Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 10.3.6の紹介 11gリリース1 (10.3.6) B61000-06 |
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この章では、Oracle WebLogic Server 10.3.6機能の概要を示し、それらを使用してエンタープライズ対応ソリューションを作成する方法を説明するとともに、システム管理と管理コンソールの概要を示します。
この章の内容は次のとおりです。
次の項では、Oracle WebLogic Serverの機能の概要と、その機能を利用して企業向けソリューションを作成する方法について説明します。
Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルなエンタープライズ対応のJavaプラットフォームであり、Enterprise Edition(Java EE)のアプリケーション・サーバーです。WebLogic Serverのインフラストラクチャでは、様々な種類の分散アプリケーションのデプロイメントがサポートされています。サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づいてアプリケーションを構築するには理想的な基盤です。SOAは、アプリケーション・サービスを最大限再利用することを目的とした設計方法論です。http://www.oracle.com/technetwork/middleware/soasuite/overview/index.html
を参照してください。
WebLogic ServerにはJava EE 5.0仕様が完全に実装され、標準のAPI群が用意されています。標準のAPIを使用すると、データベース、メッセージング・サービス、外部エンタープライズ・システムへの接続などの幅広いサービスにアクセス可能な分散Javaアプリケーションを作成できます。エンドユーザー・クライアントは、Webブラウザ・クライアントまたはJavaクライアントを使用してこうしたアプリケーションにアクセスします。また、Java EEモデルに対する代替手段を提供するJavaアプリケーションのプログラミング・モデルである、Spring Frameworkもサポートします。「プログラミング・モデル」を参照してください。
Java EEを実装してWebLogic Serverを使用すると、企業のミッション・クリティカルなアプリケーションを堅牢かつセキュアで、可用性が高く、スケーラブルな環境にデプロイできます。WebLogic Serverインスタンスのクラスタを構成して負荷を分散したり、ハード・ウェアや他の原因による失敗が発生した場合に余裕をもって対応したりするための機能が備わっています。新しく導入された診断ツールでは、システム管理者によるデプロイ済みアプリケーションおよびWebLogic Server環境自体のモニターおよびパフォーマンス・チューニングが可能です。また、人の手を煩わせず自動的にアプリケーションのスループットをモニターおよびチューニングするように構成することもできます。サービスへのアクセスは豊富なセキュリティ機能によって保護され、企業データをセキュアに保つことで悪意のある攻撃を防止できます。
WebLogic Serverでは、Java EE 5.0仕様(http://java.sun.com/javaee/5/docs/api/
)を完全にサポートしています。詳細については、次のWebLogic Serverのプログラミング・ガイドを参照してください。
Webアプリケーションでは、サーブレットおよびJava ServerPages (JSP)のJava EE標準に基づいて動的なWebページをデプロイメントするための基本的なJava EEメカニズムが提供されます。Webアプリケーションは、HTMLページ、イメージ・ファイルなどの静的なWebコンテンツの提供にも使用されます。
Webサービスでは、ネットワーク上の他のシステムで利用でき、分散型Webベース・アプリケーションのコンポーネントとしても使える、一連の共有機能が提供されます。
XMLには、データ交換、コンテンツを表示とは無関係に格納する手段、などの機能があります。
Java Messaging Service (JMS)を使用すると、メッセージを交換してアプリケーション同士で通信できます。メッセージとは、異なるアプリケーション間の通信を調整するために必要な情報が含まれている、リクエスト、レポート、およびイベントです。
Java Database Connectivity (JDBC)では、DBMSリソースへのプール機能付きアクセスが提供されます。
リソース・アダプタでは、レガシー・エンタープライズ・システムおよび他の外部エンタープライズ・システムへの接続機能が提供されます。
Enterprise JavaBeans (EJB)では、データおよびビジネス・ロジックをカプセル化するためのJavaオブジェクトが提供されます。
Remote Method Invocation (RMI)は、アプリケーションでリモート・オブジェクト上のメソッドをローカルに呼び出せるようにする、分散オブジェクト・コンピューティングのJava標準です。
セキュリティAPIを使用すると、お使いのJava EEアプリケーションに認証と認可の機能を統合できます。セキュリティ・プロバイダAPIを使用して、独自のカスタム・セキュリティ・プロバイダを作成することもできます。
WebLogic Tuxedo Connectivity (WTC)では、WebLogic ServerアプリケーションとTuxedoサービス間の相互運用性が提供されます。WTCを使用すると、WebLogic ServerクライアントからTuxedoサービスを呼び出したり、サービス・リクエストにレスポンスするためにTuxedoクライアントからEJBを呼び出したりできます。
「WebLogic Serverアプリケーション開発の概要」では、開発者用ツールおよびWebLogic Serverアプリケーションのコーディングのベスト・プラクティスを提供します。
追加のプログラミング・トピックについては、「Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発」トピック・ページを参照してください。
さらに、WebLogic Serverは、Javaプラットフォーム用のオープン・ソース・アプリケーション・フレームワークであるSpring Frameworkを使用して開発したアプリケーションをサポートします。Oracle WebLogic ServerでのSpringサポートでは、Springアプリケーションを開発およびデプロイするときに使用されるSpringおよびWebLogic Serverサポートの概要を提供します。また、WebLogic ServerのためにSpringアプリケーションを書き込む方法の例を提供します。http://www.springsource.org/
上でSpringSourceも参照してください。
以下のWebLogic Serverの機能とツールにより、高可用性を備えたスケーラブルなアプリケーションのデプロイメントがサポートされています。
WebLogic Serverクラスタでは、作業負荷を複数のWebLogic Serverインスタンスに分散することにより、アプリケーションにスケーラビリティと信頼性が提供されます。着信リクエストを、処理される作業量に基づいて、クラスタ内のWebLogic Serverインスタンスに転送できます。ハードウェアなどの障害が発生した場合は、障害発生ノードの処理の再開が可能な他のクラスタ・ノードがこのセッション状態を使用できます。さらに、クラスタを実装すると、サービスをホストするマシンが1台だけの場合にも、失敗発生時にはそのサービスを別のノードに移行できます。
HTTPセッション状態については、クラスタ内のサーバー群に渡るレプリケートに加えて、複数のクラスタに渡るレプリケートも可能なため、複数の地理的領域、電力供給網、インターネット・サービス・プロバイダに渡る可用性とフォールト・トレランスが拡張されています。
ワーク・マネージャでは、定義したルールに基づいて、さらには実際の実行時パフォーマンスの統計をモニターすることによって、作業の優先順位を決められます。こうした情報は、後にアプリケーションのパフォーマンスを最適化するためにも使用されます。ワーク・マネージャはWebLogic Serverドメイン全体に対して適用することも、特定のアプリケーションやコンポーネントに適用することもできます。
過負荷保護機能では、過負荷状態の検出、回避、およびその状態からの回復ができます。
ネットワーク・チャネルでは、ネットワークのトラフィックをその種類に基づいて複数のチャネルに分割することにより、ネットワーク・リソースの効率的な利用を簡単にできるようにします。
WebLogic Server永続ストアは、永続性を必要とするWebLogic Serverのサブシステムおよびサービスに対する、組込み型の高性能なストレージ・ソリューションです。たとえば、永続JMSメッセージを格納したり、ストア・アンド・フォワード機能を使用して、メッセージを一時的に格納してから送信したりできます。永続ストアは、ファイル・ベースのストアまたはJDBC対応データベースの永続性をサポートします。
ストア・アンド・フォワード・サービスを使用すると、複数のWebLogic Serverインスタンスに分散されているアプリケーション間でメッセージを確実に配信できます。ネットワークの問題やシステム障害が原因で、メッセージの送信時に宛先が使用不能になっている場合、メッセージはローカルのサーバー・インスタンスに保存されて、リモートの送り先が使用可能になった時点で転送されます。
企業向け開発ツールを使用すると、開発フェーズから本番環境へのアプリケーションのデプロイメントと移行を簡単に行えます。
本番再デプロイメントを行うと、古いバージョンのエンタープライズ・アプリケーションで処理中の状態にある作業を中断せずに、新しいバージョンのアプリケーションをデプロイできます。
WebLogic Server環境のシステム管理には、WebLogic Serverドメインの作成、アプリケーションのデプロイ、開発環境から本番環境へのドメインの移行、WebLogic Serverドメインのパフォーマンスのモニターと構成、問題の診断とトラブルシューティングなどの様々なタスクがあります。WebLogic Server環境のシステム管理には、WebLogic Serverドメインの作成、アプリケーションのデプロイ、開発環境から本番環境へのドメインの移行、WebLogic Serverドメインのパフォーマンスのモニターと構成、問題の診断とトラブルシューティングなどの様々なタスクがあります。WebLogic Serverには、これらのタスクに役立つシステム管理者用のツールが多数用意されています。ブラウザ・ベースの管理コンソール、WebLogic Scripting Tool (WLST)、JythonをベースとしたWebLogicシステム管理タスク自動化用のスクリプト言語、SNMP、構成ウィザード、コマンド・ライン・ユーティリティなどです。「管理タスクに応じた適切な技術の選択」および「システム管理ツールおよびAPIの概要」を参照してください。
WebLogic Serverの管理システムはJava EEおよびその他の標準に基づいているため、他のエンタープライズ・ソフトウェアおよびハードウェア・コンポーネントの管理に使用されるツールとスムーズに統合できます。さらに、WebLogic ServerにはJava EE Java Management Extension (JMX)仕様が実装されていて、WebLogic Server管理システムへのプログラム的なアクセスが可能です。このAPIを使用すると、独自の管理ユーティリティを作成したり、Javaクラスを使用してよく使うタスクを自動化したりできます。
WebLogic診断フレームワークはモニターおよび診断を行うサービスです。このサービスを使用すると、実行中のサーバーおよびそのサーバーにデプロイされているアプリケーションで生成された診断データの作成、収集、分析、アーカイブ、およびその診断データへのアクセスが可能になります。この診断データによってWebLogic Serverインスタンスとデプロイされているアプリケーションの実行時のパフォーマンスを把握できます。また、フォルトおよびパフォーマンス・ボトルネックを特定したり診断したりすることも可能です。
WebLogic Serverのセキュリティ・アーキテクチャでは、アプリケーションをWeb上で利用可能にする際のセキュリティ上の問題を扱うために設計された、包括的で柔軟性に富んだセキュリティ・インフラストラクチャが提供されています。WebLogicセキュリティは、WebLogic Serverアプリケーションを保護するためにスタンドアロンで使用することも、最高レベルのセキュリティ管理ソリューションを表す企業全体のセキュリティ管理システムの一部として使用することもできます。「WebLogicセキュリティ・サービスの概要」を参照してください。
Oracle JRockit JVMは、Intelアーキテクチャ用に最適化され、Javaアプリケーションの信頼性、スケーラビリティ、管理容易性、および柔軟性を確かなものにするために開発された、高パフォーマンスのJVMです。Oracle JRockit JVMを使用すると、32ビットまたは64ビット・アーキテクチャでのWindowsまたはLinuxオペレーティング・システム・プラットフォームにおいて、Javaアプリケーションを最適なパフォーマンスで実行できます。Oracle JRockit JVMはお使いのWebLogic Serverと共にインストールされています。「Oracle JRockit JVM」を参照してください。
WebLogic Serverでは、ブラウザ・ベースのWebアプリケーション・クライアントに加えて様々な種類のクライアントがサポートされており、多機能なGUIアプリケーションを作成することも、簡単なコマンド・ライン・ユーティリティを作成することもできます。こうしたクライアントの種類には、RMI-IIOP、T3、Java SEクライアント、Java EEシン・クライアント、CORBA/IDLクライアント、BEA Tuxedoと通信するC++クライアントなどがあります。『Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントのプログラミング』を参照してください。
以前のバージョンのWebLogic Serverに実装されているアプリケーションを現在のWebLogic Serverの環境に移行する際に役立つツールおよびドキュメントが提供されています。『Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』を参照してください。
WebLogic Serverは、統合されたOracle WebLogic Suite Javaインフラストラクチャ内にコア・アプリケーション・サーバー・ランタイムを提供します。WebLogic Suiteは、以下のサーバー側コンポーネントで構成されています。
Oracle WebLogic Server
Oracle TopLink
この統合インフラストラクチャでは、アプリケーション・パフォーマンスとアプリケーションの可用性の向上ができます。また、これによって、アプリケーション・サービス品質が高まり、予測可能で信頼性のあるアプリケーション・スケーラビリティを実現できます。WebLogic Suiteでは、Oracle JDeveloperとEclipse用のOracle Enterpriseパックに基づいた生産的な高い開発ツール、およびOracle Enterprise Managerで大規模な管理と操作ができる完全な統合管理が含まれています。これらをもとに、WebLogic Suiteの開発、ランタイムと管理機能は、ミッション・クリティカル・エンタープライズのアプリケーションを実行するための基礎を提供します。
WebLogic Serverには、お使いのアプリケーションと様々なシステムを統合するためのツールが豊富に用意されています。こうしたツールには、Webサービス、リソース・アダプタ、JMS .NETクライアント、メッセージング・ブリッジ、RMIなどがあります。
WebLogic Serverをインストールすると、Apache、Microsoft、およびSun MicrosystemsのWebサーバーとWebLogic Serverを連携するためのプラグインも提供されます。通常は、これらのWebサーバーで静的なHTMLコンテンツを処理しながら、JSPなどの動的なWebコンテンツのリクエストをWebLogic Server環境に転送します。『Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使用』を参照してください。
WebLogic Serverをインストールすると、Java EE APIおよび他のWebLogic Serverの機能を示すサンプル・コードも提供されます。これらのサンプル・コードを利用しながら作業するには、WebLogic Serverをインストールする際にカスタム・インストール・オプションを選択し、WebLogic Serverのサンプルのインストールを選択します。サンプル・コードにアクセスするには、Windowsの「スタート」メニューにある「WebLogic Examples Server」を使用してWebLogic Serverサンプル・ドメインを起動するか、WL_HOME
/samples/domains/wl_server (
WL_HOMEはWebLogic Serverのインストール先ディレクトリ)にあるスクリプト
startWebLogicEx.cmdまたはstartWebLogicEx.sh
を起動します。サンプル・コードが利用可能な状態になれば、追加サンプルをダウンロードすることもできます。
上記のようにサンプル・コードをインストールすると、サンプル・コードと一緒に、Avitek Medical Records (MedRec)という完全なサンプル・アプリケーション(2つのバージョン)もインストールされます。
オリジナルのMedRec(WebLogic Serverの以前のバージョンに含まれていました)は、Java EEコンポーネントのあらゆる局面を簡潔にデモンストレートする、WebLogic Serverのサンプル・アプリケーション・スイートです。MedRecはあらゆるレベルのJava EE開発者に対応する学習用ツールとして設計されたものです。それは、各Java EEコンポーネントの使用方法、およびコンポーネントの対話やクライアント開発のベスト・プラクティスとなるデザイン・パターンを例示します。また、MedRecはWebLogic Server上でアプリケーションを開発するためのベスト・プラクティスを提示します。
MedRecのSpringバージョン(MedRec-Spring)は、Spring Frameworkを使用して再キャストしたMedRecです。WebLogic Server上でSpringアプリケーションを開発する場合は、MedRec-Springサンプル・アプリケーションをレビューしてください。SpringからのWebLogic Serverのエンタープライズ機能の利用方法を説明するために、コアJava EEコンポーネントをそれに対応するSpringに置き換えてMedRecを再構築しました。MedRec-Springでは、オリジナル・バージョンのMedRecの機能がSpringを使用して再実装されています。詳細は、MedRec-Springサンプルを参照してください。
MedRecを起動するには、Windowsの「スタート」メニューから「Medical Records Serverの起動」を選択するか、WL_HOME
/samples/domains/medrec (
WL_HOMEはWebLogic Serverのインストール先ディレクトリ)にあるスクリプト
startWebLogic.cmdまたはstartWebLogic.sh
を実行します。
MedRec-Springを起動するには、Windowsの「スタート」メニューから「Medical Records Server (Springバージョン)の起動」を選択するか、WL_HOME
/samples/domains/medrec-spring (
WL_HOMEはWebLogic Serverのインストール先ディレクトリ)にあるスクリプト
startWebLogic.cmdまたはstartWebLogic.sh
を実行します。
WebLogic Serverのシステム管理には、WebLogic Serverドメインの作成、アプリケーションのデプロイ、開発環境から本番環境へのドメインの移行、実行時システムのパフォーマンスのモニターと管理、問題の診断とトラブルシューティングなどの様々なタスクがあります(WebLogic Serverのドメインは、特定の目的のために設計されたWebLogic Serverサービスの集合です。たとえば、従業員ポータル用に1つのドメインを作成し、顧客へのビジネス・サービス用に別のドメインを作成する、といった使い方ができます。)
WebLogic Serverの管理システムはJava EEおよびその他の標準に基づいているため、他のソフトウェアおよびハードウェア・コンポーネントの管理によく使用されるシステムと統合できます。さらに、WebLogic Serverには独自の標準に基づいた拡張可能のユーティリティも複数用意されています。また、APIを使用してカスタム管理ユーティリティを作成することもできます。
次の項に、お使いの開発環境または本番環境のWebLogic Serverコンポーネントにおけるシステム管理の概要を示します。
Weblogic Serverのインストールについては、『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、Oracle Fusion Middlewareコマンド行ツール、Fusion Middleware Control MBeanブラウザなどのFusion Middleware管理ツールの使用については、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middleware管理ツールの概要に関する項を参照してください。
表2-1に、一般的なシステム管理タスクと関連する技術を示します。
表2-1 適切な管理技術の選択
実行するタスク | 使用する技術 |
---|---|
ドメインの作成 |
構成ウィザードを使用して、ターゲットの環境で使用するドメインを手順に従って作成または拡張します。『構成ウィザードによるドメインの作成』を参照してください。 ドメインの作成を自動化するには、コマンド・ラインから実行するJythonベースのスクリプト・インタフェースであるWebLogic Scripting Toolを使用します。『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWLSTオフラインを使用してドメインの作成に関する項を参照してください。 または、WebLogic Serverのスキーマに準拠するドメイン構成のXMLファイルを作成します。『Oracle WebLogic Serverドメインの構成について』の「ドメイン構成ファイル」を参照してください。 |
開発環境から本番環境へのドメインの移行 |
ドメイン・テンプレート・ビルダーの |
ドメインの構成におけるトラッキングの変更 |
アクティブなドメインに対して構成を変更できる環境では、WebLogic Serverは構成ファイルのバージョン付きのアーカイブを自動的に保持します。『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解の「構成ファイルのアーカイブ」を参照してください。 ドメイン構成の変更を示すリアルタイム通知を受け取るには、構成監査機能を有効にします。『Oracle WebLogic Serverの保護』のWebLogic監査プロバイダの構成に関する項を参照してください。 厳重に管理される本番環境では、実行時ドメインを読取り専用になるように構成します(『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解の「構成の変更の制限」を参照してください)。ステージング環境でテストして承認された変更を組み込む必要がある場合、読取り専用の設定を変更できます。または、ステージング環境を変更してテストしてから、Webサーバーを使用して本番環境からステージング環境にリクエストを再ルーティングできます。 |
Webサーバーへの接続の構成 |
Webサーバー・プラグイン。『Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使用』のWebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインについてに関する項を参照してください。 |
データベースまたは他のシステムへの接続の構成 |
個々のアプリケーション内で、JDBCを使用して独自のデータ・ソースやデータベース接続を定義したり、リソース・アダプタを使用して外部システムに接続したりできます。そうしたアプリケーションをデプロイする際には、WebLogic Serverによってデータ・ソースと接続が作成されます。次を参照してください。
アプリケーション内に独自のデータ・ソースまたは接続を定義していない場合、管理コンソールまたはWebLogic Scripting Toolを使用してリソースを作成できます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプ、または『Oracle WebLogic Scripting Tool』の「WebLogic Scripting Toolの使用方法」を参照してください。 |
サーバー・ライフサイクルの管理 |
ノード・マネージャは管理サーバーおよび管理対象サーバーをリモート・コントロールするユーティリティです。WebLogic Serverとは独立して実行され、管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動と停止ができます。ノード・マネージャの使用は任意ですが、高可用性が要求されるアプリケーションをWebLogic Server環境でホストする場合に使用すると、ライフ・サイクル上のメリットが増大します。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』のノード・マネージャを使用した管理サーバーの制御に関する項を参照してください。 ノード・マネージャを使用せずに管理サーバーまたは管理対象サーバーを起動するには、WebLogic Serverと一緒にインストールされるWebLogic Scripting Toolまたはスクリプトを使用します。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止に関する項を参照してください。 |
アクティブなドメインに対するサービスの変更または追加 |
WebLogic Server管理コンソールに、アクティブなドメインのサービスを変更したり追加したりするためのグラフィカル・ユーザー・インタフェースが提供されています。管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照してください。 コマンド・ライン・インタフェースで作業するには、対話モードでWebLogic Scripting Toolを使用します。『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWebLogic Scripting Toolの使用方法に関する項を参照してください。 |
アプリケーション・サーバーのサービスおよびリソースのモニター |
EJBコンテナ、サーブレット・コンテナ、JDBCデータ・ソースなどのサービスのパフォーマンスは、WebLogic Server管理コンソールからモニターします。 監視データのイベントを管理者に通知、またはJMXまたはJMSを通じて自動システムを統合するには、WebLogic診断フレームワークで監視ルールと通知を構成します。『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』の監視と通知の構成に関する項を参照してください。 ユーザーのオペレーション・センターでSNMPを使用している場合、WebLogic Serverによって定義した実行時イベントに対してSNMP通知を送信できます。『Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』を参照してください。 |
アプリケーションのデプロイ |
WebLogic Server管理コンソールに用意されているWebベースの一連のデプロイメント・アシスタントを使用して、デプロイ手順を実行できます。管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照してください。 アプリケーションのデプロイメント作業を自動化するには、WebLogic Scripting Toolを使用します。WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスの「デプロイメント・コマンド」を参照してください。デプロイメントAPIを使用して、アプリケーションをデプロイするJavaプログラムを記述することもできます。『Oracle WebLogic Serverデプロイメントのプログラミング』を参照してください。 デプロイメント・ユーティリティおよびAPIの詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のデプロイメント・ツールに関する項を参照してください。 |
アクティブなドメインでのアプリケーションの変更 |
デプロイされているアプリケーションの構成を変更するには、テキスト・エディタまたはIDEを使用してデプロイメント記述子を変更します。続いて、アプリケーションを再デプロイするか、デプロイメントAPIを使用して変更後のデプロイメント記述子をアップロードし、そのデプロイメント記述子をアプリケーション・コンテナに再読み込みさせます。 『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』を参照してください。 |
アプリケーション内のアクティビティのモニター |
モニターするデータ・ポイントを決めてから、JMXを通じてそのデータを公開する1つまたは複数のBeanを装備します。『Oracle WebLogic Server JMXによる管理可能なアプリケーションの開発』を参照してください。 または、WebLogic Server診断サービスを使用して実行中のアプリケーションにインストゥルメンテーション・コードを挿入し、そのアプリケーションのメソッドまたはそのアプリケーションと関わるトランザクションをモニターします。この技術は、利用可能なモニター用のメトリックをスキャンしても発見できない問題の原因を見つけるために使用します。アプリケーション内に問題があると判明した場合、JMXを使用してアプリケーションの状態の低下を示す属性を公開することで、その問題の再発を防止できます。『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』を参照してください。 |
アプリケーションのパフォーマンスの最適化とサービス・レベル・アグリーメントの維持 |
ワーク・マネージャにより、アプリケーションにおいてどのように作業に優先順位を付けるかを構成します。ユーザーが定義したルールと実際の実行時パフォーマンスのモニター結果に基づいて、アプリケーションのパフォーマンスが最適化され、サービス・レベル・アグリーメントが維持されます。 『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』のワーク・マネージャを使用したスケジュールされた作業の最適化に関する項を参照してください。 |
管理通信の構成および保護 |
管理ポートを有効にすることにより、ドメイン内で管理トラフィックとアプリケーション・トラフィックを分離できます。本番環境では、この2つのトラフィックを分離すると、同じネットワーク接続上に大量のアプリケーション・トラフィックがある状態で重要な管理操作(サーバーの起動と停止、サーバーの構成の変更、およびアプリケーションのデプロイ)が行われることがなくなります。 管理ポートではSSLを使用した通信のみが受け入れられるため、管理リクエストを保護します。『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』の管理ポートと管理チャネルに関する項を参照してください。 |
ロギングおよびログ・ファイルの表示の構成 |
WebLogic Serverの多くの操作では、そのアクティビティのログが生成されます。各サーバーには、標準のHTTPアクセス・ログの他に、独自のログがあります。これらのログ・ファイルをさまざま方法で構成し、使用して、サーバーやアプリケーションの状態とアクティビティをモニターできます。 WebLogic Serverでは、デフォルトでログ・ファイルへのメッセージのフィルタ処理および記述には標準のJDKロギングAPIが使用されます。『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のWebLogicロギング・サービスについてに関する項を参照してください。 または、ログ・メッセージの配信にJakarta Project Log4j APIを使用するようにWebLogic Serverを構成することもできます。『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』の「Log4jとCommons Logging API」を参照してください。 |
WebLogic Serverには、独自の標準に基づいた拡張可能なユーティリティが複数用意されています。これらのユーティリティを使用してドメインを作成、管理、およびモニターできます。また、WebLogic Serverの管理APIを使用してカスタム管理ユーティリティを作成することもできます。
表2-2に、WebLogic Serverに同梱されているユーティリティを示します。
表2-2 管理ユーティリティ
ユーティリティ | 説明 |
---|---|
管理コンソール |
管理コンソールは、管理サーバーでホストされるWebアプリケーション。アクティブなドメインの管理とモニターに使用します。以下のような管理機能があります。
システム管理者は管理コンソールを使用することにより、JMX APIや基底の管理アーキテクチャについて理解していなくても、WebLogic Serverのすべての管理タスクを簡単に実行できます。管理サーバーでは、属性の変更内容を管理対象のドメインの 次を参照してください。
|
WebLogic Scripting Tool |
WebLogic Scripting Tool (WLST)は、コマンド行から実行するスクリプト・インタフェース。アクティブまたは非アクティブなWebLogic Serverドメインの管理およびモニターに使用します。WLSTスクリプト環境は、Javaのスクリプト・インタプリタであるJythonをベースとしています。WebLogicのスクリプティング機能に加えて、ローカル変数、条件変数、フロー制御文などの一般的なインタプリタ言語機能も使用できます。WebLogicのスクリプト言語は、Jythonの言語構文に従って拡張できます。 『Oracle WebLogic Scripting Tool』を参照してください。 |
構成ウィザード |
構成ウィザードでは、WebLogic Serverドメインの適切なディレクトリ構造、 構成ウィザードは、既存の非アクティブなドメインに対してサービスを追加または削除するためにも使用できます。 構成ウィザードは、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を通じて実行することも、テキスト・ベースのコマンド・ライン環境で実行することもできます。このコマンド・ライン環境をコンソール・モードと呼ぶ。このモードを管理コンソールと混同しないようにします。構成ウィザードでは、ユーザー定義のドメイン構成テンプレートを作成することもできます。 「構成ウィザードによるドメインの作成」を参照してください。 |
構成テンプレート・ビルダー |
構成テンプレート・ビルダーを使用すると、独自のドメイン・テンプレートを簡単に作成できます。たとえば開発プロジェクト全体に標準ドメインを定義および伝達したり、あるいはドメインとそこで実行されるように開発されたアプリケーションを一緒に配布したりすることが可能になります。構成テンプレート・ビルダーで作成したテンプレートは、ターゲット環境向けにカスタマイズされたドメインを作成する土台となるように、構成ウィザードへの入力として使用されます。『ドメイン・テンプレート・ビルダーによるドメイン・テンプレートの作成』を参照してください。 |
Apache Antタスク |
WebLogic Serverに用意されている2つのAntタスクは、開発環境で一般的な構成タスクを実行するのに役立ちます。Antとは、Makeに似たJavaベースの構築ツールです。構成タスクでは、WebLogic Serverインスタンスの起動と停止、WebLogic Serverドメインの作成と構成を行えます。他のWebLogic Antタスクと組み合わせると、カスタム・ドメインでアプリケーションの実証やテストを行うための強力なビルド・スクリプトを作成できます。 『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のAntタスクを使用したWebLogic Serverドメインの構成に関する項を参照してください。 |
SNMPエージェント |
WebLogic Serverには、Simple Network Management Protocol (SNMP)を使用してエンタープライズ全体の管理システムと通信する機能があります。WebLogic Server SNMPエージェントを使用すると、WebLogic Serverの管理をSNMPに準拠した管理システムに統合し、複雑に分散したシステムの様々なソフトウェアとハードウェアのリソースをまとめて表示できます。 『Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』を参照してください。 |
表2-3に、独自の管理ユーティリティの作成に使用できるAPIを示します。
表2-3 管理API
API | 説明 |
---|---|
JMX |
Java Management Extensions (JMX)は、ネットワーク上でリソースをモニターしたり管理したりするためのJava EEソリューション。JMXはSNMPおよび他の管理規格と同様に公開された仕様であり、一般的に用いられるモニター用製品を扱うベンダーの多くでサポートされています。 JMX APIは、管理コンソール、WebLogic Scripting Tool、および他のWebLogic Serverユーティリティで使用されます。 『Oracle WebLogic Server JMXによるカスタム管理ユーティリティの開発』を参照してください。 |
Java EE管理API |
Java EE管理API (JSR-77)により、ソフトウェア開発者は、任意のJava EEアプリケーション・サーバーでJDBC接続プールやデプロイ済みアプリケーションなどのリソースを検出および参照できる単一のJavaプログラムを作成することが可能になります。このAPI群はJava EEの管理仕様の一部。Java EEの管理仕様では、すべてのJava EE Webアプリケーション・サーバーは標準データ・モデルでリソースを記述する必要があります。 『Oracle WebLogic Server Java EE管理APIによるモニタリングと管理』を参照してください。 |
デプロイメントAPI |
WebLogic ServerのデプロイメントAPIは、JSR-88のデプロイメント仕様を実装および拡張するものです。管理コンソール、wldeploy AntタスクなどのWebLogic Serverのすべてのデプロイメント・ツールでは、ドメイン内のアプリケーションの構成、デプロイ、および再デプロイにこのデプロイメントAPIを使用します。デプロイメントAPIを使用して、ユーザー独自のWebLogic Serverデプロイメント・ツールを構築したり、WebLogic Serverの構成およびデプロイメント操作をJSR-88対応の既存のツールと統合したりできます。 『Oracle WebLogic Serverデプロイメントのプログラミング』を参照してください。 |
WebLogic診断サービスAPI |
WebLogic診断サービスには、サーバーの内部を可視性できる高度なモニター機能に加えて診断データへの動的なアクセスと制御もできる、標準化された一連のAPIがあります。このインタフェース群は、サーバーのコード・ベースの整合性を維持しつつ、将来のサード・パーティ製ツールの強化と統合を容易にするために標準化されています。このサービスは、サーバー、サーバーのスタック製品コンポーネントに適しており、主要ユーザーとして業務および管理スタッフを対象としています。 『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』を参照してください。 |
ロギングAPI |
WebLogic Serverでは、デフォルトでログ・ファイルへのメッセージのフィルタ処理および記述には標準のJDKロギングAPIが使用されます。『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のWebLogicロギング・サービスについてに関する項を参照してください。 または、ログ・メッセージの配信にJakarta Project Log4j APIを使用するようにWebLogic Serverを構成することもできます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のLog4jとCommons Logging APIを参照してください。 |
管理コンソールの詳細な使用方法については、管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照するか、管理コンソールページで「ヘルプ」をクリックしてください。
次の項では、管理コンソールについて概説します。
管理コンソールは、WebLogic Serverドメインの管理に使用するWebブラウザ形式のグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。WebLogic Serverドメインは、論理的に関連付けられたWebLogic Serverリソースの集合であり、1つの単位として管理されます。ドメインには1つまたは複数のWebLogic Serverが含まれ、WebLogic Serverクラスタが含まれる場合もあります。クラスタは、アプリケーションのスケーラビリティおよび高可用性を提供するために連携して機能するWebLogic Serverインスタンスのグループです。アプリケーションはドメインの一部としてデプロイされ、管理されます。
各ドメインでは、1つのWebLogic Serverインスタンスが管理サーバーとして構成されます。管理サーバーではWebLogic Serverドメインを一元的に管理できます。ドメイン内の他のすべてのWebLogic Serverインスタンスは、管理対象サーバーと呼ばれます。1つのWebLogic Serverインスタンスしか含まれないドメインでは、そのサーバーが管理サーバーおよび管理対象サーバーとして機能します。管理サーバーでは管理コンソールがホストされます。管理コンソールは、管理サーバーへのネットワーク・アクセスを持ち、サポートされたWebブラウザであればどのブラウザからでもアクセス可能なWebアプリケーションです。管理対象サーバーでは、アプリケーションがホストされます。
管理コンソールを使用すると、以下の操作ができます。
WebLogic Serverインスタンスの構成、起動、停止
WebLogic Serverクラスタの構成
データベース接続(JDBC)、メッセージング(JMS)などのWebLogic Serverサービスの構成
ユーザー、グループ、ロールの管理などのセキュリティ・パラメータの構成
アプリケーションの構成とデプロイ
サーバー・パフォーマンスとアプリケーション・パフォーマンスのモニター
サーバー・ログ・ファイルとドメイン・ログ・ファイルの表示
アプリケーションのデプロイメント記述子の表示
選択した実行時アプリケーションのデプロイメント記述子要素の編集
管理コンソールには、詳細なヘルプ・システムがあります。ヘルプ・システムは次の2つの部分から構成されています。
操作ガイド。管理コンソールを介して実行できるタスクの手順が説明されています。
管理コンソール・リファレンス。管理コンソールで指定できる属性の説明など、管理コンソールの各ページに関する参照情報が示されています。
管理コンソール・オンライン・ヘルプには管理コンソール自体からアクセスすることも、オンラインでhttp://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/apirefs.1111/e13952/core/index.html
にアクセスして参照することもできます。
この項では、管理コンソールの起動について説明します。
管理コンソールを使用するには、使用する環境でサポートされているWebブラウザを使用します。詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
にある「Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations」を参照してください。サポートされているブラウザのリストにないWebブラウザを使用すると、管理コンソールを使用するときに機能やフォーマットの面で問題が生じるおそれがあります。
管理コンソールを起動するには:
管理サーバーを起動します。
サポートされているいずれかのWebブラウザを起動し、次のURLを開きます。
http://hostname:port/console
ここで、hostname
は管理サーバーのDNS名またはIPアドレスで、port
は管理サーバーでリクエストがリスニングされるリスニング・ポート(デフォルトでは7001)です。ドメイン全体の管理ポートを構成している場合は、そのポート番号を使用します。Secure Socket Layer (SSL)を使用するように管理サーバーが構成されている場合は、次のようにhttpの後に
sを付加する必要があります。
https://hostname:port/console
注意: ドメイン全体の管理ポートでは常にSSLを使用します。 |
ログイン・ページが表示されたら、管理サーバーを起動するために使用したユーザー名とパスワードを入力します(このユーザー名とパスワードはインストール・プロセス中に指定したものです)。または、Administrators、Operators、Deployers、Monitorsのいずれかのセキュリティ・グループに属するユーザー名を入力します。これらのグループでは、管理コンソールのシステム管理機能に対して様々なレベルでのアクセスが提供されています。
セキュリティ・システムを使用してユーザーをこうしたグループのいずれかに追加したり削除したりすることで、管理コンソールへのアクセスを制御できます。
注意: ブラウザがHTTPリクエストをプロキシ・サーバーに送信するよう構成してある場合、管理サーバーのHTTPリクエストをプロキシに送信しないように、ブラウザを構成する必要があります。管理サーバーがブラウザと同じマシン上にある場合は、localhostまたは127.0.0.1に送信されるリクエストがプロキシに送信されないようにする必要があります。 |
管理コンソールはデフォルトで有効になっています。無効にした場合には、WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して再び有効にできます。管理サーバーを起動してから、WLSTを起動して以下のコマンドを使用します。
例2-1 WLSTを使用したコンソールの再有効化
connect("username","password") edit() startEdit() cmo.setConsoleEnabled(true) save() activate() The following attribute(s) have been changed on MBeans which require server re-start. MBean Changed : com.bea:Name=mydomain,Type=Domain Attributes changed : ConsoleEnabled Activation completed disconnect() exit()
管理コンソールのユーザー・インタフェースには、以下のパネルがあります。
このパネルには、管理コンソール内のページの移動に使用できるツリー構造が表示されます。「ドメイン構造」ツリーの任意のノードを選択すると、対応するページが表示されます。「ドメイン構造」に表示されている+ (プラス)アイコンをクリックするとノードが展開され、- (マイナス)アイコンをクリックするとノードが折りたたまれます。
ツール・バーの要素 | 説明 |
---|---|
ようこそメッセージ | 管理コンソールにログインしたユーザー名が表示されます。 |
接続先 | 管理コンソールへの接続に使用したIPアドレスとポート。 |
ホーム | 管理コンソールのトップ・ページへのリンク。 |
ログアウト | クリックするとコンソールからログ・アウトします。 |
プリファレンス | 管理コンソールの動作の一部を変更できるページへのリンク。 |
レコード | 一連のWebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドとして構成アクションの記録を開始します。コマンドをWLSTで再実行できる別のファイルに書き込みます。
Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「WLSTスクリプトの記録」を参照してください。 |
ヘルプ | 管理コンソール・オンライン・ヘルプへのリンク。 |
検索 | WebLogic Server構成MBeanを検索するため、MBean名に含まれている文字列を指定するためのテキスト・フィールド。 |
管理コンソールの最上部にあるツール・バーには、次の要素があります。
管理コンソールを使用してWebLogic Serverドメインに変更を加える際の、作業の開始点になるのがチェンジ・センターです。チェンジ・センターを使用すると、ドメイン構成をロックしてから変更を加えることができます。これにより、その編集セッションの間、他のアカウントからは構成を変更できなくなります。「変更管理の機能について」を参照してください。
ドメイン構成ロック機能は、プロダクション・ドメインでは常に有効になっています。開発ドメインでは有効にしたり無効にしたりできます。また、新しい開発ドメインを作成するときは、デフォルトで無効になっています。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「ドメイン構成ロックの有効化と無効化」を参照してください。
本番ドメインの構成を変更するには、次を行う必要があります:
管理コンソール画面の左上部にある「チェンジ・センター」を見つけます。
「ロックして編集」」ボタンをクリックして、ドメインの構成の編集階層をロックします。
コンソールの該当するページで必要な変更を行います。変更を行う各ページで「保存」をクリックします。
変更する項目の変更を完了したら、「チェンジ・センター」で「変更のアクティブ化」をクリックします。
管理コンソールを使用して構成を変更したら、該当するページで「保存」(または「完了」)をクリックします。この操作によって、すぐに変更が有効になるわけではありません。変更は、「チェンジ・センター」の「変更のアクティブ化」をクリックしたときに有効になります。構成の変更は、この時にドメイン内の各サーバーに配信されます。各サーバーに変更が適用可能な場合、その変更内容は有効になります。変更を受け入れないサーバーがあった場合は、ドメイン内のすべてのサーバーからすべての変更がロールバックされます。変更は保留状態になり、その状態の変更を編集して問題を解決するか、元の状態に戻すかのどちらかを選択できます。
「チェンジ・センター」の「すべての変更の取消し」をクリックすると、保留状態の(保存したがまだアクティブ化されていない)変更を一括で元の状態に戻せます。任意の変更を個別に元の状態に戻すには、管理コンソールの該当するページに移動して、属性を以前の値に戻します。
構成ロックを解放するには、以下の手順を行います。
変更を行う前に、「チェンジ・センター」で「構成の解放」をクリックすると、ロックは明示的に解放されます。
変更を保存した後に、「チェンジ・センター」で「変更のアクティブ化」または「すべての変更を取消し」をクリックすると、ロックは暗黙的に解放されます。
管理サーバーを停止しても構成ロックは解放されません。管理サーバーが再び起動したとき、構成ロックは管理サーバーが停止された時点と同じ状態です。また、保留中の変更は保存されます。
ドメイン内の構成の変更を配信するセキュアで予測可能な手段を提供するために、WebLogic Serverでは、大まかにいうとデータベース・トランザクションのような変更管理プロセスが必ず実行されます。ドメインの構成は、ファイル・システム上ではconfig.xml
ファイルが中心となる一連のXML構成ファイルによって表現され、実行時には構成MBeanの階層によって表現されます。ドメインの構成を編集する場合、管理サーバー上の個々の構成MBeanの階層を編集することになります。編集プロセスを開始するには、編集する階層のロックを取得して他のユーザーが変更を行えないようにします。変更を完了したら、その編集階層の変更を保存します。変更をアクティブにしてドメイン内のすべてのサーバー・インスタンスに配信するまで、その変更は有効になりません。変更をアクティブ化すると、各サーバーでその変更を受け入れられるかどうかが判断されます。すべてのサーバーで変更を受け入れられる場合、各サーバーの作業用の構成階層が更新されて変更が完了します。
変更管理の詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解の「構成変更の管理」を参照してください。
管理コンソールで行った変更の一部は、アクティブ化するとすぐに反映されます。それ以外の変更では、変更によって影響を受けるサーバーまたはモジュールを再起動する必要があります。後者の変更は、動的でない変更と呼ばれます。管理コンソールでは、動的でない変更に対して警告のアイコンが示されます。
動的な構成属性への変更は、その変更がアクティブ化されると有効になります。この場合、影響を受けるサーバーまたはシステムの再起動は必要ありません。この種の変更がサーバーおよび実行時階層で有効になるのは、変更がアクティブ化されたときです。動的でない構成属性への変更には、影響を受けるサーバーまたはシステム・リソースの再起動が必要です。変更は再起動の後に有効になります。
動的でない構成設定に変更があった場合、動的な構成設定に対する変更も再起動の後まで有効になりません。つまり、動的な属性と動的でない属性の編集を一度に行った場合、編集内容の一部分だけがアクティブ化されることはありません。
WebLogic Serverの変更管理プロセスは、ドメインまたはサーバーの構成データの変更に対して適用されます。セキュリティまたはアプリケーション・データには適用されません。