データ・ロード機能を持つアプリケーションでは、エンド・ユーザーは、アクセスできる任意のスキーマ内にある表にデータを動的にインポートできます。データをインポートするには、エンド・ユーザーは、ファイルからデータをアップロードするか、エンド・ユーザーがウィザードに直接入力したデータをコピー・アンド・ペーストするデータ・ロード・ウィザードを実行します。この項では、データ・ロード・ウィザードを作成する方法について説明します。
関連項目: データ・ロード・ウィザードの使用の詳細は、『Oracle Application Expressエンド・ユーザー・ガイド』のデータ・ロード・ウィザードの例に関する項。 |
注意: データ・ロード・ウィザードは、何十万ものデータ行をロードするようには設計されていません。データ・ロード・ウィザードを使用してこの大量のデータをロードすることは可能ですが、大量のデータ・ファイルの転送およびロードの両方でパフォーマンスの問題が発生する可能性があります。Oracle SQL DeveloperおよびOracle SQL*Loaderのようなツールの方が、大量のデータのロードに適しています。 |
アプリケーションの開発者は、ページの作成ウィザードでデータ・ロード・ページを作成することによって、データ・ロード・ウィザードを作成します。作成プロセスで、開発者はアップロード表とその一意の列、表参照およびデータ・トランスフォーメーション・ルールを指定できます。ページの作成ウィザードにより、データ・ロード・ウィザードを定義するデータ・ロード表が作成されます。
データ・ロード・ウィザードの実装には、次のサポートが含まれます。
表の定義: この定義は、一意のキー列を持つデータ・アップロード表の名前を指定します。
データ・トランスフォーメーション・ルール - インポート・データを大文字や小文字に変更するといったトランスフォーメーションのフォーマットを行うために、データ・トランスフォーメーション・ルールを定義する必要があります。たとえば、インポート・ファイルに大文字と小文字の両方の列データが含まれ、アップロード表ではすべて大文字であることが必要な場合、大文字のみをターゲット列に挿入するようにデータ・トランスフォーメーション・ルールを定義できます。
検証のスキップ - 検証ステップをスキップすることで、大量のレコードをアップロードする際のデータ・ロードのパフォーマンスを向上できます。何千ものレコードをアップロードする場合、エンド・ユーザーは、各レコードの検証に関心がないことがあります。各レコードが新規レコードとして挿入されることが確実な場合は、データ・ロード・プロセスで重複をチェックする必要はありません。
表参照 - インポート・ファイルの既存データを別の表のデータにマッピングする必要がある場合、表参照を指定してマッピングを実行します。たとえば、インポート・ファイルにはDEPTNO
列に部門名が含まれているが、アップロード表ではその列に数値が必要な場合、表参照ルールを使用して、別の表でその部門名に対応する部門番号を探します。
列名の別名 - 開発者がエンド・ユーザーに表の列名を公開したり、エンド・ユーザーにすべての列を公開することを望まない状況が数多くあります。このような状況では、公開する必要がある列の別名を作成できます。
同時実行性の管理 - 複数のユーザーが同時にデータをアップロードする場合、開発者は追加の列を使用して、基礎となる表のデータ・バージョンを追跡できます。データ・ロード・ウィザードでは、この列を使用して、別のユーザーが同時に同じデータを使用しているかどうかを確認し、エンド・ユーザーに伝えます。これは、定期的に更新される表にアップロードする場合に特に重要です。
複数のスプレッドシート列 - アップロードされるスプレッドシートに複数の列があり、開発者がその列を連結して1つの表の列にアップロードすることが必要な状況が数多くあります(スプレッドシートのFirstName
およびLastName
をEMP
表のENAME
にアップロードするなど)。
新たに生成されたデータ・ロード・ウィザードは4つのページで構成され、ユーザーはファイルからの、またはコピー・アンド・ペーストによるデータのアップロード、データおよび表のマッピングの定義、データの検証、および最終的な表へのデータのアップロードを行うことができます。開発者は後で、「共有コンポーネント」、「データ参照」、「データ・ロード定義」にアクセスして、表参照やデータ・トランスフォーメーション・ルールなどのデータ・ロード・ウィザードの定義を編集できます。
データ・ロード・ウィザードを作成するには、次のステップを実行します。
「ワークスペース」ホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
アプリケーションを選択します。
「ページの作成」をクリックして、「次へ」をクリックします。
「ページの作成」で、次のステップを実行します。
ユーザー・インタフェース: ページのユーザー・インタフェースを選択します。
ページ・タイプの選択 - 「データのロード」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「データ・ロード表」で、次のステップを実行します。
定義名 - このデータ・ロード定義の名前を入力します。
所有者: データ・ロード表の所有者を選択します。
表名: データのロードに使用する表を選択します。アップロード表とも呼ばれます。
一意列1: データ・ロードの処理で一意の主キー列として使用する列名を選択します。少なくとも1つの一意のキー列が必要です。
大/小文字区別 - 選択した一意キー列で大/小文字を区別するかどうかを指定します。デフォルトでは、これは「いいえ」に設定されます。
一意列2 - データ・ロード表の一意キーの定義が、2つ以上の列から構成される複合キーの場合、データ・ロードの処理中に2番目の一意キーの列として使用される列名を選択します。
大/小文字区別 - 選択した一意キー列で大/小文字を区別するかどうかを指定します。デフォルトでは、これは「いいえ」に設定されます。
一意列3 - データ・ロード表の一意キーの定義が、2つ以上の列から構成される複合キーの場合、データ・ロードの処理中に3番目の一意キーの列として使用される列名を選択します。
大/小文字区別 - 選択した一意キー列で大/小文字を区別するかどうかを指定します。デフォルトでは、これは「いいえ」に設定されます。
「次へ」をクリックします。
トランスフォーメーション・ルールの追加(オプション)で、次を指定して「追加」をクリックします。
順序: トランスフォーメーション・ルールの順序を指定します。これによって実行の順序が決まります。
ルール名: このトランスフォーメーション・ルールの名前を入力します。
列の選択: トランスフォーメーションが必要な列の名前を選択し、右側に移動します。
タイプ: 実行するトランスフォーメーション・ルールのタイプを選択します。
「次へ」をクリックします。
追加するトランスフォーメーション・ルールごとに前のステップを繰り返し、「次へ」をクリックします。
「表参照」(オプション)で、次のステップを実行します。
列名 - 表参照定義の基礎とする列を指定します。
所有者: 参照表の所有者を選択します。
表名 - この表参照定義に使用される表を指定します。
戻り列: 表参照で戻される列の名前を選択します。この値は、指定されたロード列に挿入されるもので、通常、外部キー・リレーションシップの親のキー値です。
アップロード列 - エンド・ユーザーによって戻り列のかわりにアップロードされる列の名前を選択します。これは、参照表の表示値を含む列です。
アップロード列2: 必要に応じて、戻り列を一意に識別するためにアップロードされる2番目の列の名前を選択します。
アップロード列3: 必要に応じて、戻り列を一意に識別するためにアップロードされる3番目の列の名前を選択します。
「次へ」をクリックします。
追加する表参照ごとに前のステップを繰り返し、「次へ」をクリックします。
ページ属性ページが表示され、作成されるデータ・ロード・ウィザードの各ページの短い説明が示されます。
「ページ属性」で、必要に応じて、データ・ロード・ウィザードのページごとにデフォルトのページ名、ページ番号およびリージョン名を変更し、「次へ」をクリックします。
「ナビゲーション・メニュー」で、このページに含めるナビゲーションのタイプを指定し、「次へ」をクリックします。ナビゲーション・オプションはカレント・アプリケーションのテーマに応じて決まります。
「ボタンとブランチ」で、データ・ロード・ウィザードのページのボタンに使用するブランチを指定して、「次へ」をクリックします。
確認ページを確認し、「作成」をクリックします。
ページ・デザイナが表示されます。
「ページの保存と実行」をクリックして、データ・ロード・ウィザードをテストします。
ヒント: データ・ロード・ウィザード・ページの作成後、変更が必要な場合は、次の項で説明するように、データ・ロード定義を削除するのではなく、新規ページを再作成することをお薦めします。 |
データ・ロード・ウィザード・ページの変更が必要な場合は、データ・ロード定義を削除しないで、新規ページを再作成することをお薦めします。
データ・ロード定義を削除しないでデータ・ロード・ウィザード・ページを再作成するには、次のステップを実行します。
データ・ロード定義ページにナビゲートします。
ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」をクリックします。
アプリケーションを選択します。
アプリケーションのホームページで、「共有コンポーネント」をクリックします。
共有コンポーネント・ページが表示されます。
「データ参照」で、「データ・ロード定義」をクリックします。
再作成するデータ・ロード定義をクリックします。
データ・ロード表の詳細ページが表示されます。
「タスク」で、「データ・ロード・ページの再作成」をクリックします。
「データ・ロード・ウィザードの作成」のページ属性ページが表示されます。
ページごとに、該当する属性を編集し、「次へ」をクリックします。
属性の詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。
「確認」をクリックします。
データ・ロード定義は、アプリケーションのデータ・ロード・ウィザードで使用されるデータ・ロード表、表ルールおよび参照表で構成されます。データ・ロード表は、データをアップロードするデータ・ロード・プロセスで使用するために選択された、スキーマ内の既存の表です。
データ・ロード定義を編集するには、次のステップを実行します。
データ・ロード定義ページにナビゲートします。
ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」をクリックします。
アプリケーションを選択します。
アプリケーションのホームページで、「共有コンポーネント」をクリックします。
共有コンポーネント・ページが表示されます。
「データ参照」で、「データ・ロード定義」をクリックします。
編集するデータ・ロード定義をクリックします。
データ・ロード表の詳細ページが表示されます。属性の詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。
「データ・ロード定義」で、次のように入力します。
名前 - データ・ロード定義の名前。
データ・ロード表: データ・ロード表名を編集し、一意の列を追加、削除または編集します。
一意列1 - データ・ロードの処理で一意の主キー列として使用する列名。
大/小文字区別 - 選択した一意キー列1で大/小文字を区別するかどうかを指定します。デフォルトでは、これは「いいえ」に設定されます。
一意列2 - 選択した表の一意キーの定義が、2つ以上の列から構成される複合キーの場合、この列名が、データ・ロードの処理中に2番目の一意キーの列として使用されます。
大/小文字区別 - 選択した一意キー列2で大/小文字を区別するかどうかを指定します。デフォルトでは、これは「いいえ」に設定されます。
一意列3 - 選択した表の一意キーの定義が、2つ以上の列から構成される複合キーの場合、この列名が、データ・ロードの処理中に3番目の一意キーの列として使用されます。
大/小文字区別 - 選択した一意キー列3で大/小文字を区別するかどうかを指定します。デフォルトでは、これは「いいえ」に設定されます。
検証のスキップ - データ・ロードのステップの1つとして、アップロード対象のレコードに実行されるアクションを検証します。検証をスキップするには、「はい」を選択します。
「トランスフォーメーション・ルール」には、以前定義したトランスフォーメーション・ルールがリストされます。
新規ルールを作成する手順は、次のとおりです。
「トランスフォーメーション・ルールの作成」をクリックします。
属性を編集します。
属性の詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。
「作成」をクリックします。
既存のルールを編集する手順は、次のとおりです。
ルール名をクリックします。
属性を編集します。
「変更の適用」をクリックします。
表参照では、インポート・ファイルのデータを別の表にあるデータにマッピングします。
表参照を新規作成するには、次のステップを実行します。
「表参照の作成」をクリックします。
属性を編集します。
「作成」をクリックします。
既存の表参照を編集するには、次のステップを実行します。
列名をクリックします。
属性を編集します。
「変更の適用」をクリックします。
列名の別名では、別名を定義して、ユーザーがアップロードする列を正しく識別できるようにします。
列名の別名を追加するには、次のステップを実行します。
「LOVの編集」をクリックします。
属性を編集します。
「作成」をクリックします。
「同時実行性列名」で、同時実効性管理に使用する列を選択します。
同時実行性により、開発者は、基礎となる表のデータ・バージョンを確認するための列を選択できます。これは、定期的に更新される表にアップロードする場合に特に重要です。
「変更の適用」をクリックします。