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Oracle® Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
B55904-08
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2 リポジトリ作成ユーティリティの入手および実行

この章では、RCUを入手、実行してスキーマを作成および削除する方法を、グラフィカル・インタフェースとコマンドライン・インタフェースの両方について説明します。

次のトピックを取り扱います:

2.1 始める前に

開始する前に、第1.1項「RCUのシステム要件およびデータベース要件」を読んでおいてください。作業を続けるには、動作保証された稼働中のデータベースを適切に構成しておく必要があります。

2.2 必須スキーマおよび依存スキーマ

ここでは、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに必要となるスキーマとその依存スキーマを一覧表示します。RCUを実行する前に、作成が必要なスキーマをメモしておく必要があります。

2.2.1 Oracle SOA Suiteのスキーマ

表2-1は、OracleデータベースおよびMicrosoft SQL ServerデータベースでのOracle SOA Suite製品の必須スキーマと依存スキーマを示しています。

表2-1 OracleデータベースおよびMicrosoft SQL ServerデータベースでのOracle SOA Suite製品の必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係

SOAインフラストラクチャ

prefix_SOAINFRA

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_ORASDPM(ユーザー・メッセージング)

Business Activity Monitoring

prefix_ORABAM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_ORASDPM(ユーザー・メッセージング)

ユーザー・メッセージング・サービス

prefix_ORASDPM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)



注意:

Oracleデータベース上で、SYSまたはSYSTEM以外のデータベース・ユーザーでスキーマを作成する場合、prefix_SOAINFRAスキーマを正常にロードするには、そのユーザーに次のAQロールと権限を付与する必要があります。
GRANT ALL ON dbms_aqadm TO new_user WITH GRANT OPTION;
GRANT ALL ON dbms_aq TO new_user WITH GRANT OPTION;
GRANT aq_user_role TO new_user;
GRANT EXECUTE ON dbms_aqin to new_user WITH GRANT OPTION;
GRANT EXECUTE ON dbms_aqjms to new_user WITH GRANT OPTION;

表2-2は、IBM DB2データベースでのOracle SOA Suite製品の必須スキーマと依存スキーマを示しています。

表2-2 IBM DB2データベースでのOracle SOA Suite製品の必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係 必須のオペレーティング・システム・ユーザー

SOAインフラストラクチャ

prefix_SOA

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_UMS(ユーザー・メッセージング)

prefix_soa

prefix_mds

prefix_ums

ユーザー・メッセージング・サービス

prefix_UMS

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_ums

prefix_mds


2.2.2 Oracle WebCenter Portalのスキーマ

Oracle WebCenter Portalのスキーマはすべて、動作保証されたすべてのデータベースでサポートされています。

表2-3は、OracleデータベースおよびMicrosoft SQL ServerデータベースでのOracle WebCenter Portal製品の必須スキーマと依存スキーマを示しています。

表2-3 OracleデータベースおよびMicrosoft SQL ServerデータベースでのOracle WebCenter Portal製品の必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係

Spacesおよびサービス

prefix_WEBCENTER

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

ポートレット・プロデューサ

prefix_PORTLET

なし。

ディスカッション

prefix_DISCUSSIONS

なし。

アクティビティ・グラフおよびAnalytics

prefix_ACTIVITIES

なし。


表2-4は、IBM DB2データベースでのOracle WebCenter Portal製品の必須スキーマを示しています。

表2-4 IBM DB2データベースでのOracle WebCenter Portal製品の必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係 必須のオペレーティング・システム・ユーザー

Spacesおよびサービス

prefix_WC

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_wc

prefix_mds

ポートレット・プロデューサ

prefix_PT

なし。

prefix_pt

ディスカッション

prefix_DS

なし。

prefix_ds

アクティビティ・グラフおよびAnalytics

prefix_AG

なし。

prefix_ag


アプリケーション開発者がWebCenter Portalアプリケーションを構築する場合は、RCUを再度実行して、Spacesおよびサービスのスキーマ(OracleデータベースおよびMicrosoft SQL Serverデータベースでのprefix_WEBCENTER、またはIBM DB2データベースでのprefix_WC)の2つ目のバージョンを作成する必要があります。このスキーマはOracle WebCenter Portalのスペースで使用されるSpacesおよびサービスのスキーマとは異なるため、別のスキーマ接頭辞を使用する必要があります。WebCenterスキーマが必須のWebCenterサービスの詳細は、『Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』の表5-1を参照してください。

2.2.3 Oracle Application Developerのスキーマ

Oracle ApplicationDeveloperには、Oracle WSM Policy ManagerとOracle WSM-PM Extensionが含まれています。これらのコンポーネントをインストールする前に、データベースにメタデータ・サービス(MDS)スキーマが存在している必要があります。

すべてのデータベースに、スキーマprefix_MDSを作成する必要があります。IBM DB2データベースには、オペレーティング・システム・ユーザーprefix_mdsも作成する必要があります。

2.2.4 Oracle Identity Managementのスキーマ

Oracle Identity Managementのスキーマは、Microsoft SQL ServerデータベースやIBM DB2データベースではサポートされていません。

表2-5は、OracleデータベースでのOracle Identity Management製品の必須スキーマと依存スキーマを示しています。

表2-5 OracleデータベースでのOracle Identity Managementコンポーネントの必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係

Oracle Internet Directory

ODS

なし。

Oracle Identity Federation

prefix_OIF

なし。

Oracle Identity Manager

prefix_OIM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_SOAINFRA(SOAインフラストラクチャ)

prefix_OPSS (Oracle Platform Security Services)

prefix_BIPLATFORM (Oracle Business Intelligenceプラットフォーム)

Oracle Access Manager

prefix_OAM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_IAU(監査サービス)

prefix_OPSS (Oracle Platform Security Services)

Oracle Adaptive Access Manager

prefix_OAAM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_IAU (監査サービス)

prefix_OPSS (Oracle Platform Security Services)

Oracle Adaptive Access Manager(パーティション・サポート)

prefix_OAAM_PARTN

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_IAU (監査サービス)

prefix_OPSS (Oracle Platform Security Services)

Oracle Entitlements Server

prefix_APM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

Oracleモバイル・セキュリティ・マネージャ

prefix_OMSM

prefix_MDS(メタデータ・サービス)

prefix_IAU (監査サービス)

prefix_OPSS (Oracle Platform Security Services)

prefix_OAM (Oracle Access Manager)


2.2.5 Oracle Data Integratorのスキーマ

Oracle Data Integratorをインストールする前に、OracleデータベースやMicrosoft SQL ServerデータベースにOracle Data Integratorのスキーマ(prefix_ODI_REPO)が存在している必要があります。


注意:

Oracle Database 12c上にリポジトリを作成している場合は、ユーザーがオブジェクトを作成できる制限を割り当てる必要があります。予想されるリポジトリのサイズに対応できるように割当て制限を選択してください。リポジトリのサイズがわからない場合は、無制限の表領域を付与できます。例:
GRANT UNLIMITED TABLESPACE TO odi_DB_repos_user

IBM DB2データベースでは、Oracle Data Integratorのスキーマ名はprefix_ODIになり、オペレーティング・システム・ユーザーprefix_odiも作成する必要があります。

2.2.6 Oracle Business Intelligenceのスキーマ

Oracle BusinessIntelligenceをインストールする前に、OracleデータベースまたはMicrosoft SQL ServerデータベースにBusiness Intelligence Platformのスキーマ(prefix_BIPLATFORM)が存在している必要があります。

IBM DB2データベースでは、Business Intelligence Platformのスキーマ名はprefix_BIになり、オペレーティング・システム・ユーザーprefix_biも作成する必要があります。

2.2.7 Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererのスキーマ

Oracle PortalおよびOracle Discovererのスキーマは、Microsoft SQL ServerデータベースやIBM DB2データベースではサポートされていません。

表2-6は、OracleデータベースでのOracle PortalおよびOracle Discovererの必須スキーマと依存スキーマを示しています。

表2-6 OracleデータベースでのOracle PortalおよびOracle Discovererの必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係

Oracle Portal

prefix_PORTAL

Oracle Portlet Producers(prefix_PORTLET)

Oracle Discoverer

prefix_DISCOVERER

なし。


2.2.8 Oracle WebCenter Contentのスキーマ

表2-7は、OracleデータベースおよびMicrosoft SQL ServerデータベースでのOracle WebCenter Contentの必須スキーマと依存スキーマを示しています。

表2-7 OracleデータベースおよびMicrosoft SQL ServerデータベースでのWebCenter Contentの必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係

Oracle Information Rights Management

prefix_ORAIRM

なし。

Oracle WebCenter Content Server 11g - 完全

prefix_OCS

なし。

Oracle WebCenter Content Server 11g - 検索のみ

prefix_OCSSEARCH

なし。

Oracle WebCenter Content: Records

prefix_URMSERVER

なし。

Oracle WebCenter Content: Imaging

prefix_IPM

なし。

Oracle WebCenter Enterprise Capture

prefix_CAPTURE

prefix_MDS(メタデータ・サービス)


表2-8は、IBM DB2データベースでのOracle WebCenter Contentコンポーネントの必須スキーマを示しています。

表2-8 IBM DB2データベースでのWebCenter Contentの必須スキーマ

コンポーネント スキーマ所有者 依存関係 必須のオペレーティング・システム・ユーザー

Oracle Information Rights Management

prefix_IRM

なし。

prefix_irm

Oracle Content Server 11g - 完全

prefix_OCS

なし。

prefix_ocs

Oracle WebCenter Content: Records

prefix_URM

なし。

prefix_urm

Oracle WebCenter Content: Imaging

prefix_IPM

なし。

prefix_ipm


2.3 RCUの入手

使用しているリリースに適したバージョンのRCUを取得するには、Oracle Fusion Middlewareのダウンロード、インストールおよび構成のREADMEファイル・ページに移動してください。ここにOracle Fusion Middlewareソフトウェアを取得するためのリンクおよび重要な情報が示されています。

.zipファイルのダウンロード後、選択したディレクトリにコンテンツを解凍します。このディレクトリがRCU_HOMEディレクトリになります。


注意:

Windowsオペレーティング・システムでは、名前にスペースを含むディレクトリにRCUの.zipファイルを解凍しないでください。

2.4 RCUの起動

RCU_HOMEディレクトリ内のbinディレクトリからRCUを起動します。


注意:

英語以外の言語のデータベースを使用してRCUを実行する場合は、次の環境変数を設定します。
setenv LANG en_US.UTF8
setenv LC_ALL $LANG
setenv NLS_LANG american_america

Linuxオペレーティング・システムの場合:

cd RCU_HOME/bin
./rcu

Windowsオペレーティング・システムの場合:

cd RCU_HOME\bin
rcu.bat

データベースにスキーマを作成する場合は、第2.5項「スキーマの作成」を参照してください。

データベースからスキーマを削除する場合は、第2.6項「スキーマの削除」を参照してください。

2.5 スキーマの作成

スキーマを作成するには、表2-9の指示に従います。

画面の名前をクリックすると、その画面の詳細情報が表示されます。特に指定がなければ、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

表2-9 スキーマの作成に関するRCU画面および説明

RCU画面 手順および必要な操作

ようこそ


なし。

リポジトリの作成


作成」を選択します。

データベース接続の詳細


データベースの接続の詳細を指定し、「次へ」をクリックします。

IBM DB2データベースにスキーマを作成する場合は、作成するスキーマごとにオペレーティング・システム・ユーザーを1つ作成しておく必要があることを忘れないでください。詳細は、第1.1.4項「IBM DB2データベースの重要情報」を参照してください。

別のダイアログ・ウィンドウが開き、接続、およびデータベースのいくつかの前提条件がチェックされます。エラーなしでデータベースのチェックをパスしたら、「OK」をクリックしてこのダイアログ・ウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

コンポーネントの選択(作成操作用)


スキーマの接頭辞を指定して、データベースにスキーマを作成するコンポーネントを選択します。

ご使用の製品に必要なスキーマを確認するには、第2.2項「必須スキーマおよび依存スキーマ」を参照してください。

インストールするコンポーネントの接頭辞とスキーマ名は忘れないでください。製品インストールの構成フェーズで必要になります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。

スキーマ・パスワード


スキーマ所有者のパスワードを指定します。

この画面で入力したパスワードは忘れないでください。製品インストールの構成フェーズで必要となります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。

カスタム変数


「コンポーネントの選択」(作成操作用)で、マスターおよび作業リポジトリ(ODI_REPO)とアクティビティ・グラフおよびAnalytics(ACTIVITES)のいずれかが選択されている場合は、カスタム変数に追加の構成情報を指定する必要があります。

表領域のマップ


作成するスキーマに対して目的の表領域マッピングを構成し、「次へ」をクリックします。

別のダイアログ・ウィンドウが開き、これらの表領域の作成を確認するように求められます。「OK」をクリックして先に進み、このダイアログ・ウィンドウを閉じます。

表領域作成の進行状況を示す2番目のダイアログ・ウィンドウが表示されます。この処理が完了したら、「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

サマリー(作成操作用)


この画面上の情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。

完了サマリー(作成操作用)


ログ・ファイルの場所を確認し、「閉じる」をクリックして画面を閉じます。


2.6 スキーマの削除

データベースからスキーマを削除するには、RCUを起動して(第2.4項「RCUの起動」を参照)、表2-10の手順に従います。

画面の名前をクリックすると、その画面の詳細情報が表示されます。特に指定がなければ、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

表2-10 スキーマの削除に関するRCU画面および説明

画面 手順および必要な操作

ようこそ


なし。

リポジトリの作成


削除」を選択します。

データベース接続の詳細


データベースの接続の詳細を指定し、「次へ」をクリックします。

別のダイアログ・ウィンドウが開き、接続、およびデータベースのいくつかの前提条件がチェックされます。エラーなしでデータベースのチェックをパスしたら、「OK」をクリックしてこのダイアログ・ウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

コンポーネントの選択(削除操作用)


削除する接頭辞とスキーマを選択し、「次」をクリックします。

別のダイアログ・ウィンドウが開き、選択したスキーマの削除を確認するように求められます。「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じます。

2番目のダイアログ・ウィンドウが表示され、削除するスキーマの前提条件がチェックされます。この処理が完了したら、「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

サマリー(削除操作用)


画面上の情報を確認し、「削除」をクリックしてスキーマを削除します。

完了サマリー(削除操作用)


ログ・ファイルの場所を確認し、「閉じる」をクリックして画面を閉じます。


2.6.1 共有表領域の削除

複数のスキーマで共有されている表領域は削除されません。たとえば、監査サービス・スキーマ(DEV_IAUなど)とメタデータ・サービス・スキーマ(DEV_MDSなど)を作成した場合は、両方のスキーマで一時表領域DEV_IAS_TEMPが使用されます(第A.9.1項「デフォルトの表領域マッピング」を参照)。

その後、DEV_IAUスキーマを削除しても、DEV_IAS_TEMP表領域はDEV_MDSスキーマでも使用されているため、削除されません。

2.6.2 スキーマおよびデータファイルの削除(Windowsのみ)

データベースをWindowsオペレーティング・システム上で実行している場合、RCUを使用してそのデータベースからスキーマを削除すると、一部のコンポーネント・データファイルは削除されません。これらのデータファイルは、データベースのOracleホーム内のoradataデータベースに格納されています。

たとえば、Oracle Internet Directory (OID)の場合は、次のデータファイルを削除する必要があります。

  • ATTRS1_OID.DBF

  • BATTRS1_OID.DBF

  • GCATS1_OID.DBF

  • GDEFAULT1_OID.DBF

  • SVRMG1_OID.DBF

  • IASTEMP.DBF

削除したスキーマを再度作成する場合は、そのデータファイルを手動で削除してからスキーマを再度作成する必要があります。

2.7 Portalデモ・スキーマの作成

Oracle Portalリポジトリには、RCUを使用したインストールができないデモ・スキーマ(portal_schema_user_name_DEMO)が含まれています。このスキーマをテスト目的のみでインストールする場合、instdemo.sqlスクリプト(RCU_HOME/portal/admin/plsql/wwvディレクトリにあります)を使用します。

> sqlplus /nolog
SQL> connect sys as sysdba
SQL> @$RCU_HOME/portal/admin/plsql/wwv/instdemo.sql 
     portal_schema_user_name
     portal_schema_user_password
     default_tablespace
     temporary_table_space
     name_of_the_demo_schema_user
     password_of_the_demo_schema_user 
     name_of_the_log_file
     database_connection_string

例:

SQL> @instdemo.sql portal portalpassword portal ias_temp portal_demo portaldemopassword example_app.log (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=db.example.com)(PORT=1521)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=orcl)))