休暇欠勤の設定と管理タスクについて

このセクションでは、休暇欠勤の導入タスクと継続タスクの概要、共通フィールド、設定と継続の両タスクの手順について説明します。

休暇欠勤の導入および継続タスクの概要

受給者が業務を休んだ期間を追跡管理することは、正確な給与計算の実行には欠かせません。受給者が病気、休暇、その他の理由でいつ休んだのか、その期間に対して給与を支給するかどうかを把握する必要があります。

画像: 休暇欠勤の導入タスクと継続タスク

次のフローチャートは、休暇欠勤の設定と管理タスクの典型的な順序を示しています。

休暇欠勤の導入タスクと継続タスク

フィールドまたはコントロール

定義

休暇欠勤イベント

受給者が同じ理由で休んだ連続する期間。たとえば、受給者が月曜日から水曜日まで病気で休んだ場合、3 日間の休みを指して休暇欠勤イベントといいます。

調整

休暇付与残数に対しての増減。

休暇付与

各タイプの休暇欠勤または各休暇欠勤イベントに対して受給者が取得する権利のある有給休暇数。有給休暇数は、どのような条件で発生するかによって、その数は異なります。たとえば、組織の受給者に 20 日/年の休暇を付与することができます。

休暇付与残数

使われていない休暇付与数。

休暇取得

受給者が実際に取得した休暇数。

ユニット

休暇付与、休暇取得、調整、残数、その他の休暇欠勤に関係する期間を測る基準となる単位。通常、ユニットは時間数または日数を表します。使用する測定基準を選択します。

以下に示すのは、休暇欠勤機能を導入する手順の説明です。

  1. 勤務スケジュールを定義し受給者に割り当てます。

    勤務スケジュールには、受給者が勤務する予定の時間数と曜日が定義されています。この情報は、報告された休暇欠勤が予定勤務時間中に発生したのかをシステムに認識させるのに使用されるので、休暇欠勤プロセスでは重要な役割を持ちます。予定勤務期間中の休暇欠勤でも、組織の休暇欠勤ルールを満たしていれば有給になる場合があります。

  2. 休暇欠勤タイプと理由の定義。

    休暇欠勤タイプでは、疾病、休暇、産前産後休業など、組織で追跡が必要なさまざまな種類の休暇を定義します。休暇欠勤タイプごとに、休暇欠勤をさらに詳しく類別するための休暇欠勤理由を複数設定できます。たとえば、疾病という休暇欠勤タイプの理由に、風邪、インフルエンザ、ストレスなどを定義できます。

  3. 休暇付与エレメントの定義。

    休暇付与エレメントでは、さまざまな休暇欠勤タイプについて組織が受給者に対し有給休暇をどれだけ付与するかを定義します。また、休暇付与期間、計算周期、休暇付与残数への自動調整も指定します。たとえば、受給者に 15 日/年の有給休暇を付与するように休暇の休暇付与エレメントを設定できます。また、翌年 4 月 1 日までに使用されなかった全ての休暇日数の半分を受給者に補償するように指定することもできます。休暇付与は、休暇欠勤ごとまたは指定する周期ごとに付与することができます。

  4. 休暇取得エレメントの定義。

    休暇取得エレメントは、有給休暇を認めるためのルールを定義します。どのタイプの休暇欠勤が有効で、休暇付与を使用する上でどの条件を満たす必要があるのかを定義します。たとえば、休暇付与を使うには 3 か月の雇用期間が必要であることを休暇取得ルールで条件定義できます。それぞれの休暇取得エレメントに、休暇欠勤タイプを 1 つと、休暇付与エレメントを 1 つ以上関連付けます。こうすることにより、有給/無給のユニット数を計算したり休暇付与残数を自動的に更新したりできます。また、各休暇取得エレメントに 1 つ以上の支給および控除エレメントをリンクできます。

  5. 休暇欠勤エレメントを有資格グループとプロセス リストに追加します。

    休暇付与および休暇取得エレメントを設定した後、支給および控除エレメントを定義した後に行ったのと同じ、次の 2 つのステップを実行します。このステップは、休暇付与が定期的な周期 (月次、年次など) ではなく休暇欠勤ごとに行われるときには適用されません。

    1. 休暇欠勤エレメントを適切なエレメント グループに追加します。このエレメント グループにより、どのエレメントが受給者に割り当てられるのかが決定されます。

    2. 休暇欠勤エレメントを 1 つ以上の休暇欠勤プロセス リストに追加します。プロセス リストは、休暇欠勤処理の際にどのエレメントが、どの順序で変換されるかを定義します。目的に応じて、休暇付与エレメント用と休暇取得エレメント用に、別々にプロセス リストを作成することも、1 つにまとめて作成することもできます。

  6. (オプション) セルフサービス休暇欠勤トランザクションのルールを定義します。

    従業員、管理者、またはその両方がセルフサービス ページを使用して休暇欠勤リクエストを入力できるようにするには、セルフサービス トランザクションのルールを定義します。また、セルフサービス休暇欠勤リクエストの承認ルールを定義することもできます。

    注: PeopleSoft 勤務管理がインストールされている場合は、セルフ サービス休暇欠勤ページの他にもタイムシート ページを使用して、休暇欠勤リクエストの入力やセルフ サービス トランザクションのルール定義を行うことができます。

以下に示すのは、休暇欠勤イベントを管理する手順の説明です。

  1. 休暇欠勤を入力します。

    実際に発生した休暇欠勤をシステムに入力するには、休暇欠勤を識別する休暇取得エレメントを選択し、休暇欠勤の日付を入力します。設定手順の手順 2 で休暇欠勤理由を定義してある場合には、休暇欠勤の理由を入力して休暇欠勤の内容をさらに類別します。休暇取得ルールによっては、入力された休暇欠勤に対し休暇欠勤処理を実行する前に承認を要求することもできます。予測が必要な休暇取得エレメントを使用する場合、オンラインの予測プロセスを実行せずに休暇欠勤を保存しようとすると、警告メッセージが表示されます。

    注: セルフサービス休暇欠勤トランザクションのルールを定義すると、従業員、管理者、またはその両方がセルフサービス ページを使用して休暇欠勤リクエストを入力できます。セルフサービス ページで入力されたリクエストは、承認されると実際の休暇欠勤として扱われます。

  2. 必要に応じて休暇付与を上書きまたは調整し、ポジティブ入力を行います。

    ユーザーは、必要に応じて休暇付与残数に対し、ポジティブ入力による調整を手動で入力したり (休暇付与が休暇欠勤ごとに定義される場合)、各受給者の標準付与ルールを上書きすることができます。

  3. 休暇付与プロセス (GP_PAYE) を実行します。

    休暇付与プロセスでは、休暇付与数が変換され、受給者の休暇付与残数が更新されます。このプロセスを実行する手順は、通常の給与計算を実行する手順に似ています。休暇付与プロセスを開始すると、休暇欠勤カレンダーに関連付けられたプロセス リストが取得され、受給者それぞれについて適切な休暇付与エレメントが変換されます。

  4. 休暇取得プロセス (GP_PAYE) を実行します。

    このプロセスを実行する手順は、通常の給与計算を実行する手順に似ています。休暇付与プロセスと休暇取得プロセスを同時に実行することも、別々に実行することも可能です。(ただし、休暇欠勤エレメントが支給および控除エレメントとは別のカレンダーに関連付けられている必要があります。)

    休暇取得プロセスでは、以下の処理が実行されます。

    1. 休暇欠勤イベントの各日についての詳細データが作成されます。

    2. 日次データに休暇欠勤ルールが適用され、有給/無給ユニット数が算出されます。

    3. 算出されたユニットが、休暇欠勤取得ルールで定義した支給/控除エレメントに関連付けられます。

    4. 給与計算プロセス用のポジティブ入力が作成されます。

    5. 休暇付与残数が更新されます。

  5. 給与計算プロセス (GP_PAYE) を実行します。

    この時点で給与計算 (GP_PAYE) を実行する準備は既に完了しています。給与計算を実行すれば、休暇取得プロセスで作成されたポジティブ入力が支給または控除エレメントに換算されます。