2 Oracle Identity and Access Managementの自動アップグレードの理解

この章では、Oracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)の自動アップグレード・プロセスの概要を示します。

この章の内容は次のとおりです。

第2.1項「自動アップグレードの概要」
第2.2項「自動アップグレードでサポートされるデプロイメント・トポロジ」
第2.3項「分離アップグレードの概要」
第2.4項「自動アップグレードでサポートされる開始ポイント」
第2.5項「ドキュメント・ロードマップ」

2.1 自動アップグレードの概要

自動アップグレード・プロセスを使用して、ライフ・サイクル管理(LCM)ツールを使用してデプロイされたOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.2.0)環境をOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードできます。

注意:

Oracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.2.0)のデプロイに使用されるライフ・サイクル管理(LCM)ツールの詳細は、11gリリース2 (11.1.2.2.0)の『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・ガイド』を参照してください。

自動アップグレード・プロセスには次の上位レベル・タスクが含まれます。

preValidate.plスクリプトを使用した検証前チェックの実行
idmUpgrade.plスクリプトを使用したバイナリおよび構成のアップグレード
postValidate.plスクリプトを使用した検証後チェックの実行

注意:

自動アップグレード手順は、Oracle Identity and Access Management Oracle Universal InstallerおよびFusion Middleware構成ツールを使用して手動でインストールおよび構成されたOracle Identity and Access Management環境のアップグレードには使用できません。

手動で構成されたOracle Identity and Access Management環境のアップグレードの詳細は、第1章「Oracle Identity and Access Managementのアップグレードの概要」を参照してください。

2.2 自動アップグレードでサポートされるデプロイメント・トポロジ

自動アップグレード・ツールを使用したアップグレードでは次のトポロジがサポートされています。

単一ノード設定

Oracle Identity Manager (OIM)のみのトポロジ

このトポロジには、Oracle Identity ManagerおよびOracle HTTP Server (OHS)をホストするOIMHOSTが含まれます。
Oracle Access Manager (OAM)スイートのみのトポロジ

このトポロジには、Oracle Access ManagerおよびOracle HTTP ServerをホストするOAMHOSTが含まれます。11gリリース2 (11.1.2.2.0)デプロイメント中にOracle Adaptive Access Managerを含むようにOracle Access Managerドメインを拡張した場合、このトポロジにはOracle Adaptive Access Managerを含めることもできます。
Oracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジ

このトポロジには、Oracle Identity Manager、Oracle Access Manager、Oracle Unified DirectoryおよびOracle HTTP ServerをホストするIDMHOSTが含まれます。
Oracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジの分離アップグレード

分離アップグレードの詳細は、第2.3項「分離アップグレードの概要」を参照してください。

高可用性(HA)設定

Oracle Identity Manager (OIM)のみのトポロジ

このトポロジには、Oracle Identity ManagerをホストするOIMHOST1およびOIMHOST2と、Oracle HTTP Server (OHS)をホストするWEBHOST1およびWEBHOST2が含まれます。
Oracle Access Manager (OAM)スイートのみのトポロジ

このトポロジには、Oracle Access ManagerをホストするOAMHOST1およびOAMHOST2と、Oracle HTTP Server (OHS)をホストするWEBHOST1およびWEBHOST2が含まれます。
Oracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジ

このトポロジには、Oracle Identity ManagerをホストするOIMHOST1およびOIMHOST2、Oracle Access ManagerをホストするOAMHOST1およびOAMHOST2、Oracle Unified DirectoryをホストするLDAPHOST1およびLDAPHOST2、Oracle HTTP ServerをホストするWEBHOST1およびWEBHOST2が含まれます。

注意:

次の使用例は、Oracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)バンドル・パッチ2でサポートされます。

Oracle Identity Manager (OIM)のみの高可用性(HA)トポロジ

これは、Oracle Identity ManagerをホストするOIMHOST1およびOIMHOST2と、Oracle HTTP ServerをホストするWEBHOST1およびWEBHOST2を含むトポロジです。
Oracle Access Manager (OAM)スイートのみの高可用性(HA)トポロジ

これは、Oracle Access ManagerをホストするOAMHOST1およびOAMHOST2と、Oracle HTTP ServerをホストするWEBHOST1およびWEBHOST2を含むトポロジです。

2.3 分離アップグレードの概要

分離アップグレードは、フル・スイートをアップグレードせずに、自動アップグレード・ツールを使用してOracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジ設定の層の1つをアップグレードすることを意味します。

たとえば、OIMのみを11.1.2.3.0にアップグレードでき、11.1.2.2.0上の残りのコンポーネント(OAM、OUDおよびOHS)は引き続きアップグレードされたバージョンのOIMと連携します。

単一ノード上のOracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジでサポートされる分離アップグレード・シナリオ

単一ノード上のOracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジでは、次の分離アップグレード・シナリオがサポートされます。

Oracle Identity Manager (OIM)のみのアップグレード
Oracle Access Manager (OAM)のみのアップグレード
Oracle Unified Directory (OUD)のみのアップグレード
Oracle HTTP Server (OHS)のみのアップグレード

注意:

Oracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジの分離アップグレードは、単一ノードのLinuxプラットフォームでのみサポートされます。

高可用性(HA)設定でのOracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジでの分離アップグレードはサポートされません。

2.4 自動アップグレードでサポートされる開始ポイント

ライフ・サイクル管理(LCM)ツールは、Oracle Identity and Access Managementのコンポーネントをインストール、構成およびデプロイするためにOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.2.0)で導入されました。したがって、LCMツールを使用してデプロイされたOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.2.0)環境は、自動アップグレードでサポートされる唯一の開始ポイントです。

2.5 ドキュメント・ロードマップ

表2-1に、自動アップグレードでサポートされるシナリオをリストし、アップグレード手順について説明するそれぞれの章を示します。

注意:

自動アップグレードでサポートされるトポロジのリストは、「自動アップグレードでサポートされるデプロイメント・トポロジ」を参照してください。

表2-1 自動アップグレード手順

シナリオ	アップグレード手順についての参照先
単一ノード設定
Oracle Identity Manager (OIM)のみのトポロジのアップグレード	第4.3項「単一ノード上のOracle Identity Manager (OIM)のみのトポロジのアップグレード」
Oracle Access Manager (OAM)スイートのみのトポロジのアップグレード	第4.4項「単一ノード上のOracle Access Manager (OAM)スイートのみのトポロジのアップグレード」
Oracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジのアップグレード	第4.5項「単一ノード上のOracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジのアップグレード」

高可用性(HA)設定
Oracle Identity Manager (OIM)のみのトポロジのアップグレード	第5.3項「複数ノード上のOracle Identity Manager (OIM)のみのアップグレード」
Oracle Access Manager (OAM)スイートのみのトポロジのアップグレード	第5.4項「複数ノード上のOracle Access Manager(OAM)スイートのみのアップグレード」
Oracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジのアップグレード	第5.5項「高可用性(HA)設定でのOracle Unified Directory (OUD)と統合されたOIM-OAMトポロジのアップグレード」