プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 10.3.6診断フレームワークの構成と使用
11gリリース1 (10.3.6)
B60994-07
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次

前
 
次
 

1 概要とロードマップ

この章では、このガイド(Oracle WebLogic Server 10.3.6 WebLogic診断フレームワークの構成と使用)の内容と対象読者について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

WebLogic診断フレームワークとは

WebLogic診断フレームワーク(WLDF)とは、WebLogic Serverのプロセス内で実行され標準的なサーバーのライフサイクルに参加する、一連のサービスを定義および実装するモニターおよび診断フレームワークです。WLDFを使用すると、実行中のサーバーおよびそのコンテナ内にデプロイされているアプリケーションによって生成された、診断データを作成、収集、分析、アーカイブし、それらのデータに対するアクセスを行うことができます。。このデータを基に、サーバーおよびアプリケーションの実行時パフォーマンスを把握できます。また、フォルト発生時に、このデータを使用して、フォルトを隔離および診断できます。

WLDFには、以下のようなデータの収集および分析用コンポーネントが含まれています。

  • Oracle JRockitとの統合 - WebLogic ServerがJRockitとともに構成されている場合、WLDFはJRockitフライト記録ファイルで取得したWebLogic Serverに関する診断情報を生成することができます。

  • 診断イメージ・キャプチャ - 障害発生後の分析に使用できる診断スナップショットをサーバーから作成します。診断イメージ・キャプチャには、JRockitフライト・レコーダ・データが含まれていて、それが使用可能である場合、JRockit Mission Controlで表示できます。

  • アーカイバ - サーバー・インスタンスおよびアプリケーションから、データ・イベント、ログ・レコード、およびメトリックをキャプチャし、永続化します。

  • インストゥルメンテーション - WebLogic Serverインスタンスおよびその上で実行されているアプリケーションに診断コードを追加し、コード内の指定された場所で診断アクションを実行します。インストゥルメンテーション・コンポーネントは、システム内のリクエストの流れを追跡できるように、診断コンテキストをリクエストに関連付けるための手段を提供します。WebLogic Server管理コンソールには、アプリケーションにおけるパフォーマンスの問題の識別に役に立つツールとして機能しているWLDFインストゥルメンテーション機能から取得したメソッド・パフォーマンス情報のリアルタイムおよび履歴ビューを表示する「リクエスト・パフォーマンス」ページが含まれています。

  • ハーベスタ - WebLogic Server MBeanやカスタムMBeanなどのランタイムMBeanからメトリックをキャプチャします。メトリックはアーカイブして、履歴データを参照するために後でアクセスできます。

  • 監視および通知 - サーバーおよびアプリケーションの状態をモニターし、監視の中で設定されている条件に基づいて通知を送信する手段を提供します。

  • 監視ダッシュボード - WebLogic Serverおよびホストされたアプリケーションの現在の動作状態と動作状態の履歴をグラフィカルに表示します。WebLogic Server管理コンソールからアクセスされた監視ダッシュボードは、重要性の高いランタイムWebLogic Serverのパフォーマンス・メトリックおよびそれらのメトリックの一定時間での変化を表示するビューに診断データを編成し表示するための一連のツールを提供します

  • ロギング・サービス - サーバー、サブシステムおよびアプリケーション・イベントを監視するためのログを管理します。WebLogic Serverロギング・サービスは、WebLogic診断フレームワークの他の部分とは別個のドキュメントで説明されています。『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』を参照してください。

WLDFは、診断データに対する動的なアクセスと制御を可能にする標準化された一連のアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)、ならびにサーバーに関する可視性をもたらす改良されたモニターを実現します。独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)は、カスタム・モニタリングとWLDFとの統合に使用される診断ツールの開発にこれらのAPIを使用できます。

WLDFにより、標準インタフェースを通じてサーバー・データへの動的なアクセスが可能となり、特定の時点にアクセスされたデータを、サーバーの停止および再起動を行うことなく変更できます。

ドキュメントのスコープと対象読者

このドキュメントでは、WLDFによるモニター・サービスと診断サービスを構成および使用する方法について説明します。

WLDFは、WebLogic Serverインスタンスおよびクラスタを実行する際の問題点や、それらにデプロイされているアプリケーションにおける問題点をモニターし、診断するための機能を提供します。したがって、このドキュメント内の情報は、システム管理者とアプリケーション開発者の双方を対象としています。また、WLDFをサポートおよび拡張するツールを構築するサード・パーティのツール開発者向けの情報も記載しています。

読者は、Webテクノロジ、およびWebLogic Serverがインストールされているオペレーティング・システムとプラットフォームに精通していることが前提となっています。

このドキュメントの手引き

このドキュメントの構成は次のとおりです。

関連ドキュメント

  • 『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』では、WLDFロギング・サービスを使用してサーバー、サブシステムおよびアプリケーション・イベントをモニターする方法を説明します。

  • 管理コンソール・オンライン・ヘルプWebLogic診断フレームワークの構成に関する項では、WebLogic管理コンソールのビジュアル・ツールを使用してWLDFを構成する方法を説明します。

  • WLDFシステム・リソース記述子はweblogic-diagnostics.xsdスキーマに準拠しています。このスキーマは、http://xmlns.oracle.com/weblogic/weblogic-diagnostics/1.0/weblogic-diagnostics.xsdで参照できます。

サンプルとチュートリアル

このドキュメントの他にも、WLDFの構成や使い方を示す様々なサンプルとチュートリアルが用意されています。

Avitek Medical Recordsアプリケーション(MedRec)とチュートリアル

MedRecはWebLogic Serverに付属したエンドツーエンドのサンプルJava EEアプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRecアプリケーションには、患者、医師、および管理者に対して、様々なクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークが用意されています。

MedRecはWebLogic ServerとJava EEの機能を例示し、推奨されるベスト・プラクティスを重要点として示します。MedRecはWebLogic Server配布キットに含まれており、Windowsマシンの「スタート」メニューからアクセスできます。Linuxなどのプラットフォームでは、WL_HOME\samples\domains\medrecディレクトリからMedRecを起動できます。WL_HOMEは、WebLogic Platformの最上位ディレクトリです。

ダウンロード可能なWLDFサンプル

その他のWLDFサンプルは、http://www.oracle.com/technetwork/indexes/samplecode/index.htmlからダウンロードできます。これらのサンプルは、既存WebLogic Serverサンプル・ディレクトリ構成に展開できる.zipファイルとして配布されています。これらのサンプルには、Oracleが認定したもののほかに、開発協力者から提示されたサンプルもあります。

このリリースでの新機能と変更された機能

2つの診断モニターが追加されました。

  • JDBC_After_Reserve_Connection_Internal

  • JDBC_After_Release_Connection_Internal

サーバー・レベルで、WLDFモジュールでこれらの診断モニターを構成できます。JDBC接続の予約時と解放時の可視性が高まります。詳細は、「診断モニター・ライブラリ」を参照してください

このリリースで導入されたWebLogic Serverの総合的な新機能一覧は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。