トランザクション承認フローについて

承認プロセスを定義、検証して有効にしたら、承認を求めるためにトランザクションを送信できます。各 PeopleSoft アプリケーションには通常、トランザクション同士を区別する最上位のデータベース レコードが備わっています。これらの最上位レコードを、ヘッダー レコードといいます。トランザクションが承認のために送信されると、承認フレームワークは承認プロセス定義をヘッダー レコードのインスタンス、および行のレコード (行レベルの承認が設定されている場合) と結合し、固有な承認プロセスのインスタンスを作成します。この承認プロセス インスタンスは、承認プロセス定義で設定されたとおりに、承認者間でルーティングされます。

承認では、ヘッダーと行の 2 つのレベルの処理を使用します。ビジネス アナリストは、両方のレベルで承認の流れを決定する承認プロセス定義を設定します。承認プロセスは次の要素から構成されます。

• ステージ

  ステージとは承認プロセスの一部で、並行する複数のパスを含めることができますが、ヘッダーまたは行レコードのレベルが同じである必要があります。ステージは 1 つずつ順番に実行され、前のステージが完了しないと次のステージは開始されません。ステージは、ヘッダーまたは行のどちらのレベルでもかまいません。行レベルでのステージでは、承認者が単一のトランザクションで個々の行アイテムを別々に承認できます。承認フレームワークでは、各ヘッダーと各行は、個別の要素として認識されます。行とはヘッダーの子に当たります。ヘッダー ステージは固有のヘッダーについて処理を行いますが、行ステージは各行について処理を実行します。ステージは 1 つまたは複数のパスから構成されます。

• パス

  パスには一連のステップが含まれます。パスは、ステージ内で並行して実行されます。パスの入力項目の条件によって、与えられたトランザクションまたはトランザクションの行についてパスが実行されるかどうかが決まります。

• ステップ

  ステップは、1 人または複数の承認者またはレビュー担当者を表します。パス内のステップは順番に実行されます。ステップごとの個別の条件によって、そのステップが実行されるかどうかが決まります。また、各ステップには決められたレビュー担当者のグループがあります。レビュー担当者は、承認待ちのトランザクションについて電子メールやワークリスト、またはその両方により通知を受け取ります。ただし、ワークフローはレビュー担当者の評価を待たずに先に進みます。

  承認者には、電子メール、ワークリストまたはその両方を使って、承認待ちのステップについての通知が送られます。必要な承認者は 1 人、全員または固定数のいずれかです。承認者はロール、クエリーおよび固定リストを使用するか、またはカスタムのアプリケーション クラスを用いて指定できます。必要な数の承認者によってステップが承認されると、承認フレームワークは次のステップに進みます。ワークフローに後続のステップがない場合は、次のステージに進みます。

次の図は、承認プロセスで承認を転送するために、ステージ、パスおよびステップがどのように使われるかを示します。

この例には、2 段階のステージがあります。ステージ 1 には、2 つのパスがあります。このパス内の各ステップは順次実行され、必要な数の承認者によってステップが承認されたときに、そのパス内の次のステップに進みます。パスは平行して実行されます。ステージ内の全てのパスが承認されると、ワークフローは次のステージ内の最初のステップに進みます。