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Oracle® Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55919-08
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O Oracle Directory Services ManagerのJavaキーストアの管理

この付録では、Oracle Directory Services Manager (ODSM)のJavaキーストア(JKS)を管理する方法について説明し、JKSパスワードの取得、odsm.cer JKSの内容のリスト、および期限が切れた証明書の削除について説明します。

Oracle Directory Services Manager(ODSM)は、Javaキー・ストア(JKS)にその秘密鍵、証明書および信頼できる証明書を格納します。管理者は、ODSMのJKSの管理を担当します。実行する必要がある重要なタスクの1つは、期限が切れたODSMの証明書をJKSから削除することです。この付録では、次のことについて説明します。

この付録の内容は次のとおりです。

O.1 ODSMのJavaキーストアの概要

ODSMは、初めて呼び出されると、ランダム・パスワードを生成し、そのパスワードをJKSに割り当てます。JKSファイルは、odsm.cerという名前を持ちます。このファイルは、次の書式の名前のディレクトリに置かれます。

DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/AdminServer/applications/odsm/conf

ODSMは、Oracleによるセキュアな格納フレームワークである資格証明ストア・フレームワーク(CSF)内のJDKにこのパスワードを格納します。WebLogicサーバー管理者は、CSFに格納されているJDKパスワードを取得できます。

ODSMは、自身の自己署名証明書の生成とJKSへの格納も行います。自己署名証明書は、生成日から15000日間有効です。自己署名証明書は、テスト目的のみに使用されます。本番環境では、自己署名証明書を、認証局(CA)によって署名された証明書に置き換えることをお薦めします。

JKSを管理するためのWebベースのツールはありません。ODSMのJKSを管理するには、OracleのJREまたはJDKに用意されているコマンド行ツールであるkeytoolを使用します。


関連項目:

  • CSFの詳細は、Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイドの資格証明ストアの構成に関する項を参照してください。

  • JavaTM暗号化アーキテクチャAPIの仕様、リファレンスとkeytool(キーおよび証明書の管理ツール)を含めて、Oracle Javaの詳細は、次を参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/java/index.html


O.2 ODSMのJavaキーストア・パスワードの取得

Oracle Directory Services ManagerのJavaキー・ストアを管理するには、まずOracle Directory Services ManagerのJavaキー・ストア・パスワードを取得する必要があります。このパスワードを取得するには次の2つの方法があります。

O.2.1 Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用

Enterprise Managerを使用してOracle Directory Services ManagerのJavaキー・ストア・パスワードを取得するには、次の手順を実行します。

  1. weblogic administratorとしてEnterprise Managerに接続します。

  2. Enterprise Managerのナビゲーション・パネルの左側で、「WebLogicドメイン」を開き、Oracle Directory Services Managerをデプロイするドメインを選択します。

  3. Enterprise Managerのナビゲーション・パネルの右側で、「WebLogicドメイン」メニューをクリックし、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

  4. システムMBeanブラウザで、「アプリケーション定義のMBean」「com.oracle.jps」「ドメイン」 : 「NameOfTheDomainWhereODSMisDeployed」「JPSCredentialStore」JPSCredentialストアを開きます。

  5. 詳細ペインに表示される「操作」タブをクリックします。

  6. 次の図に示すように、getPortableCredential操作をクリックします。

    図O-1 getPortableCredential操作

    図O-1の説明が続きます
    「図O-1 getPortableCredential操作」の説明

  7. 次のページが表示されたら、getPortableCredentialメソッドのパラメータを入力する必要があります。

    • 「P1」で「ODSMMap」と入力します。

    • 「P2」で、「ODSMKey.Wallet」と入力します。

  8. 「起動」ボタンをクリックします。

    次の図に示すように、「パラメータ」表の下に「戻り値」表が表示されます。「パスワード」フィールドに、Oracle Directory Services ManagerのJavaキー・ストアのパスワードが表示されます。

    図O-2 getPortableCredential操作

    図O-2の説明が続きます
    「図O-2 getPortableCredential操作」の説明

O.2.2 Pythonスクリプトの使用

Enterprise Managerを使用できない場合は、Pythonスクリプトを使用することによりOracle Directory Services ManagerのJavaキー・ストアのパスワードを取得できます。

このパスワードを取得するには、次の手順を実行します。

  1. 次の内容の.pyファイル(たとえばodsm.pyなど)を作成します。

    import sys,getopt
    from oracle.security.jps.mas.mgmt.jmx.credstore import PortableCredential
    connect(sys.argv[1], sys.argv[2], sys.argv[3])
    domainRuntime()
    params= ["ODSMMap", "ODSMKey.Wallet"]
    sign=["java.lang.String", "java.lang.String"]
    on=ObjectName("com.oracle.jps:type=JpsCredentialStore")
    cred = None
    cred = mbs.invoke(on, "getPortableCredential", params, sign)
    if cred != None:
       credObject = PortableCredential.from(cred)
       print credObject
       print "ODSM Java Key Store Password: " + String.valueOf(credObject.getPassword())
    
  2. 次のコマンドを実行します。

    $MW_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh odsm.py <wls_admin_user> 
    <wls_admin_password> t3://<adminserver_host>:<adminserver_port>

    次に例を示します。

    $MW_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh odsm.py weblogic welcome1 
    t3://myadminserver:7001

    このスクリプトを実行すると、DomainMBeanをルートとする読取り専用ツリーであるdomainRuntimeツリーに出力場所が変更されます。


    注意:

    ヘルプを表示するには、コマンド行で「help(domainRuntime)」と入力します。

    [Name : ODSM, Description : ODSM Key store password, expiry Date : null]
    ODSM Java Key Store Password: XXXXXXXXXX
    

関連項目:

詳細は、次の公開資料を参照してください。
  • Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド

  • Oracle Fusion Middleware MBeans Java API Reference for Oracle Platform Security Services


O.3 odsm.cer Javaキーストアの内容のリスト

JKSパスワードを取得したら、keytoolを使用してJKSを管理できます。

odsm.cerの内容を表示するには、次のようにkeytoolコマンドを使用します。

cd directory_where_odsm.cer_resides
JAVA_HOME/bin/keytool -list -keystore odsm.cer \
   -storepass password_obtained_from_CSF 

次に例を示します。

$ cd DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/AdminServer/applications/odsm/conf
$ JAVA_HOME/bin/keytool -list -keystore odsm.cer -storepass "&M)S86)/RB" -v


Keystore type: JKS
Keystore provider: SUN

Your keystore contains 2 entries

Alias name: serverselfsigned
Creation date: Dec 26, 2008
Entry type: PrivateKeyEntry
Certificate chain length: 1
Certificate[1]:
Owner: CN=OVD, OU=Development, O=Oracle, L=Redwood Shores, ST=California, C=US
Issuer: CN=OVD, OU=Development, O=Oracle, L=Redwood Shores, ST=California, C=US
Serial number: 495586b6
Valid from: Fri Dec 26 17:36:54 PST 2008 until: Wed Jun 24 18:36:54 PDT 2009
Certificate fingerprints:
         MD5:  6C:11:16:F3:88:8D:18:67:35:1E:16:5B:3E:03:8A:93
         SHA1: F4:91:39:AE:8B:AC:46:B8:5D:CB:D9:A4:65:BE:D2:75:08:17:DF:D0
         Signature algorithm name: SHA1withRSA         Version: 3


*******************************************
*******************************************

Alias name: cn=rootca, o=oracle, c=us (0)
Creation date: Dec 31, 2008
Entry type: trustedCertEntry

Owner: CN=RootCA, O=Oracle, C=US
Issuer: CN=RootCA, O=Oracle, C=US
Serial number: 0
Valid from: Tue Dec 30 02:33:11 PST 2008 until: Mon Jan 24 02:33:11 PST 2050
Certificate fingerprints:
         MD5:  72:31:7B:24:C9:72:E3:90:37:38:68:40:79:D1:0B:4B
         SHA1: D2:17:84:1E:19:23:02:05:61:42:A9:F4:16:C8:93:84:E8:20:02:FF
         Signature algorithm name: MD5withRSA
         Version: 1


*******************************************
*******************************************

O.4 期限が切れた証明書の削除

証明書の期限が切れたときに、その証明書をJDKから自動的に削除するメカニズムはありません。管理者は証明書の期限が切れるタイミングを判別し、それを削除する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

O.4.1 証明書の有効期限の確認

第O.3項「odsm.cer Javaキーストアの内容のリスト」で説明するとおり、keytoolを使用してodsm.cerのすべての証明書をリストします。このリストには、各証明書の有効な日付が含まれています。たとえば、次の証明書はSat Oct 31 09:41:23 PDT 2008まで有効です。

Alias name: cn=ovd, ou=development, o=MyCompany, l=redwood shores, 
st=california, c=us (1241455283) 
Creation date: May 5, 2008 
Entry type: trustedCertEntry
 
Owner: CN=OVD, OU=Development, O=MyCompany, L=Redwood Shores, ST=California, C=US 
Issuer: CN=OVD, OU=Development, O=Oracle, L=Redwood Shores, ST=California, C=US 
Serial number: 49ff1ab3 
Valid from: Mon May 04 09:41:23 PDT 2008 until: Sat Oct 31 09:41:23 PDT 2008 
Certificate fingerprints: 
MD5: 93:0E:41:5E:95:88:71:BD:8A:49:ED:A9:29:3B:0A:1E 
SHA1: 84:C6:75:60:D9:BE:7B:CA:D6:8B:B5:4B:97:E4:20:39:44:82:FE:93 
Signature algorithm name: SHA1withRSA 
Version: 3 

証明書の有効期間が終了したら、次の項で説明しているように、keytoolを使用して削除します。

O.4.2 証明書の削除

odsm.cerの証明書を削除するには、次のようにkeytoolを使用します。

cd directory_where_odsm.cer_is_present
JAVA_HOME/bin/keytool -delete -keystore odsm.cer 
-storepass password_obtained_from_CSF -alias "cn=rootca, o=oracle, c=us (0)"

次に例を示します。

$> JAVA_HOME/bin/keytool -delete -keystore odsm.cer \
   -storepass  "&M)S86)/RB"  -alias "cn=rootca, o=oracle, c=us (0)"
[Storing odsm.cer]