この章では、Oracle Directory Services Manager (ODSM)を使用してOracle Unified Directoryにアクセスする方法について説明します。
ODSMは、Oracle Unified Directoryのインスタンスを管理するためのインタフェースです。ODSMでは、ディレクトリ構造の構成、ディレクトリ内のオブジェクトの定義、ユーザー、グループおよびその他のエントリの追加と構成ができます。ODSMは、エントリ、スキーマ、セキュリティおよび他のディレクトリ機能を管理するために使用するインタフェースでもあります。
この章には次のセクションが含まれます:
ODSMを使用したOracle Unified Directoryの管理に関するその他の情報は、次の各項で示しています:
ODSMを使用したプロキシ構成の管理の詳細は、第IV部「プロキシ、分散および仮想化機能の構成」を参照してください。
ODSMでサポートされるブラウザの詳細は、次の場所にあるOracle Fusion Middleware 11gR2のシステム要件およびサポートされるプラットフォームを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
ODSMを起動するには、ブラウザのアドレス・フィールドに次のURLを入力します。
http://host:port/odsm
ここでhostはODSMが実行される管理対象サーバーの名前で、portは管理サーバーの管理対象サーバー・ポート番号です。デフォルトの管理ポートは、7001です。
次の項の説明に従って、サーバーに接続します。
注意: Oracle Unified Directoryが最近更新された場合、ODSMを起動しようとすると、Oracle WebLogic Serverに問題が発生することがあります。Oracle Unified Directoryの更新操作中、ODSMも更新され、ODSM URLが変更されることがあります。この問題は通常、ブラウザを使用して以前のバージョンのODSMを起動した場合に起こります。したがって、更新されたバージョンのODSMを起動するには、まずブラウザのキャッシュとCookieをクリアします。 |
次の図は、ODSMのメイン画面の一部を示しています。ここから特定のOracle Unified Directoryインスタンスに接続できます。
Oracle Unified Directoryインスタンスに接続するには、次の情報を入力します:
サーバー。接続先のディレクトリ・サーバーの名前を入力します。
ポート。接続先のディレクトリ・サーバーの管理ポート番号を入力します。
ユーザー名。ディレクトリへの接続に使用するバインドDNを入力します。
パスワード。ディレクトリへの接続に使用するバインド・パスワードを入力します。
SSLが有効になっている場合、サーバー証明書を信頼するよう求められます。
注意: ブラウザの言語設定を変更する場合、新しい設定を使用するにはセッションを更新する必要があります。セッションを更新するには、「URL」フィールドにODSM URLを再入力して[Enter]を押すか、ブラウザを終了して再起動します。 |
ODSMの各サーバー・インスタンスの「ホーム」タブおよび「メトリック」タブを使用すると、サーバーに関する特定の情報を表示できます。
この項では、サーバー情報を表示する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです:
サーバー・ロールは、Oracle Unified Directoryインスタンスが設定された方法に従って、次の1つまたは複数のロールとして指定されます。
ディレクトリ
プロキシ
ロード・バランサ
ディストリビュータ
レプリケーション・ゲートウェイ
レプリケーション・サーバー
詳細は、Oracle Unified Directoryのインストールのサーバー・ロールの選択に関する項を参照してください。
「バージョン情報」パネルには、ODSMインスタンスおよびOracle Unified Directoryインスタンスのバージョン番号、およびJava Runtime Edition (JRE)のバージョンが示されます。
「OUD統計」パネルには、対象のサーバー・インスタンスのインストール詳細および基本的なモニタリング情報が表示されます。次の情報が表示されます:
サーバー開始時間: サーバーが正常に起動した最新の日時。
インストール・パス: 対象のサーバー・インスタンスのインストール・ファイルへのネットワーク・パス。
インスタンス・パス: 対象のサーバー・インスタンスのインスタンス・ファイルへのネットワーク・パス。
管理ユーザー: サーバーのセットアップ時に構成されたルート・ユーザー。詳細は、第29章「管理ユーザーの管理」を参照してください。
完了したLDAP操作の合計数(/秒) (起動以降): サーバーで実行されたLDAP操作の合計数をサーバーの起動以降に経過した秒数で割った数値。
1操作当たりの平均経過時間(起動以降) (ミリ秒): LDAP操作の実行に要した平均時間。
接続レート(接続/秒): サーバーで現在処理されている1秒当たりの接続数。
「接続ハンドラ」パネルには、対象のサーバー・インスタンスに構成されているすべての接続ハンドラの詳細が、接続ハンドラのタイプ、接続ハンドラがリスニングしているポートおよび接続ハンドラが有効かどうかなどの情報とともに表示されます。
接続ハンドラの詳細は、第17.1.5項「dsconfig
を使用した接続ハンドラの構成」および第17.4項「サーバーへの管理トラフィックの管理」を参照してください。
「ネーミング・コンテキスト」パネルには、対象のサーバー・インスタンスに構成されているすべてのネーミング・コンテキスト、つまり接尾辞が表示されます。これには、ネーミング・コンテキストが属しているネットワーク・グループ、ネーミング・コンテキストに含まれるエントリの数およびネーミング・コンテキストがレプリケートされているかどうかの情報が含まれます。
プロキシ・サーバーの場合、「データ・ソース」パネルには、すべてのデータ・ソース、またはプロキシ・インスタンスを通して管理されているバックエンドLDAPサーバーが表示されます。
ODSMの各サーバー・インスタンスの「メトリック」タブを使用すると、サーバーの特定のパフォーマンス・メトリックを表示できます。これらのメトリックには、サーバーの起動時間、現在時間および使用情報が含まれています。
使用情報は、次のトピックで説明する3つのサブタブに整理されています。
デフォルトでは、このページは、表示されるメトリックを20秒ごとに自動的にリフレッシュするように構成されています。デフォルトのリフレッシュ間隔を変更するには、「更新」リンクをクリックして新しい値を入力します。「自動リフレッシュ」ボックスをオフにすると、この機能を無効にできます。
アイコンは、前回のリフレッシュからメトリックが増加したか、減少したか、変化していないかを示します。また、「ヘルプ」アイコンは補足情報があることを示します。「ヘルプ」アイコンをクリックすると、そのエントリに関連する情報を示すポップアップが表示されます。
「起動後の使用状況」タブ・メトリックは累積的で、サーバーの起動後の使用状況メトリックの合計を表します。
これらのメトリックは、サーバー・ベースおよび接続ハンドラ・ベースで提供されます。各セクションで、ヘッダー行にはサーバー全体のメトリックの合計が表示され、表には接続ハンドラ(またはクライアント・ポート)にメトリックがどのように分散されているかが示されます。
「起動後の使用状況」タブには、次のセクションが含まれます。
オープンしている接続。起動後にオープンした接続の数を接続ハンドラごとに示します。
クライアントに送信されたエントリ数。起動後にクライアントに送信されたエントリの数を接続ハンドラごとに示します。
クライアントに送信されたバイト数。起動後にクライアントに送信されたMB数を接続ハンドラごとに示します。
完了した操作。起動後に完了した操作の数を接続ハンドラごとに示します。
開始した操作。起動後に開始した操作の数を接続ハンドラごとに示します。
各セクションのヘッダー行を拡張すると、次の情報を含む表が表示されます。
パラメータ | 説明 |
---|---|
接続ハンドラ名 | この接続を管理している接続ハンドラの名前。 |
ポート | 接続で使用されているサーバー・ポート。 |
起動時以降 | サーバーの起動時以降のメトリックの絶対値。 |
起動以降の平均/秒 | サーバーの起動時以降のメトリックの平均値。 |
前のリフレッシュ以降の平均/秒 | 2つのリフレッシュ間のメトリックの平均値。
注意: この値は現在サーバーで発生していることを示すため、非常に有用な場合があります。2つの平均によってリフレッシュ間のメトリックの変化が示されるため、対象が増加または減少しているかを確認できます。 |
注意:
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「現在の使用状況」タブには、現在オープンしている接続の数やJavaプロセス内のスレッドの数など、Oracle Unified Directoryサーバーの現在の使用状況を表すメトリックが表示されます。
「現在の使用状況」タブには次のセクションが含まれます。
アクティブ・スレッド。現在使用されているアクティブ・スレッドの数を示します。
使用中のデータベース。現在使用されているローカル・データベース・ワークフロー要素の数を示します。
オープン接続。現在オープンな接続の数を示します。
ヘッダー行を拡張すると、次の情報を含む表が表示されます。
パラメータ | 説明 |
---|---|
開いた時間 | 接続が開いた時間。 |
名前を付けてバインド | サーバーにバインドするために接続で使用されているユーザー(バインドDN)。 |
タイプ | 接続のタイプ。有効な値は次のとおりです。
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接続ID | サーバー接続に割り当てられる一意の整数識別子。 |
接続ハンドラ | この接続を管理している接続ハンドラの名前。 |
ポート | 接続で使用されているサーバー・ポート。 |
クライアント・アドレス | サーバーにアクセスするクライアントのIPアドレス。 |
サーバー・アドレス | サーバーのIPアドレス。 |
進行中の操作 | 現在接続によって処理されている操作の数。同じ接続を使用して複数の操作を並行して実行できます。 |
注意: 各表の列の情報をソートするには、「昇順ソート」または「降順ソート」アイコンをクリックします。 |
使用可能な残りの接続数。サーバーへの接続数が制限されている場合に、開くことができる残りの接続数を示します。
max-allowed-client-connections
属性を使用して接続数を制限するようにサーバーを構成できます。この属性の詳細は、Oracle Unified Directory構成リファレンスのグローバル構成に関する項を参照してください。
注意: アイコンは、前回のリフレッシュからメトリックが増加したか、減少したか、変化していないかを示します。 |
「キャッシュ使用量」タブには、データベース・キャッシュ(サーバーで定義されているローカル・データベース・ワークフロー要素ごとに1つ)およびエントリ・キャッシュに関するメトリックが表示されます。
「キャッシュ使用量」タブには次のセクションが含まれます。
データベース・キャッシュ。各データベース・キャッシュに関する情報が示されます。
このセクションのこの表には、データベース内の上位、下位およびリーフ・ノードに関する次の情報が示されます。
パラメータ | 説明 |
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ローカル・データベース・ワークフロー要素名 | 要素の名前。 |
ヒット | サーバー起動時以降のヒット数。 |
試行 | サーバー起動時以降の試行回数。 |
起動以降のヒット率 | サーバー起動時以降のヒット率。 |
前のリフレッシュ以降のヒット率 | 前回のサーバー・リフレッシュ以降のヒット率(最も適当な値)。 |
注意:
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エントリ・キャッシュ。サーバーで定義されている各エントリ・キャッシュに関する情報を示します。
このセクションの表には、エントリ・キャッシュ構成およびヒット率に関する次の情報が表示されます。
パラメータ | 説明 |
---|---|
名前 | キャッシュの名前。 |
タイプ | キャッシュ構成のタイプ。有効な値は次のとおりです。
|
ヒット | サーバー起動時以降のヒット数。 |
試行 | サーバー起動時以降の試行回数。 |
起動以降のヒット率 | サーバー起動時以降のヒット率。 |
前のリフレッシュ以降のヒット率 | 前回のサーバー・リフレッシュ以降のヒット率(最も適当な値)。 |
データベース・キャッシュの最大サイズ | ファイル・システム・エントリ・キャッシュの最大サイズ。
注意: このパラメータは、エントリ・キャッシュ・タイプが「ファイル・システム」の場合にのみ表示されます。 |
最大エントリ数 | キャッシュで使用できるエントリの最大数。
注意: このパラメータは、エントリ・キャッシュ・タイプが「FIFO」の場合にのみ表示されます。 |
最大JVMメモリーの割合 | キャッシュで使用できるJVMメモリーの最大パーセント。 |
期待されるヒット率は、キャッシュの定義方法、特にキャッシュに含まれるエントリのタイプによって異なります。
注意:
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