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クロス レート、3 通貨参照レート、および相互レートの計算

このセクションでは、EOP_RATECALC アプリケーション エンジン プロセスを実行してクロス レート、3 通貨参照レート、および相互レートを計算する方法を説明します。

ページ名

定義名

用途

クロス/相互レート計算 - パラメータ ページ

RUN_EO9030

ラン コントロール パラメータを設定し、クロス レート、3 通貨参照レート、および相互レートを計算する EOP_RATECALC アプリケーション エンジン プロセスを実行します。

レートを計算し、市場レート テーブルを更新するには、EOP_RATECALC プロセスを実行します。

このプロセスでは、次の 3 つの機能が実行されます。

  • 3 通貨参照を行わない通貨ペアに対し、クロス レートを生成します。

    たとえば、アメリカ ドルに対する全てのレートを提供するレート サービスに組織が登録したとします。システムでは、アメリカ ドルからカナダ ドル、アメリカ ドルからメキシコ ペソのレートを計算した後で、新たにカナダ ドルからメキシコ ペソのクロス レートを計算できます。

  • 3 通貨参照を行う通貨ペアに対し、3 通貨参照のレートを生成します。

    たとえば、ユーロから EPC (ユーロ参加通貨) の固定レートが市場レート テーブルで作成されている状態で、ユーロからアメリカ ドルのレートが新たに入力されたとします。この情報を使用して、プロセスでは、アメリカ ドルから EPC への 3 通貨参照レートを作成できます。3 通貨参照のレートとクロス レートとの差異は、データがどのようにデータベースに格納されるかに影響を及ぼします。クロス レートを計算する際、実際には新しいレートを作成します。3 通貨参照レートを計算する際、ソース レートの各構成要素はターゲットに保存されます。

  • 自動相互参照が行われない通貨ペアに対し、相互レートを生成します。

    たとえば、アメリカ ドルからカナダ ドルのレートをソース レートとして使用すると、プロセスでは、カナダ ドルからアメリカ ドルのレートが自動的に計算されます。通貨建値方法が設定されている場合、表示レートは変わりませんが、データベースへのデータの格納方法が変わります (RATE_MULT と RATE_DIV が逆になる)。通貨建値方法が使用されていない場合、プロセスでは実際に計算されるのは逆算レートです。つまり、表示レートが変わります。

クロス/相互レート計算 - パラメータ ページ (RUN_EO9030) を使用して、ラン コントロール パラメータを設定し、クロス レート、3 通貨参照レート、および相互レートを計算する EOP_RATECALC アプリケーション エンジン プロセスを実行します。

画像: クロス/相互レート計算 - パラメータ ページ

次の例では、"クロス/相互レート計算 - パラメータ" ページのフィールドおよびコントロールを説明します。このページのフィールドおよびコントロールの定義は後で説明します。

クロス/相互レート計算 - パラメータ ページ

オラクル社では、Oracle Business Intelligent Publisher (別名 BI Publisher または BIP) を使用したクロス/相互レート計算 (EO9030) レポートの作成をサポートしています。

重要 この計算プロセスには、クロス/相互レート計算 (EO9030) および 履歴のレートの更新 (EO9031) という 2 つの SQR レポートが含まれます。お使いのシステムでアプリケーション統合アーキテクチャ (AIA) を実装しない場合は、EO9030 の実行を選択します。AIA ユーザーがこのプロセスを介して履歴レートを更新する場合は、EO9031 の実行を選択します。

フィールドまたはコントロール

定義

市場レート インデックス

市場レート インデックスを選択します。PeopleSoft Treasury 以外のアプリケーションでは、為替レート用に選択したインデックスのデフォルト値を使用する必要があります。

期間

この値のデフォルト値は、市場レート定義ページで入力した値です。

換算元共通通貨

相互レートを計算するための通貨コードを選択します。

為替レート タイプ

この計算に使用する為替レート タイプを選択します。

指定日

新規作成した為替レート (プロセスの出力) の発効日を選択します。この日付により、計算基準として使用されるレート (プロセスの入力) も決まります。

レポートは、プロセスの入力として、通貨ペアの最新の通貨建値方法を使用します。この日付が、指定レートに対する現在の発効日である場合は、3 通貨参照にも影響します。たとえば、2004 年 4 月 1 日発効の "アメリカ ドルから EPC (ユーロ参加通貨)" の 3 通貨参照レートが、同じく 2004 年 4 月 1 日発効の "ユーロからアメリカ ドル" レートと、新規加入した EPC が正式にユーロ参加通貨になった日を発効日とする "ユーロから EPC" レートで構成される場合があります。

レポート作成

オンの場合、プロセスによって実行された、クロス レート、3 通貨参照レート、および相互レートの計算を表示するレポートが生成されます。

既存レート上書き

オンの場合、指定日に関係なく、計算されたレートによって為替レート タイプのレートが上書きされます。

相互レート作成

オンの場合、通貨建値方法ページで [自動相互参照] オプションがオフになっている通貨ペアに対し、相互レートが計算されます。

このオプションは単独でオンにすることも、[クロス レート作成] オプションや [3 通貨参照レート] オプションと一緒にオンにすることもできます。

このプロセスでは、為替レートが直接操作されることはありません。システムでは、次の式が成り立つように、分子や分母の値が使用されます。

(換算元通貨 / RATE_DIV) × RATE_MULT = 換算先通貨

たとえば、アメリカ ドルとスイス フランとの間の相互レートを 2:1 の比率で求めているとします。アメリカ ドルからスイス フランへの為替レートが直接値付けされる場合 (選択した直接方式の建値方法またはシステムのデフォルト値を使用)、このレートは RATE_MULT = 2 および RATE_DIV = 1 として格納されます。レートは 1 アメリカ ドル = 2 スイス フランと表され、表示レートは 2 です。

逆に、スイス フランからアメリカ ドルへのレートは間接方式です。逆は簡単な換算で算出でき、レートは RATE_MULT = 1 および RATE_DIV = 2 として格納されます。表示レートは 2 のままです。

建値方法を使用していない場合、スイス フランからアメリカ ドルへのレートは直接方式 (デフォルト設定) で値付けされる必要があり、相互レートは実質的には逆の計算で算出されます。このレートは RATE_MULT = 0.5 および RATE_DIV = 1 として格納され、表示レートは 0.5 です。

このアメリカ ドルとスイス フラン間の例では、建値方法と逆計算を使用することで同じ結果が得られます (1/2 = 0.5)。しかし実際の場面では、為替レートの操作は大がかりな作業であり、それが通貨建値方法を使用する理由の 1 つでもあります。

クロス レート作成

オンの場合、クロス レートが自動的に生成されます。たとえば、アメリカ ドル、カナダ ドル、およびメキシコ ペソについてクロス レートを生成するには、"アメリカ ドルからカナダ ドル = 1.473" および "アメリカ ドルからメキシコ ペソ = 9.8793" と入力します。これにより、"カナダ ドルからメキシコ ペソ = 9.8793/1.473 = 6.7069246" が自動的に生成されます。

クロス レートの生成を選択すると、[換算元通貨] フィールドと [換算先通貨] フィールドが表示され、ここで換算元通貨と換算先通貨を選択する必要があります。片方または両方のフィールドに、全ての通貨を表すワイルドカードの % を入力することもできます。

3 通貨参照レート

オンの場合、2 通貨間の換算が第 3 の通貨によって行われます。

オンの場合、2 通貨間の換算が第 3 の通貨によって行われます。[3 通貨参照レート] をオンにすると、[換算元通貨] フィールドと [換算先通貨] フィールドが表示され、ここで換算元通貨と換算先通貨を選択する必要があります。片方または両方のフィールドに、全ての通貨を表すワイルドカードの % を入力することもできます。

見積方法必須

通貨ペアに対して通貨建値方法が既に定義されている場合にのみ、選択した計算が実行されるようにするには、これをオンにします。