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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護
11gリリース1 (10.3.6)
B61617-11
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1 概要とロードマップ

この章では、このガイド『WebLogic Serverの保護』の内容と構成について説明し、WebLogic Server 10.3.6でのセキュリティに関する新機能と変更点を紹介します。

この章の内容は次のとおりです。

ドキュメントのスコープ

このドキュメントでは、セキュリティ・レルム、プロバイダ、IDと信頼、SSL、互換性セキュリティの設定など、WebLogic Serverのセキュリティを構成する方法について説明します。WebLogicのセキュリティに関するその他のドキュメントについては、「関連ドキュメント」を参照してください。

対象読者

このドキュメントは、以下の読者を対象としています。

  • アプリケーション設計者 - セキュリティの目標を設定し、組織の全体的なセキュリティ・アーキテクチャを設計するだけでなく、WebLogic Serverのセキュリティ機能を評価して最適な実装方法を判断する設計者のことです。アプリケーション設計者は、セキュリティ・システムや最先端のセキュリティ技術とツールだけでなく、Javaプログラミング、Javaセキュリティ、およびネットワーク・セキュリティにも精通しています。

  • セキュリティ開発者 - WebLogic Serverに統合されるセキュリティ製品のシステム・アーキテクチャとインフラストラクチャを定義し、WebLogic Serverで使用するカスタム・セキュリティ・プロバイダを開発する開発者のことです。アプリケーション設計者と連携して、セキュリティ・アーキテクチャを確実に設計に従って、セキュリティ・ホールが発生しないように実装します。また、セキュリティが確実に正しく構成されるよう、サーバー管理者とも連携します。セキュリティ開発者は、認証、認可、監査(AAA)、Java Management eXtension (JMX)などのJavaに対する深い知識、およびWebLogic Serverとセキュリティ・プロバイダの機能に対する実践的な知識といったセキュリティ概念をしっかりと理解しています。

  • アプリケーション開発者 - クライアント・アプリケーションの開発、WebアプリケーションおよびEnterprise JavaBeans (EJB)へのセキュリティ機能の付加、および他のエンジニアリング・チーム、品質保証(QA)チーム、データベース・チームとの連携によるセキュリティ機能の実装などを主な業務とするJavaプログラマのことです。アプリケーション開発者は、Java (サーブレット、JSP、JSEEなどのJava EEコンポーネントを含む)とJavaセキュリティについての実用的かつ深い知識を備えています。

  • サーバー管理者 - アプリケーション設計者と密接に連携しながら、サーバーおよびサーバー上で動作するアプリケーションのセキュリティ方式の設計、潜在的なセキュリティ・リスクの特定、およびセキュリティ上の問題を防止する構成の提案を行います。関連する責務として、重要な本番システムの保守、セキュリティ・レルムの構成と管理、サーバー・リソースとアプリケーション・リソースへの認証および認可方式の実装、セキュリティ機能のアップグレード、およびセキュリティ・プロバイダのデータベースの保守などが含まれる場合もあります。サーバー管理者は、Webサービス、WebアプリケーションとEJBのセキュリティ、公開鍵セキュリティ、SSL、SAML (Security Assertion Markup Language)を含むJavaセキュリティ・アーキテクチャに関する深い知識を備えています。

  • アプリケーション管理者 - サーバー管理者と共同でセキュリティ構成や、認証および認可方式を実装および管理したり、定義されたセキュリティ・レルムでデプロイされたアプリケーション・リソースへのアクセスを設定および管理したりします。アプリケーション管理者は、セキュリティの概念やJavaセキュリティ・アーキテクチャの一般的な知識を備えています。また、Java、XML、デプロイメント記述子を理解し、サーバー・ログおよび監査ログでセキュリティ・イベントを特定できます。

このドキュメントの手引き

このドキュメントの構成は次のとおりです。

関連情報

以下のOracle Oracle Fusion Middlewareドキュメントには、WebLogicセキュリティ・サービスに関する情報が記載されています。

  • 『Oracle WebLogic Serverセキュリティの理解』 - WebLogicセキュリティ・サービスの機能の概要で、このサービスのアーキテクチャと働きについて説明します。WebLogicセキュリティを理解するための基礎となるドキュメントです。

  • 『Oracle WebLogic Serverセキュリティ・プロバイダの開発』 - セキュリティ・ベンダーとアプリケーション開発者に対して、WebLogic Serverで使用できるカスタム・セキュリティ・プロバイダを開発するために必要な情報を提供します。

  • 『Oracle WebLogic Server本番環境の保護』 - 本番環境にWebLogic Serverをデプロイする前に考慮する不可欠なセキュリティ手法について説明します。

  • 『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』 - 様々なタイプのWebLogicリソースを紹介し、WebLogic Serverを使用してそれらのリソースを保護するための情報を提供します。このドキュメントでは、URL (Web)リソースとEnterprise JavaBean (EJB)リソースのセキュリティについて重点的に説明します。

  • 『Oracle WebLogic Serverセキュリティのプログラミング』 - Webアプリケーションのセキュリティを開発する方法について説明します。

  • 『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』 - セキュアなWebサービスを開発および構成する方法について説明します。

  • Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプ - Oracle WebLogic Serverの管理コンソールを使用して、様々なセキュリティ構成タスクを実行できます。このオンライン・ヘルプでは、構成手順と構成可能な属性について説明します。

  • 『Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』 - 旧バージョンのWebLogic Serverからこのリリースにアップグレードするために必要な手順などの情報を提供します。また、旧バージョンのWebLogic Serverからこのリリースへのアプリケーションの移行に関する情報も提供します。WebLogic Serverセキュリティのアップグレードの詳細は、『Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』のセキュリティ・プロバイダのアップグレードに関する項を参照してください。

  • Oracle WebLogic Server APIリファレンス - このリリースのWebLogic Serverに付属している、サポート対象のWebLogicセキュリティ・パッケージのリファレンス・ドキュメントです。

セキュリティのサンプルとチュートリアル

「関連情報」に示したドキュメントの他にも、開発者向けに各種のサンプル・コードが提供されています。一部はWebLogic Serverに付属していますが、Oracle Technology Network (OTN)にも様々なサンプルが用意されています。OTNは、http://www.oracle.com/technetwork/indexes/samplecode/index.htmlからアクセスできます。

WebLogic Server配布キットのセキュリティ・サンプル

WebLogic Serverでは、任意でAPIサンプル・コードをWL_HOME\samples\server\examples\src\examples\securityにインストールできます。WL_HOMEはWebLogic Serverのインストール先の最上位ディレクトリを示します。サンプルをインストールするには、WebLogic Serverのインストール時に「カスタム」インストール・オプションを選択して、Serverサンプル・チェック・ボックスが選択されていることを確認します。

サンプル・サーバーを起動して、サンプルに関する情報や、WebLogic Serverの「起動」メニューからサンプルを実行する方法を取得できます。

WebLogicのセキュリティ機能については、次のサンプルを参照してください。

  • Java認証および認可サービス

  • アウトバウンドおよび双方向SSL

ダウンロード可能な他のサンプル

WebLogic Serverのその他のセキュリティ・サンプルは、Oracle Technology Network (OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/indexes/samplecode/index.html)からダウンロードできます。これらのサンプルは、WebLogic Serverの既存のサンプル・ディレクトリ構造に解凍できる.zipファイルで配布されます。

ダウンロード可能なサンプルの構築と実行方法は、インストールされているWebLogic Serverのサンプルと同様です。詳細は、各サンプルのダウンロード・ページを参照してください。

セキュリティに関する新機能と変更点

バンドルされているパッチをインストールすると、WebLogic ServerのJSSEおよびJDK 7に対するFIPS 140-2のサポートが使用可能になります。これはデフォルトでは使用できません。詳細は、付録A「FIPSモードの有効化」を参照してください。

WebLogic Serverのこのリリースに追加された新機能の一覧については、『Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。