Oracle Traffic Directorに作成するネットワーク・トポロジは、Oracle Traffic Directorを使用してリクエストをバランシングするバック・エンド・アプリケーション数などのビジネス要件、セキュリティなどのIT要件、および使用するOracle Traffic Directorの機能によって、異なります。
最も単純な実装は、専用の計算ノードで単一のOracle Traffic Directorインスタンスを実行し、バック・エンドのサーバー・プールにクライアント・リクエストを分散する方法です。
Oracle Traffic Directorインスタンスが実行されるノードがトポロジの単一の障害ポイントにならないように、アクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・ペアを形成する異なるノードで、2つの同種のOracle Traffic Directorインスタンスを実行できます。
図1-1は、アクティブ-パッシブ・モードで高可用性を実現した利用例である代表的なOracle Traffic Directorネットワーク・トポロジを示しています。
図1-1 Oracle Traffic Directorネットワーク・トポロジ: アクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・モード
図1-1に示されたトポロジは、2つのOracle Traffic Directorインスタンス(otd_1
およびotd_2
)で構成され、アクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・グループを形成し、クライアント・リクエストに対し単一の仮想IPアドレスを提供します。アクティブなインスタンス(この例ではotd_1
など)がリクエストを受信すると、リクエストの送信先のサーバー・プールを特定し、そのサーバー・プールに定義されたロード分散メソッドに基づいてプール内のいずれかのサーバーにリクエストを転送します。
図1-1では、バック・エンドに2つのサーバー・プールのみが示されていますが、複数のプール内のサーバーにリクエストをルーティングするようにOracle Traffic Directorを構成できます。
ここで説明したアクティブ-パッシブ設定では、フェイルオーバー・グループ内の1つのノードが、どの時点でも冗長となります。リソースの使用率を向上するには、アクティブ-アクティブ・モードの2つのOracle Traffic Directorインスタンスを2つの仮想IPアドレスを使用して構成できます。各インスタンスは1つの仮想IPアドレスで受信したリクエストに応じ、もう1つのインスタンスをバックアップします。
フェイルオーバー・グループでのOracle Traffic Directorインスタンスの構成の詳細は、14.2項「フェイルオーバー・グループの作成と管理」を参照してください。