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Oracle® Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55927-04
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2 10g ユーザー用のOracle Portal, Forms, Reports and Discoverer

次の項では、Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)ユーザーのためのOracle Portal, Forms, Reports and Discoverer環境の主な概念を説明します。

2.1 Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererスイートのコンポーネント

Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)では、次のコンポーネントの更新済のバージョンがユーザーに提供されています。

Oracle Fusion Middleware 11g は、これらすべてのコンポーネントの更新バージョンを提供しています。Oracle Fusion Middlewareには、Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererソフトウェア・スイートとして更新バージョンがパッケージ化されています。

Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)の場合、Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration Platform、Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesなどのOracle Identity Managementコンポーネントは、Oracle Portal、Forms、Reports、Discovererのコンポーネントとともにパッケージ化されていました。

Oracle Fusion Middleware 11g の場合、Oracle Identity Managementコンポーネントが個別にパッケージ化されインストールされていますが、それらは引き続き同じリソースとサービスを提供します。

2.2 Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererスイートの基本的なアーキテクチャ

Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererコンポーネントの基本的なアーキテクチャは、Oracle Application Server 10g と同じですが、大きく異なる点が1つあります。Oracle Containers for Java EE(OC4J)をベースにするかわりに、Oracle Fusion Middleware中間層はOracle WebLogic Serverをベースにしています。

図2-1は、Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)とOracle Fusion Middleware 11g におけるOracle Portal, Forms, Reports and Discovererの基本的なトポロジを示しています。システムのコンポーネントが、Oracle WebLogic Serverドメインの専用の管理対象サーバーにデプロイされていることに注意してください。

より複雑な環境の場合、Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererコンポーネントの一部をリモート・ホストの管理対象サーバーにデプロイできるように、ドメインを他のホストへ拡張することもできます。

図2-1 10g リリース2(10.1.2)とOracle Fusion Middleware 11g におけるOracle Portal, Forms, Reports and Discovererトポロジの比較

図2-1の説明が続きます。
「図2-1 10g リリース2(10.1.2)とOracle Fusion Middleware 11g におけるOracle Portal, Forms, Reports and Discovererトポロジの比較」の説明

2.3 Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererトポロジを決定する際の考慮事項

次の項では、アップグレードの準備として新しいOracle Fusion Middleware 11g トポロジを構成するための一般的なガイドラインについて説明します。また、他のトポロジを使用するときの考慮事項についても説明します。

2.3.1 Oracle Fusion Middlewareトポロジを構成するための一般的なガイドライン

一般的に、Oracle Application Server 10g 環境は、同様に構成された環境にアップグレードすることをお薦めします。

つまり、Oracle Application Server 10g 環境が、Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererコンポーネントすべてを含む単一のOracleホームで構成されている場合は、同様にすべてのコンポーネントを含む単一のOracleホームと単一のOracleインスタンスで構成されたOracle Fusion Middlewareドメインにアップグレードします。

この一般的なガイドラインに従う場合は、Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントと、このマニュアルに記載されている手順を使用して、コンポーネントをアップグレードできます。

2.3.2 他のトポロジを構成するときのアップグレードへの影響の理解

Oracle Fusion Middleware 11g は、柔軟なアーキテクチャであるため、Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererコンポーネントをそれぞれ別のOracleインスタンスにインストールして構成することもできます。

たとえば、Oracle PortalとOracle Forms Servicesをインストールした後でOracle WebLogic Serverドメインを拡張し、Oracle ReportsとOracle BI Discovererをサポートすることができます。これにより、トポロジには、Oracle PortalとOracle Forms Servicesを含む1つのインスタンス、およびOracle ReportsとOracle BI Discovererを含む1つのインスタンスの合計2つのOracleインスタンスが含まれるようになります。

この方法を使用する場合は、次の重要な制限事項と考慮事項があることに注意してください。

2.3.2.1 ドメインの拡張による複数のOracleインスタンスおよびWeb層コンポーネントの作成

追加のOracle Portal, Forms, Reports and Discovererコンポーネントを含めるようにドメインを拡張するたびに、新しいOracleインスタンスが作成されます。

それぞれのOracleインスタンスで構成するコンポーネントに応じて、構成ツールは、そのコンポーネントに必要な新しいWeb層コンポーネント(Oracle HTTP ServerやOracle Web Cacheインスタンスなど)を作成します。たとえば、Oracle Portalを含むようにドメインを拡張する場合は、Oracle Portalをサポートするための新しいOracle HTTP ServerインスタンスとOracle Web Cacheインスタンスが自動的に構成されます。

2.3.2.2 同じドメインでの複数のWeb層コンポーネントの影響

1つのドメインに複数のWeb層コンポーネントを構成する場合は、次のいずれかをメンテナンスするかどうかを決定する必要があります。

  • 複数のWeb層コンポーネント(たとえば、各Oracle HTTP Serverインスタンスで別のリスニング・ポートを使用して、リクエストを特定のコンポーネントにルーティングするなど)

    または

  • Web層コンポーネントの1つのセット(たとえば、1つのOracle HTTP Serverがリクエストをドメインに構成されているコンポーネントすべてにルーティングするなど)

この決定によって、Web層コンポーネントの1つのセットを無効にするか、1つのOracle HTTP Serverインスタンスを再構成してリクエストを他のOracleインスタンスにルーティングすることが必要になる場合があります。

リクエストをOracle WebLogic ServerインスタンスにルーティングするためのOracle HTTP Serverの構成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイド』のmod_wl_ohsモジュールの構成に関する項を参照してください。

2.3.2.3 複数のOracleインスタンスがアップグレードに与える影響

Oracle Fusion Middlewareドメインに複数のOracleインスタンスが含まれる場合は、アップグレード・アシスタントを2回以上(それぞれの11g Oracleインスタンスに1度ずつ)実行する必要があります。また、アップグレード・オプションを選択する際は注意して行う必要があります。

特に、「アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用」オプションを選択する場合は、このオプションを各ホストに1度のみ選択した状態でアップグレード・アシスタントを実行できることに注意してください。それ以外の状態では、1つのホストで1つの同じリスニング・ポートからリスニングできるのは1つのコンポーネントのみであるため、ポートの競合が発生する可能性があります。

詳細は、第3.6.2.2項「アップグレード先OracleインスタンスでソースOracleホーム・ポートを使用する際の重要な注意事項」を参照してください。

2.3.3 Oracle Access ManagerへのOracle Single Sign-Onのアップグレード

Oracle Access Managerは、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントの1つです。Oracle Single Sign-On 10gのかわりに使用して、集中認証、ポリシーベースの認可、委任管理などを実装できます。


注意:

シングル・サインオンのソリューションを使用するかどうかの判断については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』のシングル・サインオン・インストールの評価に関する章を参照してください。


Oracle Portal, Forms, Reports and Discoverer 11gへのアップグレード前後で、Oracle Identity Managementコンポーネントをアップグレードすることもでき、これにはOracle Single Sign-On 10gをOracle Access Manager 11gにアップグレードすることも含まれます。

Oracle Access Managerへのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレード・ガイド』のOracle Single Sign-On 10g環境のアップグレードに関する項を参照してください。

特に、アップグレードを実行しようとしているときは、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド』にある次のOracle Single Sign-Onのアップグレード・シナリオを参照してください。

「Oracle Single Sign-On 10gをAccess Manager 11.1.1.7.0にアップグレードした後に必要なOracle Delegated Administration Services」

Oracle Access ManagerでのOracle Portalの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のOracle PortalとOracle Access Managerとの関係に関する項を参照してください。