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Oracle® Fusion Middlewareパフォーマンスおよびチューニング・ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3.0)
E61953-01
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33 クラスタおよび高可用性機能の使用

高可用性アーキテクチャは、あらゆるエンタープライズ・デプロイメントにとって重要な要件の1つです。Oracle Fusion Middlewareは多彩な高可用性機能を備えています。これらの機能は、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントおよびアプリケーションを計画外停止から保護するとともに、計画停止を最小限に抑えます。

この章では、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのアーキテクチャ、相互作用および依存関係について、またこれらのコンポーネントを高可用性アーキテクチャにデプロイしてパフォーマンスを最大化する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。


注意:

クラスタやその他の高可用性オプションを使用することは、複雑で緻密なプロセスです。この章は、Oracle Fusion Middlewareと関連のある概念を紹介することを目的としています。高可用性の詳しい情報が記載されているOracle Fusion Middlewareのガイドを表33-1にまとめてあります。

33.1 クラスタおよび高可用性機能について

高可用性とパフォーマンスのいずれにおいても、最も重要な要因の1つとなるのがクラスタの使用です。クラスタとは、単一または複数のコンピュータで実行され、同じワークロードを共有する、一連のプロセスです。クラスタ化された構成を使用すると、スケーラビリティ、高可用性およびパフォーマンスが向上します。

高可用性とは、サービスが中断することなくユーザーがシステムにアクセスできることを指します。高可用性システムをデプロイすると、システムの停止時間(利用できない時間)が最小化され、システムの稼働時間(利用可能な時間)が最大化されます。次を参照

クラスタやその他の高可用性機能の使用の詳細は、表33-1に示すアプリケーション別のガイドを参照してください。

表33-1 クラスタおよび高可用性の情報が記載されたOracle Fusion Middlewareドキュメント

コンポーネント 参照先

Oracle Fusion Middleware

管理者ガイド


Oracle WebLogic Server

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverパフォーマンスおよびチューニング


Oracle SOA Suite

Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド

Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド

Oracle WebCenter

Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド

Oracle Fusion Middleware Enterprise Oracle WebCenter Portalデプロイメント・ガイド

Oracle ADF

Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド

Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド

Oracle Fusion Middlewareのバックアップとリカバリ

Oracle Fusion Middleware管理者ガイド

Oracle Web Cache

Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド

Oracle Identity Management

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementのエンタープライズ・デプロイメント・ガイド

Oracle Virtual Directory

Oracle Fusion Middleware Oracle Virtual Directory管理者ガイド

Oracle HTTP Server

Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイド

Oracle Internet Directory

Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド

Oracle Repository Creation Utility (RCU)

Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド

Oracle Portal

Oracle Fusion Middleware Oracle Portalの管理者ガイド


33.2 Oracle Fusion Middlewareでのクラスタの使用

アプリケーションのパフォーマンス、スループットまたは高可用性の向上が求められる本番環境では、2つ以上の管理対象サーバーがクラスタとして機能するように構成できます。クラスタとは、複数のOracle WebLogic Serverサーバー・インスタンスの集合です。これらのインスタンスは並行して稼働し、相互に連携してスケーラビリティおよび信頼性の向上を実現します。

Oracle Fusion Middlewareでのクラスタの使用の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • 『管理者ガイド』の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用

  • Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド

33.3 Oracle Fusion Middlewareでの高可用性機能の使用

Fusion Middlewareコンポーネントでのクラスタ・アーキテクチャの使用に加えて、ユーザーが継続的にアプリケーションにアクセスできるようにする組込みの高可用性機能が数多く用意されています。包括的な高可用性システムを構築するためのオプションをいくつか次に示します。実際に組み込むオプションは、全体的なパフォーマンス目標、およびシステムのアーキテクチャによって異なります。ここにあげた項目は単なる例です。

  • プロセスの停止検出および自動再起動

    プロセスは、構成やソフトウェアの問題が原因で、突然停止することがあります。プロセスの監視および再起動が適切に行われるシステムでは、アプリケーションのヘルスが継続的にチェックされ、問題が発生した場合はアプリケーションが再起動されます。

    システム・プロセスでは、指定された時間間隔における再起動の回数も記録している必要があります。短時間のうちに再起動を繰り返すとさらなる異常や障害が発生する可能性があるため、これも重要な機能です。したがって、指定した時間間隔における再起動または再試行の最大回数も指定しておく必要があります。

  • 状態のレプリケーションおよびルーティング

    ステートフル・アプリケーションでは、クライアントの状態をレプリケートして、リクエストを処理するプロセスに障害が発生したときにリクエストのステートフル・フェイルオーバーを実行することができます。

  • フェイルオーバー

    ロード・バランシング・メカニズムを導入すると、インスタンスが冗長化されます。いずれかのインスタンスに障害が発生した場合は、障害が発生したインスタンスへのリクエストを、障害が発生していないインスタンスに送ることができます。

  • サーバーのロード・バランシング

    同じサーバー・コンポーネントのインスタンスが複数存在する場合は、これらのコンポーネントへのクライアント・リクエストをロード・バランシングして、各インスタンスのワークロードがほぼ同一になるようにすることができます。

  • 障害時リカバリ

    障害時リカバリ・ソリューションでは通常、2つの同種のサイト(1つはアクティブ・サイト、もう1つはパッシブ・サイト)を設定します。サイトはそれぞれが自己完結型のシステムです。一般に、アクティブ・サイトを本番サイト、パッシブ・サイトをスタンバイ・サイトと呼びます。通常の運用では、本番サイトがリクエストを処理しますが、サイトでフェイルオーバーやスイッチオーバーが発生すると、スタンバイ・サイトが本番サイトを引き継ぎ、すべてのリクエストがそのサイトにルーティングされます。フェイルオーバー用のスタンバイ・サイトを保持するには、スタンバイ・サイトに同種のインストールおよびアプリケーションを含めるだけでなく、データおよび構成を本番サイトからスタンバイ・サイトに常時同期化する必要もあります。

詳細は、『高可用性ガイド』を参照してください。