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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・ガイド
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E61954-03
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2 ライフサイクル管理ツールのインストールと準備

この章ではOracle Identity and Access Managementをデプロイするための前提条件について説明します。

Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・ウィザードを使用してOracle Access Managementをデプロイする前に、この項で説明されているすべての前提条件を満たす必要があります。

この章では次の項について説明します。

2.1 動作保証、システム要件および相互運用性の確認

ご使用の環境がインストールに必要な要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントを併せて使用する必要があります。

手順1   環境が動作保証要件を満たしていることの確認

製品を、サポートされているハードウェアおよびソフトウェア構成上にインストールすることを確認してください。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

Oracleは、動作保証されているすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しており、新しい動作保証要件が確認されると、それらはすぐに適切な動作保証に関するドキュメントに追加されます。新しい動作保証要件は随時確認される場合があるため、動作保証に関するドキュメントはドキュメント・ライブラリの外部に置かれ、Oracle Technology Networkで提供されています。

手順2   動作保証情報を確認するためのシステム要件ドキュメントの使用

Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを使用して、動作保証要件を満たしていることを確認してください。たとえば、ご使用の製品が64-BitのOracle Linux 5で動作保証されていることが動作保証情報のドキュメントに記載されている場合、そのOracle Linux 5システムが、ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージとパッチおよびその他のオペレーティング・システム固有の項目などの最小要件を満たしていることをこのドキュメントで確認する必要があります。システム要件は随時更新されるため、システム要件情報のドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

手順3   複数の製品間での相互運用性の確認

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management相互運用および互換性ガイド』では、相互運用性と互換性について定義し、同一リリースまたは異なるリリースの複数のFusion Middleware製品を相互に使用する方法を説明しています。システムに複数のFusion Middleware製品をインストールする場合は、このドキュメントを読む必要があります。

2.2 基本システム要件を検証するためのHealth Checkユーティリティの実行

動作保証およびシステム要件情報をレビューした後、Oracle Identity and Access Environment Health Checkユーティリティを実行して、LCMツールを使用する前に環境を自動的にチェックできます。

詳細は、以下のトピックを参照してください。

2.2.1 Oracle Identity and Access Environment Health Checkユーティリティについて

Oracle Identity and Access Environment Health Checkユーティリティは、様々な構成を検証したり、Oracle Identity and Access Management設定の検証チェックを実行したりできるユーティリティです。Health Checkユーティリティは、Oracle Identity and Access Managementの手動デプロイメントの構成後ステージ中に何回でも実行して、インストールおよび構成の検証を支援できます。

Health Checkユーティリティを実行すると、環境からデータを取得し、そのデータを使用して一連の検証チェックを実行し、レポートを生成します。このレポートには、チェックした項目ごとに検出した問題の詳細が示されます。

Oracle Identity and Access Environment Health Checkユーティリティの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management環境の検証の Oracle Identity and Access Environment Health Checkユーティリティの理解に関する項を参照してください。

2.2.2 LCMツールをインストールする前のEnvironment Health Checkユーティリティの実行

LCMツールをインストールまたはデプロイメント・ウィザードを実行する前に、Environment Health Checkユーティリティを実行して、環境がデプロイメント・ウィザードの実行とレスポンス・ファイルの作成の最小要件を満たしていることを検証することをお薦めします。

このため、Environment Health CheckユーティリティはLCMツールとは別にダウンロードでき、Oracle Identity and Access ManagementまたはLCMソフトウェアをインストールする前に実行できます。

デプロイメント・ウィザードを実行する前に、初期検証を実行する手順:

  1. Oracle Identity and Access Management Health Checkユーティリティをダウンロードし、ローカル・ディスク上のディレクトリに解凍します。

    ユーティリティの取得場所の詳細は、Oracle Technology Network (OTN)のOracle Identity and Access Management Download, Installation, and Configuration ReadMeファイルを参照してください。

  2. サポートされるJava Development Kit (JDK)をダウンロードおよびインストールします。

    このドキュメントの発行時に推奨されるJDKはOracle JDK 1.7.0_55+で、これはOTNの「Java SE Development Kit 7 Downloads」ページからダウンロードできます。

    サポートされる構成の最新情報は、OTNの「Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations」ページにあるOracle Fusion Middleware 11gリリース1 (11.1.1.x)動作保証マトリックスを参照してください。

    LCMツール・リポジトリ・ダウンロードの一環としてサポートされるJDKを取得することもできます。詳細は、第2.4項および第2.7項を参照してください。

  3. JAVA_HOME環境変数をJDKディレクトリのフルパスに設定します。

  4. ディレクトリを、Environment Health Checkユーティリティをダウンロードおよび解凍した次のディレクトリに変更します。

    cd download_directory/healthcheck/bin
    
  5. 次のコマンドを実行して、インストール前検証チェックを実行します。

    ./idmhc.sh -manifest ../config/PreInstallChecks_mandatory_manual.xml 
    

    注意:

    Environment Health Checkユーティリティで実行されるインストール前チェックの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management環境の確認』のPreInstallChecks_mandatory_manual.xmlに関する項を参照してください。

  6. ヘルス・チェックが失敗した場合は、Health Checkユーティリティ・のログ・ファイルおよびレポート出力を確認して解決策を見つけてください。ログ・ファイルの場所はユーティリティの実行後に画面に出力されます。

    レポートには、それぞれのチェックごとのステータスと検証に失敗したチェックに対する解決策が一覧で示されます。手動で問題を解決し、すべてのチェックが成功するまでユーティリティを実行できます。ログ・ファイルとレポートの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management環境の検証のヘルス・チェック・レポートの分析に関する項を参照してください。

2.3 Oracle Identity and Access Managementのディレクトリ・サーバー要件について

LDAPディレクトリを必要とするトポロジの場合、LCMツールで新規ディレクトリ・インスタンスを自動的に作成および構成するか、Oracle Identity and Access Managementで使用する既存のLDAPディレクトリを手動で準備できます。

詳細は、以下のトピックを参照してください。

2.3.1 Oracle Identity and Access ManagementでサポートされるLDAPディレクトリ。

次のディレクトリ・サービスは、LCMツールおよびOracle Identity and Access Managementソフトウェアでサポートされます。

  • LCMツールを使用して新規ディレクトリ・サービスを自動的に作成する場合は、新規Oracle Unified Directory (OUD)またはOracle Internet Directory (OID)ディレクトリを作成できます。

  • 既存のディレクトリ・インスタンスを準備している場合は、既存のOUD、OIDまたはMicrosoft Active Directoryインスタンスを使用できます。

2.3.2 LDAPディレクトリを必要とするトポロジ。

新規LDAPディレクトリを作成するか、既存のLDAPディレクトリを構成する必要があります。

  • Oracle Access ManagerがサポートされるLDAPディレクトリ・インスタンスを必要とするため、Oracle Access Managerのみのトポロジをデプロイしている場合

  • Oracle Identity ManagerとOracle Access Managerの両方をインストールし、2つの製品の統合を計画している場合。

2.3.3 Oracle Identity and Access Management用に既存のLDAPディレクトリを準備する方法

すでにインストールおよび構成した既存のLDAPディレクトリ・サービスを使用することに決めた場合は、Oracle Identity and Access Managementで使用するために既存のディレクトリを準備する必要があります。

使用する手順は、Oracle Identity and Access Managementトポロジおよびインストールしている製品によって決まります。第3章に、Oracle Identity and Access Management用に既存のLDAPディレクトリを準備する次の手順が記載されています。

2.4 LCMツールとOracle Identity and Access Managementソフトウェア・リポジトリの取得

LCMツールを使用してOracle Identity and Access Managementのデプロイメントを自動化する前に、Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・リポジトリを探してダウンロードする必要があります。

リポジトリは、ダウンロード可能なアーカイブのセットとしてパッケージ化されています。解凍されると、これらのアーカイブは、LCMツールおよびOracle Identity and Access Managementソフトウェアのインストールおよび構成に必要な各種ソフトウェア・インストーラを提供します。

リポジトリの入手先とダウンロードの詳細は、Oracle Fusion Middlewareダウンロード、インストール、構成のReadmeファイルを参照してください。

2.5 デプロイメント・リポジトリおよびLCMツール・ディレクトリ構造について

Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・リポジトリのダウンロード可能アーカイブを解凍する場合は、リポジトリ・ホーム・ディレクトリを作成します。このディレクトリは、図2-1で識別されている複数の主要ディレクトリの1つです。

表2-1で、これらの各主要ディレクトリ、その目的および作成方法を説明します。

図には、すべての主要ディレクトリが共通ディスク(この例では/u01)に作成される単一ホスト・デプロイメントの推奨ディレクトリ構造が示されています。実際には、レスポンス・ファイルの作成時にディレクトリがアクセス可能、書込み可能で、デプロイメント・ウィザードのファイルの「ロケーション」画面で識別されているかぎり、これらのディレクトリを共有ストレージ・ボリュームに作成できます。

デプロイメント・ウィザードを使用したレスポンス・ファイルの作成の詳細は、第4章を参照してください。

図2-1 完全なLCMホーム・ディレクトリ構造の図

図2-1の説明が続きます
「図2-1 完全なLCMホーム・ディレクトリ構造の図」の説明

表2-1 LCMツールで使用される主要ディレクトリ

ディレクトリ 用途 作成時 インストールおよびデプロイメント時に指定する場所

REPOS_HOME

必要なJava Development Kit (JDK)およびOracle Identity and Access Managementのインストールおよび構成に必要なすべての製品インストーラを含みます。

このディレクトリは、Oracle Technology Network (OTN)からリポジトリ・アーカイブを解凍する際に作成されます。

レスポンス・ファイルの作成時にREPOS_HOMEの値をデプロイメント・ウィザードの「ソフトウェア・リポジトリの場所」フィールドに入力します。

IDMLCM_HOME

LCMツールのOracleホーム。このディレクトリ構造から、LCM デプロイメント・ウィザードを実行します。

このディレクトリは、LCMツール・インストーラによって作成されます。

IDM LCMツール・インストーラの「Oracleホーム・ディレクトリ」フィールドに入力します。

IDMTOP

Oracle Identity and Access Management環境の最上位レベル・ディレクトリ。次のもので構成されています。

  • ソフトウェア・バイナリを含むIDMTOP/products

  • ドメイン、インスタンスおよびその他のランタイム・アーティファクトを含むIDMTOP/config

IDMTOPディレクトリと、そのサブディレクトリは、Oracle Identity and Access Managementソフトウェアのデプロイメント時にLCMツールによって作成されます。

デプロイメント・ウィザードでのレスポンス・ファイルの作成時。

  • IDMTOPの場所を「ソフトウェア・インストールの場所」フィールドに入力します。

  • configディレクトリの場所を「共有構成の場所」フィールドに入力します。

注意: 構成場所は、デフォルトではIDMTOPディレクトリ内の場所に設定されますが、デプロイメント・ウィザードでアクセス可能な任意の場所にディレクトリを作成できます。

productsディレクトリは、ソフトウェアのデプロイ時にIDMTOPディレクトリ内に作成されます。

LCM_STORE

ログ、topology.xmlおよびLCMツールに必要なその他のソフトウェア・アーティファクトを含みます。

LCM_STOREディレクトリは、Oracle Identity and Access Managementソフトウェアのデプロイメント時にLCMツールによって作成されます。

LCM_STORE変数の値をライフ・サイクル管理ストアの場所フィールドに入力します。



注意:

リポジトリ・ホーム(REPOS_HOME)に対する最小限の権限をUNIXユーザーに割り当てるのは重要なことです。これを行うには、抽出したリポジトリ・ホームに移動し、次のコマンドを実行します。これはリポジトリの内容に対する権限を更新します。
chmod -R 755 *

2.6 Oracle Identity and Access Managementのデプロイメント用のデータベースの準備について

Oracle Identity and Access Managementをインストールおよび構成する前に、サポートされるデータベースをインストールおよび構成する必要があります。データベースは、各Oracle Identity and Access Managementコンポーネントに必要なスキーマをホストするためにも使用されます。

既存のデータベースを使用するか、ダウンロード可能なLCMツール・リポジトリに含まれるデータベース・インストール・ソフトウェアを使用できます。

  • LCMツール・リポジトリで使用可能なソフトウェアを使用するには、第2.4項の手順を使用してリポジトリをダウンロードしてから、次のディレクトリに移動してデータベースをインストールします。

    REPOS_HOME/installers/database/
    

    REPOS_HOMEディレクトリの検索の詳細は、第2.5項を参照してください。

  • 既存のデータベースを使用する場合は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様のOracleデータベースのRCU要件に関する項を参照して、データベースがLCMツールとOracle Identity and Access Managementソフトウェアの最小システム要件を満たすことを確認します。

Oracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3)以降では、LCMツールを使用してオプションでスキーマをデータベースにインストールできます。このため、リポジトリ作成ユーティリティを使用してスキーマを手動でインストールする必要はなくなりました。

2.7 必要なJava Development Kit (JDK)の特定

アーカイブを展開し、リポジトリ・ホーム(REPOS_HOME)を作成した後で、サポートされるJava Development (JDK)の展開されたコピーが次のディレクトリに見つかります。

REPOS_HOME/jdk

LCMツール・インストーラを起動する前に、このディレクトリを指すようにJAVA_HOMEシステム変数を設定します。

2.8 Oracle Identity and Access Managementライフサイクル・ツールのインストール

Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・ウィザードはOracle Identity and Access Managementライフサイクル・ツールのコンポーネントであり、Oracle Identity and Access Managementパッチ・フレームワークも含まれています。Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・リポジトリにあるインストーラを実行してツール類をインストールする必要があります。

詳細は、以下のトピックを参照してください。

2.8.1 LCMツール・インストーラの検索と起動

Oracle Identity and Access Managementライフサイクル・ツール(IAMデプロイメント・ウィザードおよびIAMパッチ・ツール)は次のディレクトリにあります。

REPOS_HOME/installers/idmlcm/Disk1

ここで、REPOS_HOMEは新しいOracle Identity and Access Management環境に必要なすべてのインストーラが含まれているOracle Identity and Access Managementのデプロイメント・リポジトリです。

ツールのインストールを開始するには、このディレクトリに変更してスクリプトを開始します。

UNIXの場合

cd REPOS_HOME/installers/idmlcm/Disk1
./runInstaller -jreLoc <full path to the JRE directory>

たとえば、次のようになります。

./runInstaller -jreLoc REPOS_HOME/jdk

2.8.2 LCMツール・インストーラ画面のサマリー

表2-2で、各LCMツール・インストーラ画面について説明します。

表2-2 Identity Management LCMツールのインストール・フロー

画面 説明および必要な操作

ようこそ

「ようこそ」ページの情報をレビューし、「次」をクリックします。

インベントリ・ディレクトリの指定

この画面は、UNIXホストにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合、または以前にソフトウェアをUNIXにインストールしていても、中央インベントリを作成していない場合に表示されます。インベントリ・ディレクトリは、このホストにインストールされるすべてのOracle製品を追跡するために使用されます。

このガイドの目的では、次のようにします。

  1. 「OK」をクリックして、インベントリ・ディレクトリのデフォルトの場所と、ディレクトリのデフォルトの「オペレーティング・システム・グループ名」を受け入れます。

  2. 「インベントリの場所の確認ダイアログ」ボックスで、「ローカル・インベントリを使用してインストールを続行」を選択します。

中央インベントリ・ディレクトリを作成する場合、またはそのメリットについて確認する場合は、第2.8.3項を参照してください。

前提条件チェック

この画面で、チェックが正常に完了したことを確認してから、「次へ」をクリックします。

インストール場所の指定

「インストール場所の指定」ページで次の情報を入力します。

  1. Oracle Middlewareホーム - Identity and Access Managementライフサイクル・ツールがインストールされるディレクトリの親ディレクトリです。たとえば、次のようになります。

    /u01/Oracle/Middleware/
    
  2. Oracleホーム・ディレクトリ - LCMツールのOracle MiddlewareホームのOracleホーム・サブディレクトリです。

    /u01/Oracle/Middleware/idmlcm/

    このガイドでは、このサブディレクトリがIdentity and Access Management Life Cycle Management Oracleホーム(IDMLCM_HOME)と呼ばれています。

「次へ」をクリックします。

インストール・サマリー

この画面上の情報を確認し、「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況

この画面には、インストールの進捗状況が表示されます。

進捗が100%完了になったら、「次へ」をクリックして続行します。

インストール完了

「インストール完了」ページで「終了」をクリックします。


2.8.3 インベントリ・ディレクトリの指定

UNIXプラットフォームで実行しており、このホストにOracle製品を以前にインストールしたことがない場合、または以前にUNIXホストにソフトウェアをインストールしていても、中央インベントリを作成していない場合は、インストール時に「インベントリ・ディレクトリの指定」画面が表示されます。

「インベントリ・ディレクトリの指定」画面で、「インベントリ・ディレクトリ」の場所の指定を求められます。インベントリ・ディレクトリは、このホストにインストールされるすべてのOracle製品を追跡するために使用されます。

現在インストールしているソフトウェア用のインベントリ・ディレクトリを保存するか、他のユーザーがインストールしたソフトウェアを含めホストにインストールされているすべてのOracleソフトウェア用の中央インベントリ・ディレクトリを作成することができます。

中央インベントリ・ディレクトリは、パッチ適用、テストから本番、またはソフトウェアを新規バージョンにアップグレードする際など、ライフ・サイクル操作の実行時に特に重要になることがあります。

中央インベントリ・ディレクトリを作成する手順:

  1. オペレーティング・システム・グループIDフィールドで、インベントリ・ディレクトリへのアクセス権を付与したいメンバーのグループを選択します。

    このグループのすべてのメンバーは、このホストに製品をインストールし、インベントリ・ディレクトリに書き込むことができます。

    「OK」をクリックして続行します。

  2. インベントリ場所の確認ダイアログで、rootとしてinventory_directory/createCentralInventory.shスクリプトを実行し、/etc/oraInst.locファイルを作成するよう、プロンプトが表示されます。

    /etc/oraInst.locファイルは、中央インベントリへのポインタで、サイレント・インストールの際に存在している必要があります。これには次の2行が含まれています。

    inventory_loc=path_to_central_inventory

    inst_group=install_group

    このファイルの標準の場所は/etc/oraInst.locですが、どこにでも作成できます。/etc以外のディレクトリに作成する場合は、Identity and Access Managementデプロイメント・ウィザードまたはrunIAMDeployment.shスクリプトを実行するときに-invPtrLoc引数を含めて、インベントリの場所を入力する必要があります。

2.9 パッチおよび回避策の適用

LCMツール・リポジトリは、Oracle Identity and Access Managementの自動デプロイメント時に自動的に適用されるパッチを含むことがあります。

また、特定の既知の問題に対処するために追加のパッチが必要な場合があります。適用するパッチの一覧は、Oracle Fusion Middleware Identity Managementリリース・ノートの必須パッチのダウンロードおよび適用に関する項を参照してください。ソフトウェアを期待どおりに動作させるには、パッチを適用する必要があります

デプロイメントを開始する前にリリース・ノートにリストされているすべてのパッチ、およびご使用の環境に必要なその他のパッチをダウンロードしてください。表2-3にリストされた各パッチを製品に適したディレクトリに解凍します。ディレクトリが存在しない場合は作成します。

パッチはhttp://support.oracle.comからダウンロードできます。各パッチをデプロイする手順は、同封のREADME.htmlファイルにあります。

パッチの解凍後にパッチ・ディレクトリに(表2-3にリストされているように)番号のディレクトリが含まれていることを確認します。そのディレクトリには次のような複数のディレクトリとファイルが含まれています。

  • etc

  • ファイル

  • README.txt

これはほとんどのパッチのディレクトリ・レイアウトです。バンドル・パッチなど一部の場合は、レイアウトが次のようになることがあります。

bundle_patch_no/product/product_patch_no

この場合、パッチ・ディレクトリに表示されるのがbundle_patch_noではなく、product_patch_noであることを確認してください。

バンドル・パッチに複数製品のフィックスが含まれている場合は、次にリストするように個々のパッチが正しいパッチ・ディレクトリに表示されることを確認してください。

表2-3 製品のパッチ・ディレクトリ

製品 パッチ・ディレクトリ

Oracle Access Management Access Manager


REPOS_HOME/installers/iamsuite/patch/oam

Oracle HTTP Server

REPOS_HOME/installers/webtier/patch

WebGate

REPOS_HOME/installers/webgate/patch

Oracle Identity Manager

REPOS_HOME/installers/iamsuite/patch/oim

SOA Suite

REPOS_HOME/installers/soa/patch

WebLogic Server

REPOS_HOME/installers/smart_update/weblogic

suwrapper

REPOS_HOME/installers/smart_update/suwrapper

Oracle Unified Directory

REPOS_HOME/installers/oud/patch

Oracle Internet Directory

REPOS_HOME/installers/idm/patch/oid

Business Intelligence Publisher (BIP)

REPOS_HOME/installers/iamsuite/patch/bip

モバイル・セキュリティ・マネージャ

REPOS_HOME/installers/iamsuite/patch/msm

モバイル・セキュリティ・アクセス・サーバー

REPOS_HOME/installers/omsas/patch


2.9.1 Oracle Identity Managerをインストールするための必須のパッチ

Oracle Identity Managerのインストールおよび構成には、適用する必要があるいくつかの必須パッチがあります。これらのパッチの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Identity Managementリリース・ノート』のOracle Identity Managerのインストールに必要な必須パッチに関する項を参照してください。

さらに、Oracle Identity Managerには特定のデータベース・パッチも必要です。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Identity Managementリリース・ノート』のパッチ要件に関する項を参照してください。

2.10 リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)による必要なスキーマの作成(オプション)」

Oracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3)を導入するときに、デプロイメント・プロセスの一環としてLCMツールを使用して必要なスキーマをインストールできます。

オプションで、LCMツールをインストールして実行する前に、Oracle Identity and Access ManagementバージョンのRCUを使用してスキーマをインストールすることもできます。


重要:

RCUを自分で実行することを選択した場合は、LCMツール・リポジトリに提供されているバージョンを使用してください。そうしないと、Oracle Identity and Access Management構成が失敗することがあります。

詳細は、次を参照してください。

2.10.1 自動デプロイメントを準備するためのRCUの検索および起動

RCUを使用してスキーマを手動でインストールすることを選択した場合は、次のディレクトリでRCUソフトウェアを検索できます。

REPOS_HOME/installers/fmw_rcu/linux/rcuHome.zip

このパスで、REPOS_HOMEは新しいOracle Identity and Access Management環境に必要なすべてのインストーラが含まれているOracle Identity and Access Managementのデプロイメント・リポジトリです。

選択したディレクトリにrcuHome.zipファイルの内容を抽出します(このディレクトリをRCU_HOMEディレクトリと呼びます)。

RCU_HOMEディレクトリ内のbinディレクトリからRCUを起動します。

UNIXの場合

cd RCU_HOME/bin

./rcu

2.10.2 RCUを使用した必要なOracle Identity and Access Managementスキーマのインストール

RCUの実行時に選択するオプションは、デプロイするトポロジによって異なります。LCMツールでサポートされるトポロジの詳細は、第1.4項「サポートされるOracle Identity Managerトポロジについて」を参照してください。

RCUの起動後に、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』のスキーマの作成に関する項の手順を使用し、次のトピックを参照します。

2.10.2.1 RCUを使用して自動デプロイメント用にスキーマをインストールする際の考慮事項

RCU画面をナビゲートして必要なスキーマを選択する際には、次の重要な考慮事項に注意してください。

  • デプロイメント・プロセスの一環としての必要なスキーマのインストールは、Linuxプラットフォームでのみサポートされます。

    基本となるRCUのサポートが提供されるのはLinuxでのみで、他のUNIXプラットフォームでは提供されないためです。Solaris、AIX、HP Itaniumなどの他のプラットフォームを使用している場合は、Oracle Identity and Access ManagementバージョンのRCUを使用して必要なスキーマを手動でインストールする必要があります。

  • インストールするすべてのスキーマに対して1つのパスワードを選択します。

    これは、LCMツールの自動インストールの要件です。

  • OIM、OAMおよびOMSS統合環境をデプロイしている場合は、OIMおよびOAM用の独立した専用データベースを使用するか、単一の統合データベースを使用できます。

    統合データベースを使用している場合は、OAMおよびOIMスキーマに異なる接頭辞を使用し、2つの異なるOPSSスキーマ(ドメインごとに1つ)を作成する必要があります。これにより、後でOIMまたはOAMを別々にアップグレードできます。

  • RCUを使用してスキーマを作成するときに指定するスキーマ接頭辞、ホスト、ポート、サービス名、ユーザー名およびパスワードを覚えておいてください。第4章「デプロイメント・レスポンス・ファイルの作成」でデプロイメント・レスポンス・ファイルを作成するときに、この情報を指定する必要があります。

2.10.2.2 サポートされる自動インストール・トポロジに必要なスキーマの選択

RCUを実行する場合、インストールしているOracle Identity and Access Managementコンポーネントの次のスキーマのみを作成してロードし、RCUで使用可能な他のスキーマは選択しないでください。

  • Oracle Identity Manager (OIM)のみのトポロジをデプロイしている場合は、「Identity Management - Oracle Identity Manager」スキーマを選択します。

    Identity Management - Oracle Identity Managerスキーマを選択した場合、次のスキーマもデフォルトで選択されます。

    • SOAおよびBPMインフラストラクチャ - SOAインフラストラクチャ

    • SOAおよびBPMインフラストラクチャ - ユーザー・メッセージング・サービス

    • AS共通スキーマ - Oracle Platform Security Services

    • AS共通スキーマ - メタデータ・サービス

    • Oracle Business Intelligence - Business Intelligenceプラットフォーム

  • Oracle Access Manager (OAM) SuiteおよびOracle Mobile Security Suite (OMSS)のみのトポロジをデプロイしている場合は、「Identity Management - Oracleモバイル・セキュリティ・マネージャ」スキーマを選択します。

    デフォルトでは、Oracle Mobile Security SuiteがOracle Access Managementと一緒にインストールされます(ただし完全には構成されません)。Oracle Access Managementのみを構成するか、Oracle Mobile Security Suiteと一緒にOracle Access Managementを構成するかを選択できます。どちらの構成オプションでも、Identity Manager - Oracle Mobile Security Managerスキーマを選択する必要があります。

    Identity Management - Oracle Mobile Security Managerスキーマを選択すると、デフォルトにより次のスキーマも選択されます。

    • AS共通スキーマ - Oracle Platform Security Services

    • AS共通スキーマ - メタデータ・サービス

    • AS共通スキーマ - 監査サービス

    • Identity Management - Oracle Access Manager

  • ディレクトリと統合されたOIM-OAM-OMSSトポロジをデプロイしている場合は、RCUを2回実行する必要があります(OIMに必要なスキーマのインストールに1回と、Oracle Access ManagerおよびOracle Mobile Security Servicesに必要なスキーマのインストールに1回)。

    RCUを実行するたびに異なるスキーマ接頭辞を使用してください。詳細は、2.10.2.1項を参照してください。