アプリケーション・ビルダーでアプリケーションを作成する場合、タブ、ナビゲーション・メニュー、ボタンまたはハイパーテキスト・リンクを使用してページをリンクします。各ページにはボタンおよびアイテムを配置でき、アプリケーション・ロジックを含めることができます。ページでは、条件付きナビゲーションを使用したあるページから次のページへのブランチ、計算および検証の実行、およびレポート、カレンダおよびチャートの表示を行うことができます。組込みウィザードを使用してレポート、チャートおよびフォームを生成したり、静的HTMLを生成したり、PL/SQLプログラミングによってカスタム・レンダリングを行うことができます。
Application Expressエンジンは、Oracle Database表に格納されたデータに基づいて、ページを動的にレンダリングおよび処理します。レンダリングされたアプリケーションを表示するには、Application ExpressエンジンからURLを使用してそれをリクエストします。アプリケーションを実行すると、Application Expressエンジンによって次の2つのプロセスが使用されます。
ページ表示は、ページ・レンダリング・プロセスです。このプロセスによって、すべてのページ属性(リージョン、アイテム、ボタンなど)が表示可能なHTMLページに編成されます。
ページ受入れでは、ページの処理が行われます。このプロセスによって、すべての計算、検証、プロセスおよびブランチが実行されます。
URLを使用してページをリクエストする場合、エンジンはページ表示を実行します。ページを送信すると、Application Expressエンジンはページ受入れまたはページ・プロセスを実行します(その間に、送信された値をセッション・キャッシュに保存し、計算、検証または処理を実行します)。
この項では、アプリケーションで条件を使用して、ページおよびページ・コンポーネントの表示やプロセス、計算および検証の実行を制御する方法について説明します。
関連項目: |
条件とは、リージョン、アイテム、ボタンおよびタブの表示と、プロセス、計算および検証の実行を制御するために役立つ、小さいロジックの単位です。たとえば、ボタンに条件を適用すると、レンダリング・エンジンによって、レンダリング(ページ表示)プロセス中にその条件が評価されます。条件に合格するかどうかによって、ボタンが表示されるかどうかが決まります。
条件を指定するには、条件タイプを選択します。条件タイプは、コントロールまたはコンポーネントを最初に作成するとき、または後でコントロールまたはコンポーネントを編集するときに選択できます。
選択した条件のタイプに応じて、表示されるフィールドに適切な値を入力します。条件は、入力した値に基づいてtrueまたはfalseに評価されます。任意のコンポーネントまたはコントロールに使用可能なすべての条件のリストを表示するには、選択リストをクリックします。
式1のカレント・ページは、カレント・ページ番号が、指定されたカンマで区切られたページ・リストに含まれている場合にtrueと評価されます。次に例を示します。
3,100,203
カレント・ページが100である場合、この条件はtrueに評価され、条件に合格します。
「存在する(SQL問合せが1行以上を戻す)」は、SQL問合せとして表現されます。問合せで1行以上が戻される場合、この条件はtrueと評価されます。次に例を示します。
SELECT 1 FROM employees WHERE department_id = :P101_DEPTNO
この例では、アイテムP101_DEPTNO
がバインド変数として参照されます。アプリケーション・プロセスおよびSQL問合せリージョン内でバインド変数を使用すると、セッション・ステートからアイテムを参照できます。P101_DEPTNO
の値に指定した部門に1人以上の従業員が存在する場合、この条件はtrueと評価されます。
「PL/SQL式」は、trueまたはfalseを評価する式を有効なPL/SQL構文で指定するために使用します。次に例を示します。
NVL(:MY_ITEM,'NO') = 'YES'
前述の例のように、:MY_ITEM
の値がYESであれば、この条件はtrueと評価されます。:MY_ITEMの値がYES以外の場合、この条件はfalseと評価されます。
認証は、ユーザーのアプリケーションへのアクセスを可能にするために、ユーザーのアイデンティティを証明するプロセスです。認証では、ユーザーにユーザー名とパスワードの入力を求めたり、デジタル証明書や保護キーを使用する場合があります。
Oracle Application Expressは、モジュール認証をサポートしているため、必要に応じて認証メソッドを簡単に切り替えられます。ユーザー・アイデンティティの証明は、いくつかの組込み認証メソッドから選択するか、またはウィザードを使用して独自のカスタム認証方法を作成して実行できます。
条件はページ上の特定のコントロールまたはコンポーネントのレンダリングおよび処理を制御しますが、認可スキームはユーザーのアクセスを制御します。認可は、ユーザー権限に基づいてリソースへのアクセスを制御することを示す広義語です。
認可スキームは、認証で証明されたアイデンティティを使用して、その中のアプリケーションおよびオブジェクトに権限を付与します。認可スキームは、アプリケーション全体、各ページ、またはリージョン、アイテム、ボタンなどの特定のページ・コントロールに対して指定できます。たとえば、認可スキームを使用して、ユーザーに表示するタブ、リージョンまたはナビゲーション・バー・エントリを選択的に決定できます。