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Oracle® Database Applianceセキュリティ・ガイド
リリース12.1.2.3.0
E64882-01
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1 Oracle Database Applianceのセキュリティの概要

Oracle Database Applianceは、最適化された、事前作成済の、すぐに使用できるクラスタ・データベース・システムで、デプロイ、操作および管理が容易です。Oracle Database Applianceでは、ハードウェアおよびソフトウェアを統合することにより、手動でアセンブルされた統合されていないソリューションの複雑さを解消します。Oracle Database Applianceを使用すると、デプロイメント時間を数週間または数か月から数時間に短縮するとともに、最適状態には及ばず管理が困難なデータベース環境が構築される原因となることが多い構成エラーや設定エラーを防止できます。

このフレームワーク内で、すべてのソフトウェアおよびハードウェアが準拠する必要のある、基本的なセキュリティの原則があります。原則は次のとおりです。

基本的なセキュリティの原則に加えて、Oracle Database Applianceは、残存性、多層防御、最小権限、アカウンタビリティにも対応します。Oracle Database Applianceは、緊密に統合されたセキュリティ機能のセットを提供して、組織が最も差し迫ったセキュリティの要件および課題に対処できるようにします。以降の項では、これらの原則について説明します。

1.1 ミッション・クリティカルなワークロードの残存性

組織が選択したミッション・クリティカルなワークロード用のハードウェア・プラットフォームとソフトウェア・プラットフォームで、Oracle Database Applianceによって、内部ユーザーまたは外部パーティーの誤ったアクションや悪意のあるアクションに起因するダメージを防止または最小化できます。Oracle Maximum Availabilityアーキテクチャのベスト・プラクティスの一部として、残存性を次のように向上させます。

  • 使用するコンポーネントが、セキュアなデプロイメント・アーキテクチャをサポートするように設計され、構築され、テストされ組み込まれていることを確認します。Oracle Database Applianceは、セキュアな分離、アクセス制御、暗号化サービス、監視および監査、サービス品質およびセキュアな管理をサポートします。

  • 構成された製品のデフォルトの攻撃対象領域を縮小して、マシンの全体的な露出を最小限にします。組織は、その組織のポリシーおよびニーズに基づいて、Oracle Database Applianceのセキュリティ設定をカスタマイズできます。

  • オープンで十分検査されたプロトコルによる補完と、従来のセキュリティ目標(強力な認証、アクセス制御、機密性、整合性および可用性)をサポートできるAPIを使用して、業務用と管理用のインタフェースも含めてマシンを保護します。

  • ソフトウェアおよびハードウェアに、障害が発生してもサービスの利用を継続できる機能が含まれていることを検証します。これらの機能は、攻撃者がシステムの1つ以上の個別コンポーネントを使用不可にする攻撃を試みた場合に役立ちます。

1.2 オペレーティング環境を保護するための多層防御

Oracle Database Applianceは、複数の独立した相互に関係を強化するセキュリティ制御を採用しているため、組織がワークロードおよびデータのためのセキュアなオペレーティング環境を構築するために役立ちます。Oracle Database Applianceは、多層防御の原則を次のようにサポートします。

  • 送信中、使用中および保存済の情報を保護するための強力な補完機能を提供します。サーバー、ストレージ、ネットワーク、データベースおよびアプリケーションの各レイヤーで、セキュリティ制御を利用できます。各レイヤーの独自のセキュリティ制御を他と統合して、強力なレイヤー化されたセキュリティ・アーキテクチャを作成できます。

  • 適切に定義されたオープンな標準、プロトコルおよびインタフェースの使用をサポートします。Oracle Database Applianceを、組織の既存のセキュリティ・ポリシー、アーキテクチャ、プラクティスおよび標準に統合できます。アプリケーションとデバイスが分離して存在することはないため、統合は重要です。ITアーキテクチャのセキュリティの強さは最も弱いコンポーネントと同等です。

  • 業界をリードするセキュリティ・アナライザを使用して複数のセキュリティ・スキャンを実施して、各新規Oracle Database Applianceソフトウェア・バージョンをリリースする前に、すべての優先度の高いセキュリティ・アイテムを実装します。

1.3 サービスおよびユーザーの最小権限

アプリケーション、サービスおよびユーザーが、それぞれのタスクの実行に必要とする機能にアクセスしていることを確認することは、最小権限の原則の一面にすぎません。不要な機能、サービスおよびインタフェースへのアクセスが制限されていることの確認も同様に重要です。Oracle Database Applianceは、最小権限の原則を次のように向上させます。

  • 個々のサーバー、ストレージ、オペレーティング・システム、データベースおよびその他のコンポーネントへのアクセス権限を、各ユーザーおよび管理者のロールに基づいて付与できます。ロールベースでマルチファクタのアクセス制御モデルを、細分化した権限とともに使用して、必要なもののみにアクセスするように確実に制限できます。

  • アプリケーションの制約によって、情報、基礎となるリソース、ネットワーク通信へのアクセスと、ローカルまたはリモートのサービス・アクセスを、必要性に基づいて制限します。

誤りまたは悪意のある攻撃のいずれによっても、アプリケーションは誤動作を起こす可能性があり、最小権限の強制なしでは、このようなアプリケーションが本来の使用方法を超えて悪影響を及ぼす可能性があります。

1.4 イベントおよびアクションのアカウンタビリティ

インシデントが発生したとき、システムは、そのインシデントを検出して報告できる必要があります。同様に、イベントを回避できない場合、組織は発生したイベントを検出して適切な対応ができる必要があります。Oracle Database Applianceは、アカウンタビリティの原則を次のようにサポートします。

  • ログインおよびログアウトのイベント、管理アクションおよびその他の各コンポーネントに固有のイベントの記録を含む、アクティビティの監査と監視を、Oracle Database Applianceで使用されている各コンポーネントが確実にサポートするようにします。

  • Oracle Databaseの機能を活用して、ファイングレイン監査構成をサポートします。これによって、組織は、標準および目標に対応して監査構成を調整できます。管理者は、不要な監査イベントの数を最小限にするとともに、クリティカルな情報を確実に取得できます。