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リリース11.1.2.4.000
目次:
今回のリリースでのOracle Hyperion Calculation Managerの新機能のリストを次に示します。このリリースのインストール、アーキテクチャおよびデプロイメントの変更に関連する新機能については、『Oracle Enterprise Performance Management Systemインストールおよび構成Readme』の新機能に関する項を参照してください。
パラレル処理を有効化して、メンバー範囲コンポーネントのメンバー範囲コマンドを順次にではなく同時に処理できます。パラレル処理を選択すると、メンバー範囲の計算を最適化できる場合があります。パラレル処理を選択する際に、パラレル処理に使用できるスレッドの数を入力できます。ビジネス・ルールのメンバー範囲を作成している場合に数値または整数型の変数を選択したり、テンプレートのメンバー範囲を作成している場合に数値の設計時プロンプトを作成することもできます。
Calculation Managerの以前のリリースでは、Calculation Managerのシステム・ビューまたはルール・デザイナからのみ実行時プロンプトでOracle Essbaseブロック・ストレージ・ビジネス・ルールを起動できました。このリリースでは、Essbaseビジネス・ルールを実行時プロンプトでEssbaseにデプロイし、Oracle Essbase Administration Services、MaxL、または計算スクリプトを実行できるその他のコンポーネントから起動することもできます。EssbaseまたはEssbaseモジュールでのEssbaseビジネス・ルールの起動の詳細は、Essbaseのドキュメントを参照してください。
このリリースでは、実行時プロンプト変数を含むEssbase計算スクリプトをインポートできます。RUNTIMESUBVARSセクションを含むEssbase計算スクリプトをインポートする場合、変数へのすべての参照は{}表記法を使用してCalculation Managerルール・レベル変数(実行時プロンプト)に変換されます。デフォルトでは、文字列型のルール・レベル変数は、Essbase計算スクリプトのRUNTIMESUBVARSセクションからこれらの変数の値を使用して作成されます。
変数の値は、ルール・デザイナでビジネス・ルールを開いたときに「変数」タブの「値」列に表示されます。(変数のデフォルト値は、変数デザイナで開いて「デフォルト値」列を参照することで表示できます。)ただし、計算スクリプトにこれらの変数の値またはデフォルト値がない場合、Calculation Managerには値が表示されません。
スクリプトの<RTSV_HINT>タグと</RTSV_HINT>タグの間にテキストがある場合、そのテキストは変数の実行時プロンプト・テキストとして使用されます。これらのタグの間にテキストがない場合、プロンプト・テキストは変数の名前です。
このリリースでは、カスタム定義テンプレートに対してDTP割当てコンポーネント内で使用できる新しい設計時プロンプト関数があります。これらの関数では、メンバーと別のメンバーの比較、2つの設計時プロンプト間の共通または共通でないメンバーのリストの取得、文字列での引用符の追加または削除、文字列内の文字の大文字または小文字への変換などのタスクを実行できます。
Calculation Managerスクリプトおよび式コンポーネントの関数セレクタ内からアクセスできる新しいカスタム定義関数があります。これらのカスタム定義関数では、暗号化されたMaxLスクリプトおよびファイルの起動、データのコピーとエクスポート、テキスト文字列への一重引用符または二重引用符の追加と削除、2つの文字列を比較などのタスクを実行できます。
MaxLスクリプトを実行するために計算スクリプトにカスタム定義関数を含める方法は2つあります。1つの方法では、Essbase計算エンジンからアクセスできるMaxLスクリプト・ファイルを使用でき、2つ目の方法では、計算スクリプト自体にMaxLスクリプトを埋め込みます。どちらの場合も、FIX文でカスタム定義関数をコールするかわりに、RUNJAVAコマンドを使用してこれらのカスタム定義関数を使用することをお薦めします。
注意: | RUNJAVAコマンドは、スクリプト・コンポーネントでのみ使用できます。@CalcXX()コマンドは、スクリプトまたは式コンポーネントで使用できます。 |
変数デザイナで、テキストを検索および置換できます。検索では、任意のスコープ(グローバル、アプリケーション、プラン・タイプまたはデータベース、またはルール・レベル)の変数でテキストを検索できます。デフォルトでは、Calculation Managerは、変数のデフォルト値、それに対して定義された制限および任意のプロンプト・テキストを使用して検索します。検索に変数の基本プロパティを含める場合、Calculation Managerでは、変数名、グループおよび説明を使用して検索を行います。
テキストを検索する場合、Calculation Managerには、テキストが各変数のスコープを示す列形式で検出される変数のリストが表示されます。戻される変数のリストから、すべて置換したり、テキストの選択したインスタンスを置換できます。
「集約」システム・テンプレートは、使用と理解がしやすくなるように拡張されました。ビジネス・ルールにテンプレートを含めると、集約テンプレート・ウィザードが、テンプレートの概要を示す情報タブとともに起動します。さらに、集約する密ディメンションおよび疎ディメンションを選択できるタブが再編成され、データ値を集約するプロセスが簡単になりました。
スクリプト・コンポーネントの編集およびスクリプト・モードでのビジネス・ルールの編集に使用するスクリプト・エディタに複数の機能強化が行われました。
「折返し」機能では、ページ外にスクロールされるスクリプトの長い行を再書式設定して、同じページの複数行に表示されるようにします。
「行に移動」に行番号を入力して矢印をクリックすると、入力した行番号がスクリプト内でハイライト表示されます。
行の左側にあるプラスまたはマイナス記号をクリックして、スクリプト内の行を展開または縮小できます。たとえば、FIX文では、表示される文のすべての行がデフォルトで表示されますが、左側にあるマイナス記号をクリックするとFIX文の行を非表示にできます。
「検索」に検索テキストを入力し、「前」または「次」をクリックして、テキストの前(スクリプト内を上に検索)または次(スクリプト内を下に検索)のインスタンスを検索できます。
ダイアログ・ボックス内の関数に自動推奨が提供されます。関数の最初の数文字を入力して、[Ctrl]を押しながら[Space]を押すと、推奨内容が表示されます。
Calculation Managerには、フィルタ条件を定義し、指定されたフィルタ条件に一致するオブジェクトのみを(リストに)表示できる「フィルタ・ビュー」/「リスト・ビュー」というビューがあります。システム・ビューでは、Calculation Manager内のすべてのオブジェクトの階層表現が提供されます。システム・ビューでのフィルタのサポートにより、システム・ビューにフィルタを適用してオブジェクトの表示を制限し、有用性を高めることができます。
このリリースでは、グラフィカル・ルールだけでなく任意のビジネス・ルールを分析できます。スクリプトを分析する場合、ルールはスクリプトの表示モードで表示され、分析情報を含む各行の横にはアイコンが表示されます。実行に最も時間がかかるスクリプトの行は赤でハイライト表示されます。分析情報を含む各行をクリックして、次の情報を表示できます。
実行時間
ブロック数
潜在的ブロックの数
カウント済ブロックの数
FIX文のスコープ
このリリースでは、Oracle Hyperion Financial Managementアプリケーションに対してセル・テキスト範囲コンポーネントという新しいタイプのコンポーネントを作成できます。セル・テキスト範囲コンポーネントは、Financial Managementアプリケーションのセル・テキストの範囲で構成されるループの一種です。Financial Managementのビジネス・ルールおよびカスタム定義テンプレートでこのコンポーネントを使用できます。
Financial Managementデータ範囲コンポーネントでは、Oracle Hyperion Financial Management Visual Basicスクリプトで新しいPOV属性「データ単位」をサポートする新しいPOVエントリがコンポーネント・グリッドにあります。
システム・ビュー、デプロイメント・ビュー、カスタム・ビューおよびフィルタ・ビューでは、表示する列および表示順序をカスタマイズできます。システム・ビューおよびデプロイメント・ビュー内では、アプリケーション・タイプ、アプリケーション、集計タイプ、プラン・タイプまたはデータベース、およびオブジェクトの内容を展開および縮小できます。
保存されたルールと変更されたバージョンのルールのスクリプトを比較できるようになりました。保存されたバージョンと変更されたバージョンのビジネス・ルールのスクリプトを表示して、2つのバージョンがどのように違うかの確認や変更した箇所の確認を行ったり、保存されたグラフィカル・ビジネス・ルールと変更されたグラフィカル・ビジネス・ルールのスクリプトを左右に並べて確認できます。Oracle Hyperion Calculation Managerの「デザイナ」ビューで、保存されたビジネス・ルールと変更されたビジネス・ルールのスクリプトをウィンドウで左右に並べて表示できます。
ブロック・ストレージ・データベースおよびアプリケーションの場所の別名のリストを作成、編集、削除および表示できます。場所の別名は、データベースの別名を、そのデータベースの物理的な場所にマップします。場所の別名は、データベースまたはアプリケーション・レベルで設定され、別名、サーバー、アプリケーション、データベース、ユーザー名およびパスワードを指定します。
問合せデータを使用すると、集約ストレージ・データベース用に生成する最も適切な集約ビューのセットを選択できます。問合せトラッキングを有効化して、データベースに対して実行される各問合せのコストに関するデータを取得できます。問合せのコストは、ビューから値を取得するために要する平均取得時間の見積りです。最初のビュー(デフォルトで選択済)の場合、見積りはすべての可能な問合せの平均です。問合せトラッキングが使用されるビューの場合、見積りは、追跡される問合せの平均です。したがって、同じビューでも条件が異なると見積りも変わります。
集約ストレージ・アウトライン・ファイル(.otlファイル)に変更を加えると、サイズが増加することがあります。これらのアウトライン・ファイルを圧縮することで、削除済のメンバーのレコードを除去し、アウトライン・ファイルのサイズを削減して、パフォーマンスを向上させることができます。
アウトライン・ファイルを圧縮すると、データベースでアウトラインが再構築されますが、データはクリアされません。
メイン・データベース・スライスに集約ストレージ・データベースのすべての増分データ・スライスをマージしたり、メイン・データベース・スライスを変更しないまま単一のデータ・スライスにすべての増分データ・スライスをマージしたりできます。増分データ・スライスをマージする場合は、ゼロ値を含むセルを保持またはゼロ値を含むセルを削除できます。スライスをマージするには、データをロードする場合と同じ権限(管理者またはデータベース・マネージャ権限)を持っている必要があります。
データが含まれ、ユーザーに計算権限がある集約ストレージ・データベースに対して集約を計算できます。集約を実行するには、システムの推奨ビューを使用します。ビューの選択および集約プロセスは、サーバーによって実行される構成不可の単一処理に組み合されます。選択した場合、生成されるファイルの最大ディスク・スペースを指定し、ユーザー問合せパターンに基づいてビューの選択を行い、ビュー選択にロールアップ階層を含めることができます。
集約ストレージ・ディメンションは、単一の動的階層を持つ動的ディメンションで属性がない場合に圧縮ディメンションとして設定できます。デフォルトでは、集約ストレージ・データベースの圧縮ディメンションは勘定科目ディメンションです。
圧縮ディメンションを選択するとパフォーマンスに大きく影響するため、圧縮ディメンションの適切な候補は、取得のパフォーマンスを維持しながらデータ圧縮を最適化するものです。
集約ストレージ・データベースの圧縮の見積りを表示できます。ディスクのデータベースのサイズに関連する圧縮の見積りは、どのディメンションが圧縮ディメンションとして設定されているかに応じて異なります。
ディメンションのレベルは、ボトムアップ階層構造で定義されます。レベルでは、あるメンバーとその下の最下位のメンバー間のブランチの数を測定します。集約ストレージ・データベースを使用している場合は、データベースの他のプロパティの表示に加えて、アプリケーションの各ディメンションのレベル数を表示できます。
リクエストとは、ユーザーまたは他のプロセスによってOracle Essbaseサーバーに送信される問合せのことです。「セッション」ウィンドウを使用して、集約ストレージ・アプリケーションに対して開いているユーザー・セッションおよびリクエストのリストを表示およびリフレッシュできます。
長時間ユーザー・リクエストを終了して、アプリケーションがそれ以上リクエストに応答しないようにすることが必要な場合があります。すべてのリクエストを終了、あるユーザーのすべてのリクエストを終了、または特定のリクエストを終了できます。
ユーザー、すべてのユーザーまたはユーザーのインスタンスをログオフすることが必要な場合もあります。選択したサーバー、アプリケーションまたはデータベースからユーザーをログオフできます。