各勘定科目には勘定科目の種別があります。勘定科目の種別によって、子勘定科目の親勘定科目への集約方法と、時間経過に従って勘定科目残高を累計する方法が決まります。基本レベル勘定科目にデータを入力すると、結果は、階層を介して自動的にロール・アップされます。
勘定科目の種別は、子の値を親の値に加算するか、親の値から減算するかを決定します。これにより、財務の計算を勘定科目のチャートに直接作成できます。
注意:
データのロード時に、Oracle Hyperion Financial Managementではデータのナチュラル記号をプラスと見なします。
たとえば、ASSETという勘定科目の種別では、期間全体は合計されません。借方がASSET勘定科目の場合、入力した値はその勘定科目に加算されます。貸方にすると、値は減算されます。この勘定科目の種別のデフォルト換算は、DefaultRateforBalance勘定科目フィールドの値です。
REVENUE勘定科目では、年次累計が合計されます。DYNAMICという勘定科目の種別は、カスタム・ディメンション、期間および期間累計のビューの親の値を正しく計算するために必要です。合計に集約する必要のない関連勘定科目をグループ化するには、GROUPLABELという勘定科目の種別を使用できます。たとえば、貸借対照表勘定科目をグループ化するBalance Sheet Accountsという名前の最上位レベルの勘定科目を作成できます。GROUPLABEL以外のすべての勘定科目の種別には、データが格納されます。
注意:
位取りは、FLOW、BALANCEまたはDYNAMICの勘定科目種別に適用されません。
表4-2 勘定科目の種別の動作
種別 | 年次累計合計 | 借方 | 貸方 | デフォルトの換算方法 |
---|---|---|---|---|
ASSET (資産) |
いいえ |
加算 |
減算 |
DefaultRateForBalance勘定科目 |
LIABILITY (負債) |
いいえ |
減算 |
加算 |
DefaultRateForBalance勘定科目 |
REVENUE (収益) |
はい |
減算 |
加算 |
DefaultRateForFlow勘定科目 |
EXPENSE (費用) |
はい |
加算 |
減算 |
DefaultRateForFlow勘定科目 |
FLOW (フロー) |
はい |
加算 |
減算 |
なし |
BALANCE (残高) |
いいえ |
加算 |
減算 |
なし |
BALANCE RECURRING (経常残高) |
いいえ |
加算 |
減算 |
なし |
CURRENCYRATE (通貨レート) |
いいえ |
N/A |
N/A |
N/A |
GROUPLABEL (グループラベル) |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
DYNAMIC (動的) |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
次の表は、特定のタイプの親勘定科目に合計された場合に勘定科目の種別がどのように動作するかを示しています。列は、親勘定科目の勘定科目の種別を表します。たとえば、集約時に、資産勘定科目の値は親の資産勘定科目および費用勘定科目に加算され、親の負債勘定科目および収益勘定科目から減算されます。
注意:
略語は、勘定科目の種別の最初の1文字または2文字を表しています。列に「いいえ」と表示されている場合、勘定科目の種別が親勘定科目に集約されないことを示します。
表4-3 親勘定科目への集約時の勘定科目の種別の動作
種別 | 親勘定科目 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目の種別 | A | L | R | E | F | B | BR | C | G | D |
ASSET (資産) |
加算 |
減算 |
減算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
LIABILITY (負債) |
減算 |
加算 |
加算 |
減算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
REVENUE (収益) |
減算 |
加算 |
加算 |
減算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
EXPENSE (費用) |
加算 |
減算 |
減算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
FLOW (フロー) |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
BALANCE (残高) |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
BALANCE RECURRING (経常残高) |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
加算 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
CURRENCYRATE (通貨レート) |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
GROUPLABEL (グループラベル) |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
DYNAMIC (動的) |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
この例では、勘定科目の種別が親勘定科目にどのように集約されるかを示しています。
この例では、Total Assetsは資産勘定科目で、Fixed Assets(資産勘定科目)とAmortization(負債勘定科目)の親です。これらの勘定科目が親勘定科目に集約される際に、固定資産値100が加算され、資産償却値20が減算され、総資産の結果値は80になります。