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Oracle® Traffic Director管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.9)
B66436-05
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11.5 PKCS#11トークンの管理

PKCS#11トークンは、公開鍵暗号化標準(PKCS) 11に準拠した、デジタル証明書およびキーを格納できるセキュリティ・データベースへのソフトウェアまたはハードウェア・インタフェースです。Oracle Traffic Directorには、組込みネットワーク・セキュリティ・サービス(NSS)証明書データベースへのインタフェースを提供するinternalという名前のトークンが含まれます。他のPKCS#11準拠のデータベースが管理サーバー・ホスト上で使用可能な場合、Oracle Traffic Directorは、自動的にこれらを認識し、ハードウェア・アクセラレータおよびスマート・カードなどの物理デバイスを介して実装されるトークンも含め対応するトークンを公開します。


注意:

この項の情報は、SSL、証明書、暗号および鍵の概念を熟知している読者を対象としています。これらの概念の基本的な情報については、11.2.7項「SSL/TLSの概念」を参照してください。

Oracle Traffic Directorに対するPKCS#11トークンの初期化を有効化および無効化でき、トークンのPINを有効化できます。

管理コンソールまたはCLIのいずれかを使用して、PKCS#11を構成できます。


注意:

この項のCLIの例はシェル・モード(tadm>)で示されています。CLIシェルの起動の詳細は、2.3.1項「コマンドライン・インタフェースへのアクセス」を参照してください。

管理コンソールを使用したPKCS#11設定の構成

管理コンソールを使用してPKCS#11トークンを構成するには、次の操作を行います。

  1. 2.3.2項「管理コンソールへのアクセス」の説明に従って、管理コンソールにログインします。

  2. ページの左上隅にある「構成」ボタンをクリックします。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  3. トークンを構成する構成を選択します。

  4. ナビゲーション・ペインで、「SSL」を選択します。

    「SSL設定」ページが表示されます。「暗号トークン」セクションには、PKCS#11トークンに関連するパラメータが含まれます。

    • PKCS#11トークンの初期化を有効化するには、「PKCS#11トークン」チェック・ボックスを選択します。

    • Oracle Traffic Directorで、SSL/TLSプロセス中のPKCS#11層の処理を省略するには、「PKCS#11バイパスの許可」チェック・ボックスを選択します。PKCS#11層を省略するとパフォーマンスが向上します。

    • トークンを有効化または無効化したり、トークンのPINを設定または変更したりするには、トークンの名前をクリックします。

      「トークンの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。

      • トークンを有効化するには、「トークンの状態」チェック・ボックスを選択します。

      • トークンのPINを有効化するには、「トークンPINの設定」チェック・ボックスを選択します。

        新しいPINを入力し、確認します。

      • トークンのPINを変更するには、「トークンPINの編集」チェック・ボックスを選択します。

        現在のPINを入力し、続いて新しいPINを入力して、確認します。

      • トークンのPINを無効化するには、「トークンPINの編集」チェック・ボックスを選択します。

        現在のPINを入力し、「PINの設定解除」チェック・ボックスを選択します。


    注意:

    • 「PINの保存」を選択した場合、トークンのPINは構成ファイルに保存されます。構成のインスタンスを起動する際、トークンのPINを入力するプロンプトはユーザーに表示されません。

    • トークンのPINを設定または変更し、構成ファイル内に保存しないことを選択して、サーバーの再起動を選択した場合、サーバーを停止し、再度起動する必要があります。restart-admin CLIコマンド、または管理コンソールを使用して、サーバーを再起動することはできません。


    フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、「保存」ボタンが有効になります。

  5. 必要な変更を行った後、「保存」をクリックします。

    • 更新された構成が保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。

    • さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。4.3項「構成のデプロイ」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることも、さらに変更を行いその後でデプロイすることもできます。

CLIを使用したPKCS#11設定の構成

更新された構成を有効にするには、deploy-configコマンドを使用して、構成をOracle Traffic Directorインスタンスにデプロイする必要があります。

この項で説明されたCLIコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンス』を参照するか、--helpオプションを付けてコマンドを実行してください。

管理コンソール・セッションでのトークンPINのキャッシュ

構成内でトークンのPINが有効化されている場合、いかなる目的でも(たとえば、インストール済の証明書を表示する、または証明書をインストールするなど)トークンによって示されている証明書データベースにアクセスする場合は、トークンを選択し、トークンのPINを入力するためのプロンプトが表示されます。管理コンソールを使用して証明書を管理している場合、トークンのPINを1度指定し、セッションが続いている間(つまり、ログアウトするかセッションがタイムアウトになるまで)キャッシュすることで、PINを繰返し入力する必要がなくなります。

管理コンソールのセッションで、トークンのPINをキャッシュするには、次の操作を行います。

  1. 2.3.2項「管理コンソールへのアクセス」の説明に従って、管理コンソールにログインします。

  2. ページの左上隅にある「構成」ボタンをクリックします。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  3. トークンのPINをキャッシュする構成を選択します。

  4. ナビゲーション・ペインで、「SSL」を展開し、「サーバー証明書」または「認証局」を選択します。

  5. 「トークンPINのキャッシュ」をクリックします。

    「トークンPINのキャッシュ」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. トークンのPINを入力します。

  7. 「OK」をクリックします。

    「コンソール・メッセージ」ペインに、そのセッションでトークンのPINがキャッシュされたことを確認するメッセージが表示されます。