構成の作成時、仮想サーバーは、構成と同じ名前で自動的に作成され、構成の作成時に指定されたHTTPリスナーに関連付けられます。仮想サーバーに対してデフォルトのルーティング・ルールも作成され、関連付けられたHTTPリスナーで受信したすべてのリクエストが、構成の作成時に指定されたオリジン・サーバーに分散されます。
管理コンソールまたはCLIのいずれかを使用して、構成に追加の仮想サーバーを作成できます。
注意:
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始める前に
仮想サーバーの作成を開始する前に、次の項目を決定します。
仮想サーバーの一意の名前。仮想サーバーを作成した後名前は変更できないため、名前は慎重に選択してください。
1つ以上の一意のリスニング・ポート。リスナーの作成の詳細は、第10章「リスナーの管理」を参照してください。
仮想サーバーがリクエストを処理するために必要なホストまたはホスト・パターンの名前。
リクエストを受信すると、Oracle Traffic Directorは、リクエストのHost
ヘッダーを、構成内の各仮想サーバーに定義されたホスト・パターンと比較して、リクエストを処理する仮想サーバーを決定します。
リクエストは、リクエスト内のHost
ヘッダーと一致するホスト・パターンを持つ最初の仮想サーバーにルーティングされます。
リクエストのHost
ヘッダーが、各仮想サーバーに定義されているホスト・パターンのいずれとも一致しない、またはリクエストにHost
ヘッダーが含まれていない場合、リクエストは、リクエストの受信に使用されたHTTPリスナーに関連付けられたデフォルトの仮想サーバーにルーティングされます。
注意: 「厳密なSNIホスト一致」がHTTPリスナーに対して有効化されていて、そのリスナーに対し、仮想サーバーの少なくとも1つに証明書がある場合、次の条件のいずれかが真であれば、Oracle Traffic Directorにより403-Forbidden エラーがクライアントに返されます。
詳細は、11.2.6項「厳密なSNIホスト一致について」を参照してください。 |
仮想サーバーがリクエストを転送するオリジン・サーバー・プールの名前。オリジン・サーバー・プールの作成の詳細は、第6章「オリジン・サーバー・プールの管理」を参照してください。
管理コンソールを使用した仮想サーバーの作成
管理コンソールを使用して仮想サーバーを作成するには、次の操作を行います。
2.3.2項「管理コンソールへのアクセス」の説明に従って、管理コンソールにログインします。
ページの左上隅にある「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
仮想サーバーを作成する構成を選択します。
「共通のタスク」ペインで、「新規仮想サーバー」をクリックします。
新規仮想サーバー・ウィザードが開始されます。
画面上のプロンプトに従い、前に決定済の詳細(リスナー、オリジン・サーバー・プールなど)を使用して、仮想サーバーの作成を完了します。
仮想サーバーが作成された後、新規仮想サーバー・ウィザードの「結果」画面に仮想サーバーの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。
結果画面で、「閉じる」をクリックします。
作成した仮想サーバーの詳細は、「仮想サーバー」ページに表示されます。
さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。4.3項「構成のデプロイ」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることも、さらに変更を行いその後でデプロイすることもできます。
CLIを使用した仮想サーバーの作成
仮想サーバーを作成するには、create-virtual-server
コマンドを実行します。
たとえば、次のコマンドでは、構成soa.example.com
に対してリスナーhl1
に関連付けられたvs_soa
という名前の仮想サーバーが作成され、オリジン・サーバー・プールsoa-pool
にクライアントのリクエストを転送する仮想サーバーが構成されます。
tadm> create-virtual-server --config=soa.example.com --http-listener-name=hl1 --origin-server-pool=soa-pool vs_soa
OTD-70201 Command 'create-virtual-server' ran successfully.
更新された構成を有効にするには、deploy-config
コマンドを使用して、構成をOracle Traffic Directorインスタンスにデプロイする必要があります。
create-virtual-server
の詳細は、『Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンス』を参照するか、--help
オプションを付けてコマンドを実行してください。