1 製品の概要

Oracle の StorageTek SL150 Modular Tape Library はスケーラブルなラックマウント型の自動テープライブラリで、最大 300 巻のテープカートリッジ (テープ) と 1 から 20 台までのテープドライブを格納できます。ロボット制御は、ブリッジテープドライブ上で LUN 1 として表示される SCSI メディアチェンジャーデバイスです。

SL150 ライブラリのモジュールは 1 台から 10 台まで拡張できます。1 つのモジュールに 2 つのテープドライブスロットがあり、2 つの 15 スロットマガジン (左側と右側に 1 つずつ) に最大 30 巻のテープを格納します。また、基本モジュールには、ライブラリへのテープの挿入または取り出しに使用できる 4 スロットメールスロットが 1 つあります (図1-1 を参照)。

SL150 ライブラリは、ハーフハイト HP LTO Ultrium 5 または 6 Serial Attached SCSI (SAS) テープドライブまたは短波長ファイバチャネル (FC) テープドライブ、および IBM LTO Ultrium 6 または 7 SAS または短波長 FC テープドライブをサポートしています (テープドライブとメディアを参照)。

図1-1 90 カートリッジライブラリ (正面図)

図1-1 については、周囲のテキストで説明しています。

図の凡例:

1 - 基本モジュール (モジュール 1)

2 - 拡張モジュール (モジュール 2)

3 - 左カートリッジマガジン

4 - 右カートリッジマガジン

5 - フロントコントロールパネル

6 - メールスロット

ブリッジ

テープドライブブリッジングにより、ライブラリ制御のための外部インタフェースが提供されます。ブリッジドライブは LUN 0、ライブラリは LUN 1 です。

データ、コマンド、および制御信号は、SAS または FC テープドライブのデータインタフェースに直接送信されます。指定されたブリッジドライブは、ライブラリまたはライブラリパーティションのすべての通信を制御し、コマンドおよび制御信号をライブラリコントローラに渡します。

パーティションのないライブラリには 1 台のブリッジドライブが必要です。パーティション分割されているライブラリには、パーティションごとにブリッジドライブが 1 台必要です。

モジュール

SL150 ライブラリには、基本モジュール (モジュール 1 と指定される) と拡張モジュール (モジュール 2 から 10 と指定される) の 2 種類のモジュールがあります。

モジュール 1 は、完全に機能する最小のライブラリであり、次のものが含まれます。

  • フロントコントロールパネル

  • 2 つの 15 スロットテープマガジン (左と右)

  • 4 つのテープスロットを備えた標準メールスロット (詳細はパーティションを参照)

    注記:

    ファームウェアバージョン 2.25 以降のライブラリでは、19 スロットの拡張メールスロット構成をサポートしています。
  • 1 ハンドのロボット装置

  • 電源装置 (2 つめの電源装置を追加するオプションあり)

  • テープドライブ (2 つめのドライブを追加するオプションあり)

モジュール 1 の最大 3 つのテープスロットを、診断またはクリーニングテープを格納する予約スロットとして指定できます。

モジュール 1 の背面には、リモート管理用の Ethernet ポートが 1 つ、拡張モジュールとの接続用の USB タイプ A ポートが 9 つあります (図1-2 を参照)。

図1-2 基本モジュールと拡張モジュール - 背面図

図1-2 については、周囲のテキストで説明しています。

図の凡例:


1 - 基本モジュール (モジュール 1 ラベルは、モジュールの背面パネルにあります)
2 - 拡張モジュール (モジュール番号付きのラベルは、背面パネルにあります)
3 - ロボットロック (改良設計)
4 - テープドライブトレー
5 - 電源装置
6 - モジュールコントローラ (モジュール 2 およびモジュール 3)

注記:

モジュール 1 には先述のコンポーネントのほかに、レールコンポーネント、接続用ハードウェア、識別ラベルなどが含まれるアクセサリキットが付属しています。

ライブラリの下部に拡張モジュールを追加することで、テープカートリッジの容量を増やし、テープドライブの追加によってパフォーマンスを向上させることができます (図1-2 を参照)。拡張モジュールには 2U のラックスペースが必要です。拡張モジュールには、次のものが付属しています。

  • 2 つの 15 スロットテープマガジン (左と右)

  • モジュールコントローラ

  • 2 つの USB タイプ A コネクタを備えた拡張ケーブル

  • モジュールをラックに固定するためのマウント用ハードウェア

  • 識別ラベル

モジュールコントローラは、USB タイプ A コネクタを備えた拡張ケーブルによって基本モジュールに接続されます。このケーブルは、基本モジュールと拡張モジュールの間の通信経路、およびモジュールコントローラの電源を提供します。

拡張モジュールには、2 台のテープドライブと 2 台の電源装置を搭載するためのスロットがあります。拡張ケーブルから供給される電源はテープドライブをサポートするには不十分です。そのため、拡張モジュールにテープドライブを搭載する場合は電源装置が必要です。

SL150 ライブラリは、パーティションに分割できます (パーティションを参照)。

ロボット

ロボットメカニズムは基本モジュールに含まれています。ブルホイールは基本モジュールの上部にあります。Z プラットフォームのケーブルはプーリーを通ってブルホイールに巻かれています (図1-3 を参照)。ブルホイールが回転するに従い、ブルホイールの回転方向に応じて、ケーブルによって Z プラットフォームが上下します。ハンドアセンブリが Z プラットフォームのロッドとともに移動し、トラックの動きを作り出します。ハンドアセンブリには後退可能なリーチメカニズムがあり、ハンドは左マガジンスロット、右マガジンスロット、メールスロット内のスロット、またはライブラリの背面にあるテープドライブに揃う位置に回転します。リーチメカニズムには、テープカートリッジをつかんだり解放したりするためのばね式グリッパがあります。

ビジョン

ハンドアセンブリは 2 台の垂直共振器面発光レーザー (VCSEL) デバイスを使用して、バーコードをスキャンし、ターゲットのセルを特定します。ハンドの各末端に VCSEL が 1 台ずつ搭載されています。VCSEL が移動してバーコードまたはテープカートリッジスロットのエッジを通過するとデータストリームが生成され、それがメインプロセッサで復号化されることにより、バーコードが生成されるか、ターゲット位置が特定されます。

図1-3 ロボット

図1-3 については、周囲のテキストで説明しています。

図の凡例:


1 - ハンド
2 - プーリー
3 - 吊り下げケーブル
4 - Z プラットフォーム
5 - ブルホイール
6 - Z モーター

クラス 1 レーザー製品表示

StorageTek SL150 Modular Tape Library には、IEC 60825-1 Ed. 2 (2007) で定義されたクラス 1 レーザーが搭載されています

テープドライブとメディア

SL150 ライブラリは、次のハーフハイトの Linear Tape Open (LTO) テープドライブをサポートしています。

  • HP 製の第 5 世代ファイバチャネルまたは SAS

  • HP または IBM 製の第 6 世代ファイバチャネルまたは SAS

  • IBM 製の第 7 世代ファイバチャネルまたは SAS

    このライブラリは次をサポートしています。

    • 第 5、第 6、および第 7 世代のテープドライブの同時取り付け (ブリッジテープドライブおよびデータドライブとして)

    • HP および IBM テープドライブの同時取り付け

必要なドライブファームウェアバージョン:

  • ファイバチャネル:

    • LTO-5: Y58S、Y65S、Y68S、Y6IS、またはそれ以降

    • LTO-6:

      • HP: 22GS、239S、258S、25FS、またはそれ以降

      • IBM: E6RF、F3J7、G351、またはそれ以降

    • LTO-7: FA11、G341、またはそれ以降

  • SAS:

    • LTO-5: Z58S、Z65S、Z68S、Z6FS、G351、またはそれ以降

    • LTO-6:

      • HP: 32DS、339S、358S、35FS、またはそれ以降

      • IBM: E6RF、F3J7、またはそれ以降

    • LTO-7: FA11、G341、またはそれ以降

    新しい修正プログラムおよび機能がテープドライブに確実に適用されるように、最新のファームウェアバージョンにアップグレードします。ファームウェアのインストールに関する情報は、『SL150 Modular Tape Library ユーザーズガイド』で入手できます。

サポートされるカートリッジ:

標準 LTO データカートリッジのラベルには、一意で顧客によって割り当てられるボリューム ID と、それに続けてメディア ID フィールドが記載されています。

  • 第 7 世代:

    • L7 メディア ID: LTO-7 形式での読み取りと書き込み

    • LX メディア ID (WORM): LTO-7 形式での読み取りと書き込み

  • 第 6 世代:

    • L6 メディア ID: LTO-6 形式での読み取りと書き込み

    • LW メディア ID (WORM): LTO-6 形式での読み取りと書き込み

      LTO-7 ドライブ: LTO-6 形式での読み取りと書き込み

  • 第 5 世代:

    • L5 メディア ID: LTO-5 形式での読み取りと書き込み

    • LV メディア ID (WORM): LTO-5 形式での読み取りと書き込み

      • LTO-7 ドライブ: 読み取り専用

      • LTO-6 ドライブ: LTO-5 形式での読み取りと書き込み

  • 第 4 世代:

    • L4 メディア ID または LU メディア ID (WORM):

      • LTO-6 ドライブ: 読み取り専用

      • LTO-5 ドライブ: LTO-4 形式での読み取りと書き込み

    注記:

    LTO-7 ドライブは第 4 世代メディアをサポートしていません。
  • 第 3 世代:

    • L3 メディア ID または LT メディア ID (WORM): LTO-5 ドライブでの読み取り専用

    注記:

    LTO-6 ドライブおよび LTO-7 ドライブは第 3 世代メディアをサポートしていません。
  • ユニバーサルクリーニングカートリッジ (CU メディア ID)

図1-4 テープカートリッジ

図1-4 については、周囲のテキストで説明しています。

図の凡例:


1 - 書き込み保護スイッチ
2 - ボリューム ID ラベル (カートリッジハブ側にバーコード)
3 - アクセスドア
4 - リーダーピン

カートリッジラベルのオプション

可能性のあるラベルスキームに最大限対応するために、SL150 ライブラリでは 8 - 14 文字長のラベルをサポートし、ホストアプリケーションと通信するときにラベルが解釈される方法を指定できるラベルウィンドウ機能を用意しています。

ライブラリユーザーインタフェースでは、次のラベルオプションをサポートしています。

  • No type checking」は、ラベルのすべての文字を変更なし、メディアドメインやタイプのチェックなしで渡します。このオプションは、ラベルでメディアを識別していない場合に使用してください。たとえば、M123456789AB には、メディア記述子 (L5 など) が含まれていません。

  • Prepend last two characters」は、ラベルの最後の 2 文字を先頭に移動してからすべての文字を渡します。たとえば、KL10203012L5L5KL10203012 に変換されます。

  • Full label」は、物理ラベルの先頭の 8 文字を渡します。たとえば、KL10203012L5KL102030 に変換されます。

  • Trim last character」は、物理ラベルの先頭の 7 文字を渡します。たとえば、KL10203012L5KL10203 に変換されます。

  • Trim last two characters」は、物理ラベルの先頭の 6 文字を渡します。たとえば、KL10203012L5KL1020 に変換されます。

  • Trim first two characters」は、物理ラベルの 3 文字目から 8 文字目までを渡します。たとえば、KL10203012L5102030 に変換されます。

  • Trim first character」は、物理ラベルの 2 文字目から 8 文字目までを渡します。たとえば、KL10203012L5L102030 に変換されます。

テープラベルの詳細および SL150 リモート GUI の「Configuration」セクションの使用については、『StorageTek SL150 Modular Tape Library ユーザーズガイド』を参照してください。

ヒューマンインタフェース

SL150 ライブラリと対話するには、メールスロット、オペレータパネル、およびリモートインタフェースの 3 つの方法があります。

  • 基本モジュールの右マガジンの上にある 4 カートリッジメールスロットは、ロボットの操作に干渉することなくライブラリにテープを挿入またはライブラリからテープを取り出すために使用されます。ユーザーの役割に応じて、フロントコントロールパネルのタッチスクリーンまたはリモートインタフェースから開くことができます。

    注記:

    ファームウェアバージョン 2.25 以降のライブラリでは、19 スロットの拡張メールスロット構成をサポートしています。
  • フロントコントロールパネルは、保守ツールとしてではなく情報ポイントとして使用するように設計された LCD タッチスクリーン式オペレータパネルを備えています (図1-5 を参照)。

    図1-5 オペレータパネルのホーム画面

    図1-5 については、周囲のテキストで説明しています。

    このパネルには、ライブラリ、モジュール、マガジン、メールスロット、パーティション (有効になっている場合)、ドライブ、テープ、および設定に関する情報が主に表形式で表示されます。マストヘッドには、情報セクションから戻るためのホームボタン、著作権情報を表示するためのボタン、アクティビティーアイコン、ライブラリの健全性 (この例では「Operational」) およびライブラリの状態が表示されます。

  • リモート GUI は SL150 ライブラリのプライマリ管理インタフェースであり、ライブラリのホスト名または IP アドレスを Web ブラウザに入力することによってアクセスします。図1-6 に示されたインタフェースの例は、2 つのパーティションがあるライブラリのもので、ライブラリ、パーティション、ドライブ、テープ、構成、ファームウェア、SNMP、電子メールアラート、ユーザー、およびサービスのメニューが用意されています。

    注記:

    2.0 より前のファームウェアバージョンのライブラリには、「Configuration」、「Firmware」、および「SNMP」メニューの代わりに「Settings」メニューがありました。ファームウェアリリース 2.50 は、「電子メールアラート」ボタンのある最初のリリースです。

    図1-6 リモート管理インタフェース

    図1-6 については、周囲のテキストで説明しています。

    図の凡例:

    1 - セクションナビゲーション
    2 - 左マガジンの制御
    3 - 右マガジンの制御
    4 - スロット ID
    5 - テープドライブ (両方向矢印はブリッジドライブを示す)

    ライブラリの情報は、左および右マガジンのテープスロット、メールスロット、ドライブ、ロボット、および取り付けられているすべてのモジュールを表す図によって示されます (図1-6 ではモジュール 1 が展開され、モジュール 2 は縮小されています)。また、右マガジンの第 1 行、第 1 列のスロットの識別情報が表示されています。スロット ID の詳細は、付録A 位置および付録B パーティション分割の概要を参照してください。

    モジュール 1 のラベルの上にある「Library」リストは、ライブラリのプロパティーの表示、ライブラリの監査、マガジンのロック解除、マガジンのロックと監査、自己診断の実行、使用可能な全モジュールの展開、または全モジュールの縮小の機能を提供します。

    パーティション、ドライブ、テープ、構成、ファームウェア、SNMP、およびサービスのメニューでは表形式で情報を表示します。一部のメニューには、カテゴリ別に情報を表示するためのタブがあります。

    管理者はライブラリの個々のユーザーアカウントを作成し、各アカウントに個別のユーザー役割を割り当てます。ライブラリは、閲覧者、オペレータ、保守、および管理者の 4 つのユーザー役割を認識します。これらの各役割には、表示できる画面および実行できるアクションの制限があります。

    ユーザーインタフェースに関する特定の情報については、『StorageTek SL150 Modular Tape Library ユーザーズガイド』またはリモートインタフェースの「Help」システムを参照してください。

パーティション

SL150 ライブラリは、それぞれが少なくとも 1 台のテープドライブと 1 つのマガジンを備えた、最大 8 つのパーティションをサポートしています。各パーティションは独立したライブラリとして動作しますが、予約セル、単一ロボット、および 4 つのカートリッジを備えたメールスロットはすべてのパーティションで共有されます。各パーティションには、ホストインタフェース (ブリッジ) を提供するテープドライブが必要です。

  • カートリッジのイジェクト時は、カートリッジの移動が発生する前に、メールスロットがパーティションに明示的に割り当てられている必要があります。

  • ユーザーはメールスロットからカートリッジを挿入するときに宛先パーティションを指定する必要があります。

注記:

管理者は「Configuration」ボタンからパーティションを有効にします。構成値の設定に関する特定の情報については、ユーザーズガイドまたはリモートインタフェースのオンラインヘルプを参照してください。

詳しい情報は、付録B パーティション分割の概要に記載されています。

SNMP

ライブラリの SNMP エージェントは、ネットワーク管理ステーションに障害や構成変更を警告するトラップを自動的に送信できます。SNMP 規格のバージョン 2c およびバージョン 3 の両方がサポートされています。

  • バージョン 2c では、以前のバージョンの規格との下位互換性が保たれますが、認証の資格 (コミュニティー文字列) と管理データがクリアテキストで交換されるためセキュアではありません。

  • バージョン 3 では、下位互換性は保たれませんが、よりセキュアな認証方法がサポートされ、管理データの暗号化が可能です。

管理者は、リモート管理インタフェースの「SNMP」セクションで、SNMP ユーザーと受信者を定義します。管理インタフェースを使用すると MIB をダウンロードできます。特定の情報については、『StorageTek SL150 Modular Tape Library ユーザーズガイド』またはリモートインタフェースのオンラインヘルプを参照してください。

電子メールアラート

電子メールアラートを有効にして構成すると、ライブラリの状態が (たとえば、オンラインからオフラインに) 変わるか、ライブラリの健全性が低下するたびに、指定したアドレスに電子メールが送信されます。

StorageTek Tape Analytics

StorageTek Tape Analytics (STA) は、インテリジェントなモニタリングアプリケーションで、StorageTek モジュラーテープライブラリのみで使用できます (SL150、SL500、SL3000、および SL8500 を含む)。これはテープストレージ管理を簡略化し、顧客はテープストレージ環境の現在の健全性に基づき、将来のテープストレージ投資について情報を得たうえでの意思決定を行うことができます。

注記:

STA には専用のサーバーが必要です。SNMP UDP の信頼性を向上させるため、STA サーバーはライブラリと同じサブネットに配置することをお勧めします。

STA サーバーとライブラリの間の通信を設定するには、ライブラリと STA サーバーのそれぞれで構成手順を実行する必要があります。STA は v2c と v3 の両方の SNMP プロトコルを使用してライブラリと通信します。

  • ライブラリと STA サーバーとの間の初期通信ハンドシェイクは、v2c プロトコルを使用して行われます。

  • トラップおよび取得機能は、v3 プロトコルを使用して行われます。SNMP v3 の認証、暗号化、およびメッセージ整合性機能では、ライブラリデータの送信にセキュアなメカニズムを提供します。

STA を使用することで、顧客はグローバルに分散したライブラリを単一のブラウザベースのユーザーインタフェースからモニターできます。顧客は、複数のライブラリプラットフォームにまたがるオープンシステムとメインフレームの混在メディアや混在ドライブ環境を管理できます。

顧客は STA を使用して詳細なパフォーマンス傾向分析を行うことにより、テープ投資の使用およびパフォーマンスを向上させることができます。このような分析は、定期的に更新されるライブラリ操作データベースに基づきます。STA は、テープライブラリ環境からのデータを収集して保持し、このデータを使用してライブラリリソース (ドライブおよびメディア) の健全性のステータスを計算します。STA はさまざまな条件に従ってデータを集計し、表形式やグラフ形式で表示するため、環境の活動、健全性、および容量をすばやく評価できます。

STA 製品および専用 STA サーバーの詳細は、Oracle Help Center で STA のドキュメントライブラリを参照してください。次の URL で「StorageTek Tape Analytics documentation」リンクを選択します。

http://docs.oracle.com/en/storage/#tab5

STA バージョン 1.0.2 は SL150 ライブラリのサポートを提供する最小レベルです。ただし、使用可能な最新リリースを使用することをお勧めします。

自動カートリッジシステムライブラリソフトウェア

注記:

ACSLS はサポートされていますが、SL150 ライブラリの操作に必須ではありません。

StorageTek Automated Cartridge System Library Software (ACSLS) は、すべてのライブラリ操作における中央のサービスプロバイダとして機能し、あらゆるシステムのあらゆる ACSLS 対応アプリケーションとライブラリリソースを効率的に共有し、複数の StorageTek ライブラリ間で集中管理されたライブラリ制御を可能にします。

SL150 ライブラリと連携するには ACSLS Version 8.2 以降が必要です。

新しい ASC および ASCQ のレポートをサポートするファームウェアバージョン 2.25 以降のライブラリには、ACSLS Version 8.3 (セカンドパッチ) が必要です。

テープドライブのサポート:

  • SL150 ファームウェアバージョン 2.60:

    • LTO-7 はパッチ 1 を含む最小の ACSLS バージョン 8.4 が必要です。

    • LTO-5 および LTO-6 ACSLS バージョン 8.4 以降

  • LTO-5 または LTO-6 を使用する SL150 ファームウェアバージョン 2.50 は、ACSLS バージョン 8.3 パッチ 3 以上が必要です。

SL150 ライブラリについてのサポートの詳細は、ACSLS のドキュメントライブラリを参照してください。STA のセクションに記載されているリンクを使用して、OTN の「Tape Storage」セクションにアクセスできます。

注記:

ACSLS バージョン 8.2、8.3、および 8.4 では、ファームウェアバージョン 2.25 以降のライブラリで使用可能な拡張メールスロット構成 (19 メールスロット) はサポートされません。

ライブラリの仕様

物理仕様:

  • 奥行き: 925 mm (36.4 インチ、テープドライブ拡張の 2.25 インチを含む)

  • 高さ:

    • 3U (130.8 mm、5.15 インチ): 基本モジュール (モジュール 1)

    • 2U (88.9 mm、3.5 インチ): 拡張モジュール (モジュール 2 から 10)

  • 幅: 481 mm (18.9 インチ)

  • 重量:

    • 21.3 kg (47 ポンド [基本モジュール、カートリッジマガジン 2 個、テープドライブ 1 台、電源装置 1 台])

    • 14.3 kg (31.5 ポンド [拡張モジュール、カートリッジマガジン 2 個、テープドライブなし、電源装置なし])

電源:

  • AC 電圧: 100-240 VAC

  • 回線周波数: 50-60Hz 単相 (自動レンジ調節)

  • ライブラリ (最大連続非ピーク動作): 次の URL の Power Calculator を参照してください。

http://www.oracle.com/us/products/servers-storage/sun-power-calculators/index.html

基本モジュール、1 台のテープドライブ、1 台の電源装置から構成される最小の SL150 ライブラリでは、アイドル時合計電力が 44 W (150 Btu/hr) で、定常状態が最大 67.5 W (230 Btu/hr) です。

ラックスペースの要件:

  • 基本モジュール: 3U (131 mm、5.15 インチ)

  • 拡張モジュール: 2U (88.9 mm、3.5 インチ)

  • 奥行き (最小): 925 mm (36.4 インチ)

注記:

SL150 ライブラリは、前面から背面のレール間隔を 457 mm (18 インチ) から 902 mm (35.5 インチ) にして取り付けることができます。

環境情報

温度:

  • 動作時: +10°から +40°C (+50°から +104°F)

  • 非動作時 –40°から +60°C (–40°から +140°F)

相対湿度:

  • 動作時: 20% から 80%、結露なし

  • 非動作時: 10% から 95%、結露なし

動作環境は、付録C 汚染物質の管理に示された追加の要件を満たす必要があります。

正圧と換気 - ホットアイルコンテインメントシステム (HACS)

ホットアイルコンテインメントシステム (HACS) は、コールドアイルとホットアイルを互いから分離するように設計されたデータセンター環境システムです。ホットアイルとコールドアイルはどちらもクローズドループプロセス制御装置によって、温度と湿度が制御されます。通気、温度、湿度が制御可能なことに加え、セキュリティー要件によって、個々の顧客に応じて、HACS を遮断するように指示することもできます。最終的に、各 HACS の冷却および加湿量は、顧客要件、割り当てられる装置のタイプと量、および使用している環境制御システムによって異なります。

HACS は、大規模な空調設備によって、装置の前面に正圧冷気が取り込まれるよう構成されています。正圧冷気は、設置された装置の背面からの排気の量に応じて機能するよう設計されています。エアハンドラは、設置されているすべての装置に対してコールドアイル内の正圧を生成するために十分な空気を供給できる必要があります。冷気の供給がすべての装置をサポートするのに不十分な場合、ホットアイルのコールドアイルへの再循環が実行されることがあります。このタイプの環境におけるシステム運用の目的は、システムの適切な冷却を可能にするために、コールドアイルからホットアイルへの十分な通気を確保し、必要に応じて調整することです。

密閉されたホットアイルは、コールド給気アイルとホット排気アイル間にバリアを設けるように設計されています。このホットアイルコンテインメントにより、コールドアイルとホットアイル間に気圧の差が生じる場合があります。気圧の差は、ホットアイルの負圧に中立であることが望まれます。

密閉されたホットアイルの気圧は、静的と動的の両方の気圧変動ソースによって変動します。静的な気圧変動ソースは一般に、装置、吸収材、制御システムなどの設備に関連します。動的な気圧変動ソースは、ホットアイル内に含まれているものなど、設置されている装置により近いものになります。動的なソースの例には、付近の装置の排気ファンやドアの排気デフレクタなどがあり (ただしこれだけに限らない)、どちらも設置されている装置に乱気流が向けられる可能性があります。乱気流によって、問題となる装置の排気が妨げられ、コールドアイルの給気の冷却能力が低下する可能性があります。

注記:

ホットアイルの負圧の差に対する中立を達成できない場合、影響を与えるか、影響を受けるラックにラックドアを取り付けるなどの最低限の対策を講じるようにしてください。最初の軽減策で空気の妨害を軽減できない場合、装置の通気を促すために、追加の空気除去ユニットが必要になることがあります。