Metadata Manager の概要

大部分の大企業では、洗練された正確なメタデータ管理の必要性が大きな悩みの種となってきています。CASEツール、ETLエンジン、ウェアハウス、BI、EAI環境のほとんどすべてのコンポーネントに最新の情報テクノロジが組み込まれていますが、それらはメタデータ・リポジトリと同様にメタデータを含んでおり、メタデータから処理を導出することも珍しくありません。これらの環境のメタデータは分散、重複しており、アクティブであることも多く、通常、基礎をなす表示テクノロジに応じて、様々な方法論で表されます。

 

Oracle Metadata Management (OMM)は、メタデータ管理の多くの側面で、次に示すように、非常に広範囲の機能を提供します。

      データ・ガバナンス

      メタデータの注釈とラベリング

      メタデータの比較、統合およびマッピング

      バージョンと構成の管理

      データ・ライフ・サイクルに関連するメタデータの管理

      系統および影響の分析

      企業アーキテクチャの開発、管理およびデプロイメント。

 

Oracle Metadata Management (OMM)の中心には、モデルやマッピングなどのリポジトリ・オブジェクトが含まれたリポジトリがあり、フォルダ構造になっています。モデルは、Database、Data Modeling (DM)、Data Warehouse (DW)、Data Integration (DI)およびBusiness Intelligence (BI)ツールのための、任意の外部メタデータ・モデルまたは外部メタデータ・リポジトリから収穫できます。構成(Configuration)と呼ばれる特定のタイプのリポジトリ・オブジェクトは、モデルとマッピングを1つに接続して(メタデータ・ステッチング)、分析対象のEnterprise Architecture (EA)を表示します。分析には、データ・フロー系統と影響分析、およびセマンティック系統の定義の完全サポートなどが含まれます。

 

免責事項

Oracle Metadata Management (OMM)ソリューションには、Oracle Metadata Management for Oracle Business Intelligenceと、Oracle Enterprise Metadata Managementの2つの製品が含まれます。これらの製品の各々は、次に示す完全なMetadata Management (MM)ソリューションのサブセットです。このため、このヘルプ・ドキュメントの一部の項は、Oracle Metadata Management (OMM)ソリューションに適用されないことがあります。

 

モデルのインポート(またはアップロード)

Web経由でモデルを表示する場合、先にリポジトリにモデルを追加する必要があります。リポジトリに外部メタデータ・モデルを配置するには、次の3つの基本的な方法があります。

      1つ以上のモデルを外部メタデータから直接インポートできます。

      モデルを定義することによってモデルをインポートできます(Oracle Metadata Management (OMM)のMetadata Manager UIを使用して外部メタデータ・モデルの場所を特定します)。

      単に外部メタデータ・ツールで開き、Oracle Metadata Management (OMM)にエクスポートすることで、モデルをアップロードできます(外部メタデータ・ツールのユーザー・インタフェースでサポート)。

 

それぞれの場合、モデルが作成されるので、構成に配置して、Web上で公開または参照/分析できるようにできます。

 

スケジュールされたOracle Metadata Management (OMM)モデル同期

Oracle Metadata Management (OMM)を構成して、モデルまたはマートの更新と同期するようにできます。こうすると、ファイル・システム上またはマート内のモデルへの更新が、定期スケジュール・ベースでOracle Metadata Management (OMM)に反映されます。

 

構成

モデルをリポジトリにインポートするか、アップロードした後に、結果として生じたモデルを構成に配置する必要があることがあります。構成はモデルの階層的なコレクションで、次の特徴があります。

      Oracle Metadata Management (OMM)でモデルを相互接続またはステッチして、エンド・ツー・エンド系統および影響分析ができます。

      公開済にしたり、Metadata Explorer UIのユーザーに利用可能にしたりできます。

      リポジトリ全体における参照、検索および分析のスコープを提供します。

 

構成のステッチ

有効な構成は、モデル・バージョン、マッピング・バージョン、用語集およびステッチングのコレクションです。モデル・バージョンは、Oracle Metadata Management (OMM)に収穫されたデータ・ストアとデータ・プロセスに関連します。リポジトリ・オブジェクトは、それぞれにおける接続定義がどのように相互に関連しているかを指定することにより、ステッチされます。検証されると、エンド・ツー・エンド系統および影響分析、定義参照およびセマンティック用法レポーティングが、構成全体で可能になります。さらに、ステッチングは、リポジトリ・オブジェクトのバージョンが変更されると、自動的に順行移行されます。

 

構成の公開

構成を使用すると、リポジトリの管理者は、何がビジネス・ユーザーに認識でき、すべてのユーザーが極度の複雑さの範囲内でどのように検索および分析するかに関する完全性と正確性を確保できます。

 

最後に、構成は、新しいリポジトリ・オブジェクト・バージョンの自動更新(公開)のために定義できます。こうすると、モデルの新しいバージョンが外部メタデータ・ツールを使用して収穫される(たとえばスケジュールに基づいて)か、アップロードされるたびに、モデルのその新しいバージョンが、公開済構成のメンバーとして反映されます。

 

構成の検索

ユーザーは、システムで定義される任意の構成全体を通じて最も詳細なレベル(たとえば、属性のデータ・タイプ)で、Webベースでメタデータを検索することができます。

 

構成の管理

Oracle Metadata Management (OMM)の管理者は、次のことが可能です。

      任意の数の構成を定義

      様々なユーザーの集合(ロールによる)に、構成を公開

      構成を非公開化、一部公開、あるいはすべて公開

 

このため、リポジトリの管理者は、誰に対してどのようなときに何が表示されるかを、際限なく微調整できます。

 

モデル・バージョン

場合によっては、リポジトリを使用して、モデルの毎回の収穫またはアップロードに関するバージョン履歴を維持することができます。これらのバージョンは、リポジトリ内の個々のオブジェクトで、特定の時点のリポジトリ・オブジェクトのコンテンツを表します。

 

管理者は、任意の数のバージョンを管理することができます。ただし、デフォルトでは、Metadata Manager UIは、1つのバージョンのモデルのみを表示します。技術知識のあるユーザーは、いつでも、複数バージョン・ユーザー・インタフェース・モードに変更できます。さらに、特定のバージョンを、デフォルトのバージョンに指定できます。それが、Metadata Manager UIが単一バージョン・モードになっている場合に使用されるモデルのデフォルト・バージョンです。

 

さらに、構成にモデルが含まれる場合、実際には、そのモデルの特定のバージョンが構成に含まれているわけです。これは、どのバージョンのどのモデルを公開するかをいつでも制御できることを意味します。たとえば、データ・モデラーが編集を継続し、新しいバージョンを作業中バージョン(未公開)としてアップロードし続けている間も、承認済バージョンのモデルを、公開済の構成に配置することができます。

 

Metadata Explorer UIのユーザーは単一の構成に制限されるため、あらゆる場合に、Metadata Explorer UIには1つのバージョンのモデルのみが表示されます。

 

構成バージョン

場合によっては、構成のバージョン履歴を維持することができます。たとえば、バージョンの履歴の構成を維持して、経時的に分析することができます。さらに、最新ではあるが未承認のバージョンのリポジトリ・オブジェクトを、新しい(しかし未公開の)バージョンの構成に配置することによって、what-if分析を実行することができます。

 

モデルと同様に、これらの構成バージョンは、リポジトリの中の個々のオブジェクトであり、特定の時点のコンテンツの構成を表します。

 

管理者は、任意の数の構成バージョンを管理することができます。ただしデフォルトでは、Metadata Manager UIには、1つのバージョンの構成のみが表示されます。Metadata Manager UIは、いつでも、複数バージョン・ユーザー・インタフェース・モードに変更できます。

 

さらに、あるバージョンの構成を公開済ステータスに設定すると、Metadata Explorer UIのユーザーに対して利用可能になります。つまり、実際には、その構成の特定のバージョンを公開済バージョンと呼んでいるわけです。これは、複数のコンテンツ・バージョンの正確なコレクションを公開できることを意味します。

 

いずれの場合も、Metadata Explorer UIは公開済バージョンの構成のみを表示し、それが単に構成として表示されます。

 

ユーザー、ロールおよび権限

システムの各ユーザーは、1つのロールに割り当てられます。

 

各ロールは、ユーザー・インタフェース割当て(Metadata Manager UIまたはMetadata Explorer UI)とアクセス権限(「view」/「update」/「administer」)を制御します。

 

Oracle Metadata Management (OMM)の基本的な構成では、次の2つのロールが定義されています。

      Administrator - このロールを割り当てられたユーザーは、すべての権限を持ち、Metadata Manager UIまたはMetadata Explorer UIを使用することができます。

      Guest - このロールに割り当てられたユーザーは、Metadata Explorer UIユーザー・インタフェースを割り当てられ、デフォルトでリポジトリのすべてのコンテンツを表示する権限を持ちます。

 

管理者は、ユーザー・インタフェース割当てとアクセス権限が異なる、任意の数のロールを作成することができます。

 

次に例を示します。

      Metadata Explorer UIにロールを割り当て、リポジトリ内のすべてのオブジェクトを表示する権限を持たせることができます。この場合、そのロールに関連付けられたユーザーは、Metadata Explorer UIにアクセスして、そのロールに割り当てられた構成に含まれるコンテンツを参照することのみ可能です。

      ロールにMetadata Manager UIを割り当て、一部のコンテンツを表示し、他者を更新し、別の他者を管理する権限を持たせることができます。

 

ユーザー・フィードバック、コラボレーションおよびレビュー

Oracle Metadata Management (OMM)のモデルは、適切な権限を持つユーザーによってレビュー、承認、またはその両方を受けることがあります。これらのツールを使用すると、個々のオブジェクト(たとえば表と列)にコメント(メモ)とラベルを追加できます。コメントは、Oracle Metadata Management (OMM)外の外部メタデータ(外部メタデータ・ツールのユーザー・インタフェースでサポートされている場合)と同期させることもできます。