・ファイルの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』のレスポンス・ファイルのカスタマイズおよび作成に関する項を参照してください。 |
次の手順で、サイレント・モードでのインストールまたは削除用に、レスポンス・ファイル内の変数をカスタマイズし、Oracle Universal Installerでこのファイルを使用できるようにする方法を説明します。
元のレスポンス・ファイル・テンプレート(インストール・キットの\stage\Response
ディレクトリにあります)のコピーを作成して、レスポンス・ファイルのベースとして使用します。元のファイルは、テンプレートとして使用できるように保持しておきます。
それぞれ異なる目的で、別の名前を付けて、レスポンス・ファイルのコピーをいくつか作成しておくこともできます。たとえば、Oracle Fail Safe Managerのみのインストールを実行するための、failsafemanager.rspという名前を付けたレスポンス・ファイルを用意することができます。
レスポンス・ファイルを編集して、Oracle Fail Safeのインストールのオプションを指定します。
レスポンス・ファイル・テンプレートには、対応するインストール・タイプのOracle Fail Safeインストール変数がすべて含まれています。Oracle Fail SafeをインストールするOracleホームの名前、インストール・タイプ(「標準」、「カスタム」または「クライアントのみ」)およびOracle Fail Safeサービスのアカウント・ユーザー名とパスワードを指定する変数があります。削除には、このレスポンス・ファイル・テンプレートのいずれかを使用できます。
レスポンス・ファイルでは、各変数がシャープ記号(#)で始まるコメント行を使用して説明されています。コメントには、変数のタイプ、変数がダイアログ・ボックスで表示されるかどうか、および変数の機能についての情報が含まれます。
以降の項では、異なるタイプのインストールと削除の実行方法について説明します。記述されていないかぎり、変数は各レスポンス・ファイル・テンプレートで同じように動作します。
関連項目: セッションまたはコンポーネント変数の値の指定の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』のコマンドラインからのレスポンス・ファイル変数の設定に関する項を参照してください。 |
すべてのタイプのインストールで、Oracle Fail SafeをインストールするOracleホームの名前を指定するには、次の変数を編集します。
標準インストール
Oracle Fail Safeのすべてのコンポーネントをインストールするには、次のようにします。
oracle.failsafe.complete.typical.rsp
レスポンス・ファイル・テンプレートを使用します。
[oracle.failsafe.complete_4.1.1.0.0] ComponentセクションでINSTALL_TYPE
変数を探し、値がINSTALL_TYPE="Typical"
であることを確認します。(これはデフォルト設定です。)
ファイルでDomainUserName
およびPwd
変数を探します。これらの変数に、Oracle Fail Safeで必要なアカウント・ドメイン、ユーザー名およびパスワードを設定します。
クライアントのみインストール
Oracle Fail Safe Managerのみをインストールするには、次のようにします。
oracle.failsafe.complete.client.rsp
レスポンス・ファイル・テンプレートを使用します。
[oracle.failsafe.complete_4.1.1.0.0] ComponentセクションでINSTALL_TYPE
変数を探し、値がINSTALL_TYPE="install_type_1"
であることを確認します。(これはデフォルト値です。)
「カスタム」インストール
Oracle Fail Safeのカスタム・インストールを実行するには、次のようにします。
oracle.failsafe.complete.custom.rsp
レスポンス・ファイル・テンプレートを使用します。
[oracle.failsafe.complete_4.1.1.0.0] ComponentセクションでINSTALL_TYPE変数を探し、値がINSTALL_TYPE="Custom"であることを確認します(これがデフォルト設定です)。
Oracle Fail Safeサーバーをインストールする必要がある場合、ファイルにあるDomainUserName
およびPwd
変数を探します。これらの変数に、Oracle Fail Safeで必要なアカウント・ドメイン、ユーザー名およびパスワードを設定します。
DEPENDENCY_LIST
変数にインストールするコンポーネントを指定します。
削除
削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstall
ディレクトリから実行します。
%ORACLE_HOME%\deinstall DRIVE_LETTER:\> deinstall\deinstall.bat
このコマンドでは次の構文を使用します。可変的な内容はイタリック体で示されています。
deinstall.bat [-silent] [-checkonly] [-paramfilecomplete path of input parameter property file
] [-params name1=value
name2=value
. . .] [-ocomplete path of directory for saving files
] [-help]
-deinstall
オプションを指定してsetup.exe
コマンドを使用し、データベース・インストール・キットから削除ツールを実行して削除することもできます。
関連項目: 削除の詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』のOracle Databaseソフトウェアの削除に関する項を参照してください。 |
Oracle Fail Safeのサイレント・インストールおよび削除では、大/小文字が区別されます。この章で示すように、すべてのコマンドライン構文を正確に入力する必要があります(たとえば、-responseFile
パラメータは、F
を除いてすべて小文字で入力します)。Microsoft Windowsエクスプローラに表示されたとおりに、ファイル指定を入力する必要があります(たとえば、C:\Ofs\Silent_Install\OfsProducts.rsp
)。
次のコマンドでは、Oracle Fail Safeのインストールがサイレント・モードで実行され、インストールに必要なすべての情報が、failsafe.rsp
ファイルから読み取られます。
E:\stage\Disk1\install\setup.exe -responseFile C:\failsafe.rsp -silent
次のコマンドは、deinst_failsafe.rsp
ファイルを読み取って、Oracle Fail Safeの削除をサイレント・モードで実行します。
E:\stage\Disk1\install\setup.exe -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
関連項目:
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Oracle Universal Installerを対話モードで使用してレスポンス・ファイルを記録し、このファイルを編集してからサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールに使用できます。この方法は、カスタム・インストールまたはソフトウェアのみのインストールに役立ちます。
関連項目: 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』のレスポンス・ファイルの保存に関する項を参照してください。 |
この付録の次の3つの項で、Oracle Fail Safeとともに提供されるレスポンス・ファイル・テンプレートの内容を説明します。Oracle Fail Safeのインストール・セッション中に提供する必要のある応答が含まれるように、このファイルのコピーの変数を編集します。レスポンス・ファイル内の変数の値を指定する際には、次の形式を使用します。
variable name =
recommendation :
value
Oracle Universal Installer 2.1以上では、Oracle Universal Installerをコマンドラインから起動する場合に特定の変数の値を指定できます。具体的には、セッション変数およびコンポーネント変数を指定できます。
関連項目:
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注意: レスポンス・ファイルは、Oracle Fail Safeのサイレントのインストールを実行する場合にのみ使用します。Oracle Fail Safeとともに提供されたレスポンス・ファイルを、その他の製品のインストールに使用しないでください。 |