ACSLS (Automated Cartridge System Library Software) は、自動テープライブラリを異機種混在環境で共有できるようにし、オープンシステム環境におけるライブラリ操作の中心的なサービスプロバイダとして機能する。
自動移行限界値 (automatic migration threshold)。AMT 値は仮想テープボリュームの移行の開始時期と終了時期を決定するユーザー定義のパーセント値である。VTV 移行は、VTSS バッファーが上限 AMT に達すると開始され、下限 AMT に達するか下回ると終了する。これらの限界値は、すべての VTSS に適用される。
1 つ以上の Nearlink 接続で接続されたプライマリ VTSS およびセカンダリ VTSS からなる構成 (クラスタリンク)。
MGMTclas 文の REPLICAT パラメータ (拡張管理機能が必要) を使用して、クラスタリンクを介してプライマリ VTSS からセカンダリ VTSS に VTV を複製 (コピー) できる。プライマリ VTSS が使用不能になった場合には、VT VARY VTSS コマンドを使用して、プライマリ VTSS をオフラインにできる。次に、MVC に対してセカンダリ VTSS の VTD をオンラインにし、処理を引き継がせることができる。したがって、セカンダリは、プライマリ VTSS の「ウォームスタンバイ」として機能する。
VTSS から RTD へのデータの移動 (RTD では、VTV が MVC へスタックされる)。移行は、上限 AMT レベルに達すると VSM によって開始される。VTV は使用状況とサイズに基づいて移行に選択される。使用されていない期間が長い、もっとも大きな VTV がまず選択される。VSM は要求に応じて VTV を移行する機能や VTV の複数のコピーを移行する機能がある。
マルチボリュームカートリッジ。1 つまたは複数の VTV を含む、またはまったく VTV を含まない LSM の物理カートリッジで、VTV スタックに選択できるボリュームとして特定されている。このデータは CDS に保存される。
MVC スペースリクレイム処理に関する用語。VTCS では MVC 上で断片化されている空きスペースの容量と、移動する必要がある VTV データの量に基づいて、スペースリクレイム処理が必要かどうか判別される。VSM は必要に応じて MVC をリクレイムできる。
実テープドライブ。VSM/HSC で制御される物理トランスポート。トランスポートは 1 つの VTSS へのデータ経路を持つ (オプションで MVS やほかの VTSS へのデータ経路を持つこともできる)。
仮想ストレージマネージャー (Virtual Storage Manager)。VTSS バッファーのボリュームとトランスポートの仮想化によって、メディアとトランスポートの使用効率を改善するストレージソリューション。ハードウェアには、ディスクバッファーである VTSS と RTD がある。ソフトウェアには、VTCS、HSC ベースのホストソフトウェア、および VTSS マイクロコードが含まれる。
仮想テープ制御システム (Virtual Tape Control System)。VTSS、VTV、RTD、MVC に関する動作や情報を制御するプライマリホストソフトウェア。このソフトウェアは、HSC と同じアドレス空間で動作し、HSC と緊密に通信する。
仮想テープドライブ。物理 3490E を MVS にエミュレートする VTSS のトランスポート。VTD へ書き込まれたデータは、実際にはディスクに書き込まれる。VTSS には、VTV の仮想マウントを実行する 64 の VTD がある。
仮想テープストレージサブシステム (Virtual Tape Storage Subsystem)。仮想ボリュームとトランスポートを含むディスクバッファー。VTSS は、32 台または 64 台のトランスポートのエミュレーションを可能にするマイクロコードを備えたディスクデバイスである。デバイスは、「テープ」データのディスクからの読み取りとディスクへの書き込み、そのデータの RTD からの読み取りと RTD への書き込みを実行できる。