システム開発のライフ・サイクル(SDLC)は、定義された一連のステップを使用した、ソフトウェア開発全体のプロセスです。この項では、Oracle Application Expressでのアプリケーション開発に役立つ複数のSDLCモデルについて説明します。
アプリケーション・ビルダーを使用してアプリケーションを開発する際、次のように大きく異なる2つの開発方法を考慮する必要があります。
反復による、迅速なアプリケーション開発
計画され、段階を経る開発
反復による、迅速なアプリケーション開発は、その高い柔軟性のために、プロジェクトが完了しないリスクがあります。それとは対照的に、計画され、段階を経る開発は、理論上は決められた要件を満たしていても、エンド・ユーザーのニーズに合わないアプリケーションが作成される可能性があります。
Oracle Application Expressの開発環境を使用すると、開発者は、開発においてより対話的な方法をとることができます。他の多くの開発環境とは異なり、プロトタイプの作成が容易です。Oracle Application Expressを使用すると、開発者は次のことを実行できます。
組込みウィザードを使用して、アプリケーションのユーザー・インタフェースを迅速に設計できます。
ユーザーによる使用が可能なプロトタイプを作成し、フィードバックを収集できます。
変更をリアルタイムに実装し、新しいプロトタイプを即時に作成できます。
Oracle Application Expressを使用して機能する方法論として、スパイラルと高速アプリケーション開発(RAD)があります。
ウォーターフォールは、最も有名なSDLCモデルでしょう。この方法では、開発プロセスは次の段階に分類されます。
プロジェクトのプランニング
要件の定義
設計
開発
統合およびテスト
インストールおよび採用
メンテナンス
この方法は、ある段階の出力結果が次の段階の入力内容になることから、ウォーターフォールと呼ばれます。
この方法には、前の段階ですべての要件が確立されていることが前提となります。しかし、実際には、開発プロセスの途中で要件が変更されたり、新しい要件が加わることが多くあります。
スパイラルの方法は、実質的には、短いウォーターフォール・サイクルをつなげたものです。各ウォーターフォール・サイクルから新たな要件が発生し、開発チームによって堅牢なプロトタイプが作成できるようになります。この方法の利点の1つは、変化する要件に対応できることです。短所は、複雑なプロジェクト管理と開発が無期限に続くリスクです。