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アプリケーション インテグレーション フレームワーク

アプリケーション インテグレーション フレームワークは、PeopleSoft インテグレーション ブローカー (IB) 機能を拡張し、データの表現、分類、保管、クエリー、パブリッシュ、取得、呼出しの標準的な手段を提供することで、PeopleSoft アプリケーション ビジネス メッセージ (ABM) とその他のアプリケーション間でエレメント名、ストラクチャおよび値をマッピングします。PeopleSoft インテグレーション ブローカーは、他の PeopleSoft システムやサードパーティ システムとのメッセージの送受信を行うためのフレームワークを提供します。システム間でメッセージ構造が異なる場合、変換プログラムを使用して、受信または送信メッセージを PeopleSoft システムが理解できるメッセージ フォーマットに変換します。

情報は同じでも、それを表すデータ値や ID が、インテグレーション対象のアプリケーションごとに異なる可能性があります。たとえば、PeopleSoft アプリケーションの新しい顧客は、[PS1001] などの一意の ID を使用して、新しい行として、顧客データベースに挿入されます。Oracle E-Business Suite アプリケーションと Siebel アプリケーションに同じ情報を移動すると、[EBS1001][SBL1001] のように、それぞれ別の ID で新しい行が挿入されます。アプリケーション インテグレーション フレームワークを使用すると、このデータを変換できます。

アプリケーション インテグレーション アーキテクチャ

アプリケーション インテグレーション アーキテクチャ (AIA) は、Oracle の サービス指向アーキテクチャ (SOA) に従い、共通のアーキテクチャとエンタープライズ ビジネス オブジェクト (EBO) と呼ばれるビジネス オブジェクトの共通の定義に基づき、サードパーティのアプリケーションも含めてアプリケーション間でビジネス プロセスのインテグレーションを行う統合アプローチとして、構築されています。これらのアプリケーションは異なるテクノロジを使用して設計されているため、同じビジネス オブジェクトを表現していても使用する名前やストラクチャが異なります。AIA は、異種システム間で送信されるメッセージを変換し、関係するシステムごとにポイントツーポイント インテグレーションを確立することなく、複数のアプリケーションをインテグレーションできる基盤です。

AIA ミドルウェアを使用して、ビジネス オブジェクトを共通オブジェクトに変換できます。Oracle Fusion Middleware には、AIA と Oracle 製品向けの事前構築済のインテグレーションが含まれています。

Oracle Application Integration Architecture Foundation Pack

AIA プロセス インテグレーション パック (PIP) は、Siebel CRM、Oracle E-Business Suite、Agile PLM、Oracle Communications Billing、Revenue Management など、Oracle アプリケーション間の事前構築済インテグレーションのセットです。これらのインテグレーションは EBO と エンタープライズ ビジネス サービス (EBS) で構成されています。エンタープライズ ビジネス メッセージ (EBM) は操作固有になるように設計されています。

AIA は、PeopleSoft システムとその他のサードパーティ システム間の中間層を提供します。サードパーティの Siebel の顧客が AIA を使用している場合、その顧客のメッセージが PeopleSoft システムに届くと、PeopleSoft アプリケーションから、Siebel の名前と値ではなく、共通の AIA 名と値で認識されます。一方、Siebel 顧客が AIA PIP を購入していない場合、PeopleSoft アプリケーションから認識されるのは Siebel の名前と値になります。

注: PIP は Oracle E-Delivery Web サイトから入手できます。

アプリケーション インテグレーション フレームワークによるインテグレーション

アプリケーション インテグレーション フレームワークは、AIA 対応のインテグレーションを作成する必要があるタスクの支援を目的としています。インテグレーションは、標準の (AIA) EBM と同じセマンティック コンテンツと、ほぼ同じ形式で ABM を作成するたおめ、変換要件が最小限に抑えられています。PeopleSoft アプリケーションが提供する各 AIA 対応インテグレーションには、インテグレーションをできるだけ厳密に EBO にマッピングできるように、サンプル変換が含まれています。この戦略によって、PeopleSoft をお使いの場合は、IB だけでパートナー インテグレーションを確立でき、ミドルウェアによって変換を実行する必要はありません。もちろん、Oracle AIA ミドルウェアを購入することにしたか、既に所有している顧客は、提供されている IB サンプルを使用する代わりに、またはそれらと併用して、EBS の機能を使用して変換を行うことができます。

注: PeopleSoft が提供するインテグレーションは、メッセージを EBM フォーマットに変換し、他の Oracle 製品との直接インテグレーションを実現します。

画像: 送信メッセージの共通値のマッピング

次の図は、PeopleSoft メッセージの共通値への変換を示しています。

送信メッセージの共通値のマッピング

ユース ケースは以下の 2 つのカテゴリに分類されます。

  • 動的クロスリファレンス フレームワークを使用するキー マッピング変換

  • ドメイン値マップ フレームワークを使用する静的値変換

この 2 つのフレームワークは別物だと見なされますが、実際には共通のエレメントがあります。キーの値は自由形式で、通常、拡張されるため、変換前ではなく、変換プロセス中にプログラムを使用して作成されます。静的値変換では、通常、変換プロセス前に全ての値がマップに入力され、値が拡張される頻度は少なくなります。

この 2 つのカテゴリの他に、インテグレーションのユース ケースは、サード パーティが AIA ミドルウェアを使用しているかどうかにも左右されます。

次の表に、AIA ミドルウェアの使用時と未使用時の、変換が実行される状況を示します。

ユース ケース

PeopleSoft インテグレーション ブローカー

AIA ミドルウェア

サード パーティ

AIA ミドルウェアなしのインテグレーション ブローカー変換

送信用に PeopleSoft ABM を EBM に変換

受信用に EBM を PeopleSoft ABM に変換

未使用

受信用に EBM を サードパーティの ABM に変換

送信用にサードパーティの ABM を EBM に変換

インテグレーション ブローカーによるポイントツーポイント変換

送信用に PeopleSoft ABM をサードパーティの ABM に変換

送信用に サードパーティの ABM を PeopleSoft ABM に変換

未使用

変換不要

オプションで、サードパーティは PeopleSoft ABM への送信用変換を実行可能

サードパーティが AIA ミドルウェアを使用するインテグレーション ブローカー変換

送信用に PeopleSoft ABM を EBM に変換

受信用に EBM を PeopleSoft ABM に変換

PeopleSoft アプリケーションから受信用に EBM を サードパーティの ABM に変換

PeopleSoft アプリケーションへの受信用にサードパーティの ABM を EBM に変換

変換の実行なし