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値マップについて

値マップの定義コンポーネントを使用すると、値マップとエレメントを定義および分類できます。各値マップは動的 (クロスリファレンス) または静的 (DVM) のいずれかに定義する必要があります。

値マップは、次のマップのタイプをサポートします。

1 対 1 のクロスリファレンス

クロスリファレンス マップは、2 つのシステム間の 1 対 1 関係をサポートします。たとえば、PeopleSoft システムでは 顧客 A に対して特定の ID を使用し、Enterprise Business Object (EBO) または共通値では GUID を使用し、外部システムでは同じ顧客に対して別の ID を使用します。

このクロスリファレンス マップは、次のように定義されます。

PeopleSoft

UniqueGUID

外部システム

PS

UniqueGUID

EXT

PS100

<guid1>

EXT-100

PS102

<guid2>

EXT-102

このシナリオでは、PeopleSoft アプリケーションが新規顧客を作成し、顧客の作成メッセージを外部システムに送信する際、ルーティング中に、変換プログラムがクロスリファレンス マップを使用したデータ変換を実行します。

1 対 多のクロスリファレンス

クロスリファレンス マップは、2 つのシステム間の 1 対 多 関係をサポートします。あるシステム内の複数の値が、別のシステムの 1 つの値に対応している場合があります。たとえば、PeopleSoft システムに存在する 3 種類の職務コードが、外部システムの 1 つの職務コードに対応している可能性があります。

このクロスリファレンス マップは、次のように定義されます。

PeopleSoft

UniqueGUID

外部システム

PS

UniqueGUID

EXT

AS01

AS02

AS03

<guid1>

<guid2>

<guid3>

ASST

MG01

<guid4>

MNGR

このシナリオでは、PeopleSoft アプリケーションが職務コードを割り当てるか変更し、メッセージを外部システムに送信する際、ルーティング中に、変換プログラムがクロスリファレンス マップを使用したデータ変換を実行します。インテグレーションにおいて、外部システム値を PeopleSoft 値に変換する必要がある場合、検索から返される複数の PeopleSoft の値をどのように処理するかを開発者が定義する必要があります。その方法としては、各値のソース データの複製、デフォルト値を選択するメソッドの実装、およびトランザクションに対するエラーの生成が含まれます。

複数のドメインがあるクロスリファレンス

システムは複合キーを使用して機能を実装することがよくあります。クロスリファレンス フレームワークでは、複数のエレメントによって値セットを特定することで、この処理をサポートします。たとえば、PeopleSoft アプリケーションから外部システムへのアイテムのインテグレーションでは、クロスリファレンス マップを使用して、PeopleSoft システムのセットID/アイテム ID を外部システムの "製品" に変換します。

このクロスリファレンス マップは、次のように定義されます。

PeopleSoft

PeopleSoft

UniqueGUID

外部システム

セットID

アイテム ID

UniqueGUID

製品

SHARE

1001

<guid1>

RP001

SHARE

1002

<guid2>

RP002

SHARE

1003

<guid3>

RP003

SHR03

1000

<guid4>

RP006

このシナリオでは、PeopleSoft アプリケーションがアイテムを作成し、メッセージを外部システムに送信する際、ルーティング中に、変換プログラムがセットID およびアイテム ID を共通エレメント (UniqueGUID) にマッピングします。外部システムは変換されたデータを受け取ります。

1 対 1 の DVM

ドメイン値マップでは、1 対 1 関係には実際のデータ値が含まれます。たとえば、PeopleSoft アプリケーションは州コードに略称を使用し、EBO は正式名を使用して共通値として州コードを定義し、外部アプリケーションは州コードの略称を使用します。

この DVM の定義の例は、次のとおりです。

PeopleSoft

共通

外部システム

略称

正式名

略称

MA

マサチューセッツ

Mass

CA

カリフォルニア

Calif

このシナリオでは、PeopleSoft アプリケーションが外部システムへの州コードを含むアウトバウンド メセージを作成する際、ルーティング中に、変換プログラムが略称を正式名にマッピングします。外部システムでは、正式名から略称への変換が必要になります。外部システム向けの変換は、AIA ミドルウェアまたは外部システム固有の変換によって実行できます。

1 対 多の DVM

ドメイン値マップの場合、1 対多関係は、別のドメインの 1 つの値にマッピングする、あるドメインの複数の値を入力することで作成されます。たとえば、PeopleSoft アプリケーションの複数の個人タイプを、外部アプリケーションの 1 つの個人タイプにマッピングできます。

この DVM の定義の例は、次のとおりです。

PeopleSoft

UniqueGUID

外部システム 2

PS

UniqueGUID

EXT2

PS001

PS002

<guid1>

SB001

PS003

<guid2>

SBL002

このシナリオでは、PeopleSoft アプリケーションが外部システムへの個人タイプを含むアウトバウンド メセージを作成する際、ルーティング中に、変換プログラムがデータ値を変換します。

ドメインごとに複数のエレメントを持つ DVM

DVM では、複数のエレメントをマッピングして、1 つの値セットを定義できます。たとえば、PeopleSoft アプリケーションにあるビジネス ユニット/チャートフィールドの組合せが、外部アプリケーションにある元帳/セグメントの組合せにマッピングされることがあります。

このシナリオでは、PeopleSoft アプリケーションが外部システムへの個人タイプを含むアウトバウンド メセージを作成する際、ルーティング中に、変換プログラムがデータ変換を実行します。

この DVM の定義の例は、次のとおりです。

PeopleSoft

PeopleSoft

UniqueGUID

外部システム 1

 

ビジネス ユニット

チャートフィールド

UniqueGUID

セグメント

元帳

US001

ACCOUNT

<guid1>

SEGMENT1

元帳 1

US001

DEPARTMENT

<guid2>

SEGMENT2

元帳 1

US001

PRODUCT

<guid3>

SEGMENT3

元帳 1

US002

ACCOUNT

<guid4>

SEGMENT1

元帳 2

このシナリオでは、ビジネス ユニット/チャートフィールドを含む外部システムへのアウトバウンド メセージをPeopleSoft アプリケーションで作成する際、複数エレメントのデータ値を 1 つの UniqueGUID に変換する変換プログラムがルーティングに含められます。その後、外部システムは、UniqueGUID を同等の "セグメント/元帳" に変換する必要があります。

複数の識別子を持つ DVM

識別子は、マッピング値を一意に識別するための追加のコンテキストを提供します。追加のコンテキスト情報によって修飾されないと、マッピングは有効にならない場合があります。たとえば、市コードと市町村名のマッピングを含むドメイン値マップでは、市町村名は同じでも国が異なるため、複数のマッピングが定義されている場合があります。たとえば、ケンジントンという都市は、カナダにも U.S. にもあります。

この DVM の定義の例は、次のとおりです。

EXT (識別子 1)

PSFT (識別子 1)

EXT (識別子 2)

PSFT (識別子 2)

共通

EXT

PSFT

都道府県/州

共通

市コード

市区町村名

USA

ミネソタ

BELG_MN

BELG

ベルグレード

USA

ノースカロライナ

BELG_NC

BELG

ベルグレード

USA

カンサス

KN_KS

KN

ケンジントン

カナダ

プリンス エドワード アイランド

KN_PEI

KN

ケンジントン

このシナリオでは、ビジネス ユニット/チャートフィールドを含む外部システムへのアウトバウンド メセージをPeopleSoft アプリケーションで作成する際、市区町村名、国、および州を共通値にマッピングする変換プログラムがルーティングに含められます。