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Oracle® Traffic Directorリリース・ノート
11g リリース1 (11.1.1.9)
E47899-04
 

 

Oracle® Traffic Director

リリース・ノート

11gリリース1 (11.1.1.9)

E47899-04(原本部品番号:E21039-05)

2016年12月

このドキュメントでは、Oracle Traffic Director 11.1.1.9の新機能と既知の問題についての情報を説明します。

1 このリリースでの新機能

Oracle Traffic Director 11.1.1.9の新機能は次のとおりです。詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Traffic Directorにより、管理者はバックエンド・アプリケーション・メンテナンスをより効率的に処理できるようになりました。管理者は、オリジン・サーバー・プールのすべてのサーバーがオフラインの場合にオリジン・サーバー・プールのカスタム・レスポンス・コードとHTMLページを構成できるようになりました。この機能とトラフィックをアプリケーション・サーバーに排出する機能を組み合せれば、管理者はアプリケーション・メンテナンス・ウィンドウを最小化して処理できるようになります。

    詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』のカスタム・メンテナンス・ページの構成に関する項を参照してください。

  • Oracle Traffic Directorは、最新のSSLプロトコル、TLS 1.1およびTLS 1.2をサポートするようになりました。

  • Oracle Traffic Directorは、顧客が独自のヘルス・チェック・プログラム/スクリプトを作成して特定のオリジン・サーバーのヘルスを監視する、汎用ヘルス・チェック・フックアップ・メカニズムをサポートするようになりました。外部実行可能ファイルは、Oracle Traffic DirectorがTCPロード・バランシングを実行しているときにオリジン・サーバーのプロトコルレベル・ヘルス・チェック・モニターに特に役立ちます。

  • Oracle Traffic Directorは、Solarisゾーン/コンテナ内に構成でき、Solaris上でIP over InfiniBand (IPoIB)に高可用性を提供できるようになりました。Oracle Traffic Directorをグローバル・ゾーンにインストールしてSolarisの高可用性を提供する必要があるという制限はなくなりました。

    この機能では、アップデートSRU3以降を含むSolaris 11.2上にOracle Traffic Director 11.1.1.9をデプロイする必要があります。

  • Oracle Traffic Directorは、オリジン・サーバーのステータスを監視し、ユーザー・インタフェースにオリジン・サーバー・ページのステータスを表示します。Oracle Traffic Directorは、使用可能で有効になっている場合に動的に検出されたオリジン・サーバーのステータスも表示できます。

  • Oracle Traffic Directorは、オリジン・サーバー・プールと外部HTTP (転送)プロキシ・サーバーの関連付けをオプションでサポートするようになったため、このプール内のすべてのオリジン・サーバーはこの外部プロキシ・サーバーを介してアクセスできます。この機能は、目的のオリジン・サーバーへのアクセスが企業プロキシ・サーバーを通じて制限される環境をサポートします。

  • Oracle Traffic Directorは、標準の正規表現構文ルール(sed正規表現構文に準拠)を適用することでHTTPリクエスト/レスポンス・ヘッダーおよびエンティティ・データをリライトできるようになりました。この機能を実現するにはOracle Traffic Directorロード・バランサ構成ファイルを手動で編集する必要があります。

    詳細は、『Oracle Traffic Director構成ファイル・リファレンス』のobj.confの事前定義済サーバー・アプリケーション関数およびフィルタに関する項を参照してください。

2 解決済の問題

このリリースで修正された問題のリストは、My Oracle Supportカスタマ・サポート・ポータルのMy Oracle Support (MOS)ノート1988308.1を参照してください。また、次の解決済の問題にも注意してください。

2.1 Oracle Traffic Directorサービスの問題

管理者は、オペレーティング・システムが起動または再起動された直後にロード・バランサ・サービスが使用可能になるようにOracle Traffic Director 11.1.1.xを「サービス」として構成できます。ただし、デフォルトでは、Linuxオペレーティング・システムは「サービス」として開始されたプロセスに非常に少ない数(デフォルトは1024)のファイル・ディスクリプタ・リソースを割り当てます。この制限は、Traffic Directorが許容されるパフォーマンスを提供する能力に重大な影響を与えました。

Oracle Traffic Director 11.1.1.9は、サービスの初期化時により多くのファイル・ディスクリプタ・リソースを自身に割り当てて多数の同時ユーザーを処理できるようにすることで、この問題に対処します。

2.2 クライアントIP永続性をサポートするための新しいIPハッシュ・ロード・バランシング・ポリシーの導入

Oracleでは、同じクライアントIPからの受信リクエストが同じコンテンツ作成サーバーに到達する必要がある場合に、このロード・バランシング・ポリシーを利用することをお薦めします。このロード・バランシング・ポリシーは、TCPロード・バランシングのコンテキストで特に役立ちます。

2.3 Oracle Linux 5のインストールに必要なパッケージ数の削減

Oracle Traffic Director 11.1.1.9では、Oracle Linux 5でOracle Traffic Directorをインストールするために必要なパッケージ数が削減されています。パッケージのリストは、『Oracle Traffic Directorインストレーション・ガイド』を参照してください。

3 既知の問題

この項には、Oracle Traffic Director 11.1.1.9の既知の問題および考えられる回避策に関する情報が記載されています。

3.1 サポートされる最小JDKバージョン、JAVA_HOME環境変数

Oracle Traffic Directorリリース11.1.1.9では、サポートされる最小のJDKバージョンとしてJDK 7 u60が必要です。Oracle Traffic Director 11.1.1.6には、自己管理の目的でJDK6がバンドルされています。現在、Oracle Traffic Director 11.1.1.9にはJDK 7がバンドルされています。

次のように、JDKのインストール・ステータスを確認してください。

  • Oracle Traffic Director 11.1.1.6/7のインストール時に独自のJDKを使用しなかった場合は、Oracle Traffic Director 11.1.1.9へのアップグレード時にJDKバージョンを考慮する必要はありません。

  • Oracle Traffic Director 11.1.1.6/.7のインストール時に独自のJDKを使用した場合は、Oracle Traffic Director 11.1.1.9へのアップグレード時にJDKバージョン7アップデート60以上をJDKバージョンとして提供する必要があります。

JAVA_HOME変数も正しく設定する必要があります。環境でJAVA_HOMEがJDK 6に設定されている場合、Oracle Traffic Director CLIコマンドを実行すると、次のエラーが表示されることがあります。

 $ORACLE_HOME/bin/tadm configure-server --user=user1 --instance-home=$INSTANCE_HOME/instance1  --server-user=root
 
Exception in thread "main" java.lang.UnsupportedClassVersionError: com/sun/web/admin/cli/shelladapter/WSadminShell : Unsupported major.minor version 51.0
        at java.lang.ClassLoader.defineClass1(Native Method)
        at java.lang.ClassLoader.defineClassCond(ClassLoader.java:631)
        at java.lang.ClassLoader.defineClass(ClassLoader.java:615)
        at java.security.SecureClassLoader.defineClass(SecureClassLoader.java:141)
        at java.net.URLClassLoader.defineClass(URLClassLoader.java:283)
        at java.net.URLClassLoader.access$000(URLClassLoader.java:58)
        at java.net.URLClassLoader$1.run(URLClassLoader.java:197)
        at java.security.AccessController.doPrivileged(Native Method)
        at java.net.URLClassLoader.findClass(URLClassLoader.java:190)
        at java.lang.ClassLoader.loadClass(ClassLoader.java:306)
        at sun.misc.Launcher$AppClassLoader.loadClass(Launcher.java:301)
        at java.lang.ClassLoader.loadClass(ClassLoader.java:247)
Could not find the main class: com.sun.web.admin.cli.shelladapter.WSadminShell.  Program will exit.

回避策: 環境でJAVA_HOMEを削除します。

3.2 Oracle Enterprise Linuxサポートの制限事項

Oracle Traffic Directorリリース11.1.1.9では、Oracle Linux (OEL) 5.xおよび6.x (64ビット)がサポートされます。

3.3 /tmpディレクトリとtmpwatchのクリーンアップでの問題

Oracle Traffic Directorでは、/tmpディレクトリを使用して内部ランタイム・ファイルを保持します。これらのランタイム・ファイルは、主として静的であり、ディスク領域をあまり消費しません。tmpwatchなどのツールを使用して/tmpディレクトリをクリーンアップする場合は、このツールがOracle Traffic Directorの管理機能に影響することがあります。

Oracle Traffic Director 11.1.1.9は、内部ランタイム・ファイルの格納を優先するようになりました。

  • /var/run/otd内(ルートとして構成した場合)

  • /tmpを利用する前に<instance-root>/net-<config>/logs内(該当する場合)

  • 次のコマンドを実行することで、管理サーバーまたは管理ノードの作成時に別の場所(ローカル・ディレクトリが望ましい)をtmpディレクトリとして構成できます。

    set-config-prop --user=.. --config=.. ... --temp-path
    

また、tmpwatchなどのツールを構成して、次のような/etc/cron.daily/tmpwatchスクリプト内でコマンドを実行することでOracle Traffic Directorファイルを除外することもできます。

tmpwatch -X '/tmp/admin-server-*' -X '/tmp/net-*'

3.4 アップグレード後のOracle Traffic Director起動時のエラー

Oracle Traffic Directorを11.1.1.9.0にアップグレードした後、Oracle Traffic Directorインスタンスを起動するときに、次のエラーが表示されます。

Oracle Traffic Director 11.1.1.9.0 B01/19/2015 12:34
[ERROR:32] [OTD-10251] Error running Init function load-modules: dlopen of
/scratch/oamdemo/IDM/BASEDIR/OTD_WG/webgate/iplanet/lib/webgate.so failed
(/scratch/oamdemo/IDM/BASEDIR/OTD_WG/webgate/iplanet/lib/webgate.so:
undefined symbol: nzos_GetSessionMasterSecret)
[ERROR:32] server initialization failed

回避策: libnnz11.soファイルを$OTD_WG_HOME/webgate/iplanet/libフォルダから$OTD_WG_HOME/libフォルダにコピーします。

4 set-http-listener-propの新しいプロパティのサポート

set-http-listener-propで、set-max-requests-per-connectionプロパティがサポートされるようになりました。Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンス・ガイドのset-http-listener-propを参照してください。

5 非推奨に関する注意点

次のログ関連の実行可能ファイルが非推奨になります。

  • binlog: バイナリおよびフォーマットされていないログ・データを保存するためのツール(パス: <install_root>/bin/binlog)

  • flexanlg: サーバー・ログ・データを分析して、サーバー統計を生成するためのツール(パス: <install_root>/bin/flexanlg)

6 ドキュメントの訂正箇所

tadmのコマンドget-admin-propのオンライン・ヘルプにinstall-rootがプロパティの1つとして表示されます。しかし、このプロパティはサポートされていません。

7 ドキュメントのアクセシビリティについて

Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc)を参照してください。

Oracle Supportへのアクセス

サポートを購入したオラクル社のお客様は、My Oracle Supportを介して電子的なサポートにアクセスできます。詳細情報は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info)か、聴覚に障害のあるお客様は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs)を参照してください。


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