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Oracle® Traffic Director管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.9)
B66436-05
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15.5 DNSキャッシュ設定のチューニング

DNSキャッシュを利用すると、Oracle Traffic Directorがクライアント・ホスト名をIPアドレスに解決するために実行する必要があるDNS参照の回数が削減されます。Oracle Traffic Directorでは、DNSキャッシュはデフォルトで有効化されており、IPアドレスとDNS名のマッピングが格納されています。DNSキャッシュ内の各エントリは、単一IPアドレスまたはDNS名参照を表します。DNSキャッシュは、DNS参照が有効化されており、Oracle Traffic Directorによって、DNS参照を必要とする操作(クライアントのIPアドレスおよびホスト名のアクセス・ログへの記録など)が実行される場合にのみ使用されます。

DNSキャッシュ・ヒット率を高くするには、Oracle Traffic Directorに同時にアクセスする可能性のあるクライアントの最大数に対して、キャッシュのサイズを、IPアドレスとDNS名のマッピングを十分に格納できる大きさにする必要があります。DNSキャッシュに許可されている最大エントリ数およびキャッシュ失効時間をチューニングできます。キャッシュ・サイズを大きくしすぎると、メモリーが無駄に消費される可能性があることに注意してください。

この項には次のトピックが含まれます:

15.5.1 DNSキャッシュ設定およびメトリックの表示

DNSキャッシュ設定の表示

構成の現在のDNSキャッシュ設定を表示するには、次の例に示すようにget-dns-cache-propコマンドを実行します。

tadm> get-dnscache-prop --config=soa
enabled=true
max-entries=1024
max-age=120

DNSキャッシュ・メトリックの表示

プレーンテキストperfdumpレポートで、現在のDNSキャッシュ使用量およびヒット率を、次の例に示すように表示できます。

DNSCacheInfo:
------------------
enabled             yes
CacheEntries        0/1024
HitRatio            0/0 ( 0.00%)

Async DNS disabled
  • 最初の行は、DNSキャッシュが有効化されているかどうかを示します。

  • CacheEntriesは、DNSキャッシュに現在存在するエントリ数、および許可されている最大エントリ数を示します。

  • HitRatioは、DNSキャッシュ参照回数と比較したキャッシュ・ヒット数です。

  • 最後の行は、非同期DNS参照が有効化されているかどうかを示します。

    Oracle Traffic Director独自の非同期リゾルバ、またはオペレーティング・システムの同期リゾルバのいずれかを使用して、DNS参照を実行するようにOracle Traffic Directorを構成できます。オペレーティング・システムのリゾルバを使用して実行するDNS参照の方が速度は速くなります。

15.5.2 DNSキャッシュ設定の構成

管理コンソールまたはCLIのいずれかを使用して、構成のDNSキャッシュ設定を構成できます。

管理コンソールを使用したDNSキャッシュ設定の構成

管理コンソールを使用してDNSキャッシュ設定を構成するには、次の操作を行います。

  1. 2.3.2項「管理コンソールへのアクセス」の説明に従って、管理コンソールにログインします。

  2. ページの左上隅にある「構成」ボタンをクリックします。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  3. 変更する構成を選択します。

  4. ナビゲーション・ペインで、「詳細設定」を選択します。

    「詳細設定」ページが表示されます。

  5. ページの「DNS」セクションに移動します。

  6. 変更するパラメータを指定します。

    画面上のヘルプおよびプロンプトがすべてのパラメータに提供されています。

    フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、ページの右上隅にある「保存」ボタンが有効になります。

    「リセット」ボタンをクリックすることで、いつでも変更を破棄できます。

  7. 必要な変更を行った後、「保存」をクリックします。

    • 更新された構成が保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。

    • さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。4.3項「構成のデプロイ」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることも、さらに変更を行いその後でデプロイすることもできます。

CLIを使用したDNSキャッシュ設定の構成

構成のDNSキャッシュ設定を変更するには、set-dns-cache-propコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドでは、DNSキャッシュに許可された最大エントリ数が2048に変更されます。

tadm> set-dns-cache-prop --config=soa max-entries=2048
OTD-70201 Command 'set-dns-cache-prop' ran successfully.

更新された構成を有効にするには、deploy-configコマンドを使用して、構成をOracle Traffic Directorインスタンスにデプロイする必要があります。

この項で説明されたCLIコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンス』を参照するか、--helpオプションを付けてコマンドを実行してください。