例3: カスケード所有権と関連子会社

EPU調整を行うと、持株会社の資本価値が変わります。このため、ある関連子会社が別の関連子会社に所有されている場合、この所有されている関連子会社を調整してからでなければ、所有者である関連子会社を調整できません。

カスケード所有権の場合、EPU調整を正しい順序で行う必要があります。つまり、所有されている各関連子会社の調整を行った後で、その所有者の調整を行います。たとえば、BはAに所有されており、AはHに所有されている場合、EPUの計算は、B、A、Hの順に行います。

この図には、カスケード所有権の調整順序が示されています。

Aの調整

EPU計算は、AのEPU調整から開始されます:

Aに対する投資: 80(借方)

資本: 80(貸方)

この図には、エンティティAの貸借対照表の例が示されています。

EPU調整がAに転記され、Aの資本価値が調整されてBに対する投資の現在価値に反映されたら、HのAに対する投資に関連するEPU調整を計算できます。

この場合、EPU調整の計算式は次のようになります。

Adjustment amount = (Percentage of ownership * Equity of entity owned after EPU adjustment) — Investment at historical cost

Aに対する投資: 464(借方)

資本: 464(貸方)

この図には、エンティティHの調整が示されています。