計算式の作成

メンバーや関数、または演算子の組合せを使用して、「メンバー」と「関数」のタブを使用する式や演算子ボタンを作成できます。関数を使わずにメンバーや演算子で式を作成することや、メンバーと関数と演算子を1つの式にまとめることもできます。また式を手動で入力して編集すると高度な式を作成して編集することもできます。

「式の内容」という編集者フィールドで、メンバーを定義するために、マルチディメンショナルの式(MDX)に似た構文を使用して式を手動で入力して編集できます。しかし、メンバー定義のための構文定義はMDXフォーマットに似ていますが、MDXのステートメントはWeb Analysisの計算ではサポートされていません。式は関数とメンバーの組合せを選択して作成されます。詳細は、「マニュアル式構文の使用方法」を参照してください。

「切取り」、「コピー」、「貼付け」および「検証」のツールバーのボタンは、式が「式の内容」に入力されるとアクティブになります。「検証」ボタンは式にエラーがないかどうか式の妥当性を確認し、検証が成功したかエラーがあるかをエラー・ボックスに戻します。式の結果は、「式」フィールドに表示され、「挿入」ボタンをクリックしてレポートに挿入することもできます。既存の関数は1つの式にまとめることができます。メンバーか計算式のいずれかだけを表示するか、両方を表示するかを切り替える場合には、ドキュメントのショートカット・メニューの「非表示」オプションを使用できます。

注意:

レポートからメンバーを選択する代わりに、動的な行または列の参照を選択できます。フォーマットはメンバー選択に関わりなく適用されます。計算式が特定の列を参照する場合、その列はメンバー選択時に削除され、その計算式は正確に行なわれます。スワップまたはピボットが実行される場合は、可能な場合に計算式は「実行」されます。

  計算式を作成するには:

  1. ディメンションのメンバーのヘッダーを右クリックし、「分析ツール」を選択し、次に「計算」を選択します。

    「関数」、「メンバー」、「オプション」の3つのタブを含む、「計算式の定義」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    • 「メンバー」タブは、メンバーを選択して、式関数外の式に追加できます(例えば[Sales]-[COGS])。「メンバーの選択」リストでは、1つまたは複数のメンバーを選択でき、「挿入」をクリックすると、その式の「定義」に挿入できます。

    • 「関数」タブでは、関数とメンバー選択後に式の関数を「定義」エリアに挿入できます。メンバーや定数は、式に追加または削除できます。関数が選択されると、「式」エリアに表示されます。メンバー(または動的参照)は、各メンバーまたは参照をクリックすると式に追加でき、「追加」をクリックすると「引数」エリアに追加できます。「式」エリアは追加後に引数で更新されます。式が完成した後「定義」エリアに挿入するには、「挿入」をクリックします。

    • 「オプション」タブでは、欠落した値「位置の選択」の設定ができます。

  2. この3つのタブすべてに、以下のエリアが表示されます。

    • 「名前」 - 式の名前です。

    • 「定義」 - その式を表示します。式を手動で入力し編集できます。「切取り」、「コピー」、「貼付け」、「検証」ボタンを使用可能にします。

    • 「算術演算子」 - 式のエレメントで実行する、加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)、かっこ(( ))などの、計算の種類を表す記号を選択できます。

  3. 「メンバー」タブのメンバーを使用して式を作成できます。次の手順を実行します。

    • 「メンバーの選択」エリアで、メンバーを選択します。

    • 「詳細」 ? 選択するとすべてのディメンション・メンバーの組合せを一覧表示し、それらを式の「定義」エリアに追加します。選択解除すると、1つのディメンションのメンバーのみが表示されます。

    • 「動的参照」 — 選択すると行または列の参照の選択を使用可能にします。

  4. 「挿入」をクリックして式を追加します。

  5. 関数を使用して式を作成するには、「関数」タブで、次の手順を実行します。

    1. 計算式のタイプを「関数」リストから選択します。

    2. 「引数」エリアに(?)で表示される未定義の引数を、「メンバーの選択」に含まれているメンバーで置き換えます。これは、メンバーを選択して右矢印ボタンをクリックして行います。

    3. 未定義の引数(?)を値で置き換えるには、値を「定数」テキスト・ボックスに入力して、右矢印ボタンをクリックします。

    4. ディメンション・メンバーの組合せの未定義の引数を置き換えるには、「詳細」を選択してディメンション・メンバーの組合せを表示します。ディメンション・メンバーの組合せのラベルをクリックして選択し、右矢印ボタンをクリックして未定義の引数(?)を置き換えます。

    5. 「すべてのメンバー」を選択すると、利用可能なすべてのディメンション・メンバーを素早く選択できます。

    6. 「挿入」をクリックすると、定義に式を含めることができます。

    7. 計算式の定義が完了したら、「適用」をクリックして、「OK」をクリックします。

    以下のリストで、「関数」タブのアイテムを説明します。

    • - 式の結果を表示します。

    • 関数 - 値を加える、割る、平均値を計算するなど、あらかじめ決められた式を提供します。

    • メンバーの選択 - 計算中に含めるメンバーを提供します。

    • 詳細 - クリックするとディメンション・メンバーの組合せラベルを選択できます。その計算の行または列のコンテキストに複数のディメンションがある場合、「詳細」では行または列のすべてのディメンションを表示します。選択解除すると、1つのディメンションのメンバーのみが表示されます。

    • すべてのメンバー - 選択すると、すべてのディメンション・メンバーを選択します。

    • 動的参照 - 行または列の参照を選択できます。

    • 定数 - 値を入力して関数で使用できます。たとえば、合計("Qtr1", "Qtr2")のかわりに、合計("Qtr2", 155)を使用できます。

    • オプション。相対するメンバー - 選択すると、ディメンション・メンバーの引数を別のディメンション・メンバーの引数の割合として評価します。2番目の引数は、反対の軸上で交差するディメンション・メンバーで定義されます。

      • 「関数」リストから「メンバーの割合」を選択します。

      • ディメンションのメンバーの引数を選択します。

      • 「相対するメンバー」リストで、反対側の軸からディメンションのメンバーを選択します。

      注意:

      引数のフレームの「相対するメンバー」リストは、メンバーの割合を求める場合にのみ使用可能になります。ここでは、ディメンション・メンバーの引数は別のディメンション・メンバーの割合として評価されます。2番目の引数は、反対の軸上で交差するディメンション・メンバーで定義されます。

  6. 「オプション」タブでは、以下を行います。

    • 計算を無視 - 「すべてのメンバー」が選択されている場合でも計算済メンバーを方程式から除外します。

    • オプション。欠落した値 — 欠落した値の扱い方のオプションを提供します。含む、削除、または数値とみなすなどが指定できます。

      • 含む - 欠落した値を保管されているそのままの状態で計算します。

      • 除外 - 欠落した値を含む引数を計算式から削除します。

      • 数値とみなす- 引数に指示された値を入れます。デフォルトはゼロ(0)です。

    • 位置の選択 - 計算済の行や列の位置を指定するオプションを提供します。

      • 前/上

      • 後/下

      • この前に挿入

      • この後に挿入

      • 挿入位置 - 「この前に挿入」または「この後に挿入」を選択した場合は、対応するリストから挿入位置を選択します。計算結果を含む行または列が、指定のディメンション・ヘッダーの前または後に挿入されます。

    • 計算を無視 — 「すべてのメンバー」が選択されている場合でも計算済メンバーを方程式から除外します。

  7. 計算式の定義が完了したら、「適用」をクリックして、「OK」をクリックします。

マニュアル式構文の使用方法

メンバー名にサポートされていない文字や記号が含まれている場合には、かっこ– []で囲む必要があります。名前にこのような記号が含まれていない場合には、そのまま使用できます。以下にガイドラインをいくつか示します。

  1. [New York] + West + East - 正しい

  2. East + New York - 間違い。メンバー名の「New York」にスペースが含まれています。

  3. 古いスタイルの構文(メンバー名が ":"で分けられている)です。メンバー名に「良い」記号のみが使用されている場合は、上級メンバーで使用できます。例を示します。

    Qtr1:West + Qtr2:East - 正しい

    Qtr3:New York - 間違い

  4. 新しいMDXスタイルの構文では、カンマで分離されたメンバー名のリストが、"('と')"の間に含まれています。メンバー名は、シンプルなメンバーと同じルールに従って、[]内に含まれなければなりません。例:

    ([New York], West) - 正しい

    (New York, West) - 間違い

  5. シンプルなメンバーと上級メンバーは1つの式の内容の中で混在することはできません。例:

    ([New York], West) + East - 間違い

    Qtr1:West + South - 間違い

  6. スクリプト内のすべてのメンバーの詳細は、@selectAllMembersというキーワードで定義されます。例:

    Average(@selectAllMembers) + 1234 + [East]

  7. すべてのメンバーの詳細はスクリプトで数回使用できます。例:

    Sum(@selectAllMembers) - 合計(@selectAllMembers) - 正しい、常にゼロ

  8. 動的参照は次の方法で指定できます。行の場合は@row<ROW NUMBER>、列の場合は@col<COLUMN NUMBER>となります。例を示します。例:

    @col + @col5 - @col16/100@row2 - @row3

  9. 1つの式で、行と列の動的参照が混在しないようにします。例:

    @col + @row1 - 間違いです。エラー・メッセージが出ます。

  10. 以下の制限内であれば、1つに式でメンバーと動的参照を同時に使うことができます。軸(行または列)にいくつかのディメンションが含まれる場合、上級メンバーの詳細を使用すること。例:

    @row1 + [Qtr1] - 行の軸に含まれるディメンションが1つ - 「Year」だけの場合は正しいです。

    @col2 + Qtr1:West - 列に「Year」と「Market」が含まれる場合は正しいです。

  11. 相対するメンバーは、1つの関数 - Percent_of_Memberにのみ使用します。@の文字は相対するメンバーより前に使用する必要があります。例:

    2* Percent_of_Member (Qtr1, @Colas) - 正しい

    [Qtr2] + Percent_Of_Member (Qtr, @Root Beers]) - 正しい

    Percent_Of_Member (Qtr1, @ [Root Beers]) - 間違い。@の後にスペースが入っています。