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Oracle® Fusion Middleware Mobile Security Access Serverのインストール
リリース11.1.2.3
E67357-01
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1 Oracleモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバーのインストール

この章では、Oracle Mobile Security Access Server (MSAS)をインストールして構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Mobile Security Access Serverインストールの前提条件

Mobile Security Access Serverをインストールする前に、必須の前提条件が満たされていることを確認します。詳細は、Oracle Identity and Access Managementのシステム要件と仕様 11gリリース2 (11.1.2.x)のLinuxでのOracle Mobile Security Access Serverのインストールに必要なcompat-libtermcap-2.0.8に関する項を参照してください。

インストール後、MSASを構成する前に、Mobile Security Manager (MSM)管理対象サーバーが稼働している必要があります。

Oracle Mobile Security Managerの詳細は、『Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』の「Oracle Mobile Security Suiteの構成」を参照してください。

Mobile Security Access Serverのインストール

この項では、MSASを入手してそのインストーラを実行する方法について説明します。内容は次のとおりです。

インストーラの入手

MSASインストーラは、次のOracle Technology Network(OTN)からダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/downloads/index.html

次のOracle Software Delivery Cloudからソフトウェアをダウンロードすることもできます。

https://edelivery.oracle.com

MSASインストーラの起動

インストールを開始する前に、MSASにはMSMのインストール先とは異なるミドルウェア・ホーム・ディレクトリが必要であることに注意してください。

MSASインストーラを起動する手順:

  1. ダウンロードしたZIPファイルの内容を任意のディレクトリに抽出します。このディレクトリにomsasディレクトリが作成されます。

  2. omsas/Disk1ディレクトリに変更します。

  3. 次のコマンドを入力します。jdk_directoryには、インストールに使用するJDKのフルパスを入力します(たとえば、/jdk1.7.0_51)。このJDKは、前提条件であるMSMのインストールに使用したものと同じである必要があります。

    ./runInstaller -jreloc jdk_directory
    

インストーラが起動すると、「ようこそ」画面が表示されます。次の手順に進みます。

インストール・フロー

表1-1の手順を参照して、MSASをインストールします。インストーラ画面に関して詳細な情報が必要な場合は、「ヘルプ」をクリックします。

表1-1 インストール・フロー

画面 説明およびアクション

ようこそ

「次へ」をクリックして続行します

ソフトウェア更新のインストール

次のいずれかのオプションを選択します。

  • ソフトウェアの更新のスキップ - ソフトウェアの更新を確認しません。

  • My Oracle Supportで更新を検索 - このオプションを選択するには、My Oracle Supportのアカウントを持っている必要があります。My Oracle Supportのユーザー名とパスワードを入力します。プロキシ・サーバーを使用している場合は、「プロキシ設定」をクリックして構成し、「接続テスト」をクリックします。

  • ローカル・ディレクトリで更新を検索 - 更新を検索するローカル・ディレクトリを入力するか、「参照」をクリックして更新を含むディレクトリを選択します。完了したら、「更新の検索」をクリックします。

「次へ」をクリックして、続行します。

前提条件チェック

ご使用のシステムが前提条件となる要件を満たしていることを確認するため、インストーラによってオペレーティング・システム、カーネル、メモリーおよびその他のチェックが実行されます。

成功した場合は、「次へ」をクリックして続行します。

システム・チェックが失敗した場合は、画面の下部にあるボックス内の情報を参照して原因を判断します。「取消」をクリックしてインストーラを終了します。インストーラを再起動する前に問題を解決します。

インストール場所

次の情報を入力します。

  • Oracleミドルウェア・ホーム - MSASのインストールに使用するミドルウェア・ホームのパスを入力します(たとえば、/u01/oracle/omsas)。

    このドキュメントでは、このディレクトリをMW_HOMEと呼びます。

    注意: MSMと同じミドルウェア・ホーム・ディレクトリにはMSASをインストールできません。MSASは、それ独自の一意なミドルウェア・ホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。

  • Oracleホーム・ディレクトリ - ここに、MSASのホーム・ディレクトリを入力します。このディレクトリは、指定されたOracleミドルウェア・ホームの下に作成されます。たとえば、Oracle_MSASと入力した場合、MSASのホームは/u01/oracle/omsas/Oracle_MSASになります。

    このドキュメントでは、このディレクトリをORACLE_HOMEと呼びます。

インストール・サマリー

ディレクトリの詳細が正しいことを確認します。

他のマシンでMSASのサイレント・インストールに使用するレスポンス・ファイルを保存する場合は、「保存」をクリックします。レスポンス・ファイルの名前を入力し、そのファイルを保存するディレクトリに移動して「保存」をクリックします。

完了したら、「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況

「進行状況」バーに、インストールの進行状況が表示されます。インストールが完了したら、「次へ」をクリックします。

インストール完了

インストールの詳細を保存する場合は、「保存」をクリックします。

そうでない場合は、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。


インストール後のタスク

インストーラを終了したら、インストール後のタスクについて次の各項を参照してください。

インストールの確認

インストールを確認するには、次のようにします。

  1. MW_HOME/orainst.locを開き、Oracleインベントリ・ディレクトリの場所を確認します。たとえば、MSASを/u01/oracle/omsas/Oracle_OMSASにインストールした場合は、/u01/oracle/omsas/Oracle_OMSAS/orainst.locを開きます。

  2. このファイルのinventory_locプロパティで示されるOracleインベントリ・ディレクトリ内のlogsディレクトリに切り替えます。たとえば、inventory_loc=/u01/oracle/omsmの場合は、次のようにします。

    cd /u01/oracle/omsm/logs
    
  3. installDate-timestamp.outファイルに何か問題がないか調査します。

MSASインスタンスの構成

インストールが完了したら、次のようにconfigMSAS.shを使用してMSASインスタンスを作成して構成することができます。

configMSASは、次の操作を実行します。

  • 指定されたMSASインスタンスIDがMSM環境に存在しない場合、そのインスタンスIDを作成してMSMに登録します。指定されたMSASインスタンスIDがMSM環境にすでに存在する場合、MSASインスタンスをそのインスタンスIDが構成されているマシンとバインドします。

  • configMSASが実行されているマシンで、MSASインスタンスがリクエストをリスニングするHTTPSポートと、オプションでHTTPポートを作成します。

  • MSASインスタンスがMSM URLによって識別されるMSMマシンに接続できるようにするブートストラップ構成を作成します。

  • 必要に応じて、次の環境でも追加の構成を実行します。

    • OAuth (Mobile and Social): MSASがOAuthクライアントとして機能する場合

    • OAM: MSASがWebGateとして機能する場合

OAuthを使用している場合は、インスタンスを作成する前に、そのインスタンスに使用するOAuthサービス・プロファイルがすでに存在することを確認します。

configMSASのオプション

configMSASの構文は次のとおりです。

configMSAS.sh -properties input_properties_file -help -debug_level level -debug_file debug_file_name -update

表1-2 configMSASのオプション

オプション 説明

-properties

対話モードの場合、必須。指定する場合、使用するプロパティ・ファイルの名前をこのパラメータのすぐ後に指定する必要があります。

-input_properties_file

対話モードで使用するプロパティ・ファイルのフルパス。

-help

configMSASコマンドのヘルプを表示します。

-debug_level

Javaロギング・レベル。SEVERE、WARNING、INFO、CONFIG、FINE、FINER、FINESTのいずれかを指定します。このパラメータを指定する場合、使用するデバッグ・ファイルも指定する必要があります。

-debug_file

デバッグ・メッセージを記録するデバッグ・ファイルのフルパス。

-update

configMSASが更新モードで実行されます。MSM URLおよび資格証明の更新のみサポートされています。


対話形式でのMSASインスタンスの構成

対話形式でMSASインスタンスを構成するには、次のようにします。

  1. MSMサーバーが稼働状態であることを確認します。そうでない場合、MSASインスタンスが登録されるMSMサーバーを起動します。

  2. ORACLE_HOME/omsas/binディレクトリに変更します(ORACLE_HOMEは、MSASのインストール時にOracleホームとして指定したディレクトリ、たとえば、/u01/oracle/omsas/Oracle_MSASです)。

  3. 次のコマンドを入力し、MSAS構成ツールを起動します。

    sh configMSAS.sh
    
  4. 各プロンプトに対し、表1-3に示すように応答します。エラーのため、構成を完了せずにconfigMSASを終了する必要がある場合は、[Ctrl]キーを押しながら[C]を押します。

    表1-3 MSAS構成ツールのプロンプト

    プロンプト 説明
    Enter the MSAS Instance ID
    

    MSASインスタンスを識別する一意の名前(たとえば、msas-instance-1)を入力します。

    名前は、有効なNCNameアスキー文字のみを使用するXMLのxs:NCName形式に準拠する必要があります。たとえば、文字またはアンダースコア(_)で始める必要があり、空白文字またはコロン(:)を含めることができません。

    NCName形式の定義は、http://www.w3.org/TR/REC-xml-names/#NT-NCNameのW3Cドキュメント『Namespaces in XML1.0 (Third Edition)』を参照してください。

    Enter the MSAS Instance Root Dir
    

    これは、MSASインスタンスを格納するルート・ディレクトリのフルパスです。デフォルトでMW_HOME/instancesに設定されます(MW_HOMEはMSASのミドルウェア・ホームです)。この場所を使用することをお薦めします。

    [Enter]を押してデフォルトの場所を受け入れるか(推奨)、任意のディレクトリのフルパスを入力します。MSASインスタンス・ディレクトリはinstance_root_dir/instance_idに作成されます(instance_idは前のプロンプトで入力した内容です)。

    Enter the SSL Port Number where MSAS Instance will be running
    

    使用可能なポート番号を入力します。これは、SSL接続用にMSASがリスニングするポートです。

    idmConfigToolのプロパティ・ファイルのOMSS_MSAS_SERVER_PORTプロパティに同じ値を使用します。

    Do you want to enable Non-SSL Port
    

    MSASに非SSL接続もリスニングさせる場合は、yと入力して次のプロンプトでポート番号を入力します。

    [Enter]を押してデフォルトのnを受け入れます。

    Enter the Port Number where MSAS Instance will be running
    

    このプロンプトは、前のプロンプトでyを入力した場合にのみ表示されます。非SSL通信に使用する使用可能なポート番号を入力します。

    Enter the Mobile Security Manager (MSM) URL
    

    これは、このMSASインスタンスを登録するMSMサーバーのURLです。MSMサーバーのURLを次の形式で入力します(hostはMSMサーバーのホスト名またはIPアドレスです。また、ポート番号はMSMサーバーのリスニング・ポートです)。

    http://host:port_number
    

    または

    https://host:ssl_port_number
    

    MSMサーバーが1つしかない場合、MSMドメインの作成時に他のポートを構成していないかぎり、ポート番号は通常、ポート14180 (非SSL)または14181 (SSL)です。

    このURLではSSLポートを使用することをお薦めします。

    注意: ロード・バランサ・ルーター(LBR)をMSMサーバーのフロント・エンドとして使用している場合は、このプロンプトにLBRのURLを入力します。

    Enter the Username to connect to Mobile Security Manager
    

    MSMドメインのWebLogic Server管理者ユーザー名を入力します。

    Enter the Password to connect to Mobile Security Manager
    

    WebLogic Server管理者のパスワードを入力します。

    オプションの構成

    次の10個のプロンプトは、認証にOAuthを使用するOAMまたはWebGateとして機能するMSASとの結合デプロイメントでOMSSを構成している場合のみ該当します。

    構成がこれに該当しない場合は、これらのプロンプトに任意の値を入力できます。OAMの構成に失敗しても、MSASインスタンスは正常に作成されます。

    Enter the OAM Admin Server Hostname
    

    これは、OAM管理対象サーバーを構成するドメインの管理サーバーのホスト名です。

    [Enter]を押してデフォルトを受け入れるか、必要な場合は、OAM管理対象サーバーの管理サーバーのホスト名を入力します。

    Enter the OAM Admin Server Port
    

    これは、OAM管理対象サーバーが存在するドメインの作成時に、構成ウィザード(WLST)で管理サーバーに対して入力したリスニング・ポートです。

    [Enter]を押してデフォルトを受け入れるか、必要な場合は、OAM管理対象サーバーの管理サーバーのリスニング・ポートを入力します。

    Is the connection with the OAuth Managed Server over SSL
    

    [Enter]を押してデフォルトのnを受け入れます。

    OAuth管理対象サーバーへの接続にSSLを使用する場合は、yと入力します。

    Enter the OAM Admin Username
    

    実行中のOAM管理サーバーに接続するための既存の管理者のログイン・ユーザー名を入力します。

    OAMの構成でidmConfigTool -configOAMコマンドを実行した際にIDSTORE_OAMADMINUSERプロパティに指定したものと同じユーザー名を入力します。

    Enter the OAM Admin Password
    

    OAM管理者ユーザー名アカウントのパスワードを入力します。

    Enter the OAuth Managed Server Host
    

    (オプション) OAuth管理対象サーバーが稼働しているホストを入力するか、[Enter]を押してデフォルト(OAM管理サーバーと同じホストでOAuth管理対象サーバーが稼働している場合、すでに指定したOAM管理サーバー)を使用します。

    Enter the OAuth Managed Server Port
    

    OAuthは、ドメイン内のOAMサーバーにデプロイされています。OAMサーバー用に構成されているポート番号を入力します。通常これは、ドメインの構成時に別の値を入力していないかぎり、SSL通信の場合は14101(または、非SSL通信の場合は14100)です。

    Enter the OAuth Service Profile Endpoint
    

    これは、OAuthサービス・プロファイル名です。[Enter]を押してデフォルトの/oauthservice (デフォルトのOAuthサービス・プロファイル)を受け入れます。このリリースでは、デフォルト・プロファイルのみサポートされています。

    Enter the OAM Protected Resource
    

    保護対象リソースのパス(たとえば、/myapp/login)を指定します。これは、MSASをWebgateとして使用する場合のみ該当します。

    [Enter]を押して、すべてのリクエストURLと一致することを指すデフォルト(/)を受け入れます。

    Enter the Domain name for which the cookie is to be set
    

    [Enter]を押して、デフォルト(MSASホストの完全修飾ドメイン名(FQDN))を受け入れます。必要な場合は、手動でFQDNを入力します。入力する値は、次のようにドット(.)で始める必要があります。

    .mydomain.com


プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが表示されます。

The Instance for MSAS Instance ID - instance_name Configured Successfully.

サイレント・モードを使用したMSASインスタンスの構成

サイレント・モードを使用してMSASインスタンスを作成して構成するには、次のようにします。

  1. 表1-4で説明されているプロパティを含む.propertiesファイルを作成します。特に指示がなければ、プロパティは必須です。


    注意:

    パスワード・プロパティをファイルに指定しない場合、configMSAS.shの実行時にパスワードの入力を要求されます。

    表1-4 サイレント・モードのプロパティ

    プロパティ名 説明

    MSM_URL

    このMSASインスタンスを登録するMSMサーバーのURLを指定します。MSMサーバーのURLを次の形式で入力します(hostはMSMサーバーのホスト名またはIPアドレスです。また、ポート番号はMSMサーバーのリスニング・ポートです)。

    http://host:port_number
    

    または

    https://host:ssl_port_number
    

    MSMサーバーが1つしかない場合、MSMドメインの作成時に他のポートを構成していないかぎり、ポート番号は通常、ポート14180 (非SSL)または14181 (SSL)です。

    このURLではSSLポートを使用することをお薦めします。

    注意: ロード・バランサ・ルーター(LBR)をMSMサーバーのフロント・エンドとして使用している場合は、このプロパティにLBRのURLを指定します。

    MSM_USER_NAME

    MSMドメインのWebLogic Server管理者ユーザー名を入力します。

    MSM_PASS

    WebLogic Server管理者のパスワードを入力します。

    MSAS_INSTANCE_ID

    MSASインスタンスを識別する一意の名前(たとえば、msas_instance-1)を指定します。

    名前は、有効なNCNameアスキー文字のみを使用するXMLのxs:NCName形式に準拠する必要があります。たとえば、文字またはアンダースコア(_)で始める必要があり、空白文字またはコロン(:)を含めることができません。

    NCName形式の定義は、http://www.w3.org/TR/REC-xml-names/#NT-NCNameのW3Cドキュメント『Namespaces in XML1.0 (Third Edition)』を参照してください。

    MSAS_INSTANCE_ROOT_DIR

    このMSASインスタンスを格納するルート・ディレクトリのフルパスを指定します。MW_HOME/instancesを指定することをお薦めします(MW_HOMEはMSASのミドルウェア・ホームです)。

    MSASインスタンスはMSAS_INSTANCE_DIR/MSAS_INSTANCE_IDに作成されます。

    このプロパティを指定しない場合、デフォルトでMW_HOME/instancesに設定されます。

    MSAS_INSTANCE_SSL_PORT

    MSASが稼働するSSLポートとして使用可能なポート番号を指定します。

    インスタンスのアイデンティティ・ストアを構成している場合は、idmConfigToolのプロパティ・ファイルのMSAS_INSTANCE_SSL_PORTプロパティに同じ値を使用します。

    MSAS_INSTANCE_PORT

    (オプション) MSASに非SSLポートで接続をリスニングさせる場合は、このプロパティを挿入し、MSASの非SSL通信に使用するポートを指定します。

    オプションの構成

    次のプロパティを指定する必要があるのは、認証にOAuthを使用するOAMまたはWebGateとして機能するMSASとの結合デプロイメントでOMSSを構成している場合のみです。

    OAM_HOST

    OAM管理対象サーバーを構成するドメインの管理サーバーのホスト名を指定します。

    OAM_PORT

    OAM管理対象サーバーが存在するドメインの作成時に、構成ウィザード(WLST)で管理サーバーに対して入力したリスニング・ポートを指定します。

    OAM_USER_NAME

    実行中のOAM管理サーバーに接続するための既存の管理者のログイン・ユーザー名を指定します。

    OAMの構成でidmConfigTool -configOAMコマンドを実行した際にIDSTORE_OAMADMINUSERプロパティに指定したものと同じユーザー名を使用します。

    OAM_PASSWORD

    OAM管理者ユーザー名アカウントのパスワードを指定します。

    OAM_PROTECT

    保護対象リソースのパス(たとえば、/myapp/login)を指定します。このプロパティは、MSASをWebgateとして使用する場合のみ該当します。

    すべてのリクエストURLと一致することを指す「/」を入力できます。

    リソース・パターンの詳細は、『Oracle Access Management管理者ガイド』のリソース定義の問合せ文字列の名前と値のパラメータについてに関する項を参照してください。

    OAUTH_PORT

    OAuthは、ドメイン内のOAMサーバーにデプロイされています。OAMサーバー用に構成されているポート番号を指定します。通常これは、ドメインの構成時に別の値を入力していないかぎり、SSL通信の場合は14101(または、非SSL通信の場合は14100)です。

    OAM_COOKIE_DOMAIN

    MSASホストの完全修飾ドメイン名(FQDN)を指定します。入力する値は、ドット(.)で始まる必要があります。たとえば、次のように指定します。

    .mydomain.com

    OAUTH_HOST

    (オプション) OAuth管理対象サーバーが稼働しているホストを指定します。指定しない場合、OAM_HOSTが使用されます。

    OAUTH_SP_ENDPOINT

    OAuthを使用している場合のみ、必須。これは、次のようなOAuthサービス・プロファイル名です。

    /oauthservice

    注意: OAuthにはデフォルトのOAuthサービス・プロファイルが同梱されており、このプロファイルには/oauthserviceでアクセスできます。このリリースでは、デフォルトのOAuthサービス・プロファイルのみサポートされています。

    OAUTH_IS_SSL

    OAuthへの非SSL接続の場合はfalseを指定し、OAuthへのSSL接続の場合はtrueを指定します。


  2. このMSASインスタンスをバインドするMSM管理対象サーバーが稼働状態であることを確認します。そうでない場合は、このサーバーを起動します。

  3. ORACLE_HOME/binディレクトリに変更します(ORACLE_HOMEは、MSASのインストール時にOracleホームとして指定したディレクトリ、たとえば、/u01/oracle/omsas/Oracle_MSASです)。

  4. 次のコマンドを入力してMSAS構成ツールを起動します(propfileは手順1で作成した.propertiesファイルの名前です)。

    sh configMSAS.sh -properties propfile
    

プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが表示されます。

The Instance for MSAS Instance ID - instance_name Configured Successfully.

物理インスタンスへの論理MSASインスタンスのバインド

configMSAS.shを使用して論理MSASインスタンスIDを物理マシンにバインドできる状況には、次の2つがあります。

  • マシンですでにconfigMSAS.shを実行してそのマシンおよびポートにバインドする論理MSASインスタンスIDを作成しており、同じ論理インスタンスを別のマシンおよびポートにバインドしてそのインスタンスIDに対してクラスタを作成する場合。1つの論理MSASインスタンスIDを必要な数の物理インスタンスにバインドできます。これは、高可用性の本番環境で最も一般的なシナリオです。「複数の物理インスタンスへの1つの論理インスタンスIDのバインド」を参照してください。

    クラスタ化されたインスタンスの詳細は、『Oracle Identity and Access Management高可用性ガイド』のOracle Mobile Security Access Serverの高可用性の構成に関する項を参照してください。

  • MSASコンソールを使用して(新しい論理MSASインスタンスIDしか登録できない)論理インスタンスを作成した後、configMSAS.shを実行してその論理インスタンスをマシンおよびポートにバインドする必要がある場合。「物理インスタンスへの新しい論理インスタンスIDのバインド」を参照してください。

複数の物理インスタンスへの1つの論理インスタンスIDのバインド

既存の論理MSASインスタンスIDを他の物理インスタンス(マシン:ポートの組合せ)にバインドするには、インスタンスIDをバインドする各マシンでconfigMSAS.shを対話形式またはサイレント・モードで実行します。同じマシンの異なるポートで複数の物理インスタンスを作成できます。

  • configMSAS.shを対話形式で実行する場合:

    • Enter the MSAS Instance IDプロンプトに、論理MSASインスタンスを初めて作成したときに使用したものと同じ論理インスタンスIDを入力します。

    • Enter the Mobile Security Manager (MSM) URLプロンプトに、論理MSASインスタンスを初めて作成したときに使用したものと同じMSM URLを指定します。たとえば、http://machine2:14180と入力します。

    • 他のMSASインスタンスに指定したものと同じMSASインスタンスIDおよびMSMの詳細情報を使用します。MSASインスタンスのルート・ディレクトリと、MSASのSSLポートおよび非SSLポートは異なってもかまいませんが、その他のプロパティは同じにする必要があります。

  • configMSAS.shをサイレント・モードで実行する場合:

    • MSAS_INSTANCE_IDプロパティに、MSASコンソールで論理MSASインスタンスを作成したときに使用したものと同じ論理インスタンスIDを指定します。

    • MSM_URLプロンプトに、MSASインスタンスIDを初めて作成したときに使用したものと同じMSM URLを指定します。たとえば、http://machine2:14180と入力します。

    • 他のMSASインスタンスに指定したものと同じMSASインスタンスIDおよびMSMの詳細情報を使用します。MSASインスタンスのルート・ディレクトリと、MSASのSSLポートおよび非SSLポートは異なってもかまいませんが、その他のプロパティは同じにする必要があります。

たとえば、2台のマシン(machineAとmachineB)にMSASをインストールし、各マシンのポート9000をSSLリスニング・ポートとして使用するInstance1を作成する場合は、次のようにします。

  1. machineAでconfigMSASを実行し、MSASインスタンスIDとしてInstance1を、SSLリスニング・ポートとして9000をそれぞれ指定します。これで、論理インスタンスID Instance1が作成され、machineA:9000にバインドされます。

  2. machineBでconfigMSASを実行し、MSASインスタンスIDとしてInstance1を、SSLリスニング・ポートとして9000をそれぞれ指定します。これで、既存の論理インスタンスID Instance1がmachineB:9000にバインドされます。さらに、インスタンスの作成時に使用したものと同じMSM URLを指定します。

物理インスタンスへの新しい論理インスタンスIDのバインド

MSASコンソールを使用して新しい論理MSASインスタンスIDを作成して登録する際には、MSASマシンでconfigMSAS.shを実行してその論理インスタンスIDをそのマシンのポートと、MSMサーバーにもバインドする必要があります。

これを行うには、次のようにします。

  1. 「対話形式でのMSASインスタンスの構成」または「サイレント・モードを使用したMSASインスタンスの構成」の説明に従って、configMSAS.shを実行します。

  2. MSASインスタンスIDに、MSASコンソールで論理インスタンスIDを作成したときに使用したものと同じ値を指定します。

  3. 表1-3または表1-4の説明に従って、その他すべてのプロンプトまたはプロパティに適切な値を使用します。

これで、論理インスタンスがMSASのマシン:ポートと、Enter the Mobile Security Manager (MSM) URLプロンプトまたはMSM_URLプロパティを使用して指定したMSMサーバーにバインドされ、コンソールの論理インスタンスIDの設定が更新されます。

MSASインスタンスのアイデンティティ・ストアとキーストアの構成

MSASインスタンスを作成した後、idmConfigTool.shを使用して、そのインスタンスに使用するようにアイデンティティ・ストア、SSLキーストアおよびMSASキーストアを構成します。MSMをインストールしたホストでidmConfigToolを実行する必要があります。MSMサーバーが複数ある高可用性環境では、MSMサーバーのいずれかでidmConfigToolを実行できます。最初のMSASインスタンスを論理インスタンスIDにバインドしてから、論理インスタンスIDごとに1回のみidmConfigToolを実行してそのIDのアイデンティティ・ストアおよびキーストアを構成します。

idmConfigToolを実行する前に、次を行ってください。

  • OMSM管理対象サーバーが実行されていることを確認します。

  • このインストール固有のセキュリティ証明書がトラスト・ストアに追加されていることを確認します。たとえば、SSLを介してアクセスする場合、LDAPサーバーのトラスト・チェーンの証明書、OAMサーバーのトラスト・チェーンの証明書およびOAuthサーバーのトラスト・チェーンの証明書を確認します。

    OMSSの構成でidmConfigTool -configOMSSを実行した場合、OMSS_OMSAS_AUX_CERTIFICATES_LOCATIONプロパティで指定したディレクトリにある証明書はいずれも自動的にロードされます。そのディレクトリになかった証明書は手動でロードする必要があります。

idmConfigTool.shを実行するときは、Oracle Mobile Security Suiteの構成に使用したものと同じプロパティ・ファイルを使用します。詳細は、『Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のOracle Mobile Security Managerを構成するidmConfigToolの実行に関する項を参照してください。

idmConfigToolの詳細は、『Oracle Identity Management Suite統合ガイド』の「idmConfigToolコマンドの使用方法」を参照してください。

idmConfigToolの実行

idmConfigToolを実行する手順:

  1. 次の環境変数を設定します。

    • MW_HOMEをMSMインストールのミドルウェア・ホームのフルパスに設定します。これは、MSMをインストールしたときに「Oracle Middlewareホーム」に指定したディレクトリ、たとえば、/u01/oracle/omsmです。

    • ORACLE_HOMEをMSMのOracleホーム・ディレクトリのフルパスに設定します。これは、MSMをインストールしたときに「Oracleホーム」に指定したディレクトリ、たとえば、/u01/oracle/omsm/omsmです。

    • WL_HOMEをWebLogic Serverのホーム・ディレクトリのフルパスに設定します。WebLogic Serverのインストールがwlserver_10.3であれば、たとえば、/u01/oracle/wls/wlserver_10.3です。

    • JAVA_HOMEをJDKディレクトリのフルパスに設定します。

  2. 前にidmConfigTool.sh -configOMSS mode=OMSMの実行に使用した.propertiesファイルを更新して、次のプロパティを追加し、アイデンティティ・ストアを構成しているMSASインスタンスに適切な値を指定します。

    idmConfigToolプロパティ 使用する同じ値
    OMSS_MSAS_SERVER_HOST MSAS_INSTANCE_IDで指定したMSASインスタンスを作成したホスト名。
    OMSS_MSAS_SERVER_PORT configMSASEnter the SSL Port Number where MSAS Instance will be runningプロンプトまたはMSAS_INSTANCE_SSL_PORTプロパティ。
    OMSS_OMSAS_IDSTORE_PROFILENAME この値は、まだ存在しません。指定した名前で新しいアイデンティティ・ストア・プロファイルが作成されます。
    OMSS_GATEWAY_INSTANCE_ID configMSASEnter the MSAS Instance IDプロンプトまたはMSAS_INSTANCE_IDプロパティ。

  3. 次のコマンドを入力します(IAM_HOMEは、Oracle Mobile Security SuiteインストールのOracle Identity and Access Managerのホーム・ディレクトリ、たとえば、/u01/oracle/omsm/Oracle_IDM/です)。

    cd IAM_HOME/idmtools/bin
    
  4. 次のコマンドを入力します(propsfileは、Oracle Mobile Security Suiteの構成に使用したものと同じプロパティ・ファイルです)。

    -sh idmConfigTool.sh -configOMSS mode=OMSAS input_file=propsfile
    

    構成セッションのログ・ファイルを取得する場合は、コマンドの最後に次の2つのパラメータを指定します。

    -log_level=FINEST log_file=logfilename
    

    プロパティ・ファイルのでのこのファイルのプロパティとOracle Mobile Security Suiteのすべての構成プロパティの詳細は、『Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のOracle Mobile Security Suiteプロパティ・ファイルの作成に関する項を参照してください。

    idmConfigToolの詳細は、『Oracle Identity Management Suite統合ガイド』の「idmConfigToolコマンドの使用方法」を参照してください。

  5. プロンプトが表示されたら、アイデンティティ・ストアへの接続に使用するアカウントのパスワードを入力します。

  6. idmConfigToolが完了したら、MSASサーバーを起動できます。「MSASサーバーの起動と停止」を参照してください。

MSASサーバーの起動と停止

MSASサーバー・インスタンスを起動または停止するには、次のようにします。

  1. instance_root/instance_name/binディレクトリに変更します(instance_rootはMSASインスタンスの作成時に指定したルート・ディレクトリ、instance_nameはMSASインスタンスの名前です)。デフォルトでは、instance_rootMW_HOME/instancesです(MW_HOMEはMSASのミドルウェア・ホームです)。

  2. 次のコマンドを入力して、サーバー・インスタンスを起動します。

    sh startServer.sh
    
  3. 次のコマンドを入力して、サーバー・インスタンスを停止します。

    sh stopServer.sh
    

Oracle Mobile Security Access Serverの削除

Oracle Mobile Security Access Serverソフトウェアを削除する場合は、この項の手順を行います。ソフトウェアは、手動で削除しないことをお薦めします。

Oracle Mobile Security Access Serverを削除する手順:

  1. MW_HOME/msas/oui/binディレクトリに変更します(MW_HOMEはMSASをインストールしたミドルウェア・ホーム・ディレクトリです)。

  2. 次のコマンドを入力します。

    ./runInstaller -deinstall
    
  3. 必要な場合は、MSASがインストールされていたミドルウェア・ホーム・ディレクトリを手動で削除します。

サイレント・インストールを使用したOracle Mobile Security Access Serverのインストール

サイレント・モードでOracle MSASをインストールする前に、前のセッションのMSASインストーラでレスポンス・ファイルを作成しておくか、または手動でレスポンス・ファイルを作成しておく必要があります。次の例は、MSASの標準的なレスポンス・ファイルを示しています。この例では、ソフトウェアの更新がスキップされます。拡張子が.rspのテキスト形式のファイル(たとえば、msas_silent.rsp)を任意のディレクトリに保存します。

[ENGINE]

#DO NOT CHANGE THIS
Response File Version=1.0.0.0.0

[GENERIC]
SPECIFY_DOWNLOAD_LOCATION=false

SKIP_SOFTWARE_UPDATES=true

SOFTWARE_UPDATES_DOWNLOAD_LOCATION=

ORACLE_HOME=/u01/oracle/products/omsas/omsas

MIDDLEWARE_HOME=/u01/oracle/products/omsas

[SYSTEM]
[APPLICATIONS]
[RELATIONSHIPS]

この例の説明:

  • ORACLE_HOMEは、MSASのORACLE_HOMEを示すために使用するフルパスです。このディレクトリ・パスは、MIDDLEWARE_HOME/directoryです(たとえば、/u01/oracle/product/omsas/omsasです)。

  • MIDDLEWARE_HOMEは、MSASを示すために使用するミドルウェア・ホーム・ディレクトリです。たとえば、/u01/oracle/product/omsasです。

サイレント・インストールを実行する手順は、次のとおりです。

  1. ダウンロードしたZIPファイルの内容を任意のディレクトリに抽出します。このディレクトリにomsasディレクトリが作成されます。

  2. omsas/Disk1ディレクトリに変更します。

  3. 次のコマンドを入力します: jdk_directoryには、インストールに使用するJDKのフルパスを入力します(たとえば、/jdk1.7.0_51)。このJDKは、前提条件であるMSMのインストールに使用したものと同じである必要があります。

    ./runInstaller -jreloc jdk_directory -invPtrLoc absolute_path_of_oraInst.loc -silent -response absolute_path_of_response_file
    

    このコマンドの説明:

    • jdk_directoryは、インストールに使用するJDKの絶対パスです(たとえば、/u01/jdk1.7.0_15です)。これは、前提条件であるMSMのインストールに使用したものと同じである必要があります。

    • absolute_path_of_oraInst.locは、ORACLE_HOME/oraInst.loc (ORACLE_HOMEはMSASのOracleホーム・ディレクトリ)、またはシステムに既存のoraInst.locファイルのパスのいずれかです。このファイルが指定された場所に存在しない場合は、インストーラによって作成されます。

    • absolute_path_of_response_fileは、作成したレスポンス・ファイルの絶対パスです(たとえば、/home/myname/msas_silent.rspです)。